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内臓脂肪とは?健康への影響や皮下脂肪との違い、落とし方を徹底解説

2023年9月1日

ダイエット

「最近おなか周りが気になる……」

「健康診断で内臓脂肪が増えているといわれたけど、どうしたらいいんだろう?」

このように気になっている方も多いのではないでしょうか。

内臓脂肪とは、胃や腸といった内臓の周りに付着した脂肪のことです。

肥満は生活習慣病のリスクを高めますが、内臓脂肪の蓄積も肥満の原因の一つです。

ただし内臓脂肪にはつきやすいと同時に落ちやすいという特徴があり、食生活や運動習慣を見直すことで減らせる脂肪でもあります。

この記事では内臓脂肪が増える原因や、ついてしまった内臓脂肪を落とす方法について解説しているので、ぜひ参考にしてくださいね。

1.内臓脂肪とは

「内臓脂肪が多いといわれたけど、そもそも内臓脂肪ってなんだろう」

内臓脂肪について詳しく知らないという方もいらっしゃるかもしれませんね。

内臓脂肪は体脂肪の一種で、胃や腸などの内臓の周りの膜につく脂肪のことです。

内臓脂肪が過剰につくと「内臓脂肪型肥満」といわれる状態になります。

ウエスト周りの脂肪が増え、おなかがポッコリした特徴のある体型になるため「リンゴ型肥満」とも呼ばれます。

内臓脂肪型肥満は比較的男性に多いのも特徴の一つです。

また見た目には痩せていても実は内臓脂肪が蓄積している場合もあり、これが俗に「隠れ肥満」といわれます。

メモ
体脂肪は内臓脂肪と皮膚のすぐ下にある皮下組織に蓄積する皮下脂肪に分けられます。皮下脂肪は下半身につきやすく、内臓脂肪に比べていったんついてしまうと簡単には落ちにくいのが特徴です。皮下脂肪型肥満は女性に多い傾向にあります。

2.内臓脂肪が蓄積する原因

「健康診断で内臓脂肪が多いと言われたけれど、どうして増えてしまったんだろう」

このように内臓脂肪がなぜつくのか、気になっている方もいらっしゃるのではないでしょうか。

ここでは内臓脂肪が蓄積する主な原因について確認していきましょう。

原因1 過食や脂質、糖質の過剰摂取

内臓脂肪が増える主な原因の一つが食べ過ぎです。

食べ物から摂取するカロリーが運動で消費するカロリーより多いと、余った分のカロリーは脂肪として蓄えられます。 全ての栄養素にカロリーがあるというわけではなく、体のエネルギーとなるのは糖質(炭水化物)、脂質、たんぱく質の3種類の「エネルギー産生栄養素」だけです。

エネルギー産生栄養素は体にとって重要なエネルギー源ですが、その半面、摂取しすぎると肥満の原因になってしまいます。 特に摂り過ぎないように注意が必要なのが脂質と糖質で、過剰に摂取すると体脂肪として体に蓄えられてしまいます。

また脂質の過剰摂取は、中性脂肪の増加やコレステロールなどの血中濃度上昇を招き、放置すると動脈硬化やそれを原因とした脳梗塞、心筋梗塞などの循環器疾患を招きます。

日常的に脂っこいものを好む方は気をつけましょう。

メモ
カロリー(cal)とは本来、食べ物や飲み物がどれだけ体のエネルギーになるかを表す単位です。1calは非常に小さな単位であるため、一般的にはその1,000倍のkcal(キロカロリー)が最小単位として用いられています。
メモ
たんぱく質にはエネルギー源となる他、体の材料となるはたらきがあります。筋肉や臓器、皮膚、毛髪などを構成し、ホルモンや酵素、抗体などの体の機能を調節する成分としてもはたらきます。
メモ
血液中のLDLコレステロール(悪玉コレステロール)、HDLコレステロール(善玉コレステロール)、トリグリセライド(中性脂肪)が基準値から外れた状態を脂質異常症と呼びます。かつては高脂血症と呼ばれていましたが、2007年に名称が変更になりました。

過食や脂質、糖質の過剰摂取

原因2 運動不足

運動不足も内臓脂肪を蓄える一因です。

近所へ出かける際にもつい車やバス、電車に乗るのが習慣になっていてあまり歩く機会がないという方もいらっしゃるでしょう。

さらに、インターネットを利用して自宅で仕事や買い物をすることが増え、体を動かす機会はますます少なくなっています。

摂取カロリーが消費カロリーを上回ると、余った分が脂肪として蓄えられます。

摂取カロリーを減らすだけでなく体を動かすことで消費カロリーを増やすことも重要です。

運動不足

原因3 加齢による基礎代謝量の低下

基礎代謝量の低下は、内臓脂肪がつきやすくなる原因の一つです。 年齢とともに基礎代謝量は低下する傾向にあります。

以前よりも脂肪がつきやすくなったと感じている方もいらっしゃるのではないでしょうか。

基礎代謝量が減ることで全体のエネルギー消費量も下がり、使い切れないエネルギーが脂肪として蓄えられやすくなります

中高年の男性は特におなか周りに内臓脂肪がつきがちだといわれているので注意したいですね。

基礎代謝量とは
心身ともに安静な状態にあっても呼吸や体温調節、内臓を動かすことなどに消費される、生命維持に必要な最低限のエネルギーのことです。総エネルギー消費量の約60%を占めます[1]。

[1] 厚生労働省e-ヘルスネット「身体活動とエネルギー代謝

原因4 睡眠不足

睡眠不足もまた、内臓脂肪を増やす原因の一つです。

十分な睡眠をとることは、自律神経やホルモン分泌の機能を正常に保つ上で非常に重要です。

2日間の寝不足で食欲を抑制するホルモンであるレプチンのはたらきが弱まり、逆に食欲を増進するホルモンのグレリンが優位にはたらくことが明らかにされています[2]。

たった2日間の寝不足でさえ食欲の正常なコントロールを失わせるのですから、睡眠時間の十分な確保は内臓脂肪を増やさないためにも重要なポイントだと考えられますね。

[2] 厚生労働省e-ヘルスネット「睡眠と生活習慣病との深い関係

原因5 アルコールの飲み過ぎ

アルコールも内臓脂肪を増やす要因の一つです。

アルコールは1g当たり7.1kcalですが、アルコールのカロリーは体に比較的蓄えられにくいことから「エンプティーカロリー」と呼ばれています[3]。

しかし、一般的なアルコール飲料にはアルコール以外の糖質やたんぱく質が含まれているため、アルコールに含まれるカロリー以上のカロリーを摂取することになってしまいます

アルコールの飲み過ぎ

また、お酒を飲むとついついおつまみの量が増えたり、揚げ物やラーメンなど高カロリーのものが食べたくなったりして、気付いたら食べ過ぎてしまうということが往々にしてあります。

お酒を飲む習慣のある方は、十分に気を付けたいところですね。

[3] 厚生労働省e-ヘルスネット「アルコールのエネルギー(カロリー)

3.内臓脂肪による健康への影響

「内臓脂肪が増えるとどうなるんだろう?」

おなか周りが出てしまうほかに、健康にとってはどのような影響があるのでしょうか。

結論からお伝えすると、内臓脂肪型肥満は健康上のリスクを大きく高めるといえるでしょう。

特に内臓脂肪型肥満に高血圧や高血糖、脂質代謝異常が組み合わさった「メタボリックシンドローム」は心臓病や脳卒中など命に関わる病気になりやすいので要注意です。 日本人の死因の代表例である心臓病や脳卒中はいずれも動脈硬化が原因となって起こります。

動脈硬化の危険因子には高血圧や高血糖、脂質異常症、肥満などがあり、単独でも動脈硬化を進行させますが、重なればそれだけ動脈硬化を進行させ心臓病や脳卒中の危険性を高めてしまいます。

「内臓脂肪が増えただけならあまり問題はないんじゃないの?」

このように疑問に思う方もいらっしゃるかもしれませんが、肥満のなかでも内臓脂肪型肥満は特に、高血圧や高血糖、脂質異常症などを引き起こしやすいといわれています。

重大な病気を予防し健康な毎日を送るためにも、内臓脂肪を過度に蓄積させないことが重要だといえるでしょう。

メモ
日本ではウエスト周囲径(おへその高さの腹囲)が男性で85cm以上、女性で90cm以上かつ、血圧・血糖・脂質のうち二つ以上が基準値から外れた状態がメタボリックシンドロームと診断されます[4]。

[4] 厚生労働省e-ヘルスネット「メタボリックシンドロームの診断基準

4.内臓脂肪を落とすためのポイント

「内臓脂肪を落とすにはどうしたらいいんだろう?」

そう疑問に思った方も多くいらっしゃるのではないでしょうか。

体脂肪を落とすには、消費エネルギーが摂取エネルギーを上回った状態にする必要があります。

そのためには摂取エネルギーを減らす方法と、消費エネルギーを増やす方法があるといえるでしょう。

ここでは、ついてしまった内臓脂肪を落とすために意識したい具体的なポイントについてご紹介します。

内臓脂肪を落とすためのポイント

ポイント1 過食を避ける

摂取カロリーを減らすためにまず気を付けたいのは、過食を避けるということです。

常におなかいっぱいになるまで食べないと気が済まない、気が付いたら何か口にしているという方は食べ過ぎている可能性があるので要注意です。

「食べ過ぎがよくないのは分かるけど、やめられない」

このように食べる量を減らすのがつらい場合には食べ方を工夫してみましょう。

食べ過ぎを防ぐ効果的な方法の一つが、ゆっくり食べることです。

私たちが食事を始めてから満腹感を感じるまでには20分ほどかかるといわれています[5]。

食べ物をよく噛んでゆっくり味わいながら食べれば、満腹感を感じられ、食べ過ぎを抑えられると考えられるのです。

実は、肥満の方はそうでない方に比べて早食いであるという興味深い調査結果もあります[6]。

歯ごたえのある食材を選ぶなど、咀嚼回数を増やす工夫をすることも効果的です。

[5] 一般社団法人日本肥満症予防協会「肥満を予防するには?

[6] 農林水産省みんなの食育「ゆっくり食べる

ポイント2 脂質や糖質の摂取量を減らす

糖質や脂質の摂り過ぎは肥満を招きます

欧米型の食事が普及するなかで、脂肪摂取の割合は増えているといわれています。

また、ペットボトルのジュースや甘い缶コーヒー、スイーツやスナック菓子などの糖質が習慣となっている方もいらっしゃるのではないでしょうか。

「好きだから」「何でもいいから」と同じものばかり食べていると、栄養バランスが偏ったり、太ったり、健康のためにはよくない結果を招いてしまいます。

肥満予防、解消と健康のために栄養バランスを考えて食事を選ぶようにしましょう。

メモ
炭水化物のうち、体内で消化されてエネルギー源となるものを糖質と呼びます。炭水化物は糖質とヒトの消化酵素では消化できない食物繊維に分けられます。

脂質や糖質の摂取量を減らす

ポイント3 食物繊維を摂取する

内臓脂肪型肥満改善のためには、食物繊維を十分に摂ることも心掛けておきましょう。

食物繊維を多く含む代表的な食品としては、野菜、海藻類、きのこ類、豆類などが挙げられます。

低カロリーのものが多いのも内臓脂肪を減らしたい方にはうれしいポイントですよね。

お椀に入れるだけの乾燥わかめやパックを開けるだけの納豆など、手軽に取り入れられるものもあるので、意識的に毎日の食事に食物繊維を取り入れてみることをおすすめします。

食物繊維を摂取できる食べ物について

ポイント4 有酸素運動を行う

消費カロリーを増やすのに運動が効果的であることは皆さんご存じですよね。

特に「有酸素運動」は脂肪燃焼効果が高いとされています。

有酸素運動とは筋肉を動かすエネルギーとして酸素とともに体内の脂質や糖質が使われる比較的負荷の小さい運動のことです。

代表的な有酸素運動には、ウォーキングや軽めのジョギング、サイクリング、エアロビクスダンス、水泳などが挙げられます。

なかでもウォーキングは手軽ですぐに始められる運動ではないでしょうか。

ウォーキングをしている女性

少し遠くのお店まで歩いて買い物に行ったり、いつもの一駅前で降りて歩いたり、日常生活のなかで少し意識するだけで1日の歩数を増やすことができます。

いつもはエスカレーターを使うところで階段を利用するのも、いい運動になります。

体重があって膝に負担がかかる場合はスイミングや水中ウォーキングがおすすめです。

有酸素運動について詳しく知りたい方

ポイント5 筋トレを行う

筋トレで筋肉量を増やすことも内臓脂肪を気にする方にはおすすめです。

筋肉量が増えると基礎代謝量が増えるのでその分消費カロリーが増え、脂肪がつきにくい体になります。

ジムに行かなくても、自宅でできるスクワットや腹筋運動を習慣にすると効果的ですし、軽めのダンベルやチューブを用意していろいろな運動を組み合わせるのもマンネリ防止になるでしょう。

日常生活に可能な範囲で有酸素運動と無酸素運動を組み合わせ、無理なく楽しく続けることが内臓脂肪を減らす、あるいは蓄積させないための重要なポイントです。

筋トレを行う

5.内臓脂肪について まとめ

内臓脂肪は胃や腸などの内臓の周りの膜につく脂肪のことで、増え過ぎると高血圧、脂質異常、高血糖などを引き起こしやすくなります。

その結果メタボリックシンドロームになると動脈硬化が進行し、心臓病や脳卒中などを生じさせる危険性が高まります

ただし内臓脂肪にはつきやすいと同時に落ちやすいという特徴があります

脂肪を減らすには、摂取カロリーを減らし、消費カロリーを増やすことが基本です。

食べるものや食べ方を少し変えてみる、あるいは運動を取り入れるなど、日々のちょっとした工夫で内臓脂肪を減らせるといえるでしょう。

内臓脂肪をためない生活を意識して、健康な毎日を過ごしましょう。

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