運動なしでダイエットは可能?食事で痩せるためのポイントを解説
「運動なしでダイエットを成功させたい!」
「痩せたいけれど体を動かすのはだるい……」
面倒な運動なしでダイエットしたいと考える方は多いのではないでしょうか。
実はまったく運動をしなくても、食事に注意するだけで体重を落とすことは可能です。
この記事では運動なしで、食事で痩せるためのポイントを詳しく解説します。
また、ダイエットを効率良く進めるために取り入れたい生活習慣のポイントや、手軽でダイエットに効果的な運動の始め方もご紹介します。
きつい運動に手を出さずにダイエットを成功させるための参考にしてくださいね。
1.運動なしでダイエットは可能?
「運動なしで本当にダイエットなんてできるのかな?」
「どうにか運動せずに体重を落としたい……」
ダイエットといえば、食事の制限と運動が欠かせないはずだと考える方は多いかもしれませんね。
しかしそれでも、運動は疲れるし時間もかかるからどうにか避けたい……という方もいらっしゃるでしょう。
実は運動をしなくても、毎日の食事を改善することで体重を減らすことができるのです。
この章では、運動なしでどうやって体重を落とすのか、またその限界について解説します。
1-1.食事の改善で痩せることはできる
ダイエットにおいて、運動なしで食事を適切に改善するだけで痩せることは可能です。
これは体重の増減が摂取カロリー(エネルギー摂取量)と消費カロリー(エネルギー消費量)の関係によって起こるためです。
具体的には摂取カロリーが消費カロリーよりも多いと体重が増加し、摂取カロリーが消費カロリーよりも少ないと体重が減少します。
食べ物から摂取したカロリーが多過ぎて日々の生活や運動で消費し切れないと、体脂肪として蓄えられます。
一方で摂取カロリーが消費するカロリーを補い切れないと、体内に蓄えられた糖質や脂質、場合によっては筋肉などが分解されてエネルギー源として使われます。
つまり食事の改善で痩せるには、摂取カロリーが消費カロリーを下回る状況を維持すれば良いだけなのです。
ここからは、摂取カロリーと消費カロリーについてそれぞれ詳しく見ていきましょう。
ヒトは通常、食事から生命維持や身体活動に必要なエネルギーを摂取します。
エネルギー源となる栄養素(エネルギー産生栄養素)には炭水化物(糖質)、たんぱく質、脂質があります。
また体に必要な栄養素ではありませんが、アルコールもエネルギー源となります。
こうした栄養素やアルコールをどれだけ摂るかで摂取カロリーが決まるのです。
一方、消費カロリーは基礎代謝と身体活動量、食事誘発性熱産生(DIT)に分けられます。
基礎代謝は安静な状態で呼吸や血液の循環、体温維持といった生命維持のために消費される必要最小限のエネルギーのことです。
身体活動は安静にしている状態より多くのエネルギーを消費する全ての動作を指し、運動と生活活動に分けられます
食事誘発性熱産生は食事で体内に吸収された栄養素が分解され、その一部が熱として消費されることです。
基礎代謝は1日の総消費カロリーの約60%、身体活動量は約30%、食事誘発性熱産生は約10%を占めます[1]。
消費カロリーのうち運動が関係する身体活動量の占める割合は3割程度に過ぎないため、摂取カロリーを減らして体重を減らすことは十分に現実的だといえるでしょう。
ただし、運動なしでいくらでも痩せられるわけではありません。
次の章では運動なしのダイエットを行う際の注意点について解説します。
カロリーについては以下の記事で詳しく解説しています。
カロリーとは?体重との関係や摂取カロリーの目安、栄養について解説
[1] 厚生労働省 e-ヘルスネット「身体活動とエネルギー代謝」
1-2.長期的には運動しないと減量が止まる
運動なしのダイエットでは、一定以上の減量は困難だといわれています。
これは長期的に見ると摂取カロリーと消費カロリー、体重が互いに連動して変化することで調整されるためです。
具体的には、長期間食事から摂取するカロリーを制限すると、体は飢餓状態だと勘違いします。
このため、体の防衛反応により実際に吸収される摂取カロリーが増加し、身体活動の消費カロリーが減少します。
その結果、体重減少が頭打ちになります。
これは生命を維持するために重要な「ホメオスタシス(生体恒常性)」というはたらきによるもので、ダイエットにおいては停滞期と呼ばれます。
運動なしで行う長期的なダイエットには一定の限界があることを念頭に置いた方が良いでしょう。
2.運動なしで食事で痩せるためのポイント
「なんとか運動せずに食事だけで痩せたい!!」
「どんな食事を摂っていたら運動なしでダイエットができるのかな?」
運動なしでダイエットの成功を目指す場合は、食事だけで体重を減らす必要があります。
このため何を食べたら良いか、何を控えるべきなのかをしっかり把握した上で日々の食生活を調整しなくてはなりません。
この章では運動なしで、食事だけで痩せるための食生活のポイントを徹底解説します。
毎日の食事を見直し、理想の体型を目指してくださいね。
ポイント1 摂取カロリーを適切に抑える
運動なしのダイエットでは食事からの摂取カロリーを適切に制限することが極めて重要です。
体重は摂取カロリーが消費カロリーを下回った際に減少します。
運動で消費カロリーを増やさない以上、食事からの摂取カロリーを減らすことが絶対に欠かせないのです。
「摂取カロリーはどれくらいまで減らせば良いのかな?」
と悩む方もいらっしゃるかもしれませんね。
極端なカロリー制限は挫折やリバウンドの原因となるため、無理なく適切に抑えるようにしましょう。
この際目安となるのが、ご自身が目標とする体重での推定必要カロリー(推定エネルギー必要量)です。
「どれくらいの体重を目標にすれば良いんだろう……」
ダイエットはしたいけれど、目標体重をどう設定すれば良いか分からないという方もいらっしゃいますよね。
目標体重を決めるに当たっては、肥満の判定に用いられる「BMI」という指標が参考になります。
厚生労働省は身体能力や健康維持を目的に、目標とするBMIの範囲を以下のように定めています。
| 年齢 | 目標とするBMI |
|---|---|
| 18〜49歳 | |
| 50〜64歳 | |
| 65〜74歳 | |
| 75歳以上 |
厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)」をもとに執筆者作成
ご自身の年齢に合わせて目標とするBMIを決めると良いでしょう。
BMIから目標体重を決める際は、目標とするBMI×[身長(m)の2乗]で求められます。
1日活動するのに必要となる推定必要カロリーは、年齢や身体活動の強さによって変わります。
身体活動の強さは以下のとおり3段階の「身体活動レベル」で表されます。
| 身体活動レベル | 日常生活の内容 |
|---|---|
| 低い | 生活の大部分を座って過ごし、日常的にあまり動かない場合 |
| 普通 | 座って過ごすことが多いが仕事でも立ったり歩いたりすることがある場合、通勤や買い物、家事や軽いスポーツをする場合 |
| 高い | 歩いたり立ったりすることが多い仕事に就いている場合、スポーツなどで活発に体を動かす習慣のある場合 |
厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)」をもとに執筆者作成
それぞれの身体活動レベルでの1日に必要な体重1kg当たりのカロリーは以下のとおりです。
| 性別 | 男性 | 女性 | ||||
|---|---|---|---|---|---|---|
| 身体活動レベル | 低い | 普通 | 高い | 低い | 普通 | 高い |
| 18~29歳 | 35.6kcal | 41.5kcal | 47.4kcal | 33.2kcal | 38.7kcal | 44.2kcal |
| 30~49歳 | 33.8kcal | 39.4kcal | 45.0kcal | 32.9kcal | 38.3kcal | 43.8kcal |
| 50~64歳 | 32.7kcal | 38.2kcal | 43.6kcal | 31.1kcal | 36.2kcal | 41.4kcal |
| 65~74歳 | 32.4kcal | 36.7kcal | 41.0kcal | 31.1kcal | 35.2kcal | 39.3kcal |
| 75歳以上 | 30.1kcal | 36.6kcal | 29.0kcal | 35.2kcal | ||
厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)」をもとに執筆者作
ご自身の目標体重に体重1kg当たりの推定必要カロリーを掛け合わせることで、1日の適正な摂取カロリーを求められます。
例としてデスクワークに従事する運動習慣のない身長170cm、体重80kgの50歳男性の場合を考えてみましょう。
この男性の現状でのBMIは27.7(小数第二位で四捨五入)となり、肥満と判定されます。
仮にこの男性がBMI23を目標とした場合、目標体重は66.47kgとなります。
ダイエットで摂取カロリーを控える場合は、この目標体重での1日当たりの推定必要カロリーを摂取すれば良いことになります。
この男性の身体活動レベルを低い(Ⅰ)とした場合、66.47(kg)×32.7(kcal)で2,173kcalが1日の適正な摂取カロリーです。
1日に必要なカロリーについては以下の記事で詳しく解説しています。
1日の適切な摂取カロリーは?体格や運動量に合わせた計算方法を解説
[2] 厚生労働省 e-ヘルスネット「BMI」
ポイント2 糖質の摂取量を適切に抑える
運動なしでダイエットを成功させるには、糖質の摂取量を抑えることが重要です。
これは糖質を摂り過ぎると、余った分が中性脂肪に合成され、体脂肪として蓄積されてしまうためです。
糖質は炭水化物のうちエネルギー源となるもので、1g当たり4kcalのエネルギーを産生します[3]。
糖質はヒトの体の極めて重要なエネルギー源で、特に脳や神経組織、赤血球などは基本的にブドウ糖しかエネルギー源として用いることができません。
このため糖質が不足すると疲労を感じたり集中力が減退したりする他、場合によっては意識障害に陥る危険もあります。
厚生労働省は、1歳以上の全年代に対して炭水化物から摂取するカロリーを摂取カロリー全体の50〜65%にするという目標量を設定しています[3]。
ただし炭水化物のカロリーのほとんどは糖質に由来するため、この基準は糖質を対象としたものと考えて問題ありません。
例として1日の推定必要カロリーが2,000kcalの人を考えてみましょう。
この人が糖質から摂取すべきカロリーは1,000~1,350kcalとなります。
このカロリーを重量に換算すると、糖質は1gで4kcalのため、250~335.7gです。
糖質は主にごはんやパン、麺類などの穀類、さつまいもやじゃがいもなどのいも類、バナナやぶどうなどの果物類、あめやせんべいなどの菓子類、砂糖や砂糖を材料に用いる飲食物などに含まれます。
糖質については以下の記事で詳しく解説しています。
糖質と炭水化物の関係は?摂取目標量や摂取源となる食べ物も紹介
[3] 厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)」
ポイント3 脂質の摂取量を適切に抑える
運動なしのダイエットでは、脂質の摂取量を抑えることも重要です。
これは脂質のカロリーが高く、1g当たり9kcalと糖質の2倍以上のエネルギーを産生し、摂り過ぎると体脂肪として蓄積するためです[4]。
ただし脂質はホルモンや神経伝達物質といった生理活性物質や細胞膜の成分ともなるため、制限すればするほど良いというわけでもありません。
厚生労働省は1歳以上の全年代に対し、脂質から摂取するカロリーの割合を摂取カロリー全体の20~30%にするという目標量を設定しています[4]。
1日の推定必要カロリーが2,000kcalの人は400~600kcalの脂質を摂取すると良いでしょう。
これは重量に換算すると、脂質は1gで9kcalのため44.4~66.7gとなります(小数第2位で四捨五入)。
また脂質を摂取する際は、脂質の種類にも注意が必要です。
脂質はその構造から飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸に大きく分けられます。
このうち肉類の脂身やバター、生クリーム、インスタントラーメンなどの加工食品に多く含まれる飽和脂肪酸は体内で合成できるため、食べ物から摂取する必要がありません。
また肥満や生活習慣病の原因ともなるため、成人に対して飽和脂肪酸から摂取するカロリーを1日に摂取するカロリーの7%以下に抑えるという目標量を別途設定しています [4]。
18歳以上で1日の推定必要カロリーが2,000kcalの人は、飽和脂肪酸の摂取量を140kcal以下、重量では15.6g(小数第2位で四捨五入)以下にしましょう。
一方で不飽和脂肪酸のうち「n-3系多価不飽和脂肪酸」と「n-6系多価不飽和脂肪酸」は、体内で必要な量を合成できない必須脂肪酸です。
このうちn-3系多価不飽和脂肪酸に属するDHA(ドコサヘキサエン酸)やEPA(エイコサペンタエン酸)は生活習慣病の予防・改善効果が期待できるため、積極的に摂取すると良いでしょう。
DHAやEPAはさばやさんま、いわし、ぶりなどの青魚に多く含まれています。
脂質については以下の記事で詳しく解説しています。
脂質とは?はたらきや種類、1日に摂取すべき量の計算方法を解説
[4] 厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)」
ポイント4 たんぱく質を十分に摂る
運動せずに痩せるにはたんぱく質を意識的に摂取しましょう。
たんぱく質はエネルギー源となる栄養素の一つで、1g当たり4kcalのエネルギーを産生します[5]。
このため、糖質や脂質を制限する場合はたんぱく質から必要なカロリーを摂取する必要があります。
またたんぱく質は筋肉をはじめとした細胞や、生命維持に欠かせないホルモン、酵素の材料にもなる極めて重要な栄養素です。
なおダイエットをする上で重要なポイントは、筋肉量が増えると基礎代謝が向上するということです。
基礎代謝は筋肉量と正比例の関係にあるため、筋肉量を増やすことでが高まって日々生活する際の消費カロリーが増えるのです。
このため、ダイエット中はたんぱく質を十分に摂取して筋肉量の減少を防ぎ、基礎代謝を低下させないことが重要だといえるでしょう。
厚生労働省は1歳以上の全年代に対し、たんぱく質から摂取すべきカロリーの割合について、目標量を摂取カロリー全体に対する割合で定めています。
それぞれの年代の目標量は1〜49歳で13〜20%、50〜64歳で14〜20%、65歳以上で15〜20%とされています[6]。
またこれとは別に推奨量として、18〜64歳の男性で65g、65歳以上の男性で60g、18歳以上の女性で50gのたんぱく質を1日のうちに摂取することが勧められています[6]。
なおたんぱく質を含む食品のなかには飽和脂肪酸を多く含む肉類や乳製品もあります。
ダイエットの際は赤身肉を選ぶ、脂身や皮を取り除く、低脂肪乳を選ぶといった工夫をすることで飽和脂肪酸の摂取量を減らせますよ。
たんぱく質については以下の記事で詳しく解説しています。
タンパク質とは?体内でのはたらきや食事摂取基準、豊富な食品を紹介
[5] 厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)」
[6] 厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)」
ポイント5 食物繊維を十分に摂取する
運動なしでダイエットをする場合、食物繊維も十分に摂取しましょう。
食物繊維は便秘予防などの整腸効果で広く知られますが、消化管内にある糖質や脂質を吸着して排出するはたらきも持っています。
このため肥満の予防・改善効果が期待できるのです。
厚生労働省は、成人に対して健康のために食物繊維を1日当たり25g以上摂取することを推奨していますが、日本人の摂取量は全ての世代でこの量に遠く及んでいません[7]。
このため厚生労働省は現実的な数値として、以下のように摂取目標量を設定しています。
| 年齢 | 男性 | 女性 |
|---|---|---|
| 18~29歳 | ||
| 30~64歳 | ||
| 65~74歳 | ||
| 75歳以上 |
厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)」をもとに執筆者作成
食物繊維は野菜類や豆類、きのこ類、海藻類、果実類などの植物性食品に多く含まれる一方、肉や魚介類などの動物性食品にはほとんど含まれていません。
主食を玄米ごはんや麦ごはん、全粒小麦パンなどに置き換えると食物繊維を効果的に摂ることができます。
また食物繊維が特に豊富なのはかぼちゃやごぼう、たけのこ、ブロッコリー、モロヘイヤ、切り干し大根、いんげん豆、さつまいも、おから、納豆、しいたけ、ひじきなどで1食分の量にそれぞれ2〜3gが含まれます [8]。
食物繊維については以下の記事で詳しく解説しています。
食物繊維とは?はたらきや摂取目標量、摂取源となる食べ物を解説
[7] 厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)」
[8] 厚生労働省 e-ヘルスネット「食物繊維の必要性と健康」
ポイント6 バランスの取れた食事を摂る
栄養素の不足を避けるため、ダイエットの際はバランスの取れた食事をしっかり摂りましょう。
例えばたんぱく質が足りないと体力や免疫機能の低下が起こり、炭水化物が不足するとエネルギー不足で集中力の低下や疲労感につながります。
また食物繊維不足が便秘を招き、鉄不足が貧血や女性の月経異常の原因となるなど、さまざまな不調を引き起こします。
極端な食事制限や特定の食品のみを摂取するようなダイエットでは栄養素が偏ってしまうため、さまざまな食材を食事に取り入れるようにしましょう。
ダイエットを成功させるには、主食・主菜・副菜のそろったバランスの良い食生活を送ることが重要です。
できるだけ主食・主菜・副菜を組み合わせた食事を1日2回以上食べるようにしましょう[9]。
具だくさんのカレーやパスタ、鍋物などはさまざまな食材を一度に摂れるため、うまく活用してくださいね。
バランスの良い食事については以下の記事で詳しく解説しています。
栄養バランスの取れた食事とは?主食・主菜・副菜のポイントを紹介
[9] 農林水産省「考える やってみる みんなで広げる ちょうどよいバランスの食生活」
ポイント7 よく噛んでゆっくり食べる
ダイエットを成功させるには、よく噛んでゆっくり食べる習慣を付けましょう。
よく噛むことで食事誘発性熱産生が高まり、消費カロリーが増加します。
またよく噛むと満腹感を得られやすいため、早食いや食べ過ぎを防ぎ、肥満の予防・改善につながります。
食事を始めてから満腹と感じるまでは20分以上かかるため[10]、ゆっくり噛んで食べることで食べ過ぎに歯止めをかけられるのですね。
一口30回以上を目標に、意識的に噛む回数を増やしていくと良いでしょう[11]。
[10] 独立行政法人 労働者健康安全機構「ゆっくり食べてみませんか」
[11] 厚生労働省「歯科保健と食育の在り方に関する検討会報告書「歯・口の健康と食育~噛ミング 30(カミングサンマル)を目指して~」」
ポイント8 アルコールを控える
運動なしでダイエットを成功させたい人はアルコールを控えましょう。
これはアルコールが高カロリーで、1g当たり約7kcalのエネルギーを産生するためです[12]。
糖質ゼロのお酒でも、アルコール度数が9%であれば500mLで250kcalにもなります[13]。
またお酒には糖質やたんぱく質が含まれている場合があるため、お酒の種類によってはそれらに由来するカロリーも摂取することになります。
アルコール自体のカロリーは体に蓄積されないことから、エンプティーカロリーと呼ばれることもあります。
しかしアルコールのカロリーが消費されている間は、糖質や脂質などの他のエネルギーが使われずに蓄えられるため、肥満の原因となります。
なお、お酒を分解する能力が弱い体質の人はアルコールのカロリーがゆっくり消費されるため、より太りやすいといわれています。
これに加えてアルコールには食欲を増進する効果もあるといわれています。
揚げ物などの脂質の多いおつまみを好む方やシメのラーメンが欠かせないという方は、こうした食べ物のカロリーにも注意してくださいね。
アルコールの摂取については以下の記事で詳しく解説しています。
アルコールとは?体への影響や健康的なお酒の飲み方、注意点を解説
[12] 厚生労働省 e-ヘルスネット「アルコールのエネルギー(カロリー)」
[13] 厚生労働省 e-ヘルスネット「アルコールとメタボリックシンドローム」
3.ダイエットのための生活習慣のポイント
「運動なしでダイエットをするために、食事以外でできることはあるのかな?」
運動せずにダイエットを成功させるために、食事の他にもできることがあります。
この章では日常生活で実行したいポイントを二点ご紹介します。
ポイント1 体重や体脂肪率を定期的に測定する
運動なしでダイエットを成功させたいなら、定期的にご自身の体重や体脂肪率を測定しましょう。
また鏡でご自身の体の変化を毎日観察するのも良いでしょう。
日々の体重や体脂肪率、見た目の変化を定期的にチェックすることで、ダイエットの成果を確認できるとともにモチベーションの維持にもつながります。
食べ過ぎや飲み過ぎといった食生活の乱れと体重の変化の関係に気付けたり、食事を控えめにした際の効果も見えやすくなったりしますよ。
なお体重や体脂肪率は毎日同じ時間に同じ条件で測定するようにしましょう。
これは食事や排せつなどによって1日のうちでも体重が変化するためです。
起床後トイレに行った後や就寝直前など、無理なく測定できるタイミングを見つけてくださいね。
また季節が変わると着ている服によっても体重が大きく変わってしまいます。
できるだけ同じ服を着るか、裸で測定することで誤差を少なくできます。
なお体組成計で体脂肪率をチェックする場合は、体温や体内の水分量が食事や運動、入浴などで大きく変化するため、体の落ち着いた安静時に測るようにしてください。
ポイント2 十分な睡眠をとる
運動なしでダイエットをする際は、日々十分な睡眠をとるようにしましょう。
睡眠不足では、食欲を抑える「レプチン」というホルモンの分泌が減少し、逆に食欲を高める「グレリン」というホルモンの分泌が増加します。
しっかり眠っていないと食欲が増し、食べ過ぎてしまう危険が高まるのですね。
また、睡眠中には脂肪の分解を促すはたらきを持つ「成長ホルモン」も分泌されます。
睡眠不足では成長ホルモンの分泌量が減るため、脂肪が十分に分解されず肥満になりやすいといわれています。
ダイエットとあまり関わりがなさそうな睡眠ですが、しっかり眠らないと肥満に陥る可能性があるのですね。
4.ダイエットのために運動を始める際のポイント
「運動をしたらダイエットはもっとうまくいくのかな?」
「ダイエットが成功するなら、少しくらい運動しても良いかも……」
ダイエットの成果をより高めるために、重い腰を上げて運動を始めようと決意する方もいらっしゃるかもしれませんね。
運動はポイントをしっかり押さえて行うことで、少ない労力で大きな効果を得ることができます。
この章では、運動をする習慣のない人がダイエットのための運動を始める上でのポイントをご紹介します。
ポイント1 「ながらエクササイズ」から始める
運動習慣のない人は、まず「ながらエクササイズ」から始めましょう。
ながらエクササイズとは、健康維持や体力の向上のために「生活活動」において体を大きく動かしたりキビキビと動作を行ったりすることです。
生活活動の具体例としては、買い物や洗濯物干しといった家事や、通勤・通学で歩くこと、階段の昇降、荷物の運搬、犬の散歩、子どもと遊ぶことなどが挙げられます。
こうした日々の生活活動のうち、自分にできることから工夫をして消費カロリーを増やしてみましょう。
例えば通勤・通学や買い物の際に、歩幅を大きくして早足で歩くことで、活動量を増やすことができます。
また一駅歩く、駅や職場で積極的に階段を使うなど、少しずつでも長く歩くようにすると良いでしょう。
電車の中で座席に座らず、立っているだけでも活動量が増えますよ。
掃除をするときに大きく体を動かす、子どもと一緒に思い切り遊ぶなど、ご自身のライフスタイルに合わせていろいろ試してみると良いでしょう。
ポイント2 好きな有酸素運動に取り組む
ダイエットのために運動を考えるなら、カロリーを消費しやすい有酸素運動に取り組んでみましょう。
有酸素運動は体脂肪を直接消費してくれるため、ダイエットに効果的な運動といえるでしょう。
また有酸素運動は負荷が小さいことから、運動が苦手でも無理なく長時間続けやすいことも特徴です。
代表的な有酸素運動にはウォーキングやジョギング、サイクリング、水泳、ハイキング、エアロビクスダンス、ステップエクササイズ、太極拳などがあります。
ご自身の好みや運動経験、体力などをもとに行う運動を選んでくださいね。
ただし有酸素運動だけを長期にわたって実施すると、体がカロリーの消費を抑えるように適応して脂肪をためやすくなるといわれています。
有酸素運動に加えて筋トレも行うことで、脂肪をためにくい状態を保つことができるといわれています。
なお、有酸素運動と筋トレを同日に行う場合は先に筋トレを行うようにしましょう。
筋トレを行うと成長ホルモンが分泌されます。
成長ホルモンには脂肪の燃焼を促すはたらきがあるため、筋トレの後に有酸素運動を行うと脂肪がより燃えやすくなります。
逆に有酸素運動の後に筋トレを行うと成長ホルモンの分泌が抑制されるため、筋トレの効果が低下してしまいます。
有酸素運動と筋トレの効果を最大限に発揮させるため、この順番で運動するようにしましょう。
ポイント3 2〜3日に一度筋トレに取り組む
ダイエットのための運動としては、2~3日に一度筋トレに取り組んでみると良いでしょう。
筋トレで筋肉が増えると基礎代謝が向上し、日々の消費カロリーが増加します。
また運動時の消費カロリーも増えるため、ダイエットのための運動がより効率的になりますよ。
「筋肉は毎日鍛えないと意味がないんじゃないの?」
このように疑問に思う方もいらっしゃるかもしれませんね。
筋トレで筋肉に負荷をかけると、筋肉を構成する筋繊維の一部が破断します。
破断した筋繊維が回復する際、元の状態よりも太くなる「超回復」が起こります。
これにより筋肉が増大し、筋力が増すのです。
この際の超回復には時間がかかるため、同一部位の筋トレは毎日ではなく2~3日に一度行う方が効果的だといわれています [14]。
基礎代謝を高めるための筋トレとしては、大きな筋肉を鍛えることが重要です。
大きな筋肉には太ももの大腿(だいたい)四頭筋やハムストリングス、胸の大胸筋、背中の広背筋、お尻の大臀(だいでん)筋などがあります。
特におすすめの筋トレメニューは、太ももとお尻、ふくらはぎなど下半身全体の筋肉を一度に満遍なく鍛えられるスクワットです。
スクワットはまず足を肩幅程度に広げ、爪先をやや外側に向けて立ちます。
この際、膝と爪先は同じ向きにします。
お尻を後ろに突き出すようにして、背中を丸めずゆっくりと膝を曲げて腰を落とします。
膝が爪先よりも前に出ないよう注意してください。
太ももが床と平行になるまで曲げたら、ゆっくりと元の姿勢に戻ります。
筋トレの経験がなく、スクワットが難しそうと感じる人には、椅子につかまりながら行う方法もありますよ。
初心者向けの筋トレメニューについては以下の記事で詳しく解説しています。
初心者におすすめの筋トレメニューを紹介!ポイントや注意点も解説
[14] 厚生労働省 e-ヘルスネット「レジスタンス運動」
ポイント4 無理のない範囲で行い習慣化する
ダイエットのための運動は、三日坊主ではなく習慣化することが重要です。
無理のない強度や時間で運動することで、挫折せずに長期間継続することができるでしょう。
ただし低強度の運動ではカロリーを消費するのに長い時間運動しなくてはならないため、かえって挫折する可能性があります。
無理なく、効率良くカロリーを消費するには中強度の運動がおすすめです。
中強度の運動にはウォーキングやサイクリング、体操、ハイキングなどが該当します。
楽だけどちょっときついくらいの負荷を意識して運動すると良いでしょう。
5.運動なしのダイエットについてのまとめ
運動なしで、食事でのカロリー制限によってダイエットを成し遂げることは可能です。
しかしカロリー制限を続けていると消費カロリーが減少し、体重が減少しなくなります。
運動をせずに食事で痩せるためのポイントは、何よりもまず摂取カロリーを消費カロリーよりも少なく抑えることです。
また体脂肪になる糖質や脂質の摂取量を減らし、筋肉の材料となるたんぱく質や、糖質と脂質を排出してくれる食物繊維を積極的に摂取しましょう。
バランスの良い食事を摂ること、よく噛んで食べることも重要です。
アルコールはカロリーが高く、食欲を増進して食べ過ぎの原因ともなるため控えましょう。
食事以外の生活習慣では、定期的に体重や体脂肪率を測定することでダイエットのモチベーションを保ちやすくなります。
またしっかり睡眠をとってホルモンバランスを整えることで、肥満を予防・改善することができます。
やはり運動もしてみようと思った人は、日々の生活での活動を増やす「ながらエクササイズ」から始めてみると良いでしょう。
筋トレや有酸素運動を無理のない強度や時間で習慣化することで、ダイエットをより効果的なものにできますよ。
この記事を参考に、無理なくダイエットを行ってくださいね。