五大栄養素とは?それぞれのはたらきや摂取の際のポイントを解説!

2022年09月16日

2024年11月11日

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「五大栄養素って何?」

「それぞれの栄養素はどんなはたらきをしているんだろう……」

体に必要な栄養素のなかでも「五大栄養素」と呼ばれているものがあるのをご存じの方もいらっしゃるかもしれません。

五大栄養素とは食品に含まれている体にとって欠かせない栄養素です。

各栄養素にはそれぞれのはたらきがあり、バランスよく摂取することで健康を保つことに役立っています。

この記事では五大栄養素とはどんな栄養素が該当するのか、それぞれのはたらきや摂取のポイントなどについて解説します。

体に必要な栄養素をバランスよく摂取したいと考えている方は、ぜひ参考にしてみてくださいね。

1.五大栄養素とは

五大栄養素とは、「炭水化物(糖質)」「脂質」「たんぱく質」「ビタミン」「ミネラル」です。

これらは食べ物に含まれており、健康維持に必要な「バランスの良い食事」に欠かせません。

五大栄養素のうち炭水化物(糖質)と脂質、たんぱく質の三つは特に重要な栄養素で「エネルギー産生栄養素」と呼ばれています

エネルギー産生栄養素とは
食べ物に含まれる人間が生きていく上で欠かせない栄養素のうち、エネルギー源となるものの総称です。炭水化物(糖質)・脂質・たんぱく質が該当し、以前は「三大栄養素」と呼ばれていました。

五大栄養素には「エネルギー源になる」「体の組織(筋肉や骨など)をつくる」「体の調子を整える」という三つの重要な役割があります。

エネルギー源となるものには三つのエネルギー産生栄養素が、体の組織をつくる栄養素はたんぱく質とミネラルが、体の調子を整える栄養素はビタミンとミネラルが該当します。

五大栄養素の役割解説の図

それぞれの栄養素のはたらきについては、のちほど詳しくご紹介します。

【関連情報】 「栄養バランスの取れた食事とは?主食・主菜・副菜のポイントを紹介」についての記事はこちら

2.五大栄養素それぞれのはたらき

五大栄養素は大きく分けると「エネルギー源になる」「体の組織をつくる」「体の調子を整える」という三つのはたらきを担っていますが、それぞれの特有のはたらきも有しています。

ここでは、五大栄養素に該当する五つの栄養素それぞれのはたらきについてご紹介します。

2-1.炭水化物(糖質)

炭水化物は体のエネルギー源となる栄養素です。

「糖質」と「食物繊維」で構成されていますが、そのうちエネルギー源となるのは糖質です。

メモ
厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」は人間の消化酵素で消化できるものを糖質、消化できないものを食物繊維としています。糖質が1g当たり4kcalで概算できるのに対し、食物繊維のつくり出すエネルギーはごくわずかです[1]。しかし、食物繊維には整腸作用をはじめ、人体に良い影響を与える作用が多くあることから「第6の栄養素」と呼ばれることもあります。

エネルギーをつくり出す栄養素は炭水化物のほか、脂質とたんぱく質がありますが、どの栄養素よりも素早くエネルギーに変わり、人間の体を動かす力となってくれるのが糖質でです。

食事から摂取された炭水化物は消化・吸収され、脳や筋肉などさまざまな組織のエネルギー源として利用されます。

そのため、炭水化物の不足はエネルギー不足につながり、疲労を感じやすくなったり集中力が落ちてしまったりする原因となってしまうのです。

白米を食べる男女

炭水化物を多く含む食品は、米やパン、麺などの穀類やいも類、果実類、砂糖や甘味類などです。

炭水化物や糖質といえばダイエット中の方には敬遠されがちな栄養素ですが、体には不可欠な栄養素なのですね。

[1] 厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)

2-2.脂質

炭水化物同様エネルギー産生栄養素の一つが脂質です。

脂質は1g当たり約9kcalと効率よくエネルギーをつくり出す他、使い切れなかったエネルギーを蓄えておく役目も担っています[2]。

メモ
脂質はエネルギー源となる他、細胞膜やホルモンを構成したり脂溶性ビタミンの吸収を助けたり、体の保温に役立ったりしています。

脂質を構成している成分「脂肪酸」には、大きく分けると「飽和脂肪酸」と「不飽和脂肪酸」があり、それぞれに性質が異なります

脂肪の分類図

不飽和脂肪酸は「一価不飽和脂肪酸」と「多価不飽和脂肪酸」に分類され、多価不飽和脂肪酸はさらに「n-6系脂肪酸」と「n-3系脂肪酸」に分けられます。

飽和脂肪酸は体内で合成することができますが、不飽和脂肪酸のうちの多価不飽和脂肪酸は体内では合成できないため、食べ物からの摂取が必要です。

飽和脂肪酸を摂り過ぎると悪玉コレステロールの血中濃度を上昇させることが知られていますが、多価不飽和脂肪酸には対照的な作用、つまり悪玉コレステロールを低下させる作用があります。

飽和脂肪酸は主に肉類や乳製品などの動物性脂肪に、多価不飽和脂肪酸は青魚や植物油などに含まれています

量だけではなく、「質」に注目して脂質を摂取することが重要だといえるかもしれませんね。

メモ
多価不飽和脂肪酸のn-6系脂肪酸にはリノール酸、n-3系脂肪酸にはα-リノレン酸、DHA(ドコサヘキサエン酸)、IPA(イコサペンタエン酸)などが含まれます。

[2] 厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)

2-3.たんぱく質

たんぱく質は主に筋肉や臓器など体をつくるもととなる栄養素です。

たんぱく質も1g当たりおよそ4kcalをつくり出すエネルギー産生栄養素のひとつですが[3]、炭水化物と脂質が不足してしまったときにエネルギー源として使われるようになります。

メモ
炭水化物や脂質が不足すると、たんぱく質を分解することでエネルギーをつくり出します。このような状況では、たんぱく質本来のはたらきである「体をつくるもととなる」機能が失われてしまうことになるのです。

食事から摂取されたたんぱく質は消化・吸収を経て筋肉や内臓、皮膚、髪の毛などの材料となったり体の機能を調節するホルモンや酵素の成分となったりします

メモ
たんぱく質は20種類のアミノ酸がいくつも結合してできた物質です[4]。たんぱく質のままでは体内に吸収できないため、消化よって数個程度のアミノ酸が結合した「ペプチド」や最小単位であるアミノ酸まで分解され吸収されます。その後体内でたんぱく質に再合成され利用されます。

鶏むね肉の料理

たんぱく質を多く含む食べ物は肉類や魚類、乳類、卵類、豆類などです

不足すると筋肉量の減少や筋力の低下を招きますが、過剰摂取もカロリーオーバーによる肥満や腸内環境の悪化につながることがあります。

たんぱく質の必要量や多く含まれる食べ物について詳しく知りたいという方は、こちらの記事も参考にしてみてください。

たんぱく質を多く含む食べ物は?摂取量の目安やおすすめの食材を解説

[3] 厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)

[4] 厚生労働省 e-ヘルスネット「アミノ酸

2-4.ビタミン

ビタミンは人間の体の機能を維持するのに欠かせない栄養素です。

多くのビタミンは体内で合成できないため、食べ物から摂取しなければいけません。

ビタミンには「脂溶性ビタミン」「水溶性ビタミン」があります。

水に溶けない性質を持つ脂溶性ビタミンはビタミンA、ビタミンD、ビタミンE、ビタミンKです。

一方、水溶性ビタミンにはビタミンB群(B1、B2、B6、B12、ナイアシン、パントテン酸、ビオチン、葉酸)、ビタミンCが該当します。

一般的な食事を摂っていれば欠乏する心配はあまりありませんが、偏った食事などにより不足を招き体調不良などの原因となる場合もあります

各ビタミンのはたらきや含まれる食べ物の一例を以下にご紹介します。

【各ビタミンの主なはたらきと含まれる食品】

主なはたらき 含まれる食品
ビタミンA 目や皮膚の健康維持、抗酸化作用 レバー、緑黄色野菜、魚介類
ビタミンD 骨の健康維持 きのこ類、魚介類
ビタミンE 抗酸化作用 ナッツ類、魚介類、植物油、魚卵
ビタミンK 血液凝固、骨の形成に関与 豆類(納豆)、海藻類 、緑色の濃い野菜
ビタミンC 抗酸化作用、コラーゲン生成に必須 野菜類、いも類、果実類
ビタミンB1 糖代謝に関与、皮膚や粘膜の健康維持 穀類、豆類、肉類(豚肉)
ビタミンB2 脂質代謝に関与、皮膚や粘膜の保護 レバー、アーモンド、うなぎ、納豆、卵
ナイアシン 糖、たんぱく質、脂質の代謝に関与 たらこ、まぐろ、かつお、落花生
ビタミンB6 アミノ酸の代謝に関与 まぐろ、かつお、豚ヒレ肉、鶏むね肉
ビタミンB12 アミノ酸や脂質などの代謝に関与 レバー、あさり、しじみ
葉酸 赤血球の生成に関与 レバー、枝豆、グリーンアスパラ
パントテン酸 脂質の代謝に関与 レバー、納豆、たらこ、鶏むね肉
ビオチン アミノ酸や脂質の代謝に関与 レバー、落花生、アーモンド、卵

2-5.ミネラル

緑黄色野菜の画像

ビタミン同様、体の機能を正常に保つために必要なのがミネラルです。

ミネラルは「無機質」と呼ばれることもあります。

メモ
「ミネラル」は地球上に存在する118の元素のうち生体を構成する主要な4元素(酸素、炭素、水素、窒素)を除く全ての元素を指しますが、現在人体に存在し栄養素として欠かせないことが分かっているミネラルは16種類[5]、そのうち摂取基準が定められているものは13種類あります[6]。

体内で合成することができないため食べ物から摂取する必要があり、不足したり過剰摂取したりした場合には、体に不調を来すことがあります

ミネラルはそれぞれが互いに影響を与えながら作用しているため、偏ることなく摂取することが大切です。

各ミネラルのはたらきや含まれる食べ物の一例を、以下にご紹介します。

【各ミネラルの主なはたらきと含まれる食品】

ミネラル名 主なはたらき 含まれる食品
ナトリウム 体の水分バランス、細胞内外の浸透圧の調整 食塩および食塩を含む加工食品
カリウム 細胞の浸透圧の維持、神経伝達、筋肉収縮 いも類、野菜類、果実類、海藻類
カルシウム 骨の形成、骨や歯の材料 魚介類、大豆製品、乳類
マグネシウム 体内の代謝に関与、骨の健康維持 豆類、ナッツ類、魚介類
リン エネルギーや脂質の代謝に関与 穀類、豆類、魚介類、卵類、乳類
ヘモグロビンとして酸素の運搬などに関与 あさり、のり、青菜、赤身肉、豆類
亜鉛 細胞の成長や分化に関与 牡蠣、穀類、ナッツ類、肉類
たんぱく質と結合し多くの代謝に関与 牛レバー、豆類、ナッツ類、魚介類
マンガン 酵素の活性化に関与 穀類、ナッツ類
ヨウ素 甲状腺ホルモンの材料 海藻類、魚介類
セレン 抗酸化反応に関与 魚介類、肉類
クロム 糖質やコレステロールの代謝に関与 大豆製品、海藻類、魚介類、肉類
モリブデン 腎臓や肝臓ではたらく酵素の材料 レバー、穀類、豆類、ナッツ類

[5] 国立研究開発法人 国立循環器病研究センター「栄養に関する基礎知識

[6] 厚生労働省 e-ヘルスネット「ミネラル

3.五大栄養素を摂取する際のポイント

健康維持に必要な「バランスの良い食事」の基本となるのが五大栄養素です。

バランスの良い食事は、ご飯やパンの「主食」、肉や魚のおかず「主菜」、野菜などのおかず「副菜」がそろった食事をイメージすると分かりやすいかもしれません。

【主食・主菜・副菜に該当するもの】

  • 主食……ご飯やパン、麺など
  • 主菜……肉や魚、卵、大豆製品などのおかず
  • 副菜……野菜やきのこ、海藻類、いも類などのおかず

主食になるものは炭水化物(糖質)、主菜になるものはたんぱく質や脂質、副菜になるものはビタミン・ミネラルを多く含みます。

主食・主菜・副菜と五大栄養素の関係図

図を見ると主食、主菜、副菜のそろった食事からは五大栄養素がしっかり摂取できるのが分かりますね。

実際に主食、主菜、副菜のそろった食事を摂る回数が多い方は栄養素や食品をバランスよく摂取できている他、栄養素が不足している割合が少ないといわれています。

バランスの良い食事を摂ることは、五大栄養素をしっかり摂取することにつながるのですね。

4.五大栄養素についてのまとめ

五大栄養素とは、食べ物に含まれる「炭水化物(糖質)」「脂質」「たんぱく質」「ビタミン」「ミネラル」のことを指します。

これらの栄養素のうち、人間の生命維持に欠かせないエネルギーをつくり出すもとになっているのが、主に炭水化物(糖質)と脂質です。

また筋肉や骨など体の組織をつくる栄養素はたんぱく質とミネラル、体の機能を正常に保ち体調を整えるのはビタミンやミネラルです。

これら五大栄養素は健康維持に必要な「バランスの良い食事」の基本となるため、バランスの良い食事を心掛けることは五大栄養素の摂取につながります。

健康に過ごすためにも、五大栄養素をしっかり摂取できるバランスの良い食事を目指してみてくださいね。

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