ダイエットしたいけど運動が嫌いな人のための食事のポイントを解説
「運動が嫌いだけど、ちゃんとダイエットできるかな……」
「運動が嫌いな人はどうやったら痩せられるんだろう?」
運動は嫌いだけど何とかして痩せたいと思っている方、いらっしゃいますよね。
実は運動が嫌いでも、食事を適切に見直すだけでダイエットを成功に導くことができるのです。
この記事では、運動が嫌いな人が痩せるための食事のポイントを詳しく解説します。
運動嫌いでも気軽にできる簡単な運動のポイントや、気を付けたい生活習慣についてもご紹介するので参考にしてくださいね。
1.運動が嫌いでもダイエットはできる?
「ダイエットしたいけど嫌いな運動はしたくない!!」
「運動嫌いなんだけど、体を動かさずにダイエットなんてできるのかな?」
運動は嫌いだけど、ダイエットで理想の体型を手に入れたいという方は多いのではないでしょうか。
日々の忙しい暮らしのなかで、嫌いな運動のための時間をつくるのは容易なことではありませんよね。
そんな方にとってはうれしいことに、運動をしなくても食事を適切に見直すだけでダイエットはできるのです。
これは体重が摂取カロリー(エネルギー摂取量)と消費カロリー(エネルギー消費量)の関係によって増減するためです。
具体的には摂取カロリーが消費カロリーよりも多いと体重が増加し、摂取カロリーが消費カロリーよりも少ないと体重が減少します。
食べ物から摂ったカロリーを毎日の生活や運動で消費し切れないと、体脂肪として蓄えられます。
一方、食事で摂るカロリーが消費するカロリーを下回っていると、体内に蓄えられた糖質や脂質が分解されてエネルギー源として使われます。
つまり痩せるために必要なことはシンプルで、摂取カロリーが消費カロリーを下回る状態を維持することなのです。
ここからは、摂取カロリーと消費カロリーについてそれぞれ詳しく見ていきましょう。
ヒトは通常、食事から生命維持や身体活動に必要なエネルギーを摂取します。
エネルギー源となる栄養素(エネルギー産生栄養素)には炭水化物(糖質)、たんぱく質、脂質があります。
また体に必要な栄養素ではありませんが、アルコールもエネルギー源となります。
こうした栄養素やアルコールをどれだけ摂るかで摂取カロリーが決まるのです。
一方、消費カロリーは基礎代謝と身体活動量、食事誘発性熱産生(DIT)に分けられます。
基礎代謝は1日の総消費カロリーの約60%、身体活動量は約30%、食事誘発性熱産生は約10%を占めます[1]。
消費カロリー全体のうち運動を含む身体活動量が関係する割合は、およそ3割に過ぎないのです。
このため運動をせず、食事を見直すだけでダイエットは可能だといえるでしょう。
カロリーについては以下の記事で詳しく解説しています。
カロリーとは?体重との関係や摂取カロリーの目安、栄養について解説
[1] 厚生労働省 e-ヘルスネット「身体活動とエネルギー代謝」
2.運動嫌いのためのダイエットの食事のポイント
「どんな食事を摂っていたら運動せずにダイエットができるのかな?」
「運動は嫌いだけど、ダイエットのための食事制限もできるのか不安……」
運動せずにダイエットができるにしても、厳しい食事制限は難しいと考える方もいらっしゃるかもしれませんね。
実は極端な食事制限はダイエットに必要ないどころか、挫折やリバウンドを招きやすく、逆効果になることがあります。
この章でご紹介する日々の食生活のポイントを押さえるだけで、痩せることは可能です。
無理なくできそうなものから取り入れ、ダイエットの成功を目指してくださいね。
ポイント1 摂取カロリーを適切に抑える
運動嫌いの人がダイエットに成功するには、食事からの摂取カロリーを適切に抑えることが重要です。
体重は、食事からの摂取カロリーが日常生活や運動での消費カロリーを下回った際に減少します。
このため運動で消費カロリーを増やさないのであれば、食事からの摂取カロリーを減らす必要があります。
ただし極端なカロリー制限は挫折やリバウンドの原因となるため、無理なく適切に抑えるようにしましょう。
この際目安となるのが、ご自身が目標とする体重での推定必要カロリー(推定必要量)です。
目標とする体重を決めるには、肥満の判定に用いられる「BMI」という指標を参考にすると良いでしょう。
厚生労働省は身体能力や健康維持を目的に、目標とするBMIの範囲を以下のように定めています。
| 年齢 | 目標とするBMI |
|---|---|
| 18~49歳 | |
| 50~64歳 | |
| 65歳以上 |
厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)」をもとに執筆者作成
ご自身の年齢に合わせて目標とするBMIを決めると良いでしょう。
目標体重は、目標とするBMI×[身長(m)の2乗]で求められます。
1日活動するのに必要となる推定必要カロリーは、年齢や性別、身体活動の強さによって変わります。
身体活動の強さは以下のとおり3段階の「身体活動レベル」で表されます。
| 身体活動レベル | 日常生活の内容 |
|---|---|
| 低い | 生活の大部分を座って過ごし、日常的にあまり動かない場合 |
| 普通 | 座って過ごすことが多いが仕事でも立ったり歩いたりすることがある場合、通勤や買い物、家事や軽いスポーツをする場合 |
| 高い | 歩いたり立ったりすることが多い仕事に就いている場合、スポーツなどで活発に体を動かす習慣のある場合 |
厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)」をもとに執筆者作成
それぞれの身体活動レベルでの1日に必要な体重1kg当たりのカロリーは以下のとおりです。
| 性別 | 男性 | 女性 | ||||
|---|---|---|---|---|---|---|
| 身体活動レベル | 低い | 普通 | 高い | 低い | 普通 | 高い |
| 18~29歳 | 35.6kcal | 41.5kcal | 47.4kcal | 33.2kcal | 38.7kcal | 44.2kcal |
| 30~49歳 | 33.8kcal | 39.4kcal | 45.0kcal | 32.9kcal | 38.3kcal | 43.8kcal |
| 50~64歳 | 32.7kcal | 38.2kcal | 43.6kcal | 31.1kcal | 36.2kcal | 41.4kcal |
| 65~74歳 | 32.4kcal | 36.7kcal | 41.0kcal | 31.1kcal | 35.2kcal | 39.3kcal |
| 75歳以上 | 30.1kcal | 36.6kcal | 29.0kcal | 35.2kcal | ||
厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)」をもとに執筆者作成
ご自身の目標体重に体重1kg当たりの推定必要カロリーを掛け合わせることで、1日の適正な摂取カロリーを求められます。
例としてデスクワークに従事し、運動習慣のない身長175cm、体重80kgの40歳男性の場合を考えてみましょう。
この男性の現状でのBMIは26.1(小数第2位で四捨五入)となり、肥満と判定されます。
仮にこの男性がBMI22を目標とした場合、目標体重は67.38kg(小数第2位で四捨五入)となります。
ダイエットで摂取カロリーを控える場合は、この目標体重での1日当たりの推定必要カロリーを摂取すれば良いことになります。
この男性の身体活動レベルを低い(Ⅰ)とした場合、67.38(kg)×33.8(kcal)で2,277kcalが1日の適正な摂取カロリーです。
ただし推定必要カロリーは体格が同じだとしても個人差が大きく、正確な値を推定できるものではありません。
このため実際の体重の変化に即し、摂取カロリーの過不足をその都度判断する必要があります。
1日に必要なカロリーについては以下の記事で詳しく解説しています。
1日の適切な摂取カロリーは?体格や運動量に合わせた計算方法を解説
[2] 厚生労働省 e-ヘルスネット「BMI」
ポイント2 糖質の摂取量を適切に抑える
運動をせずにダイエットを成功させたいのであれば、糖質の摂取量を抑制しましょう。
糖質を摂り過ぎると余った分が中性脂肪に合成され、体脂肪として蓄積されてしまいます。
糖質は炭水化物のうちエネルギー源となるもので、1g当たり4kcalのエネルギーを産生します[3]。
糖質はヒトの体の極めて重要なエネルギー源で、特に脳や神経組織、赤血球などは基本的にブドウ糖しかエネルギー源として用いることができません。
このため糖質不足は疲労感や集中力減退を招き、重度になると意識障害に陥る危険もあります。
厚生労働省は、1歳以上の全年代に対して炭水化物から摂取するカロリーを摂取カロリー全体の50〜65%にするという目標量を設定しています[3]。
ただし炭水化物のカロリーのほとんどは糖質に由来するため、この基準は糖質を対象としたものと考えて問題ありません。
例として1日の推定必要カロリーが2,000kcalの人を考えてみましょう。
この人が糖質から摂取すべきカロリーは1,000~1,300kcalとなります。
このカロリーを重量に換算すると、糖質は1gで4kcalのため、250~325gです。
糖質は主にごはんやパン、麺類などの穀類、さつまいもやじゃがいもなどのいも類、バナナやぶどうなどの果物類、あめやせんべいなどの菓子類、砂糖や砂糖を材料に用いる飲食物などに含まれます。
糖質については以下の記事で詳しく解説しています。
糖質とは?はたらきや過不足の悪影響、摂取の目標量と摂取源を紹介
[3] 厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)」
ポイント3 脂質の摂取量を適切に抑える
運動をせずにダイエットをするなら、脂質の摂取量も抑える必要があります。
脂質は高カロリーで1g当たり9kcalと糖質の2倍以上のエネルギーを産生し、摂り過ぎると体脂肪として蓄積するためです[4]。
ただし脂質はホルモンや神経伝達物質といった生理活性物質や細胞膜の材料ともなるため、やみくもに摂らないようにすれば良いわけではありません。
厚生労働省は1歳以上の全年代に対し、脂質から摂取するカロリーの割合を摂取カロリー全体の20~30%にするという目標量を設定しています[4]。
1日の推定必要カロリーが2,000kcalの人は400~600kcalの脂質を摂取すると良いでしょう。
これは重量に換算すると、脂質は1gで9kcalのため44.4~66.7gとなります(小数第2位で四捨五入)。
また脂質を摂取する際は、脂質の量だけでなく種類にも気を配る必要があります。
脂質はその構造から飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸に大きく分けられます。
このうち肉類の脂身やバター、生クリーム、インスタントラーメンなどの加工食品に多く含まれる飽和脂肪酸は体内でも合成できるため、食べ物から摂取する必要がありません。
また肥満や生活習慣病の原因ともなるため、厚生労働省は成人に対して飽和脂肪酸からの摂取カロリーを摂取カロリー全体の7%以下に抑えるという目標量を別途設定しています[4]。
18歳以上で1日の推定必要カロリーが2,000kcalの人は、飽和脂肪酸の摂取量を140kcal以下、重量では15.6g(小数第2位で四捨五入)以下にしましょう。
一方で不飽和脂肪酸のうち「n-3系多価不飽和脂肪酸」と「n-6系多価不飽和脂肪酸」は体内で必要な量を合成できない「必須脂肪酸」のため、食べ物から摂取しなくてはなりません。
不飽和脂肪酸は植物や魚の油に多く含まれています。
このうちn-3系多価不飽和脂肪酸に属するDHA(ドコサヘキサエン酸)やEPA(エイコサペンタエン酸)は生活習慣病の予防・改善効果が期待できるため、積極的に摂取すると良いでしょう。
DHAやEPAはさばやさんま、いわし、ぶりなどの青魚に多く含まれています。
脂質については以下の記事で詳しく解説しています。
脂質とは?はたらきや種類、1日に摂取すべき量の計算方法を解説
[4] 厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)」
ポイント4 たんぱく質を十分に摂る
運動せずに痩せるにはたんぱく質を十分摂取してください。
たんぱく質はエネルギー源となる栄養素の一つで、1g当たり4kcalのエネルギーを産生します[5]。
このため、糖質や脂質を制限する場合はたんぱく質から必要なカロリーを摂取する必要があります。
またたんぱく質は筋肉をはじめとした細胞や、ホルモン、酵素など生命維持に欠かせない成分の材料にもなる極めて重要な栄養素です。
なおダイエットにおけるたんぱく質摂取のポイントは、筋肉量を増やし基礎代謝を向上させることです。
筋肉量は基礎代謝量と正比例の関係にあるため、筋肉量が増えるほど基礎代謝量が増え、消費カロリーが増大します。
ダイエット中もたんぱく質を十分に摂取することで、筋肉量の減少とそれに伴う基礎代謝の低下を防ぐことが期待できるのです。
厚生労働省は1歳以上の全年代に対し、たんぱく質から摂取すべきカロリーの割合について、目標量を摂取カロリー全体に対する割合で定めています。
それぞれの年代の目標量は1〜49歳で13〜20%、50〜64歳で14〜20%、65歳以上で15〜20%とされています[7]。
またこれとは別に推奨量として、18〜64歳の男性で65g、65歳以上の男性で60g、18歳以上の女性で50gのたんぱく質を1日のうちに摂取することが勧められています[6]。
たんぱく質は主に肉類や魚類、卵、乳製品、大豆製品などに含まれています。
ただしたんぱく質を含む肉類や乳製品のなかには、肥満の原因となる飽和脂肪酸を多く含むものもあります。
ダイエットの際は赤身肉を選ぶ、脂身や皮を取り除く、低脂肪乳を選ぶといった工夫をすることで飽和脂肪酸の摂取量を減らしつつたんぱく質の摂取量を増やせますよ。
たんぱく質については以下の記事で詳しく解説しています。
タンパク質とは?体内でのはたらきや食事摂取基準、豊富な食品を紹介
[5] 厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)」
[6] 厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)」
ポイント5 食物繊維を十分に摂取する
運動をせずにダイエットに成功したい人は、食物繊維も十分に摂取しましょう。
食物繊維は便秘予防などの整腸効果を持つことがよく知られますが、消化管内にある糖質や脂質を吸着して排出するはたらきもあります。
このため肥満を予防・改善する効果が期待できるのです。
厚生労働省は成人に対し、健康のために食物繊維を1日当たり25g以上摂取することを推奨していますが、日本人の摂取量は全世代でこれよりかなり少ない状況です[7]。
このため現実的な数値として、以下のような摂取目標量が設定されています。
| 性別 | 男性 | 女性 |
|---|---|---|
| 18〜29歳 | 20g以上 | 18g以上 |
| 30~64歳 | 22g以上 | 18g以上 |
| 65~74歳 | 21g以上 | 18g以上 |
| 75歳以上 | 20g以上 | 17g以上 |
厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)」をもとに執筆者作成
食物繊維は野菜類や豆類、きのこ類、海藻類、果実類などの植物性食品に多く含まれる一方、肉類や魚介類などの動物性食品にはほとんど含まれません。
食物繊維の摂取量を増やすには、日々の主食を玄米ごはんや麦ごはん、全粒小麦パンなどに置き換えることが効果的です。
また食物繊維が特に豊富な食品はかぼちゃやごぼう、たけのこ、ブロッコリー、モロヘイヤ、切り干し大根、いんげん豆、さつまいも、おから、納豆、しいたけ、ひじきなどで1食分の量にそれぞれ2〜3gが含まれます[8]。
食物繊維を多く含む食品については以下の記事で詳しく解説しています。
食物繊維を含む食べ物は?摂取目標量と摂取量を増やすコツも解説
[7] 厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)」
[8] 厚生労働省 e-ヘルスネット「食物繊維の必要性と健康」
ポイント6 よく噛んでゆっくり食べる
ダイエットを運動なしで成功させるには、よく噛んでゆっくり食べる習慣を付けましょう。
よく噛んで食べることで、食事誘発性熱産生が高まって消費カロリーが増加します。
またよく噛むと満腹感を得られやすいため、早食いや食べ過ぎを防げます。
このため、肥満の予防や改善にもつながるのです。
食事を始めてから満腹と感じるまでは20分以上かかるため[9]、一口30回以上を目標に、意識的に噛む回数を増やしていくと良いでしょう[10]。
[9] 独立行政法人 労働者健康安全機構「ゆっくり食べてみませんか」
[10] 厚生労働省「歯科保健と食育の在り方に関する検討会報告書「歯・口の健康と食育~噛ミング 30(カミングサンマル)を目指して~」」
ポイント7 アルコールを控える
運動なしでダイエットを成功させたい人はアルコールを控えましょう。
アルコールはカロリーが高く、1g当たり約7kcalのエネルギーを産生します[11]。
糖質ゼロのお酒であっても、アルコール度数が9%であれば500mLで250kcalを超える計算になるのです[12]。
またお酒には糖質やたんぱく質が含まれるものもあり、アルコールに加えてそれらに由来するカロリーも摂取することになります。
アルコール自体のカロリーは体に蓄積されないことから、エンプティーカロリーと呼ばれることもあります。
しかしアルコールのカロリーが消費されている間は、糖質や脂質などはエネルギー源として使われずに蓄えられるため、肥満の原因となります。
なお、お酒を分解する能力が弱い体質の人はアルコールのカロリーがゆっくり消費されることで太りやすくなるため注意が必要です。
これに加えてアルコールには食欲を増進する効果もあるといわれています。
から揚げや串カツなどの脂っこいおつまみを好む方や、シメに丼ものやラーメンを食べたいという方は、こうした食べ物からのカロリーにも要注意ですよ。
アルコールの摂取については以下の記事で詳しく解説しています。
アルコールとは?体への影響や健康的なお酒の飲み方、注意点を解説
[11] 厚生労働省 e-ヘルスネット「アルコールのエネルギー(カロリー) 」
[12] 厚生労働省 e-ヘルスネット「アルコールとメタボリックシンドローム 」
ポイント8 バランスの取れた食事を摂る
ダイエットの際は意識的に栄養バランスの取れた食事を摂る必要があります。
食事量を抑えることばかり考えると、栄養が不足して健康を損なう恐れがあるため、注意が必要です。
例えばたんぱく質が足りないと体力や免疫機能の低下が起こり、炭水化物が不足するとエネルギー不足で集中力の低下や疲労感につながります。
また食物繊維不足が便秘を招いたり、鉄不足が貧血や月経異常の原因となったりするといったように、栄養素の不足はさまざまな不調を引き起こします。
極端な食事制限や特定の食品のみを摂取するようなダイエットでは栄養素が偏ってしまうため、さまざまな食材を食事に取り入れ、バランス良く食べるようにしましょう。
体に必要な栄養素には、3種類のエネルギー産生栄養素に加えて13種類のビタミンと、16種類のミネラルがあります[13]。
これらを過不足なく摂取するには主食・主菜・副菜のそろったバランスの良い食生活を送ることが重要です。
主食・主菜・副菜を組み合わせた食事をなるべく1日2回以上食べるようにしましょう[14]。
具だくさんのカレーやシチュー、鍋物などはさまざまな食材を一度に摂れるため、ぜひ献立に取り入れてくださいね。
バランスの良い食事については以下の記事で詳しく解説しています。
栄養バランスの取れた食事とは?主食・主菜・副菜のポイントを紹介
[13] 国立研究開発法人国立循環器病研究センター「栄養に関する基礎知識」
[14] 農林水産省「考える やってみる みんなで広げる ちょうどよいバランスの食生活」
3.運動嫌いのためのダイエットの運動のポイント
「運動嫌いだから、食事の見直しだけで大幅に痩せたいな……」
このように考える運動嫌いな方もいらっしゃいますよね。
しかし残念ながら、運動をせずに大幅に痩せられるわけではありません。
摂取カロリーを制限することで体重は一時的に減りますが、長期的に見るとやがて停滞期が訪れます。
具体的には、食事からの摂取カロリーを長期間制限することで、体が飢餓状態であると勘違いするのです。
これにより体が防衛反応を起こし、実際に吸収される摂取カロリーが増加するとともに、身体活動での消費カロリーが減少してしまいます。
結果として、運動なしのダイエットはある時点で体重減少が停滞してしまうのです。
運動なしで行う長期的なダイエットには一定の限界があるのですね。
そこで諦めずにダイエットをさらに推し進めたい方は、手軽にできることから運動を始めると良いでしょう。
この章では運動嫌いでも挫折せずに続けられる運動のポイントをご紹介します。
ポイント1 「ながらエクササイズ」から始める
わざわざ運動をするなんて嫌だという人は、まずは「ながらエクササイズ」を行ってみましょう。
ながらエクササイズは健康維持や体力の向上のため、生活活動において体を大きく動かしたりキビキビと動作を行ったりして活動量を増やすことです。
生活活動の具体例としては、買い物や洗濯物干しといった家事や、通勤・通学での歩行、階段の昇降、荷物の運搬、犬の散歩、子どもと遊ぶといった活動などが挙げられます。
こうした毎日の生活活動のなかから自分にできるものをながらエクササイズにしていくことで、消費カロリーを増やせるのです。
例えば通勤・通学や買い物の際は歩幅を大きくして早足で歩くと活動量を増やせます。
また一駅歩く、駅や職場で積極的に階段を使うなど、少しずつでも歩く時間を増やすようにすると良いでしょう。
電車の中で座席に座らず、立っているだけでも活動量が増えますよ。
掃除をするときに大きく体を動かす、子どもと一緒に全力で遊ぶなど、ご自身のライフスタイルに合わせていろいろ試してみてくださいね。
ポイント2 好きな有酸素運動に取り組む
ダイエットのために運動を行うなら、負荷が小さくてカロリーを消費しやすい有酸素運動がおすすめです。
加えて有酸素運動には、体脂肪が直接消費されるというダイエットを目指す人にうれしい効果があるのです。
さらに有酸素運動は負荷が小さく、運動初心者でも無理なく長時間続けやすいことも大きな特徴です。
運動が嫌いな人ほど、しんどい思いをせずに脂肪を燃やし、カロリーを消費できる有酸素運動をすると良いといえるでしょう。
代表的な有酸素運動にはウォーキングやジョギング、サイクリング、水泳、ハイキング、エアロビクスダンス、ステップエクササイズ、太極拳などがあります。
ご自身の好みやこれまでの運動経験、体力などをもとに好きな運動を選ぶと良いでしょう。
ただし有酸素運動だけを長期間実施していると、体がカロリーの消費を抑えるように適応して脂肪をためやすくなるといわれています。
有酸素運動に加えて筋トレも行うことで、脂肪が燃えやすく蓄積しにくい状態を保つことができるといわれています。
ダイエットに効果的な筋トレの方法やトレーニング種目についてはこの後説明します。
有酸素運動については以下の記事で詳しく解説しています。
有酸素運動とは?効果や無酸素運動との違い、おすすめの運動を紹介
ポイント3 2〜3日に一度筋トレに取り組む
ダイエットを成功させるには、2~3日に一度筋トレに取り組むことが効果的です[15]。
筋トレで筋肉が増えると基礎代謝が向上するため、安静にしている状態での消費カロリーが増加します。
また運動の消費カロリーも増えるため、ダイエットのための運動がより効率的になりますよ。
運動嫌いな人にはうれしいことに、筋トレは毎日行う必要はありません。
筋トレで筋肉に負荷をかけると、筋肉を構成する筋繊維の一部が破断します。
破断した筋繊維が回復する際、元の状態よりも太くなる「超回復」が起こります。
これにより筋肉が増大し、筋力が増すのです。
この際の超回復に時間がかかるため、同一部位の筋トレは毎日ではなく2~3日に一度行う方が効果的なのです[16]。
なお基礎代謝を向上させることを目的とする筋トレでは、大きな筋肉を鍛えることが重要です。
大きな筋肉には太ももの大腿(だいたい)四頭筋やハムストリングス、胸の大胸筋、背中の広背筋、お尻の大臀(だいでん)筋などがあります。
特におすすめの筋トレメニューは、太ももとお尻、ふくらはぎなど下半身全体の筋肉を一度に満遍なく鍛えられるスクワットです。
スクワットはまず足を肩幅程度に広げ、爪先をやや外側に向けて立ちます。
この際、膝と爪先は同じ向きにします。
お尻を後ろに突き出すようにして、背中を丸めずゆっくりと膝を曲げて腰を落とします。
膝が爪先よりも前に出ないよう注意してください。
太ももが床と平行になるまで曲げたら、ゆっくりと元の姿勢に戻ります。
筋トレの経験がなく、スクワットが難しそうと感じる人は、椅子につかまりながら行っても構いません。
また、有酸素運動と筋トレを同日に行う場合は先に筋トレを行うようにしましょう。
筋トレを行うと成長ホルモンが分泌されます。
成長ホルモンには脂肪の燃焼を促すはたらきがあるため、筋トレの後に有酸素運動を行うと脂肪がより燃えやすくなります。
逆に有酸素運動の後に筋トレを行うと成長ホルモンの分泌が抑制されるため、筋トレの効果が低下してしまいます。
有酸素運動と筋トレの効果を最大限に発揮させるため、この順番を守るようにしましょう。
ダイエットにおすすめの筋トレメニューについては以下の記事で詳しく解説しています。
ダイエットにおすすめの筋トレは?健康かつ効率的に痩せる方法を伝授
[15] 厚生労働省 e-ヘルスネット「レジスタンス運動」
ポイント4 無理のない範囲で行い習慣化する
ダイエットのための運動は無理のない範囲で習慣化することが重要です。
ご自身がしんどいと感じない強度や時間で運動することで、挫折せずに長期間継続することができるでしょう。
ただしできる範囲で始め、慣れてきたら徐々に運動の頻度を上げていくと良いでしょう。
初めはきついと感じていた運動でも、続けていると体が慣れて、楽に感じるようになるといわれています。
運動が物足りなくなった場合は、効率良くカロリーを消費できる中強度の運動を取り入れてみましょう。
中強度の運動にはウォーキングやサイクリング、体操、ハイキングなどが該当します。
また早歩きや階段の上り下りといった、ながらエクササイズの多くも中強度の運動に当たります。
楽だけどちょっときついと感じるくらいの負荷を意識して運動すると良いでしょう。
4.ダイエットのための生活習慣のポイント
「ダイエットのために、食事や運動以外でもできることってあるのかな?」
このように考える方もいらっしゃるかもしれませんね。
確かに摂取カロリーに関わる食事と消費カロリーに関わる運動はダイエットの大きな柱ですが、それ以外にもできることがあります。
この章では、日々の生活習慣上でダイエットの後押しになるポイントを二つご紹介します。
ポイント1 体重や体脂肪率を定期的に測定する
ダイエットを成功させるには、定期的にご自身の体重や体脂肪率を測定しましょう。
また鏡でご自身の体の変化を毎日観察するのも効果的です。
日々の体重や体脂肪率、見た目の変化を定期的にチェックすることで、ダイエットの成果を確認でき、モチベーションの維持にもつながります。
食べ過ぎたときと、食事を控え目にしたときの体重の変化にも気付きやすくなりますよ。
ただし、体重は食事や水分の摂取、発汗、排せつなどにより1日のうちでも変化します。
このため体重や体脂肪率はできる限り毎日同じ時間に、同じ条件で測定するようにしましょう。
測定するタイミングとしては、起床後トイレに行った後や就寝直前などがおすすめです。
また季節の変化に伴って着る服が変わることでも、体重は大きく変わります。
できるだけ同じ服を着るか、裸で測定するようにすると誤差が生じにくくなります。
なお体組成計で体脂肪率をチェックする場合は、体温や体内の水分量が変化しやすくなるため、食事や運動、入浴の直後を避けて安静時に測定するようにしてください。
体脂肪率については以下の記事で詳しく解説しています。
体脂肪率とは?健康への影響やBMIとの違い、減量のポイントを解説
食事を制限したり運動したりした成果はすぐに表れない場合もあるため、一喜一憂しないことも大切ですよ。
ポイント2 十分な睡眠をとる
十分な睡眠をとることもダイエットには重要です。
睡眠不足では、食欲を抑える「レプチン」というホルモンの分泌が減少し、逆に食欲を高める「グレリン」というホルモンの分泌が増加します。
しっかり眠っていないと食欲が増し、食べ過ぎてしまう危険が高まるのですね。
また、睡眠中には脂肪の分解を促すはたらきを持つ成長ホルモンも分泌されます。
睡眠不足では成長ホルモンの分泌量が減るため、脂肪が十分に分解されず肥満になりやすいといわれています。
快眠するためのポイントは以下の記事で詳しく解説しています。
快眠のための生活のポイントは?睡眠の重要性や適切な睡眠時間も解説
5.運動が嫌いな人向けのダイエットについてのまとめ
運動が嫌いな人でも食事を見直すことでダイエットは可能です。
運動をしなくても、食事からの摂取カロリーが消費カロリーを下回り続けていれば体重は減少します。
このため食事からの摂取カロリーを減らし、体脂肪の材料となる糖質や脂質の摂取量を減らすことが重要です。
ただし筋肉や臓器などの重要な材料となるたんぱく質や、糖質、脂質を排出してくれる食物繊維は積極的に摂取しましょう。
また健康を維持するために、栄養バランスの整った食事をゆっくり噛んで食べるようにしてください。
アルコールもカロリーが高く、食べ過ぎを招くためダイエット中は控えましょう。
なお食事を見直すだけでは体重減少がいずれ停滞するため、よりダイエットの効果を上げたい人は無理のない範囲で運動することを考えてみてください。
本格的な運動に抵抗のある人は、日々の生活での活動を増やすながらエクササイズから始めることがおすすめです。
また有酸素運動や筋トレを無理のない強度や時間で習慣化すると効果的にダイエットを進められるため、より成果を高めたい方はチャレンジしてみてください。
食事や運動以外でも、定期的に体重や体脂肪率を測定するとダイエットの成果を確認でき、モチベーションを保ちやすくなります。
またしっかり睡眠をとってホルモンバランスを整えることで、肥満を予防・改善することができます。
運動が嫌いでもダイエットを諦めず、理想のボディを目指してくださいね。