悪玉コレステロールを下げる食べ物とは?食生活のポイントを解説

2024年10月22日

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「コレステロールを下げるには何を食べたら良いのかな?」

「そもそもコレステロールって何だろう……」

コレステロールは体に悪いと聞いたことがあっても、どう下げたら良いのか分からない、そもそもコレステロールについて詳しく知らないという方も多いのではないでしょうか。

コレステロールとはヒトの体内に存在する脂質の一種で、細胞膜やホルモンの材料などになる重要な物質です。

ただし血液中に存在する悪玉コレステロールは、増え過ぎると健康に悪影響を及ぼします

悪玉コレステロールを下げるには食生活を改善することが大切です。

この記事ではコレステロールとは何か、悪玉コレステロール値を下げる食べ物などについてご紹介します。

1.そもそもコレステロールとは

健康診断のコレステロールの項目

コレステロールはヒトの体内に存在する脂質の一種です。

コレステロールと聞くと健康に悪いイメージをお持ちの方もいらっしゃるでしょう。

しかしコレステロール自体は細胞膜やホルモンの材料となるため体に必要な物質です。

体内にあるコレステロールのうち2~3割は食事などから摂取されたもので、残りは体内の糖質や脂質から合成されたものです[1]。

コレステロールは水に溶けないため、血液中ではたんぱく質と結合した状態で存在します。

血液中のコレステロールは結合するたんぱく質の種類によってLDLコレステロールとHDLコレステロールに大別されます。

LDLコレステロールには肝臓でつくられたコレステロールを全身に運ぶはたらきがあります

しかし、LDLコレステロールが増え過ぎると血管壁にたまって動脈硬化を進行させることから悪玉コレステロールと呼ばれます。

動脈硬化とは
全身に血液を運ぶ血管(動脈)が硬くなって弾力性が失われた状態のことです。血管が詰まったり裂けたりしやすくなるため、心筋梗塞や脳梗塞などの重篤な病気のリスクが高まります。

このため、悪玉コレステロールが増え過ぎた状態は脂質異常症の一種である「高LDLコレステロール血症」と呼ばれます。

脂質異常症とは
血液中の脂質の値が基準値から外れた状態のことです。メタボリックシンドロームの診断基準の一つです。

一方の善玉コレステロールには体内の余分なコレステロールを回収するはたらきがあります

血管壁にたまったコレステロールを取り除き、動脈硬化を抑制することから善玉コレステロールと呼ばれるのです。

こうしたことから、善玉コレステロールが少なくなった状態は「低HDLコレステロール血症」という脂質異常症の一種とされます。

メモ
脂質異常症に関わる血液中の脂質には、他に中性脂肪(トリグリセリド)があります。中性脂肪も動脈硬化を進行させるため、増え過ぎた場合は「高トリグリセリド血症」という脂質異常症だと診断されます。

コレステロールは少なければ良いというものではなく、悪玉コレステロールを増やし過ぎず、善玉コレステロールを減らし過ぎないようにすることが重要だといえるでしょう。

脂質異常症の原因や改善のポイント、診断の基準値については以下の記事で詳しく解説しています。

R158_脂質異常症

[1] 厚生労働省 e-ヘルスネット「コレステロール

2.悪玉コレステロール値を下げる食べ物

「悪玉コレステロール値を下げるには何を食べたら良いんだろう?」

悪玉コレステロール値を下げるために、具体的に何を食べたら良いか知りたいという方もいらっしゃるでしょう。

この章では悪玉コレステロール値を下げる食べ物をいくつかご紹介します。

2-1.食物繊維を多く含む食べ物

ひじきの煮物

悪玉コレステロール値を下げるには食物繊維を積極的に摂りましょう

食物繊維とは
食べ物に含まれる成分のうち、ヒトの消化酵素で分解できない物質の総称です。炭水化物の一種に当たります。

食物繊維に整腸作用があることは有名ですが、実はコレステロールを含む脂質や糖質を体外へ排出するはたらきもあります

このため脂質異常症や肥満の予防・改善に効果があるといわれています。

悪玉コレステロール値が気になる方にはうれしい栄養素ですね。

食物繊維は野菜類や豆類、きのこ類、海藻類、果実類などの植物性食品に多く含まれる一方、肉や魚介類などの動物性食品にはほとんど含まれていません。

ここで食物繊維を特に多く含む食べ物をご紹介しましょう。

【食物繊維を多く含む食べ物と可食部100g当たりの含有量】
食品名 加工状態など 含有量
干しひじき
乾燥
51.8g
おから
乾燥
43.6g
焼きのり
-
36.0g
ドライトマト
-
21.7g
きな粉
-
18.1g
ごま
いり
12.6g
オートミール
-
9.4g
ドライマンゴー
-
6.4g

文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」をもとに執筆者作成

日本人は食物繊維が不足しがちな食生活を送っているといわれているため、積極的に摂取するようにしてくださいね。

食物繊維を手軽に摂れる食べ物については以下の記事で詳しく解説しています。

食物繊維を含む食べ物は?摂取目標量と摂取量を増やすコツも解説

2-2.DHA・EPAを多く含む食べ物

二尾の生魚

悪玉コレステロール値を下げるには「n-3系脂肪酸」に属するDHA(ドコサヘキサエン酸)やEPA(エイコサペンタエン酸)も有効です。

メモ
n-3系脂肪酸は脂質を構成する脂肪酸の一種「不飽和脂肪酸」に分類される物質です。体内で合成できないため「必須脂肪酸」と呼ばれ、食べ物から積極的に摂取する必要があります。

DHAやEPAには中性脂肪を減らしたり、善玉コレステロールを増やしたりする作用があります。

また悪玉コレステロールにはたらきかけて動脈硬化を起こしにくくするといわれています。

では、DHAやEPAを特に多く含む食べ物をそれぞれご紹介します。

【DHAを多く含む食べ物と可食部100g当たりの含有量】
食品名 加工状態など 含有量
さば
開き干し
2,700mg
さんま(皮付き)
2,200mg
いわしの缶詰
かば焼き
1,400mg
うなぎ
かば焼き
1,300mg
ぎんざけ
890mg
ほっけ
開き干し(焼き)
860mg

文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」をもとに執筆者作成

【EPAを多く含む食べ物と可食部100g当たりの含有量】
食品名 加工状態など 含有量
いわしの缶詰
かば焼き
1,800mg
しめさば
-
1,300mg
味付けのり
-
1,300mg
ぶり
940mg
にしん
880mg
からふとししゃも(生干し)
740mg

文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」をもとに執筆者作成

DHAやEPAは青魚を中心とした魚類に多く含まれるため、1日に魚を1切れ程度食べると良いでしょう[2]。

[2] 厚生労働省 e-ヘルスネット「脂質異常症(実践・応用)

3.悪玉コレステロール値を下げるため控えたい食べ物

揚げ物をしているところ

「悪玉コレステロール値を下げるために、食べない方が良いものってあるのかな?」

悪玉コレステロール値を下げるためには、特定の食べ物を摂るだけでは不十分です。

悪玉コレステロール値を上げてしまう次のような食べ物を控えることも重要です。

【悪玉コレステロール値を上げる食べ物】

  • 飽和脂肪酸を多く含む食べ物
  • トランス脂肪酸を多く含む食べ物
  • コレステロールを多く含む食べ物
  • カロリーが高い食べ物

この章では悪玉コレステロール値を下げるために控えたい食べ物についてご紹介します。

脂質異常症を改善するための食事については以下の記事で詳しく解説しています。

脂質異常症を改善する食事とは?食生活におけるポイントを解説

3-1.飽和脂肪酸を多く含む食べ物

悪玉コレステロール値を下げるために飽和脂肪酸を多く含む食べ物は避けましょう

飽和脂肪酸は悪玉コレステロール値が上昇する主な原因であり、また肥満の危険因子でもあります。

厚生労働省は18歳以上の成人に対し、飽和脂肪酸の摂取量について総エネルギー摂取量(摂取カロリー)の7%以下に抑えることを推奨しています[3]。

飽和脂肪酸はバターやマーガリンなどの乳製品や、脂身の多い肉類などに多く含まれています。

悪玉コレステロール値を下げたいのであれば、これらの食品は控えるようにしてくださいね。

[3] 厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)

3-2.トランス脂肪酸を多く含む食べ物

悪玉コレステロール値を下げるにはトランス脂肪酸を多く含む食べ物も控えましょう

トランス脂肪酸とは
不飽和脂肪酸の一種で、植物油などを固形に加工する際に副産物として生じる工業的なものと、牛などの反すう動物の胃で微生物がつくる天然のものがあります。健康に悪影響を及ぼすのは前者のみです。

トランス脂肪酸は飽和脂肪酸よりも善玉コレステロールに対する悪玉コレステロールの割合を高めるといわれています。

現時点では日本人のトランス脂肪酸の摂取量は欧米に比べて低い水準にとどまっており、どの程度影響を及ぼしているのかは明らかではありません。

しかし摂取量が増えれば影響は大きくなるため、できるだけ避けるようにすると良いでしょう。

トランス脂肪酸はマーガリンやショートニングなどの油脂や、それらを用いた洋菓子、揚げ物などに多く含まれます

普段これらの食品をよく摂取している方は、食べ過ぎないように注意してくださいね。

3-3.コレステロールを多く含む食べ物

悪玉コレステロール値を下げるには、食べ物からのコレステロールの摂取も控えめにしましょう

食べ物から摂取するコレステロールは、飽和脂肪酸ほどではないものの悪玉コレステロール値を上げる原因となります

体内で合成されるコレステロールの量は食事からの摂取量に応じて調整されるため、摂取した分がそのまま影響するわけではありません。

しかし無制限に摂取しても良いというわけではなく、量を控えることで悪玉コレステロール値の低下が期待できます。

コレステロールは卵の黄身や魚卵、内臓肉などに多く含まれています。

卵やいくら、かずのこ、ホルモンなどを食べ過ぎないように注意しましょう。

3-4.カロリーが高い食べ物

悪玉コレステロール値を下げるためにカロリーが高い食べ物は控えましょう

カロリーとは
ヒトが食べ物などから摂取し、生命を維持したり体を動かしたりするのに消費するエネルギーの量を表す単位です。1cal(カロリー)は非常に小さいため、通常はその1,000倍である1kcal(キロカロリー)が最小単位として用いられます。

摂取カロリー(エネルギー摂取量)が消費カロリー(エネルギー消費量)を上回る状態が続くと、肥満につながります

肥満のなかでも、特に「内臓脂肪型肥満」は脂質異常症を含む生活習慣病のリスクを高めることが分かっています。

内臓脂肪とは
胃や腸などの内臓の周りにつく脂肪のことです。男性や閉経後の女性につきやすいといわれています。

摂取カロリーを適切に制限して肥満を予防することが大切なのですね。

エネルギー源となる栄養素には炭水化物(糖質)、脂質、たんぱく質の3種類があります。

炭水化物とたんぱく質のカロリーは1g当たり4kcal、脂質のカロリーは1g当たり9kcalです[4]。

このように脂質はカロリーが高いため、油を多く使った料理はカロリーが高くなる傾向にあります。

揚げ物や脂身の多い肉、菓子類などカロリーが高い食べ物は控えるようにしましょう。

1日の摂取カロリーについては以下の記事で解説しています。

1日の適切な摂取カロリーは?体格や運動量に合わせた計算方法を解説

[4] 厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)

4.悪玉コレステロール値を下げるのにおすすめの食べ物

「悪玉コレステロール値を下げるにはどんな食べ物を選べば良いのかな?」

悪玉コレステロール値を下げるためには日々の食事の食材選びを工夫することが大切です。

悪玉コレステロール値を下げるのにおすすめの食べ物について、献立を立てやすいように主食、主菜、副菜に分けて解説します。

4-1.主食に適した食べ物

脱穀前のお米

悪玉コレステロール値を下げるために、主食を食物繊維の多い食べ物に置き換えましょう

玄米や胚芽米、麦飯、全粒粉のパン、そばなどには食物繊維が多く含まれています。

白米や小麦粉を原料とするパン、うどんなどをこれらの食品に置き換えることで、食物繊維の摂取量が増え悪玉コレステロール値の改善につながります。

また食物繊維が多く含まれる主食類は、そうでない主食類よりもカロリーが低い傾向にあります。

食物繊維を摂取しつつカロリーを抑えられるのはうれしいことですね。

4-2.主菜に適した食べ物

お刺身盛り合わせ

悪玉コレステロール値を下げるには、主菜に大豆製品や青魚を選ぶと良いでしょう。

大豆や豆腐、納豆などの大豆製品に含まれる大豆たんぱく質には悪玉コレステロール値を下げる効果が期待できます

また肉類をソイミートなどに置き換えることで、手軽に脂質の摂取量を抑えることができますよ。

加えて、あじやいわし、さんまなどの青魚は悪玉コレステロール値を下げるEPAやDHAを多く含むため1日に1切れを摂取することが推奨されています[5]。

なお献立に肉を取り入れる場合は、脂質をほとんど含まない鶏の胸肉やささみ肉を選んだり、牛肉や豚肉でもヒレ肉を選んで脂身を取り除いたりすると良いでしょう。

[5] 厚生労働省 e-ヘルスネット「脂質異常症(実践・応用)

4-3.副菜に適した食べ物

緑黄色野菜ときのこ

悪玉コレステロール値を下げるために、副菜に野菜類、海藻、きのこ、こんにゃくなどを選びましょう

野菜や海藻、きのこ、こんにゃくには食物繊維が多く含まれているため、悪玉コレステロールを減らす効果が期待できます

食物繊維は豆類や大豆の加工品である納豆にも多く含まれるため、これらも意識的に食卓に載せると良いでしょう。

こうした食品は3度の食事ごとにたっぷり2皿分摂取しましょう[6]。

[6] 厚生労働省 e-ヘルスネット「脂質異常症(実践・応用)

5.コレステロールを下げる食べ物についてのまとめ

コレステロールはヒトの体内に存在する脂質の一種で、細胞膜やホルモンの材料となる物質です。

血液中のコレステロールには善玉コレステロールと悪玉コレステロールがあり、これらの量が基準値から外れると脂質異常症と診断されます。

脂質異常症は動脈硬化を進行させ、心筋梗塞や脳梗塞などの深刻な病気のリスクを高めるため注意が必要です。

悪玉コレステロール値を下げるには、食物繊維やDHA、EPAを多く含む食べ物を積極的に摂りましょう。

また飽和脂肪酸やトランス脂肪酸、コレステロールを多く含む食べ物やカロリーが高い食べ物は悪玉コレステロール値を上げるため控えることが大切です。

主食を食物繊維の多い玄米や胚芽米や麦飯、全粒粉のパン、そばなどに置き換えることで効率的に食物繊維を摂ることができます

主菜には大豆製品や青魚を、副菜には野菜や海藻、きのこ、こんにゃくを取り入れることで悪玉コレステロールを下げるはたらきのある栄養素を摂取できます

この記事を読んで、悪玉コレステロール値を下げて健康的な生活を送るための参考にしてください。

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