首のストレッチとは?首こりを予防するためのポイントも解説【動画付き】

2023年08月10日

2024年12月06日

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「首がこっているけど、首のストレッチは効果があるのかな?」

「首のストレッチってどうやれば良いんだろう?」

とお困りの方もいらっしゃるかもしれません。

デスクワークによる症状の悩みのなかで、首のこりは肩のこりに次いで多くなっています(株式会社ロッテ調べ)。

デスクワークの悩み

「デスクワークによる肩・首のこりに悩む人は5割超!予防のポイントとは」

毎日、パソコンやスマートフォン(スマホ)を使用するために、首こりや肩こりに悩む方は多く、なかには「ストレートネック」と診断される方もいらっしゃることでしょう。

この記事では、そんな首のためのストレッチと、首こりを予防する方法をご紹介します。

首こりで悩んでいる方はぜひ参考にしてください。

1.首こりとは

「こり」とは筋肉が固くなったり、こわばったりした状態をいいます。

首こりは首の後ろの筋肉が凝り固まって、痛みや疲労感などがある症状だといわれています。

さまざまな原因によって、首の周りの筋肉の緊張が続くと、血流が悪くなって、こりや痛みを引き起こすと考えられています。

首がこるのにはいくつか理由が考えられます。

また、首がこると別の症状を誘発するリスクがあることも分かっています。

そのため、次から首こりの原因と、首こりによる症状を紹介していきます。

【関連情報】 「ストレッチの効果とは?おすすめメニューや効果を高めるコツも紹介」についての記事はこちら

2.首こりの原因

首がこってしまう原因にはうつむいている姿勢、眼精疲労、運動不足、ストレスなどさまざまなものがあります。

2-1.姿勢

首こりの主な原因はパソコンやスマホを操作するときのうつむいた姿勢だといわれています。

特に集中している人ほど体を動かさないことが多く、無意識のうちに首に負担のかかるうつむいた姿勢を続けてしまいがちです。

うつむいた姿勢を続けていると「ストレートネック」になってしまう恐れがありますが、これも首こりの原因になり得ます。

ストレートネックとは首の骨(頸椎)が真っすぐになってしまう状態のことで、さまざまな不調の原因とされています。

本来なら、首の骨は頭を支えるため、前方に向けて緩やかにカーブしています。

しかし、うつむいた姿勢を長時間続けると、頭を支えている首の筋肉が硬くなり、その筋肉に引っ張られるかたちで少しずつ首の骨がまっすぐになってしまうのです。

ストレートネック

ストレートネックになると首にかかる負担が大きくなるので、頭を支えている首や肩がこりやすくなります。

座ったまま過ごすことの多いデスクワーカー、同じ姿勢を保つ必要のある美容師や長距離トラックのドライバーのような仕事に就いている方は、首こりが起こりやすい傾向にあります

【関連情報】 「ストレートネック」について詳しく知りたい方はこちら

2-2.眼精疲労

「眼精疲労」も首こりにつながります

長時間にわたって目を酷使し続けて目が疲れると、物が見づらくなったりして、目を近づけるなどの不自然な姿勢をとってしまいます。

その不自然な姿勢のせいで、首のこりが引き起こされることがあるのです。

眼精疲労とは
目を使い続けた結果として目の痛み、かすみ、充血などが症状として現れ、休息や睡眠を取っても十分に回復できない状態のことです。

パソコンやスマホの画面を長く見続けることは目の酷使につながるので、眼精疲労に陥りやすいとされています。

【関連情報】 「眼精疲労」について詳しく知りたい方はこちら

2-3.運動不足やストレス

普段体を動かさない人ほど筋肉に緊張が生じやすく、首こりが起こりやすくなります。

さらには過剰なストレスを受けると「自律神経」が乱れ、首周辺の血流が悪くなり、結果として首こりが起こることがあります。

自律神経とは
生命活動を維持するため、本人の意思とは関係なくはたらく神経のことです。自律神経には緊張時にはたらく「交感神経」とリラックス時にはたらく「副交感神経」があります。

【関連情報】 「自律神経」について詳しく知りたい方はこちら

3.首こりによる症状

首がこると頭痛やめまい、吐き気、食欲不振などの症状が出ることがあります

首こりとは無関係に思える不調が、体の別の場所に現れることもあるのですね。

また、首の両脇は自律神経の通り道でもあります。

そのため首がこって筋肉が硬くなると自律神経が乱れやすくなり、不眠やうつなどになるリスクも高くなってしまうのです。

その他にも異常に汗が出る、目が見えづらくなる、手足が冷える、のぼせたように顔が熱くなる、といった症状が出ることがあります。

こういった症状は「不定愁訴」と呼ばれることがあり、医療機関を受診しても原因がはっきりしないことが多々あります

不定愁訴とは
原因は分からないものの、どことなく調子が悪い状態のことを指します。一つの症状が長続きすることは少なく、日によって変わる場合が多いのも不定愁訴の特徴です。

さまざまな不調につながる恐れがあるからこそ、普段から首こりを改善・予防していくことが重要です。

4.首のストレッチ4種類を紹介【動画付き】

首こりを放置すると、さまざまな体の不調 を引き起こす可能性があり、悪化しないためには、こまめに対処することが重要です。

うつむいたままの姿勢によって生じた首こりを改善するには、頭を本来の位置に戻すようはたらきかける必要があります

そのため、まずは首周りの筋肉をほぐすことから始めましょう。

筋肉をほぐすためには、軽い力であればマッサージをすることも良いでしょう。

しかし、首には脳に血液を送る血管や神経が通っています。

強い力でマッサージをすると、痛みやしびれの原因となる可能性があるため、首周りを強くもんだり押したりはしないようにしましょう 。

首周りの筋肉をほぐすためには、首のストレッチも有効です。

首のストレッチを行うことで血行が良くなると、筋肉の柔軟性が取り戻され、首こりの解消が期待できます

ストレッチは、PC作業などのデスクワークの合間に行うのも良いですし、こまめに行うことをお勧めします。

ここでは首のストレッチを4種類紹介します。

注意!
ストレッチを行う際は力を入れ過ぎないように注意してください。力を入れて無理に伸ばそうとすると、かえって筋肉を痛めてしまうことがあります。痛みを感じない程度の軽い力加減から始め、少しずつ強度を調整していきましょう。

4-1.首の横のストレッチ

このストレッチでは首の両脇にある筋肉をほぐしていきます

気持ち良く首が伸びるのを感じましょう。

首の横のストレッチ

これを2〜3回ずつを目安に行ってください。

4-2.首の前のストレッチ

次に首の前の筋肉をほぐしていきます

パソコンやスマホを見るときのうつむいた姿勢で縮こまってしまいがちな筋肉のため、しっかり伸ばすと良いでしょう。

首の前のストレッチ

また、この状態であごを斜め上に向けると、首筋の左右の筋肉を伸ばすことができます。

一連の動作を2〜3回を目安に繰り返してください。

4-3.首の後ろのストレッチ

このストレッチでは首の後ろをほぐします

首の後ろのストレッチ

一連の動作を3〜5回を目安に繰り返してください。

このとき真上を向くほど首を動かさないこと、圧をかける際に指の位置を上下にずらすことがポイントです。

4-4.器具を使ったストレッチ

最近では、首のストレッチのための器具が数多く販売されていますね。

主なものには、ストレッチ用の首枕、フォームローラー、つぼ押し器などがあります。

そのなかでもフォームローラーは、研究の結果、ストレッチの効果があることが示されています[1]。

ただし、器具を使用する場合、誤った使い方をするとかえって状態が悪化してしまうこともあるので注意しましょう。

医師の治療を受けている方は、必ず医師と相談の上使用し、また、使用中や使用後に痛みなど感じた場合もすぐに使用を中止し、医師などに相談してください

無理をせず徐々に慣らしながら使用することや、長時間の使用を避け、痛みの原因とならないよう注意することも重要です。

寝ながら使用できるものは、使用したまま眠ってしまい、後で痛みなどの不調が起こる恐れがあります。

使用中に眠ってしまわないように、タイマーをかけるなどして、推奨される使用時間を守りましょう。

[1] 中村雅俊「フォームローラーはストレッチングの代わりになるのか?」基礎理学療法学 第26巻、第 1号(2023)

5.首こりを予防する4つのポイント

「そもそも首こりが起こらないようにする方法はないのかな?」

首がこる前に手を打てるなら、それに越したことはありませんよね。

ここからは首こりを予防するポイントを4つ紹介していきます。

ポイント1 パソコン・スマホ操作時の姿勢を改善する

スマホを操作するスーツの男性

首こりを予防するには日常の姿勢を見直す必要があります

パソコンやスマホの画面を見ていて、つい長時間うつむいた姿勢を取ってしまっている方もいらっしゃるのではないでしょうか。

下を向いた状態が続くと首に負担がかかります。

背骨がまっすぐに伸びていて、体に余計な負荷がかかっていない状態で座ると、首こりが起こりにくくなるとされています。

首がこりにくい姿勢

スマホを操作する際には頭を真っすぐにし、顎を動かせる範囲で下を向きます。

立っているときにスマホを操作する際には、背骨に対して頭が真っすぐ乗るように意識しましょう。

パソコンを操作するときは顎を引き、視線が画面に対して垂直になるようにディスプレーの位置を調整します。

このように日常的な姿勢を意識するだけでも、首こり起こりにくくなります

【関連情報】 「デスクワーク中の姿勢」について詳しく知りたい方はこちら

ポイント2 体を動かす

階段を駆け上がるスーツの女性

体を動かさない状態が続くと筋肉の血流が減り、こりが生じやすくなるため、首こりを改善するには普段から意識的に体を動かすことが重要です。

とはいえ、忙しくて運動する時間を確保できない方もいらっしゃるのではないでしょうか。

そのような方には日常の動作のなかに組み込める簡単な運動、「ながら運動」をおすすめします。

例えば椅子に座っているときには、肩をすぼめてまた戻す動作を繰り返すことで首周りの血流を良くすることができます。

歯を磨くついでに首のストレッチをするのも良いでしょう。

他にも座っているときに足を軽く上げてキープしたり、エスカレーターやエレベーターを利用する代わりに階段を使ったりすることでも、日常の運動量は増やせます。

【関連情報】 「座りっぱなしのリスク」について詳しく知りたい方はこちら

ポイント3 好きなことでストレスを発散する

青空の下で背伸びをする女性

ストレスをため込むことも、首こりにつながります

過剰なストレスを受けると自律神経が乱れて首の血流が悪くなり、結果として首がこってしまうのです。

ストレスによって自律神経のバランスが乱れると交感神経が優位になり、緊張状態が続きます。

その結果、血管が収縮して血流が悪くなり、首や肩のこり、頭痛、手足の冷えやしびれが起こりやすくなるのです。

そうならないためにも、自分に合ったストレス発散方法を見つけておきましょう。

ただし、過度な飲酒、喫煙、食べ過ぎなどは、ストレスの発散方法としてはおすすめできません

これらの行動はストレス発散にならないばかりでなく、体調を崩す原因になってしまうことさえあります。

おすすめのストレス発散方法は以下のとおりです。

【おすすめのストレス発散方法】

  • 休息(十分な睡眠を取る、リラックスをする)
  • 運動(ジョギングやストレッチをする)
  • 親交(家族や友人と過ごす時間をつくる)
  • 娯楽(好きなものを食べる、ゲームをする)
  • 創作(絵を描く、音楽を演奏する)
  • 気分転換(旅行に出かける、買い物をする)

首こりに悩まされないためにも、自分に合った方法で上手にストレスを発散しましょう。

【関連情報】 「ストレス発散方法」について詳しく知りたい方はこちら

ポイント4 首や肩を冷やさず、冷えたら温める

ノートパソコンの前で寒そうにする女性

首こりを予防するには、体を冷やし過ぎないことも重要です。

体を冷やし過ぎると体を縮こめることになり、それに伴って筋肉も緊張するので、首がこりやすくなります。

気温が低い日や、エアコンが効き過ぎた室内では体が冷えてしまいがちなので注意が必要です。

寒い日には体を冷やさないように気を付け、エアコンを使う際は設定温度を「寒い」と感じない程度にすると良いでしょう。

また、保温性能の高いハイソックス、レッグウォーマーなどを着用すると体が冷えにくくなります。

おなかを温めると全身の温度が上がりやすいので、特に腹巻はおすすめです。

今は薄くて目立ちにくいものも多いので、上手に活用したいところですね。

万一、首や肩が冷えてしまったときは蒸しタオルやカイロなど温めたり、首まで湯船につかって筋肉をほぐしたりすることをおすすめします。

【関連情報】 「冷え性の改善方法」について詳しく知りたい方はこちら

6.首のストレッチのメリット

首のストレッチで首こりを解消して血流が良くなれば、首だけでなく肩のこりの予防・解消も期待できます

血流の改善によるその他の効果には、頭痛や眼精疲労の緩和、顔のむくみ、肌のくすみの軽減といったものがあります。

筋肉の柔軟性を高めるだけでなく、ストレスを緩和する作用があることも、ストレッチの魅力です。

また、30分程度全身のストレッチを続けると副交感神経、すなわちリラックス時にはたらく自律神経がプラスに作用することが分かっています[2]。

そのため就寝前のストレッチは睡眠の質改善につながります。

ストレッチで首こりを解消することは、心と体の両方にメリットをもたらすのです。

[2] 厚生労働省e-ヘルスネット「ストレッチングの効果」

【関連情報】 「ストレッチの効果」について詳しく知りたい方はこちら

7.首のストレッチについてのまとめ

首のこりとは、首の後ろの筋肉が凝り固まって、痛みや疲労感などがある状態を指します。

首こりの原因には、スマホを操作するときのうつむいた姿勢、眼精疲労、運動不足、ストレスなどさまざまなものがあります。

首がこると頭痛やめまい、吐き気、食欲不振などの症状が出ることがあります。

また、首の両脇は自律神経の通り道なので、首がこると自律神経が乱れて、不眠やうつなどになるリスクも高くなる場合があります。

首のストレッチを行うと首周りの筋肉がほぐれ、首のこりの解消が期待できます

首こりの予防には、パソコンやスマホを操作するときの姿勢を改善する、意識的に体を動かす、好きなことでストレスを発散する、首や肩を冷やさず温めるといった工夫をすると良いでしょう。

首のストレッチをして血流が良くなれば、首だけでなく肩のこりの予防・解消も期待できます

また、ストレッチにはストレスを緩和する作用もあります。

首こりが起こってしまったときは、この記事を参考に首のストレッチを行い、心身ともにリフレッシュしてください。

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