ストレートネックとは?原因や症状、予防・改善のポイントを解説

2024年01月02日

2024年07月03日

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「ストレートネックってなんだろう。」

「自分はストレートネックではないだろうか?」

と気になっている方も多いのではないでしょうか。

ストレートネックとは首のカーブがなくなり、真っすぐな状態になることをいいます。

悪い姿勢が続くことなどによって生じるといわれており、頭痛や肩こりの原因になる他、悪化すると手のしびれや目の疲れなどを伴うこともあります。

この記事ではストレートネックのセルフチェックの方法や、予防・改善する方法について詳しく解説します。

1.ストレートネックとは

「そもそもストレートネックってなんだろう?」

と思われている方もいらっしゃるのではないでしょうか。

ストレートネックは「スマホ首」とも呼ばれ、スマートフォンやパソコンの使用によって首に大きな負担がかかる姿勢をとり続けることが原因で起こるといわれています。

ここではストレートネックのさまざまな種類や原因をご紹介します。

1-1.ストレートネックの定義

首をおさえる男性の後ろ姿

ストレートネックとは、本来緩やかに曲がっている頚椎が真っすぐになる状態を指します。

頸椎とは
脊椎(脊柱)の一部で、頭に近い首の骨にあたります。脊椎(脊柱)は一般に背骨と呼ばれており、体を支える役割を持ちます。頸椎は頭や腕を支えたり、頭をいろいろな方向に動かしたりするはたらきをします。

ストレートネックとは

通常であれば頚椎はやや前方へ緩やかにカーブを描いており、首や肩の筋肉と共に頭を支えています。

しかしスマホなどを使用しうつむいた姿勢が長く続くと、本来のカーブが失われた状態になります。

ストレートネックには「筋性」と「骨性」があります。

筋性のストレートネックは猫背などの悪い姿勢で筋肉がこわばることによって生じます。

一方、骨性のストレートネックは筋性のストレートネックが長く続くことで、頚椎自体がゆがんで起こるとされています。

このようにストレートネックは、悪い姿勢が続くことが原因で首の骨が真っすぐ固まった状態を指します。

ストレートネックの予防には、悪い姿勢をそのままにせず早めの対策が重要なのですね。

1-2.ストレートネックの原因

パソコン作業をしながら肩をおさえるスーツの女性

ストレートネックの大きな原因は悪い姿勢を長期間続けることです。

長時間にわたってパソコンやスマートフォンを使用したり、読書したりするとうつむいた姿勢になりやすくなります。

腰や背中が丸まると首が前傾し、頭を前に突き出したような姿勢になります。

そうすると次第に背中から首にかけての背骨が真っすぐな状態になり、さらに進行すると関節や筋肉がその状態のまま固まることでストレートネックになるのです。

また、首が前に傾いた姿勢では首の筋肉が引っ張られ緊張が高まります。

首の筋肉の緊張が高まった状態が続くと、頭痛や肩こりなどを生じることもあります。

デスクワークなどによってスマホやパソコンを長時間使用している場合には、悪い姿勢が継続していないか十分に気をつけていく必要がありますね。

2.ストレートネックが引き起こす症状

パソコンの前で肩をまわす作業着の男性

ストレートネックでは背骨全体のバランスが大きく崩れ、頭痛の原因になるほか首や肩のこりなどが生じます

ストレートネックになり首のカーブが失われ前方に傾くと、首や肩などの筋肉が緊張します。

筋肉が緊張すると血流が悪くなるため、肩や首の痛み、頭痛などを引き起こし、肩の関節の動きが抑制されると肩こりなども生じやすくなります

さらに、首周りの筋肉によって神経が刺激されると手の痺れが生じたり、後頭部の筋肉が硬くなることで眼精疲労を伴ったりすることもあります。

また、ストレートネックの症状が重くなると「頸椎椎間板(けいついついかんばん)ヘルニア」などを招くこともあります。

頸椎椎間板ヘルニアとは
頸椎と呼ばれる首の骨と骨の間でクッションの役割を果たしている軟骨に圧がかかることによって変性し、軟骨の一部が飛び出した状態をいいます。

頸椎椎間板ヘルニアによって軟骨の一部が飛び出すと、近くにある神経が圧迫され激しい痛みやしびれなどを引き起こすこともあるといわれています。

また、ストレートネックによって首や肩などの痛みが強くなると夜間の睡眠が妨げられることもあります。

このようにストレートネックが進行すると、肩や首の痛みにとどまらずさまざまな症状を引き起こすことが分かりますね。

ストレートネックの進行を防ぐためにも、早めに自分でできる対策へ取り組んでいきたいですね。

3.ストレートネックの確認方法

「私の頭痛や肩こりの原因はストレートネックなのかな?」

「デスクワークだから、私もストレートネックかもしれない……」

と気になっている方もいらっしゃるのではないでしょうか。

ストレートネックかどうかは簡単な方法で確認することができます。

ストレートネックの確認方法

まずは壁に背中とお尻を付けて立ちます。

このとき無理して壁に体を付けないようにし、自然な姿勢で立つことを意識しましょう。

そのままの体勢で後頭部、肩甲骨、お尻、かかとが壁に付いているかを確認します。

後頭部が浮いていたり無理をしないとくっつかなかったりする場合にはストレートネックである可能性が高いとされています。

自分の姿勢が気になっている方は、参考にしながらぜひチェックしてみてくださいね。

4.ストレートネックを予防・改善するためのポイント

「ストレートネックって改善できるの?」

と気になっている方もいらっしゃるのではないでしょうか。

ストレートネックは悪い姿勢が長期間持続することで生じるため、正しい姿勢を保つなどの対策を取ることで予防・改善することが期待できます

ここではストレートネックを予防・改善できる方法を詳しく解説します。

ポイント1 長時間同じ姿勢でいることを避ける

デスクの前で背伸びをする女性

ストレートネックを予防するためには長時間同じ姿勢でいることを避けることが重要です。

通常であれば背骨は横から見ると緩いS字のカーブをしていますが、スマートフォンなどの使用で猫背の姿勢が長時間続くと背骨と首のカーブが真っすぐのままになってしまいます。

ただし、正しい姿勢に戻せば通常のカーブに戻すことができるとされています。

そのためスマートフォンやパソコンの使用で前かがみの姿勢が続いている際には、こまめに休憩を挟んで体を動かすように心掛けましょう。

目安としては20~30分に一度は姿勢を変えたり、立ち上がったりすると良いとされています[1]。

近年はデスクワークも増えスマートフォンを日常的に使う人も多いため、ストレートネックを予防するには意識的に姿勢を変えるようにしてみましょう。

[1] 特定非営利活動法人 日本成人病予防協会「 ストレートネック ~今話題の健康ワード!~

ポイント2 適切な姿勢で座る

タイピングしている人の手

スマホやパソコンを使用する際に適切な姿勢を保持することも大切です。

うつむいた姿勢はストレートネックの原因になります。

椅子に座る際の姿勢は、椅子に深く腰を掛けて座り背もたれでしっかり体幹を支え、足底全体が地面に着く状態が良いとされています。

この状態を保つことで腰痛を防ぐこともできますよ。

正しい姿勢で座るためには、椅子を自分に合った高さに調整したりスマホやパソコンの位置を目の高さに合わせて見たりすることも大切です。

そのため、自分に合った高さなどに調整しやすいデスクや椅子を使用すると良いでしょう。

また、骨盤を立てて座る姿勢を意識することも重要です。

骨盤を立てて座る姿勢

骨盤が後ろに倒れていると背中が丸まってストレートネックになりやすく、肩こりなどの原因にもなります。

反対に、骨盤が前に倒れて座る姿勢は反り腰になりやすく腰痛を招くとされています。

反り腰とは
背骨の腰の部分が反っている状態をいいます。腰が反ることによって筋肉に負担がかかり硬くなってしまうと、その部分の血流が低下し腰痛の原因になるといわれています。

その他にも、視力低下に伴って座る姿勢が悪くなることがストレートネックの原因になる場合もあります。

視力が悪くなるとパソコン画面が見えにくくなり前かがみの姿勢になりやすいとされます。

そのため、視力低下とともに姿勢が悪くなっていると感じる場合には病院を受診し、必要に応じてコンタクトレンズや眼鏡を使用することも検討してみてくださいね。

ポイント3 枕の高さを調整する

枕をもった女医

ストレートネックの予防には自分に合った高さの枕を使用することも大切です。

枕の役割は敷布団と後頭部から首にかけてのすき間を埋め、自然な体勢を保つことです。

枕の高さの目安としては、敷布団やマットレスなどと首の角度が約5度になるように調整すると良いといわれています[2]。

枕の高さの目安

ただしマットレスや敷布団と首の隙間の深さは、体型によって異なり個人差があることに注意しましょう。

このように自分に合った高さの枕を選ぶことによって、首や肩への負担を軽減することができます。

近年の研究では、高すぎる枕は脳卒中の原因の一つである特発性椎骨動脈解離の発症割合が高い傾向にあるとの報告があります[3]。

睡眠中も苦痛なく自然な体勢が保てると、睡眠の質を高めることができるともいわれていますよ。

朝起きたときに首や肩がこっていると感じる場合には枕の高さを見直し、ストレートネックを防げるようにしてみてくださいね。

[2] 厚生労働省 e-ヘルスネット「 快眠のためのテクニック -よく眠るために必要な寝具の条件と寝相・寝返りとの関係

[3] Egashira S, Tanaka T, Yamashiro T, et al.「High pillow and spontaneous vertebral artery dissection: a case-control study implicating “Shogun pillow syndrome”」(European Stroke Journal. 2024;0(0))
(日本語のサイトはこちら)

ポイント4 首のストレッチを行う

窓辺で背伸びをする男性の後ろ姿

ストレートネックの予防には、首のストレッチを行うことも有効です。

首のストレッチには首を横に倒すストレッチや、首を横向きに回すように動かすストレッチなどがあります。

首を横に倒すストレッチは、目線を正面に向けて顎を引いた正しい姿勢で行います。

姿勢を整えたら呼吸を止めないよう意識し、ゆっくりと首を左右交互に倒しましょう。

このようなストレッチによって首周りの筋肉をほぐすことができますよ。

そして首を横方向に回すストレッチは、肩から下の体が動かないように留意し行いましょう。

正面を向いた状態を保ちながら顔を横方向に動かし、鼻先が自分の真横を向くようにします。

首をかしげたり、姿勢が崩れたりしないように注意してくださいね。

またタオルを使って行うストレッチは、首の自然なカーブをつくることができます

タオルを使用した首のストレッチ

まずは姿勢を正した状態で座り、指先で首の後ろにある出っ張った骨を探します。

タオルの両端を持ち、出っ張った骨から指2本分くらい上にタオルの真ん中部分を当てます。

タオルの両端を下に引いて頭を後ろに倒していきましょう。

このとき背中も一緒に後ろに倒れないように注意してくださいね。

この他にも立った状態で行えるストレッチ方法もあります

体の後ろで手を組み、腕を伸ばして胸を開きます。

そのまま頭を後ろに倒し、顎下を伸ばすと首のこりをほぐすことができますよ。

このようにストレートネックの予防に効果のあるストレッチは座ったままできるものも多くあります。

デスクワークの合間などに取り入れていくようにしてみてくださいね。

ただし、症状が強く痛みなどがある場合には無理に行わず病院を受診するようにしましょう

5.ストレートネックについてのまとめ

ストレートネックとは、本来緩やかに曲がっている頚椎が真っすぐになる状態を指します。

スマホ首とも呼ばれており、原因の多くはスマホやパソコンなどの使用によってうつむいた姿勢が長時間続くこととされています。

そのため長時間の悪い姿勢を避けるなどの対策を行い、ストレートネックを予防しましょう

日常生活でできる対策としてはこまめに休憩を挟んで長時間同じ姿勢でいることを避け、首周りの筋肉をほぐすストレッチなどを取り入れることが有効です。

首周りのストレッチには座ったまま首を左右に倒したり、首を横方向に動かしたりする方法があります。

その他にもタオルを使用する方法や立ったまま行う方法などで、首のこりをほぐすこともできますよ。

また日頃から正しい姿勢で座ることを意識したり、枕の高さを調整したりすることによってストレートネックを予防することもできます。

デスクワークなどで長時間同じ姿勢になりやすく、頭痛や肩こりを感じている方は意識的に予防法を取り入れてみてくださいね。

ただし痛みを伴う場合などは医療機関を受診し、体の負担にならないよう無理せず取り組んでいきましょう

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