ブルーライトは体に悪い?目や睡眠への悪影響や予防のポイントを解説

2024年07月11日

2024年11月11日

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「ブルーライトが体に悪いって本当?」

「ブルーライトの悪影響を防ぐにはどうしたら良いのかな」

ブルーライトはパソコンやスマホから放たれる光として知られていますが、性質や影響について詳しく知らないという方も多いかもしれませんね。

ブルーライトは、可視光線と呼ばれる目に見える光の一種です。

可視光線のなかでもエネルギーが強いため、健康に悪い影響を与えることがあります。

特に現代はパソコンやスマホなどの普及によって、ブルーライトを浴びる量が多くなりやすいため注意が必要です。

この記事ではブルーライトや体への影響、対策について詳しく解説します。

ぜひ参考にしてくださいね。

1.ブルーライトとは

太陽と青空

「そもそもブルーライトって何だろう?」

と、疑問に思っている方もいらっしゃるかもしれませんね。

ブルーライトは可視光線の一種です。

光は電磁波とも呼ばれ、波長によって目に見えるものと見えないものに分けられます。

このうち目に見える波長の光を「可視光線」といい、一般的にはこの可視光線のことを光と呼びます。

可視光線には約400〜800nm(ナノメートル)の波長があり、ヒトは波長の違いを色として認識しています[1]。

可視光線は最も波長の長い光から赤色、橙色、黄色、緑色、青色、紫色と並びます。

電磁波の種類の波長

このうち波長が380〜500nmである青色の光がブルーライトです[1]。

ブルーライトはスマホやパソコンといったデジタルデバイス、LEDライトの他、太陽光にも含まれています

また空が青いのはブルーライトが拡散して見えるためだといわれています。

なお、可視光線より波長が短い紫外線やX線、波長が長い赤外線や電波は目に見えません。

ブルーライトは目の「網膜」に到達する光のなかで、最も波長が短く強いエネルギーを持つといわれています

光は波長が短くなるほどエネルギーが強く、体への悪影響も大きくなります。

そのため、紫外線などの波長の短い光はさまざまな目の組織によってエネルギーを吸収され、網膜まで到達できないよう調整されています。

しかしブルーライトはエネルギーが吸収されないまま網膜に到達するため、体に影響があるといわれています。

[1] ブルーライト研究会「ブルーライトとは

2.ブルーライトの目や睡眠への悪影響

「ブルーライトを浴びると体にはどんな影響があるんだろう?」

このように気になっている方もいらっしゃるかもしれませんね。

ブルーライトは目の健康や、睡眠に悪影響を及ぼすといわれています。

この章では、ブルーライトによる体への影響について詳しく解説します。

2-1.目への悪影響

両目をこする中年男性

ブルーライトを長時間浴びると、目の疲れや視界のちらつきを招くことが報告されています

私たちの目から入った光などの刺激は、眼球のさまざまな組織の影響を受けながら脳へ伝達されます。

光が角膜や水晶体などを通って網膜に当たると、網膜はそれを電気信号に変え、視神経を通して脳に刺激を伝えます。

これによってヒトは、ものを見ることができるのです。

目の構造

この過程で紫外線などのより強いエネルギーは角膜や水晶体といった組織で吸収され、網膜に到達しないよう調整されています。

しかしブルーライトには、そのまま網膜まで到達する性質があります

このため、目に長く浴びることで網膜が傷つき目の疲れを生じる他、「ドライアイ」などの目の病気を招きやすくなるのです。

またブルーライトの影響により、視界がちらついてまぶしく感じることがあります。

ブルーライトの性質として、空気中に含まれるほこりや水分などの粒子とぶつかりやすいという点が挙げられます。

このためブルーライトが大気中に浮遊しているほこりなどとぶつかることで、光は散乱します。

波長の短い光ほどより強く散乱が起こるため、ブルーライトが目に入ると視界がちらつきやすくなるのです。

注意!
ただしデジタル端末から発されるブルーライトが目に与える影響は曇天や窓越しの太陽光よりも小さいという説もあります。日本眼科医会は小児のブルーライトカット眼鏡装用に対し慎重意見を表明しています。これは太陽光が心身の発育にとって重要なものであり、ブルーライトカットレンズの使用によって得られるメリットより、デメリットの方が大きいと考えられているためです。

日本眼科医会「小児のブルーライトカット眼鏡装用に対する慎重意見」

2-2.睡眠への悪影響

暗い部屋の中にあるノートパソコン

ブルーライトは睡眠に悪影響を及ぼすといわれています。

ブルーライトを浴びると、体内では眠気をもたらす「メラトニン」の分泌が抑制されます

メラトニンとは
主に脳内の松果体という部分で産生されるホルモンのことです。メラトニンの分泌は「体内時計」や外界の光などによって調節されています。

これはヒトの目から入った情報が、網膜を通して脳の「体内時計」へ伝わる仕組みがあるためです。

体内時計とは
地球の自転による昼夜の変化に同調し、約1日の周期で体内環境を積極的に変化させる機能のことです[2]。体内時計によって体温やホルモン分泌などが調整されています。

ブルーライトが目に入ると体内時計が活性化し、メラトニンの分泌量が抑制され覚醒します

メモ
本来、体内時計の周期は地球の自転による周期よりも長いとされています。この周期のずれは、光や食事、運動、仕事といった同調因子によって体内時計が早まることで修正されます。短時間睡眠や夜型生活で、このずれを修正できない状態が続くと体内時計が乱れ、望ましい時刻での入眠や覚醒ができなくなります。

体内時計を早める最も強力な因子は朝の光です。

このため朝起きて太陽光を浴びると体内時計が早まり、睡眠・覚醒リズムが整うといわれています。

一方、夜にブルーライトを浴びると覚醒が促されるだけではなく、体内時計が遅れて睡眠・覚醒リズムが乱れるといわれています。

ご家庭やコンビニエンスストアなどの照明の他、パソコンやスマホの画面から放たれる光にはブルーライトが多く含まれており、夜に浴びると眠れなくなる恐れがあります。

パソコンやスマホを使用する時間が長いと、それだけブルーライトを長時間至近距離で浴びることにつながるため注意が必要です。

睡眠・覚醒リズムを整える上では、夕方以降にできるだけブルーライトを浴びないようにしたり、深夜までのデジタルデバイスの使用を控えたりすることが望ましいといえます。

[2] 厚生労働省 e-ヘルスネット「体内時計

3.ブルーライトによる影響を防ぐためのポイント

「ブルーライトの影響を防ぐにはどうしたら良いんだろう?」

と気になっている方もいらっしゃるでしょう。

現代社会では夜でもコンビニエンスストアを利用することができ、スマホが広く普及していることから、昼夜問わずブルーライトを浴びる生活環境になっているといえます。

ブルーライトによる悪影響を防ぐためには、パソコンやスマホを使う時間を減らしたり、部屋の照明を調節したりすることが重要です。

ブルーライトによる影響を防ぐためのポイント

ポイント1 パソコンやスマホを使う時間を減らす

アナログ時計とスマートフォン

ブルーライトによる悪影響を防ぐには、パソコンやスマホを使う時間を減らすことが重要です。

パソコンやスマホを使う時間が長くなる程、ブルーライトによる影響が大きくなります。

日常生活では、暇つぶしに長時間スマホを見てしまうという方も多いでしょう。

スマホやパソコンなどは、必要なときのみの使用に制限することで節度をもって利用することができます

またデジタルデバイス以外の趣味を見つけることもおすすめです。

料理や運動、塗り絵や楽器など、自分に合った趣味を取り入れてみてくださいね。

ポイント2 PCやスマホを使う際は適宜休憩を挟む

窓辺のデスクに座ったまま背伸びをする女性

PCやスマホを使う際は、小まめに休憩を挟むようにしましょう。

PCやスマホなどの作業のことを「情報機器作業」といい、以前は「VDT作業」ともいわれていました。

VDT作業とは
ディスプレイなどの出力機器とキーボード、マウス、タッチパネルなどの入力機器で構成される情報端末(VDT:Visual Display Terminals)を使用するデータ入力や文書作成、プログラミング、監視といった作業のことです。

近年はテレワークの広がりやスマホの普及により、これらのデバイスを長時間使用しやすい傾向があります。

VDT作業時は、作業時間が1時間以上連続しないよう、適宜休憩を挟むことが重要です[3]。

作業は1時間以内で1サイクルとし、サイクル間に10分から15分はディスプレイから目を離すようにしましょう[3]。

遠くの景色を眺めたり、 目を閉じたりする他、ストレッチをすることで心身をリラックスさせてくださいね。

[3] 厚生労働省「情報機器作業における労働衛生 管理のためのガイドライン

ポイント3 ディスプレイの輝度を調節する

パソコンの前で作業する男性

ブルーライトの影響を防ぐにはディスプレイ画面の輝度を調整するようにしましょう。

輝度とは
ディスプレイ画面などの光源の明るさの度合いのことです。

ディスプレイ画面の輝度を周囲の明るさと同程度に抑えることで、目の疲れを軽減できます

これは瞳孔が明るさに応じて大きさを調節しているためで、ディスプレイ画面と周囲の明るさの差が大きいと目の負担が大きくなってしまうのです。

またディスプレイを注視している際に照明などの光源が視野に入ると、ディスプレイの表示が見えにくかったりまぶしく感じたりして眼が疲れてしまいます。

ディスプレイの輝度を周囲の明るさに合わせるとともに、ディスプレイを置く位置や傾きを工夫しましょう。

ポイント4 部屋の照明を調節する

窓辺にあるノートパソコンとスマートフォン

ブルーライトの影響を防ぐためには、部屋の明るさを調整することが重要です。

室内照明はディスプレイの明るさとの差が大きくなく、かつまぶしくないようにする必要があります。

ディスプレイを用いる場合の机上の明るさは300 ルクス以上が理想的です[4]。

これは、新聞の文字が楽に読める程度の明るさ、蛍光灯を使っている少し古めのオフィスくらいの明るさといわれています。

また太陽光や明るい照明がディスプレイに映り込んだり視野に入り込んだりすると、ディスプレイが見づらくなり目の疲れの原因になります

必要に応じてカーテンやブラインドを使用し、部屋の明るさを調整しましょう。

デスクライトを用いる場合には、直接手元を照らさず壁などに向けることでまぶしさを抑え、目を疲れにくくすることができますよ。

[4] 厚生労働省「情報機器作業における労働衛生管理のためのガイドラインについて

ポイント5 ブルーライトカットの眼鏡を使用する

キーボードと眼鏡

ブルーライトの影響を防ぐには、ブルーライトカットの眼鏡を使用することも効果的といわれています。

ブルーライトカットの眼鏡を使用することで、デジタルデバイスを長時間利用する際の目の疲れを和らげる効果が期待できます。

ただし太陽光には体内時計を整える作用があるため、日中にブルーライトカットの眼鏡を使用する際には注意が必要です。

特に小児にとって太陽光は心身の発育に重要であるため、ブルーライトカットの眼鏡を使用することで逆に健康を害する恐れがあります。

ブルーライトカットの眼鏡はむやみに使用せず、夕方以降に使用すると良いとされています。

4.ブルーライトについてのまとめ

ブルーライトは目に見える光である可視光線のうち、最も波長が短く強いエネルギーを持つ青色の光のことです。

ブルーライトはスマホやパソコンといったデジタルデバイスの放つ光の他、LEDライト、太陽光に含まれています。

ブルーライトを長時間浴びると、目の疲れや視界のちらつきを招くことがあります。

また夜に浴びると眠気をもたらすメラトニンの分泌が低下して覚醒が促される他、体内時計が遅れて睡眠・覚醒リズムが乱れるといわれています。

ブルーライトの悪影響を防ぐには、パソコンやスマホを使う時間を減らすことや、デジタルデバイスでの作業時に適宜休憩を挟むことが重要です。

またディスプレイの輝度と部屋の照明の明るさの差を減らしたり、ブルーライトカットの眼鏡を使用したりするのも有効です。

ただし朝に太陽光を浴びると睡眠・覚醒リズムが整う効果があることや、小児の発育にとって太陽光が重要であることから、必要以上にブルーライトを恐れなくても良いという指摘もあります。

夕方以降にはできるだけブルーライトを長時間浴びない、デジタルデバイスを夜遅くまで使用しないといった習慣を心掛けてみてくださいね。

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