ビタミンCはどんな食べ物に含まれるの?健康維持に必要な摂取量を解説

2021年04月28日

2024年07月03日

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「ビタミンCが健康や美容に良いって聞いたから、積極的に摂りたいな」

「ビタミンCをたくさん摂るには、どんな食べ物が良いの?」

ビタミンCについて、このようなことが気になっている方もいらっしゃるのではないでしょうか。

ビタミンCには健康に良いさまざまな効果があるといわれており、特に意識して摂っておきたいと思いますよね。

ビタミンCといえばレモンに多く含まれているもの、というイメージが強い方も多いかもしれませんが、実は柑橘系の果物 だけでなくさまざまな食べ物に含まれています。

この記事ではビタミンCのはたらきをはじめ、ビタミンCを摂るべき量の目安、ビタミンCを多く含む食べ物などについてわかりやすく説明していきます。

ぜひ日頃の食生活の参考にしてみてくださいね。

1.そもそもビタミンCとはどんなもの?

ビタミンCは水溶性ビタミンの一種で、皮膚などに存在するコラーゲンを作るために必要不可欠な役割を担っています。

また、その他にも私たちの体内の細胞を保護してくれる作用もあります。

まずはビタミンCのはたらきと、不足したり摂り過ぎてしまったりした場合の体への影響について見ていきましょう。

【関連情報】 「ビタミンCの美容・健康効果は?目標摂取量と豊富に含まれている食品」についての記事はこちら

1-1.ビタミンCのはたらき

ビタミンCは体内でコラーゲンを作るために必須の栄養素です。

「コラーゲンといえば肌に良い」

というイメージをお持ちの方も多いでしょう。

実はコラーゲンは体内のさまざまな場所に存在するたんぱく質で、そのうちの40%は皮膚に分布しています[1]。

ビタミンCは皮膚のコラーゲンを生み出すためにも必須の成分であるため、肌の状態が気になる方は意識して摂るべき栄養素だと考えられるでしょう。

肌が気になる女性

また、ビタミンCには抗酸化作用と呼ばれるはたらきがあります

抗酸化作用とは
過剰に発生するとがんや心臓・血管の病気、生活習慣病などを引き起こす要因になったり、皮脂を酸化させてしみやしわの原因になったりする活性酸素から体を守るはたらきのことです。

このように、健康を守ってくれる頼もしいはたらきがあるのですね。

他にも、ビタミンCには植物性食品と一緒に摂取すると含まれている鉄の吸収を高めてくれます

また、メラニンの発生を抑えて日焼けを予防してくれる作用も期待できます。

ビタミンCのはたらきについては、こちらの記事でも詳しく解説しています。

[1] 厚生労働省 e-ヘルスネット「コラーゲン

1-2.ビタミンCが不足するとどうなる?

「ビタミンCにいろいろな効果があることは分かったけど、不足するとどうなっちゃうの?」

と気になっている方も多いでしょう。

長期間ビタミンCが欠乏すると血管がもろくなって出血しやすくなる「壊血病」になってしまう恐れがあります。

壊血病とは
筋力の低下、体重減少や鈍い痛みなどが起こるほか、重度になると皮膚や歯肉から簡単に出血したり、傷が治りにくくなったりする病気です。現在ではまれですが、開発途上国では発症することがあります。

ただし、1日10mg程度摂取していれば壊血病のような重度の欠乏症にはならない [2]とされています。

厚生労働省が平成30年に行った「国民健康・栄養調査」によると、日本人の成人のビタミンCの平均摂取量は70㎎を超えています[3]。

1日10㎎というのは非常に少ない量であることが分かりますね。

日頃からバランスの良い食事を心掛けていれば深刻な症状に陥る心配はないといえるでしょう。

ビタミンCの含まれる食べ物

メモ
多くの動物は体内でビタミンCを合成することができますが、ヒトは必要な酵素がないために自らの体内でビタミンCを生成することができません。そのため、野菜や果物を中心とした食べ物からビタミンCを摂取することが必要となります。

[2] 厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)

[3] 厚生労働省「平成30年国民健康・栄養調査

1-3.ビタミンCを摂り過ぎるとどうなる?

腹痛

「ビタミンCを摂り過ぎてしまっても体に悪影響はないの?」

ビタミンCを過剰に摂取してしまったときどうなるかということを知りたい方もいらっしゃるでしょう。

健康な状態の人なら、ビタミンCを摂り過ぎてしまっても健康を損なう心配はないとされています。

もし摂り過ぎてしまった場合でも、消化器官から吸収する量が減ったり、尿中に排泄したりするといった調整機能がはたらくためです。

そのため、一般的には過剰摂取を気にする必要は少ないといえるでしょう。

ただし、サプリメントなどでビタミンCを過剰に摂取すると、腹痛や吐き気、下痢といった症状が起きることがあります

サプリメントからビタミンCを摂取する場合は、量に気を付ける必要があるといえますね。

注意事項
健康な方は過剰摂取のリスクが少ないといえますが、腎臓に病気のある方がビタミンCを摂取し過ぎると、結石などのリスクが高まることが指摘されているので注意しておきましょう。腎臓に持病がある方は、不安なことがあればかかりつけの医師に相談するようにしてみてくださいね。

【関連情報】 「ビタミンCのはたらき」についてもっと知りたい方はこちら

2.ビタミンCは健康のためにどれくらい摂取したら良い?

「ビタミンCが健康に良いことはわかったけど、実際どれくらい摂ったら良いんだろう?」

という風に、やはり一番気になるのはビタミンCを摂るべき量ですよね。

そこで、ここからは厚生労働省が定めているビタミンCの摂取推奨量や日本人の平均摂取量について分かりやすく解説していきましょう。

2-1.推奨されている1日当たりの摂取量

オレンジ

厚生労働省では、ビタミンCの1日あたりの摂取推奨量を以下のように定めています。

【ビタミンCの1日当たりの摂取推奨量】

男性 女性
12歳以上 100mg 100mg
妊婦(付加量) - +10mg
授乳婦(付加量) - +45mg

厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」をもとに執筆者作成

心臓や血管の病気など生活習慣病の予防や抗酸化作用を期待するためには、1日に約83.4mgが必要だといわれています。

それを考慮した値として厚生労働省は12歳以上に対して1日100mgという推奨量を設定しているのですね[4]。

メモ
摂取量の上限は設定されていませんが、厚生労働省によると1日1,000mg以上のビタミンCを摂取しても意味はないことが示唆されています[4]。また、摂取推奨量に達していない場合でも、1日10mg以上のビタミンCを摂取していれば欠乏症になる心配はないといわれています[4]。

[4] 厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)

2-2.あなたもビタミンC不足かも?日本人の平均摂取量

レモン汁

1日に摂取すべき量はもちろん、普段の生活で実際にどのくらい摂取できているのかも気になるところですよね。

厚生労働省が平成30年に行った「国民健康・栄養調査」によると、ビタミンCの年齢別平均摂取量は以下のようになっています。

【ビタミンCの1日当たりの平均摂取量】

年齢 男性 女性
1〜6歳 56mg 52mg
7〜14歳 67mg 64mg
15〜19歳 80mg 67mg
20〜29歳 75mg 71mg
30〜39歳 70mg 76mg
40〜49歳 73mg 72mg
50〜59歳 84mg 93mg
60〜69歳 111mg 127mg
70歳以上 134mg 131mg
妊婦 - 83mg
授乳婦 - 76mg

厚生労働省「平成30年国民健康・栄養調査」をもとに執筆者作成

12歳以上の摂取推奨量が100mgであったことを考えると、60歳以上のシニア世代以外ではほとんどの年代でビタミンCが不足傾向であることがわかりますね。

特に働き盛りの世代では摂取量が少なくなっているので、意識して摂取した方が良いでしょう。

メモ
たばこを吸っている方や受動喫煙をする機会の多い方は、そうでない人に比べてビタミンCの必要量が高くなるともいわれています。喫煙者の方は禁煙を心掛けると同時に、ビタミンCを推奨量よりも多く摂ることを意識するようにしましょう。

3.ビタミンCはどんな食べ物に含まれるの?

「自分もビタミンC不足かもしれない……。ビタミンCをたくさん摂るためにはどんな食べ物を選んだら良いんだろう?」

ここまで読むと、ビタミンCが多く含まれている食べ物が知りたくなってきますよね。

ビタミンCというと果物のイメージが強いかもしれませんが、実はそれ以外の食べ物にも多く含まれています

そこで、この章ではビタミンCが含まれている食べ物を分類別にご紹介していきましょう。

3-1.果物類

果物類

ビタミンCといえばレモンが思い浮かぶ方も多くいらっしゃるのではないでしょうか。

しかしビタミンCを多く含んでいるのは柑橘系の果物だけではありません

以下のような果物に多く含まれているので参考にしてくださいね。

【ビタミンCを含む果物類と可食部100g当たりの含有量】

食品名 加工状態など 含有量
アセロラ(甘味種) 1,700mg
アセロラ(10%果汁入り飲料) - 800mg
ゆず(果汁) 160mg
キウイフルーツ(黄) 140mg
ゆず(果皮) 120mg
すだち(果皮) 110mg
レモン 100mg
キウイフルーツ(緑) 71mg
柿(甘柿) 71mg
ドライマンゴー - 70mg
いちご 69mg
オレンジ(ネーブル) 62mg
グレープフルーツ 60mg
パインアップル 36mg
みかん 35mg
アセロラ(酸味種) 35mg

文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」をもとに執筆者作成

レモンのほか、かきやドライマンゴー、キウイフルーツ、いちごなどに多く含まれています。

アセロラには他の果物よりも多くのビタミンCが含まれていますが、生で食べる機会はなかなかありませんよね。

しかしアセロラ果汁が入った飲料でもビタミンCは十分に摂ることができます。

生の果物が苦手という方は、アセロラジュースで気軽に摂取するのもおすすめですよ。

また、レモンやゆずは果汁のみよりも果皮や果実丸ごとの方がビタミンCの含有量が多いので摂取方法や頻度を工夫すると良いでしょう。

3-2.野菜・いも類

ビタミンCは、以下のような野菜やいも類にも含まれています。

【ビタミンCを含む野菜類・いも類と可食部100g当たりの含有量】

食品名 加工状態など 含有量 水溶性食物繊維 不溶性食物繊維
赤ピーマン(パプリカ) 170mg
黄ピーマン(パプリカ) 150mg
ブロッコリー 140mg
カリフラワー - 81mg
ピーマン 76mg
ゴーヤ 76mg
レッドキャベツ 68mg
水菜 55mg
れんこん 48mg
西洋かぼちゃ 43mg
小松菜 39mg
キャベツ - 38mg
さつまいも 皮なし、生 29mg
じゃがいも 皮なし、生 28mg

文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」をもとに執筆者作成

油いためなど調理後の野菜にもビタミンCが多く含まれていることがわかりますね。

しかし、実はビタミンCは熱に弱く、加熱調理をすると分解されてしまう性質を持っています。

特にゆでると多くのビタミンCが失われてしまうという実験結果が出ています[5]。

調理の際は加熱しすぎないよう注意したり、加熱してもビタミンCが壊れにくい野菜を選んだりするのが良いと考えられるでしょう。

例えばピーマンやパプリカに含まれるビタミンCは加熱しても壊れにくいことが特徴です。

また、加熱調理のなかでも蒸したり電子レンジを使ったりする場合は比較的ビタミンCが失われにくいとも報告されています[5]。

調理方法に気をつけつつ、普段の生活に取り入れやすい野菜からもビタミンCを摂取したいですね。

[5] 小島彩子、尾関彩、中西朋子、佐藤陽子、千葉剛、阿部皓一、梅垣敬三「食品中ビタミンの調理損耗に関するレビュー(その 2)」(ビタミン 第91巻第2号)

【関連情報】 「ビタミンCにまつわる噂を検証」についてもっと知りたい方はこちら

4.ビタミンCのはたらきと含まれる食べ物について まとめ

コラーゲンの生成や抗酸化作用など、ビタミンCは体に良いさまざまなはたらきを持つ栄養素です。

バランスの良い食事をとっていれば欠乏症になる心配はありませんが、健康に良い効果を期待するためには摂取推奨量を目安に積極的に摂取することが大切です。

ビタミンCは果物や野菜に多く含まれているので、普段の食事に取り入れやすいものから摂取すると良いでしょう。

この記事でご紹介した食材を参考にして、ビタミンCを摂ることを意識してみてくださいね。

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