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ブドウ糖とは?はたらきや含まれる食品、適切な摂取量を詳しく解説

2023年8月7日

ボディコンディション

「ブドウ糖にはどんなはたらきがあるんだろう?」

ブドウ糖についてよく分からないという方も多いのではないでしょうか。

ブドウ糖は、ヒトが活動するためのエネルギー源となる重要な栄養素の一つです。

特に脳にとってはブドウ糖が唯一のエネルギー源といわれています。

この記事ではブドウ糖のはたらきや、ブドウ糖を含む食品、適切な摂取量などについて詳しく解説します。

ブドウ糖についての理解を深め、日常の健康に役立ててくださいね。

1.ブドウ糖とは

ブドウ糖のイメージ画像

「ブドウ糖っていったい何なんだろう……」

ブドウ糖という言葉は知っていても、実際どのようなものかよく知らない方もいらっしゃるでしょう。

ブドウ糖は、糖質の最小単位である「単糖類」を代表するものです。

他の単糖類やブドウ糖同士が結び付くことにより、ショ糖や乳糖、でんぷんなどがつくられます。

メモ
糖質は、単糖類、少糖類、多糖類に分けられます。単糖類にはブドウ糖の他、果糖やガラクトースが含まれます。単糖類が複数結び付いたものが少糖類で、ショ糖や乳糖がこの仲間です。多糖類は少糖類よりも多くの単糖類が結び付いたもので、でんぷん、グリコーゲンなどがあります。

糖質の分類

食べ物に含まれる糖質は、消化吸収により分解されブドウ糖となりエネルギー源として使われます。

他の栄養素よりも早く分解・吸収されるため、エネルギー不足になった際に速やかに効率良く利用できます。

なお、使われなかったブドウ糖はグリコーゲンとして肝臓や筋肉に蓄えられます。

空腹時や運動時にグリコーゲンが分解されエネルギー源として利用されます。

またブドウ糖は脳にとって唯一のエネルギー源であるため、ヒトにとって必要不可欠な重要な栄養素なのです。

ブドウ糖のはたらき

2.ブドウ糖の過不足による影響

いろいろな糖質

「ブドウ糖を摂り過ぎるとどうなるんだろう?」

「ブドウ糖が足りなくなることってあるのかな……」

このような疑問を持つ方もいらっしゃるのではないでしょうか。

ブドウ糖は多過ぎても少な過ぎても体に悪影響を及ぼします

ここではブドウ糖の過不足による体への影響について解説します。

2-1.ブドウ糖を摂り過ぎた場合の影響

ブドウ糖の摂り過ぎは肥満や生活習慣病の原因になることがあります

摂り過ぎた場合に生じる症状についてみていきましょう。

【ブドウ糖を摂り過ぎた場合の影響】

  1. 肥満
  2. 糖尿病
  3. 脂質異常症

2-1-1.肥満

ブドウ糖は摂り過ぎると肥満を招く原因となります

ブドウ糖は血糖として血液中に存在し、インスリンのはたらきにより濃度が調整されています。

インスリンとは
膵臓(すいぞう)から分泌されるホルモンです。食後に血液中のブドウ糖濃度(血糖値)が上昇すると分泌され、細胞にブドウ糖を取り込みエネルギーとして利用できるようにします。ホルモンのなかで血糖値を下げるはたらきをするのはインスリンのみです。

血糖値が高くなると、ブドウ糖はインスリンの作用で中性脂肪に変換され脂肪細胞へ蓄えられます

そのためブドウ糖の摂り過ぎが続くと、肥満につながってしまうのです。

2-1-2.糖尿病

ブドウ糖の摂り過ぎは糖尿病の発症リスクを高めます

糖尿病はインスリンの不足や機能低下により、血糖値の高い状態が慢性的に続いてしまう疾患です。

通常は食後に血糖値が高くなっても、インスリンのはたらきにより2時間以内には血糖値が正常値に戻ります[1]。

しかし、何らかの理由でインスリンの分泌が少なかったり、インスリンのはたらきが不十分だったりすると正常値に戻らない場合があり、この現象は「食後高血糖」と呼ばれます[1]。

食後高血糖の状態が長く続くことにより、糖尿病を発症する他、心臓や腎臓の疾患など重篤な病気を招く場合もあります

[1] 厚生労働省e-ヘルスネット「食後高血糖」

2-1-3.脂質異常症

ブドウ糖の摂り過ぎは中性脂肪を増やし、脂質異常症を招く原因にもなります

脂質異常症は、血液中における脂質の濃度が基準値から外れてしまっている状態のことです。

脂質異常症が進行すると動脈硬化になり、脳や心臓の病気を引き起こす恐れがあります。

動脈硬化とは
血管から弾力が失われ硬くなってしまう状態のことです。血管が詰まりやすくなり、重篤な病気を引き起こす恐れがあります。

ブドウ糖はインスリンの作用で筋肉のエネルギー源となる他、グリコーゲンに変換され筋肉や肝臓に蓄えられます。

しかしブドウ糖が多くなり過ぎると、余剰分は中性脂肪として脂肪細胞に蓄えられます。

そのためブドウ糖の摂取が過剰な状態が続くと、中性脂肪が増え続けてしまうのです。

中性脂肪の値は脂質異常症の診断基準の一つです。

メモ
脂質異常症の診断基準には中性脂肪の他、HDLコレステロール、LDLコレステロールの値が用いられます。

2-2.ブドウ糖が不足した場合の影響

ブドウ糖の摂取が少な過ぎても体に変調を来す場合があります

ブドウ糖の不足による影響についてみていくことにしましょう。

【ブドウ糖が不足した場合の影響】

  1. 集中力の低下
  2. 疲労感
  3. 筋肉量の減少

2-2-1.集中力の低下

ブドウ糖の不足により集中力が低下することがあります

ブドウ糖は脳にとって唯一のエネルギー源で、自動車のガソリンのように脳を動かすはたらきをします。

そのためブドウ糖が不足すると脳はエネルギー不足に陥り、集中力が低下したりイライラしたりすることがあります。

2-2-2.疲労感

ブドウ糖の不足は疲労の原因にもなります

体はエネルギー不足になるとグリコーゲンとして蓄えていたブドウ糖を利用するので、長時間ブドウ糖を供給し続けることができません。

そのため活動力は低下し、体が重さやだるさ、疲れを感じるようになります。

2-2-3.筋肉量の減少

ブドウ糖の不足は筋肉量の減少にもつながります

筋肉に蓄えられたグリコーゲンがブドウ糖不足により減少すると、体はエネルギーを補うためたんぱく質を分解します。

その際にたんぱく質でできている筋肉も分解され、筋肉量が減少してしまいます。

3.ブドウ糖を含む主な食品

半分にわったどらやき

「ブドウ糖ってどんな食べ物に入っているのかな……」

ブドウ糖を含む食品は身近にたくさんあります。

ここではブドウ糖を含む主な食品について、みていきましょう。

3-1.ブドウ糖を含む主な食べ物

ブドウ糖は、砂糖や甘味料の他、ごはん・パンなどの穀類や、じゃがいも・さつまいもなどのいも類に多く含まれています

また、ブドウ糖という名前は、ブドウ糖がレーズンから抽出されたことに由来するといわれており、ジャムやドライフルーツを含む果物には特に多く含まれています。

ただし果物や甘いものは血糖値の急激な上昇を招くため、摂り過ぎないように注意しましょう

3-2.ブドウ糖を含む主な飲み物

ブドウ糖はさまざまな清涼飲料水にもたくさん含まれます

オレンジ・レモン・アップルなどのフルーツ風味のジュースや、コーラやサイダーなどの炭酸飲料、スポーツドリンク、砂糖入りのコーヒー、紅茶など種類も豊富です。

こちらも甘い食べ物同様血糖値を急激に上昇させるため、摂り過ぎには注意しましょうね。

4.ブドウ糖についてのまとめ

ブドウ糖は、糖質の単位としては最小の単糖類を代表するもので、他の単糖類やブドウ糖同士が結び付くことにより、ショ糖や乳糖、でんぷんなどがつくられます。

消化吸収により分解された糖質はブドウ糖となり、エネルギーとして運動時に利用される他、脳の唯一のエネルギーとして使われます

しかしブドウ糖を摂り過ぎることで肥満を招いたり、糖尿病を発症したりすることがあります

また、中性脂肪を増やし、脂質異常症を招く原因にもなります。

一方、ブドウ糖の不足は集中力の低下や疲労、筋肉量の減少にもつながります

摂り過ぎには注意する必要がありますが、足りな過ぎても体に良くない影響があるのですね。

ブドウ糖は、砂糖やはちみつなどの甘味料の他、穀類やいも類に含まれています。

ジャムやドライフルーツを含む果物は特にブドウ糖を多く含みます。

また、ブドウ糖はさまざまな清涼飲料水にもたくさん含まれます。

甘い食べ物や清涼飲料水は血糖値を急激に上昇させるため、摂り過ぎには注意しましょう

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