ドライマウスとは?症状や原因、意識したいポイントなどを解説!

ドライマウスとは?症状や原因、意識したいポイントなどを解説!

2024年05月02日

2024年07月03日

「ドライマウスってたまに聞くけど、何だろう……」

「この症状ってもしかしてドライマウスによるもの?」

ドライマウスという言葉を聞いたことがあっても、具体的によく分からないという方が多いのではないでしょうか。

ドライマウスとは唾液の分泌が少なくなり、口の中が乾燥した状態のことです。

薬の副作用やストレスなどにより唾液の分泌が減ることで起こります

ドライマウスは進行するとむし歯や口臭などの原因になるので気を付けたいですね。

この記事ではドライマウスの症状や原因、予防や改善のために心掛けたいポイントなどを詳しく解説します。

1.ドライマウスとは

女性の歯のアップ

ドライマウスは「口腔乾燥症」とも呼ばれ、唾液の分泌量が減ることで口内が乾燥する状態のことです。

唾液には糖質を分解したり、食べかすを洗い流したり、歯のカルシウムが溶けるのを防いだり、歯を再石灰化させたりするはたらきがあります。

メモ
飲食後、むし歯をつくる菌が出す酸によりプラーク(歯垢)が酸性になり、進行すると歯が溶け始めます。この現象は「脱灰」といわれ、脱灰の時間が長いほどむし歯になりやすくなります。唾液には酸性を中性に戻し歯を修復するはたらきがあります。このはたらきを「再石灰化」といいます。

また唾液には殺菌作用や止血作用もあるといわれているため、ドライマウスではさまざまな問題が生じます

口の渇きを感じる方は、食生活の変化や不規則な生活などの影響で増加の傾向が見られます。

ドライマウスは女性に多いのも特徴的で、加齢や女性ホルモンの変化によって唾液の量が減少することによるものといわれています。

また若い女性では、不規則な生活やストレスなどにより自律神経が乱れ、ホルモンバランスが崩れることで、唾液の量が減ってしまうことが原因と考えられています。

自律神経とは
意志にかかわらず、呼吸や体温、血圧、心拍、消化などの生命活動を維持するための神経のことです。自律神経は交感神経と副交感神経から成り、交感神経は活動時、副交感神経は休息やリラックスしているときに優位にはたらきます。

ドライマウス自体が病気とはいえませんが、放置すると万病の元になりかねないので注意したいですね。

【関連情報】 「口腔ケアとは?期待できる効果や実施する際のポイントを詳しく解説!」についての記事はこちら

2.ドライマウスの症状や悪影響

歯の治療をイメージする画像

ドライマウスが進行すると、さまざまな症状により健康に悪影響が生じます

具体的にどのような症状や悪影響があるのか見てみましょう。

2-1.喉が渇く

水をたくさん飲んでも喉が渇く場合は、ドライマウスの症状の一つといえるでしょう。

たまに口が渇く程度なら問題ありませんが、水をよく飲んだり、夜中に喉の渇きで目が覚めたりということが続くのであれば、ドライマウスの可能性があります

2-2.乾いた食べ物が食べにくくなる

唾液の分泌量が減り口の中の潤いが少ない状態では、食べ物を飲み込みにくくなります

特に水分の少ないパサパサしたものは、飲み込もうとしても口の中の粘膜にはりついてしまいます。

そのためパンなどの乾いたものが食べにくくなり、軟らかくてあまり噛まなくても食べられるものを選びがちになります。

2-3.口臭が悪化する

唾液の分泌が少なくなると、口の中で細菌が繁殖しやすくなり口臭が発生する原因になります

また、唾液による抗菌作用の低下により口腔内の細菌のバランスが悪くなると、口臭が悪化することがあります。

腐敗臭や卵の腐ったような臭いがドライマウスによる口臭の特徴です。

2-4.舌が痛む

ドライマウスによる乾燥で舌痛症を起こす場合があります。

舌に感じるヒリヒリとした痛みや熱さのため、咀嚼(そしゃく)や飲み込みがスムーズにできず食事がしにくくなります

ひどい場合は舌がひび割れすることもあります。

「痛む箇所が日によって違う」「何かに集中しているときには一時的に痛みを忘れる」などは舌痛症の特徴といわれます。

2-5.むし歯のリスクが高まる

食事をすると口の中では脱灰が起こりますが、唾液によって再石灰化されむし歯の進行が抑えられます。

しかしドライマウスで唾液が十分ではない場合、進行を抑えることができずむし歯が増えてしまいます

また、唾液が不足すると食べかすが口の中に残り歯周病菌が増殖します。

それによりプラークが付着することで、歯周病やむし歯を発症しやすくなります。

2-6.味覚障害を引き起こす

ドライマウスになると、味覚障害が起こることがあります

ヒトは舌などに存在する味蕾(みらい)によって味を感じています。

唾液は食べ物の味の情報を味蕾に届けるはたらきをしています。

そのため、唾液が不足すると味の情報が味蕾に到達できず、味覚障害が起こるのです。

また、味蕾自体が乾燥することでも味を感じにくくなります。

2-7.摂食障害を引き起こす

食べ物を口に入れてから咀嚼して飲み込み、胃へ到達するまでの一連の流れを「摂食・嚥下(えんげ)」といいます。

唾液が不足すると食べ物をうまく飲み込むことができなくなり、摂食嚥下障害を起こすことがあります

十分な食事が摂れず栄養摂取量が不足する他、食べ物が気管支や肺に入り炎症を起こす「誤嚥(ごえん)性肺炎」を起こすことがあります。

2-8.発音障害を引き起こす

唾液には舌の動きを滑らかにする役割があります。

そのためドライマウスで唾液が少なくなると、舌を動かしにくくなり発音障害を引き起こすことがあります

唾液は口の中を潤し、舌を滑らかに動かすなど、潤滑油のようなはたらきもしているのですね。

3.ドライマウスの原因

レモンを齧る男性の口アップ

どうしてドライマウスが起こるのか、気になる方もいらっしゃるでしょう。

ドライマウスの原因は薬の副作用やストレスの他、病気や加齢によるものなど多岐にわたります

この章では代表的ないくつかの原因について解説します。

3-1.ストレス

現代人の多くが抱えるストレスは、ドライマウスの大きな原因の一つです。

唾液の分泌は自律神経によりコントロールされています。

副交感神経が優位な状態では、サラサラした唾液が分泌され、口内の潤いが保たれます。

しかしストレスなどで交感神経が優位になると、水分が少ないネバネバとした唾液が分泌され、口内の水分も少なくなります。

ストレスが自律神経に影響し、ドライマウスが引き起こされるのですね。

3-2.噛む力の低下

よく咀嚼することは唾液の分泌を促し、口の中の潤いを保つのに有効です。

しかし、調理法の改良や軟らかいものを食べる機会の増加により、現代人は昔と比べて噛む力が弱いといわれています。

また、忙しさなどの理由で食事を簡単に済ませることも多く、噛む回数も減っています。

咀嚼の力や回数の減少により唾液の分泌が減ると、ドライマウスを引き起こしやすくなります

3-3.加齢

加齢により唾液の量は減少します

そのためドライマウスが生じることがあります。

さらに女性の場合は、加齢に伴う女性ホルモンの減少により唾液腺が萎縮し、唾液が少なくなることがあります

また、高齢者に多く見られる水分摂取の不足もドライマウスの一因とされています。

3-4.口呼吸

口呼吸を続けると、口の中が渇きドライマウスを発症しやすくなります

本来呼吸を行う器官である鼻にはさまざまなフィルターがあり、外からのウイルスや細菌の侵入を防ぐ役割もあります。

しかし、アレルギーや風邪の影響で鼻が詰まり口呼吸になってしまうと、正常に唾液が分泌されていたとしても蒸発してしまうため、口の中が乾燥しやすくなります

気が付けば口が開いている、また口を開けて眠る傾向があるという方はドライマウスになりやすいため注意しましょう。

3-5.アルコールやたばこ

アルコールやたばこには唾液の分泌を減少させる作用があります

お酒を飲むと、体外へアルコールを排出するための利尿作用により軽い脱水状態になります。

それにより、体内の水分量が足りなくなると唾液の分泌が減少しドライマウスを引き起こすことがあります。

また、たばこに含まれる有害物質の「ニコチン」には血液の流れを悪くする作用があります。

この作用の影響で、唾液の分泌機能が低下するといわれます。

3-6.薬の副作用

ドライマウスは、薬の副作用により引き起こされる場合があります

例えば、花粉症に処方される抗アレルギー薬には唾液の産生を抑える作用があります。

また、風邪薬や痛み止めの他、うつや不眠などの精神科の薬、利尿剤、降圧剤など循環器の薬、気管支を拡張するための呼吸器の薬など、さまざまな薬がドライマウスの原因となります。

このような薬の添付文書には副作用として「口喝」と記載されています。

日常的に薬を服用している場合は注意してくださいね。

3-7.病気

ドライマウスの発症には病気が関わっている場合があります

例えば、糖尿病を放置していると高血糖状態が続き、糖を含む尿が多量に排出されます。

そのため体内は脱水状態となり、口の中でも唾液の分泌が減少します。

さらに高血糖状態が続くと、唾液腺の機能も正常にはたらかなくなります。

また「シェーングレン症候群」は本来体を守る免疫の機能に異常を来し、自分の細胞を攻撃してしまう疾患です。

そのため、誤って唾液腺が破壊され唾液の分泌ができなくなる場合があります

4.ドライマウスの際に意識したいポイント

2種類のおむすび

「ドライマウスになったらどんなことに注意したら良いのかな?」

このように心配される方もいらっしゃるかもしれませんね。

日常生活のささいな心掛けがドライマウスの改善につながります。

具体的にどのようなことに気を付けたら良いのかみていきましょう。

ポイント1 噛み応えのある食べ物を食べる

噛むことにより脳が刺激を受け、唾液の分泌が促進されます。

しっかり噛むためには噛み応えのある食べ物を選ぶことも効果的です。

しかし、現代では食品加工技術の進化に伴い軟らかくて食べやすいものが増え、好まれるようになっています。

硬いものを多く食べていた昔の日本人に比べると、咀嚼回数は大幅に減少しています。

歯応えのある食材を取り入れたり少し歯応えが残る程度に調理したりして、咀嚼回数が増えるように意識してみましょう

ポイント2 よく噛んで食べる

唾液の分泌を促すには、よく噛んで食べることも重要です。

ドライマウスの予防や改善のために、食事の際はしっかりよく噛んで食べるようにしましょう

手軽にできる方法として、ガムを噛むこともおすすめです。

噛むための筋肉が動くことにより、唾液腺が刺激され唾液の分泌量が多くなります。

よく噛んで食べるためにはパソコンやスマホを操作したりテレビを見たりせずに、食事に集中することも大事です。

家族や友人とゆっくり食事を楽しむのも良いですね。

ポイント3 鼻呼吸を心掛ける

口呼吸が習慣化している場合は、鼻呼吸に移行するように心掛けましょう。

口呼吸は無意識で行っている場合が多いため、口呼吸になっていないか時々意識的に確認することが大事です。

鼻呼吸の練習をすることも効果的です。

自分で改善するのが難しい、あるいは鼻詰まりで鼻呼吸ができない場合は医師に相談するのも良い方法です。

ポイント4 たばこや酒、カフェインを控える

喫煙や飲酒はいずれも唾液の分泌を減少させる生活習慣です。

また、カフェインの摂り過ぎもドライマウスを引き起こすことがあります。

コーヒー・紅茶・緑茶などに含まれるカフェインには高い利尿作用があるため、脱水による唾液の減少を招く場合があります。

ドライマウスの改善のためには、喫煙者は禁煙を目指しお酒やカフェインは適量にとどめましょう

それぞれ量を減らすことで症状の緩和が期待できます。

ポイント5 ストレスをためない

ドライマウスを改善するためにはストレスをためないことも重要です。

疲れと口の渇きを同時に感じる場合は、ストレスがドライマウスの原因になっている可能性があります

そのようなときにはストレスを解消するように努めましょう。

ストレッチで体をほぐしたり深呼吸をしたりすると、血行が良くなり気分も軽くなるのでおすすめです。

手軽で自分に合ったストレス解消法を試してみてくださいね。

ポイント6 規則正しい生活を送る

自律神経の乱れは唾液の分泌に悪影響を及ぼします。

そのため、規則正しい生活を送り自律神経のバランスを保つことが大切です。

日常生活において、睡眠や食事がおろそかにならないように心掛けましょう。

適度な運動を行うことも効果的です。

ポイント7 部屋を適度に加湿する

ドライマウスが気になる場合、部屋が乾燥しないように適度に加湿することが重要です。

空気が乾燥するとドライマウスが進行することがあります

特に秋から冬にかけての寒い時期には湿度が低くなり乾燥を招きやすくなります。

加湿器をつけるなど、室内の湿度を下げないように注意しましょう。

ポイント8 よく喋る

喋ることは唾液の分泌を促します

スマートフォンやパソコンなどの普及により、最近は会話をせずにコミュニケーションをする機会が増えています。

会話をしないと口の筋肉を使わず唾液の量が減るため、口が乾きやすくなります

友人や家族とのお喋りを楽しむことや歌を歌うこともドライマウスの改善に効果的ですよ。

5.ドライマウスが疑われる場合歯科を受診しよう

歯科医院内の様子

ドライマウスの症状があるときには、まず歯科を受診することをおすすめします。

適切な診断と治療を受けることで、改善への近道となることがあります

歯科で行われる具体的な治療は、唾液腺や歯茎のマッサージ、舌や口の筋肉の運動の指導・練習などです。

場合によっては耳鼻科や他の診療科と連携して治療することが必要な場合もあります。

ドライマウスの解決への一歩を踏み出すために、まずは歯科を受診し相談してみましょう。

6.ドライマウスについてのまとめ

ドライマウスは「口腔乾燥症」とも呼ばれ、唾液の分泌が減ることで口内が乾燥する状態のことです。

唾液には歯の再石灰化や殺菌・止血作用があるため、ドライマウスになるとさまざまな問題が生じます。

ドライマウスになると、のどの渇きや口臭の悪化を招くことがあります。

またむし歯のリスクが高まったり味覚や発音に障害が出たりすることもあります。

原因としてストレスや加齢をはじめ、飲酒や禁煙などの生活習慣、薬の副作用や病気など、多くのものが挙げられます

日常生活のちょっとした心掛けがドライマウスの改善につながります。

食生活では、噛み応えのある食材を取り入れ、よく噛んで食べることで唾液の分泌を高めることができます。

ストレスをためず、規則正しい生活を送ることも重要です。

アルコールやカフェインの摂取を控えることや、禁煙することも効果的といわれています。

ドライマウスは適切な診断と治療を受けることで、改善される場合が多くあります

症状が気になるときには、歯科を受診し相談してみましょう。

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