老眼とは?原因や症状、目をいたわるためのポイント、治療について解説

2024年09月19日

2024年11月10日

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「老眼とはどんな状態だろう?」

「老眼を防ぐことはできるのかな?」

このように疑問に思っている方もいらっしゃるかもしれませんね。

老眼とは目のピントを合わせる力が衰えることで近くのものが見えづらくなる現象です。

加齢に伴う変化であり、誰にでも起こります。

老眼を放置すると全身にさまざまな不調を起こしやすくなるため、日頃から目をいたわることが大切です。

この記事では老眼の原因や症状、目をいたわるためのポイントや治療法について解説します。

老眼について不安を抱いている方は、この記事を読んで老眼の対策・予防の参考にしてくださいね。

1.老眼とは

老眼とは目のピントを合わせる力が衰えることで、近くのものが見えづらくなった状態のことです。

医学的には「老視」といいます。

「若いころに比べて近くのものが見えづらくなった……」

このような症状が出現している場合は老眼の可能性があります。

どのようにして老眼が起こるのか、この章では老眼の原因や症状について解説します。

1-1.老眼の原因

老眼は加齢に伴って目のピントの調節力が衰えることで起こります

ヒトの目はものを見る際、自動的にピントを合わせています。

このピントを調整する役割を担っているのが「水晶体」と「毛様体(もうようたい)」です。

ピント調節仕組みと老眼

水晶体はカメラのレンズのようなはたらきをしていて、毛様体によって厚みが調整されています。

毛様体は血管と筋肉が豊富にある組織です。

毛様体の筋肉が伸縮することで水晶体の厚さを変え、ピントが調節されています

若いうちはこの調節力が十分にあるため、ものをはっきりと見ることができるのです。

しかし年齢を重ねるにつれ、水晶体は弾力が低下し、毛様体の筋肉の収縮力も弱まっていきます

これによりピントを上手く合わせられなくなり、ものが見えづらくなった状態が老眼です。

1-2.老眼の症状

「老眼にはどのような症状があるのかな?」

このように疑問に思っている方もいらっしゃるかもしれませんね。

加齢に伴い目の機能が衰えてくると近くから遠くへ、遠くから近くへ視点を移す際、ピントを合わせるのに時間がかかるようになります。

そのため老眼では次のような症状が出現しやすくなります。

【老眼でよくある症状】

  • 新聞など細かい文字が見えにくい
  • 目の疲れを感じる
  • うす暗い場所でものが見えにくい

この他に、見えづらいことで目の疲れが重なると、頭痛や肩こり、食欲不振といった体の不調を来すこともあります

このような症状は40歳代くらいから現れ始めるといわれています[1]。

メモ
近年では長時間のスマートフォンの使用により、若年層でも老眼のような症状が起こることがあります。老眼のような加齢に伴う変化ではないため、目を休ませる、ものを見るときに適切な距離を取り、長時間凝視しないといった対策をとることで予防できます。

[1] 公益財団法人 日本眼科学会「老視

2.老眼の場合どうしたら良い?

老眼は放置すると日常生活に支障を来す可能性があるため治療が必要です。

老眼の治療は、眼鏡やコンタクトレンズを使用して見え方を矯正します

老眼鏡には手元から遠くまでピントが合う「遠近両用眼鏡」や、手元からおおむね室内までの範囲にピントが合う「中近両用眼鏡」など、さまざまなものがあります。

老眼鏡に抵抗があるという方には老眼用コンタクトレンズの使用がおすすめです。

ただし、ご自身に合わない眼鏡やコンタクトレンズを使用していると「眼精疲労」を引き起こす可能性があるため注意が必要です。

眼精疲労とは
病的な目の疲れのことをいいます。老眼以外に、白内障やドライアイなどの病気や長時間のスマートフォン使用といった目に適切でない環境や過剰な負担により引き起こされます。肩こりや頭痛、吐き気など全身に不調を来します。

その他に手術などで治療する方法もあるため、症状や生活スタイルに合わせた治療法を選択することができます。

また、眼精疲労は老眼を放置することでも起こることがあります

気になる症状がある場合は、眼科を受診して適切な治療を受けましょう。

3.目をいたわるためのポイント

目をいたわることは目の老化予防につながります。

老眼は全ての人に起こり得る老化現象ですが、放置すると全身にさまざまな不調を来しやすくなります。

快適な日常生活を送るためにも日頃から目をいたわることが大切なのです。

この章では目をいたわるためのポイントについて解説します。

ポイント1 目を適度に休ませる

アイマスクをつけている女性

目を適度に休ませることで目の疲労からくるトラブルを防ぎましょう。

加齢に伴い目のピントを調節する力が衰えてくると無理にピントを合わせようとして目が疲れやすくなります

また、目を休ませずに酷使していると目の疲れが蓄積し、頭痛や肩こりなどの不調が現れます。

目の疲れを感じたら目を軽く閉じたり、まばたきをしたりして目を休ませることが大切です。

特にパソコンやスマホの使用は目に大きな負担となるため、1時間に一度は休憩を設けましょう[2]。

目の血行を良くして緊張をほぐしてくれるホットアイマスクの使用もおすすめですよ。

また睡眠をしっかりとることでも目の疲労回復を促します

目の疲労からくるトラブルを防ぐためにも目を適度に休ませる習慣をつけましょう。

[2] 公益社団法人 日本眼科医会「パソコンと目

ポイント2 目薬を使う

目薬

症状に合わせた目薬を使って目のケアをしましょう。

目薬にはピント機能を調整してくれるものや保湿効果のあるものなどさまざまな種類があります

目薬に含まれる成分のうち、疲れ目の改善が期待できる代表的な成分はビタミンB1、ビタミンB6、ビタミンB12などのビタミンB群やビタミンE、「ネオスチグミンメチル硫酸塩」です。

特に、ネオスチグミンメチル硫酸塩は毛様体筋に作用し、ピントの調整をサポートしてくれます。

パソコンやスマホを長時間使用する方にもおすすめです。

また目の渇きが気になる方は人工涙液タイプの目薬を使用するなどして対策しましょう

これらの成分を含む目薬は薬局で気軽に購入することができますが、防腐剤などが含まれているため一日に何度も使用するのに適さない場合もあります。

目の疲れが酷く、目薬を常用したい場合はまず眼科を受診した方が良いでしょう。

ポイント3 目に必要な成分を十分に摂取する

生のブルーベリー

目に必要な成分を十分に摂取することは目の機能を維持することに役立ちます

目の機能を維持するはたらきを持つ成分には、「アントシアニン」や「アスタキサンチン」「ルテイン」などがあります。

アントシアニンは紫色の色素成分で目の機能回復に効果があるといわれています。

目に良い食材でおなじみのブルーベリーをはじめ、黒豆、なすなどに含まれています。

アントシアニンは体内に長くとどまることができないため毎日摂り続けることが大切です。

アスタキサンチンやルテインは活性酸素を除去し目の疲れを取る効果があるとされています。

活性酸素とは
空気中の酸素よりも活性化された酸素のことです。免疫機能の維持に重要なはたらきをする一方で、過剰につくられると肌のシミやシワ、たるみの他、老化、がん、動脈硬化、生活習慣病などの原因になるといわれています。

アスタキサンチンは赤い色素の成分で、えびやかになどの甲殻類やさけやますなどの魚類に含まれています。

ピントの調節機能を改善させ、視力を回復させる効果が期待されています

また、かぼちゃやにんじんといった緑黄色野菜に豊富に含まれている黄色の色素成分がルテインです。

ルテインは紫外線などによるダメージから目を保護するはたらきがあると考えられています

これらの成分は体内でつくることができないため、日々の食事から摂取しましょう。

ポイント4 適度に運動する

並んでウォーキングしている男女

適度な運動は目の健康維持に役立ちます。

運動には血液の流れを良くする効果があります。

目にも多くの血管が通っているため、運動により血流を良くすることで目に必要な酸素と栄養素を供給することができるのです。

また運動にはストレス解消の効果があり、ドライアイや眼精疲労の改善も期待できます

ストレスを感じると涙の分泌が抑えられ目が乾きやすくなるため運動をしてストレスを発散することが大切です。

4.老眼についてのまとめ

老眼は加齢に伴って目のピントを合わせる力が衰え、近くのものが見えづらくなった状態です。

ヒトの目は物を見る際、毛様体の筋肉が縮んだり伸びたりすることで水晶体の厚みを変え、ピントを自動的に調節しています。

年を重ねると、この調節力が弱まるためピントを上手く合わせられなくなり、ものが見えづらくなるのです。

このような症状は40歳代くらいから現れやすくなるといわれています[3]。

老眼を放置したり、適切な治療を行わなかったりすると眼精疲労を引き起こし、日常生活に支障を来す恐れがあります。

ただの老化現象だと軽視せず、ご自身に合った適切な治療を受けましょう。

また日頃から目をいたわることも大切です。

目の疲労感を軽減させるために、目を適度に休ませたり、目薬を使ったりしましょう。

目に必要な栄養素を摂取することも重要です。

これらの栄養や酸素を目に届けるためにも適度な運動をして血流を良くしましょう。

この記事を、目を労り、老眼の症状を和らげるための参考にしてくださいね。

[3] 公益財団法人 日本眼科学会「老視

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