日焼けが肌に与えるダメージとは?予防法やアフターケアについて解説

日焼けが肌に与えるダメージとは?予防法やアフターケアについて解説

2023年01月30日

2023年08月08日

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「日焼けすると肌にどんな影響があるんだろう?」

「日焼けしてしまった後の対処法を知りたい……」

日焼けした肌には健康的な印象もありますが、肌や健康に悪影響を与えることもあります。

日焼けは紫外線を長時間浴びることで肌に現われる症状のことです。

日焼け対策をしないでいるとしわやシミといった肌の老化だけでなく、皮膚がんを引き起こす恐れもあります

この記事では日焼けが肌に与える影響や日焼けの予防法、アフターケアについて解説します。

日焼けによる肌へのダメージを防ぎ、健康的な肌を保ちたいという場合にはチェックしてみてくださいね。

1.日焼けとは

日焼け対策した女性の手のアップ

「日焼けはどんなメカニズムで起こるの?」

と気になっている方もいらっしゃるでしょう。

日焼けとは強い「紫外線」を浴びることで引き起こされる皮膚の炎症や色素沈着といった症状のことです。

紫外線とは
太陽光のうち、目に見える光よりも波長の短いものを指します。太陽光は波長の長さによって「赤外線」、目に見える「可視光線」、紫外線の3種類に分類され、太陽光のうち最も波長が短いのが紫外線です。

日焼けすると皮膚が炎症を起こし、ヒリヒリとした痛みやかゆみが生じたり、皮膚が剥がれたり色素沈着を起こしたりします。

重度の場合には水疱や発熱、悪寒などの症状が現れることもあります。

また紫外線の種類によって異なる症状が現れる場合もあります。

紫外線はその性質によって「UV-A」「UV-B」「UV-C」の3種類に分けられます。

3種類の紫外線のなかでもUV-Cは空気中の酸素分子とオゾン層によって地表に届くことがないため、日焼けに大きく関係するのはUV-AとUV-Bの2種類だけです。

紫外線の種類

UV-Aは肌の奥深くまで届くという特徴があり、シミやしわの発生など肌にさまざまな影響を及ぼすと考えられています。

UV-BはUV-Cのようにオゾン層で遮られるため地表に届くのは一部ですが、皮膚細胞のDNAを傷つけてしまう恐れのある紫外線です。

この二つの紫外線は日焼けの種類にも関係しています。

二つの紫外線の特徴を踏まえた上で日焼けの種類について見ていきましょう。

2.日焼けの種類

「そもそも日焼けに種類なんてあるの?」

日焼けに種類があることを知らなかったという方も多いのではないでしょうか。

実は日焼けには「サンバーン」と「サンタン」の二つの種類があります。

ここからはサンバーンとサンタンの特徴について解説します。

2-1.サンバーン

サンバーンとは紫外線(UV-B)を浴びることで、皮膚が真っ赤に炎症を起こす日焼けのことです。

サンバーンは紫外線を浴びてから数時間程度で肌に赤みやひりつきなどを生じます

個人差はあるものの、炎症に伴う症状はその後8~24時間後に症状のピークを迎え、2~3日で軽減します[1]。

このほか、日焼けによって生じる発熱や水疱などもサンバーンによる症状の一種です。

日焼けをした後に最初に現われる症状がサンバーンということですね。

[1] 環境省「紫外線 環境保健マニュアル2020」

2-2.サンタン

サンタンとは日光に当たってから数日後に現われる皮膚が黒っぽくなる色素沈着のことです。

発症から数日で消えるサンバーンに対して、サンタンは数週間~数カ月続くこともあります。

サンタンは紫外線を浴びてメラニンが大量につくられることが原因です。

メラニンは人間の肌や髪の色などを左右する色素で、紫外線による肌へのダメージを防ぐ役割があります。

しかしその一方でメラニンが過剰につくられると肌を黒っぽく変色させてしまうのです。

またサンタンはUV-Aによって引き起こされる日焼けです。

日焼けサロンではUV-Bをカットして、サンタンの原因であるUV-Aのはたらきを利用して人工的にサンタンを引き起こしています。

3.日焼けによる肌への影響

「日焼けしてしまうと肌にどんな影響があるのかな?」

日焼けによる肌へのダメージを知れば、日焼け予防や紫外線対策の重要さが分かるでしょう。

正しいケアを行わずに日焼けが慢性化した場合、シミやしわ、皮膚がんに発展する可能性があります。

ここからは日焼けによる肌への影響を四つ紹介します。

3-1.シミ

日焼けはシミを引き起こす原因でもあります。

日焼けによる色素沈着は肌を紫外線から守ろうとする反応ですが、メラニンが排出されずに増え続けるとそのまま肌に蓄積してシミになります

シミと一口にいってもそばかすや肝斑などの種類がありますが、なかでも紫外線が主な原因とされているものを「日光黒子(にっこうこくし)」と呼びます。

このシミは淡褐色~濃褐色で、顔を中心に手や背中、前腕など露出することが多い部分によく見られます。

シミを防ぐには日焼け止めを塗ったり、紫外線をできるだけ浴びないようにしたりといった紫外線対策が重要です。

3-2.しわ

日焼けは乾燥を引き起こし、しわの原因になります

紫外線を浴びた肌は皮膚の奥深くにある細胞がダメージを受けているため、肌のハリやツヤに必要な「コラーゲン」や「ヒアルロン酸」を産生するはたらきが弱まってしまいます。

コラーゲンとは
皮膚、腱、軟骨などの組織を構成する繊維状のたんぱく質のことです。人体にあるたんぱく質の約30%を占めており、約4割が皮膚に、2割が骨や軟骨、その他血管や内臓など全身に分布しています[2]。
ヒアルロン酸とは
皮膚や腱、筋肉、軟骨、血管などに広く分布する動物の結合組織の成分です。細胞接着や細胞の移動などを制御するはたらきがあります。

潤いが失われた肌をそのまま放置することでしわの原因になることがあります。

シミやしわのように紫外線を長年浴び続けたことで起こる肌の慢性障害は「光老化」と呼ばれています。

高齢者の肌にシミやしわが見られるのは、加齢による老化の影響だけではなく、光老化による影響も大きいでしょう。

歳をとっても若々しくいるためにも、若い頃からの紫外線対策を行うようにしましょう。

[2] 厚生労働省 e-ヘルスネット「コラーゲン」

3-3.たるみ

肌のたるみもシミやしわと同様に紫外線を浴び続けることで引き起こされます

紫外線のなかでもUV-Aは肌のハリや弾力を保つのに必要なコラーゲンや「エラスチン」を破壊する性質があります

エラスチンとは
力をかけると伸び、また元に戻る弾性を持つ繊維状のたんぱく質の一種です。コラーゲンと同様に肌のハリや弾力の維持に重要な成分で、水に溶けないという特徴があります。また扱いにくい性質から研究があまり進んでいない物質でもあります。

そのため、日焼けによって肌がハリや弾力を失い、たるんでしまうこともあるでしょう。

3-4.皮膚がん

日焼けによってがんの発生を招く場合もあります。

UV-BにはDNAの異常を引き起こす恐れがあり、それにより皮膚がんの原因になることもあるのです。

皮膚がんの初期段階である「日光角化症(にっこうかくかしょう)」を引き起こした時点で適切な治療を受ければ、がんを予防できる可能性があります。

日光角化症は紫外線によく当たる部位に発生しやすく、皮膚の表面がかさかさして赤くなったり、かさぶたができたりといった症状があります。

この時点では転移や命に関わる心配はありませんが、早期に適切な治療を受けずにいるとより悪性化し、命に関わる恐れがあるのです。

日光角化症の症状は通常の湿疹やしみと区別しにくく、専門知識のない方が軽く見て放置していると進行してしまう可能性があります。

長期にわたって治らない皮膚症状があれば必ず皮膚科医に相談しましょう。

ただし日本は世界的に見ても皮膚がんが少ない国といわれています。

罹患率(一定期間中に新たに皮膚がんにかかった割合)は、日本の場合人口10万人当たり年間3~5人です[3]。

この罹患率は皮膚がんが最も多いといわれているオーストラリア、ニュージーランドと比較すると、1/100程度といわれています[3]。

日本は皮膚がんの羅患率が低いとはいえ、紫外線対策を行い、皮膚がんになるリスクを減らすことが望ましいでしょう。

[3] 環境省「紫外線 環境保健マニュアル2020」

4.日焼けを防ぐために行うべき予防法

日焼けを防ぐために行うべき予防法

「日焼けしないようにするにはどのような予防法をとれば良いのかな……」

これまで紫外線対策をしたことがなく、日焼けを防ぐにはどうすれば良いのか分からないという方もいらっしゃるのではないでしょうか。

ここからは日焼け予防法を三つ紹介します。

日常的にできる予防法ばかりなので、お出かけの際やちょっとした外出時の参考にしてみてくださいね。

予防法1 できるだけ紫外線を浴びないようにする

紫外線予防対策グッズ

外出時はできるだけ紫外線を避けるようにすることが日焼け予防法として有効です。

例えば紫外線が強いといわれる正午前後の時間帯はなるべく外出を控えるようにするといった工夫が必要です。

正午を挟む数時間の紫外線照射量は夏の場合1日の約7割、冬の場合には約8割にもおよびます[4]。

外出しなければいけない用事がある場合には、できるだけ日陰のある場所を歩くか、日傘や帽子、サングラスなどを着用すると良いでしょう。

帽子を着用することで目への紫外線ばく露を8割程度に抑えることができ、麦わら帽子のようなつばが広いものならさらに大きな効果が期待できます[4]。

その他にも襟付きの長袖シャツなどは体を覆っている部分が多いため、紫外線から肌を守ってくれます。

しかし暑い時期には熱中症になる可能性もあるため注意しましょう。

気象庁や有害紫外線モニタリングネットワークでは日々の紫外線の強さを指標化した「UVインデックス」を公開しているので、紫外線対策に活用すると良いでしょう。

[4] 環境省「紫外線 環境保健マニュアル2020」

予防法2 年間を通して日焼け止めを使う

手に日焼け止めを塗っているところ

日焼けを予防したいなら季節を問わず年間を通して日焼け止めを使うようにしましょう。

1年のうち紫外線が強い時期だけ日焼け止めを使う方も多いかもしれません。

しかし紫外線が弱まる秋冬の時期であっても油断してはいけません。

例えば冬であっても雪が積もっている場合には反射した紫外線によって2倍近い紫外線を浴びる可能性もあります[5]。

また雲が薄い場合には紫外線の8割以上が透過するため、曇りの日であっても日焼け止めを塗る習慣を身に付けましょう[5]。

日焼け止めには「SPF」や「PA」といった効果表示があり、どれを選べば良いのか分からなくなってしまう方も多いのではないでしょうか。

SPF、PAの効果表記のそれぞれの意味について見ていきましょう。

SPFとはUV-Bを防ぐ指標のことです。

1~50の間で表記され、50以上は50+と表記されます。

PA とはUV-Aを防ぐ指標のことで、四つを最大として+の数が多いものほど高い日焼け防止効果が期待できます。

SPFとPAを解説した図

日焼け止めはシーンに合わせて適切なものを選ぶことも重要です。

例えば、洗濯物干しや近所への買い物時なら、SPF10~20、PA+から++がおすすめです。

また紫外線が強い時期に長時間外にいる場合にはSPF30~50+、PA++から++++と表示されているものをチョイスすると良いでしょう。

SPFとPAの目安

日焼け止めは時間の経過とともに汗で落ちたり、タオルを使うことでとれたりするため、2~3時間おきに塗り直すことも重要です[5]。

長時間外出する際は日焼け止めを塗り直せるように、必ず携帯するようにしましょう。

[5] 環境省「紫外線 環境保健マニュアル2020」

予防法3 美白製品でスキンケアをする

手にクリームを塗っているところ

日焼けを予防するには「美白製品」を使ったスキンケアを行いましょう。

美白製品とは厚生労働省によって美白効果の有効性と安全性が認められた「美白有効成分」が配合された医薬部外品のことです。

美白とは、シミやそばかすなどの色素沈着が少なく明るく美しい肌を目指すことをいいます。

現在、「ビタミンC誘導体」や「ハイドロキノン」、「プラセンタエキス」など十数種類の成分が美白有効成分として認められています。

美白製品には日焼けやメラニンの成長によるシミ、そばかすを防ぐといった効能が期待できます。

化粧水や乳液といったスキンケアアイテムには美白有効成分を配合した製品があるため、洗顔後のスキンケアに取り入れてみるのも良いでしょう。

しかし、炎症を起こしている肌は敏感で、美白製品が刺激になってしまう恐れがあります

そのため、日焼けをした直後には使用しないようにしましょう。

5.日焼け後の肌をケアする方法

「日焼け予防をしていても日焼けしてしまったらどうやって対処すれば良いのかな……」 日焼けした後の適切なケアがわからなくて困っているという方も多いでしょう。

適切なケアを知っておけば万一日焼けしてしまっても、その後の肌への影響を抑えられますよ。

ここでは三つのケア方法を紹介するのでチェックしてくださいね。

日焼け後の肌をケアする方法

方法1 冷やして火照りを鎮める

タオルを頬にあてる男性

強い紫外線を浴びて日に焼けてしまったら、まずは日焼けした場所を冷やして火照りを鎮めましょう

日焼け後の肌は炎症が起こっているので、冷水タオルや冷たいシャワーなどを当てて冷やすと多少軽減します。

患部を冷やす際には柔らかいタオルで優しく当てたり、シャワーの水勢を弱めたりして肌への刺激をできるだけ抑えるようにしてくださいね。

方法2 優しく洗う

洗顔ネットで泡立てているところ

日焼け止めを塗っていたりメイクをしていたりする場合は、いつも以上に優しく洗うようにしましょう。

日焼け後の肌は特に敏感になっているので、ゴシゴシと洗うと肌への刺激になってしまいます。

クレンジングオイルを使う際はたっぷりの量を手に取り、優しくなでるように日焼け止めやメイクと馴染ませてから落としてください。

洗顔時はたっぷりの泡を使って肌を傷つけないように優しく洗いましょう。

小鼻周辺やフェイスラインは見落とすことも多いため、洗顔やクレンジング時は気を付けてくださいね。

方法3 保湿する

手の甲にクリームを塗る女性

日焼け後は保湿して肌に潤いを与えることが重要です。

肌の火照りや赤みが落ち着いたら、化粧水を使って水分をたっぷり補給してください。

使用量が少ないと十分な潤いを与えられないため、適量を手で優しく馴染ませましょう。

ローションマスクも保湿に効果が期待できるのでおすすめです。

化粧水を使って保湿できたら、乳液やクリームで水分が蒸発しないようにふたをしてください

化粧水や乳液、クリームは低刺激のものや敏感肌用のものを選ぶと、日焼け後の肌への刺激を抑えられますよ。

化粧水や乳液を使って肌の潤いを逃がさないようにしましょう。

6.炎症がひどい場合には病院に行く

拡大鏡を持つ男性医師

日焼けした後は適切なケアを行うことが重要ですが、炎症がひどい場合には病院に行くようにしてください。

日焼けはその程度によって体に現れる症状が異なり、軽度のものなら日焼けした箇所が赤くなる程度ですが、中程度のものは日焼け箇所がヒリヒリと痛みます。

重度の場合には日焼け箇所に広く強い痛み、もしくは水ぶくれなどの症状が現れます。

またこれらの症状に加えて、発熱、倦怠感を伴うこともあります。

日焼けした後にこのような症状が現れたら速やかに皮膚科を受診してください。

7.日焼けについて まとめ

日焼けとは強い紫外線を浴び続けることで、肌の赤みやヒリヒリとした痛みが現われる症状のことです。

日焼けには種類があり、皮膚が赤みがかって炎症を起こしたものをサンバーン、皮膚に黒く色素沈着を起こしたものをサンタンと呼びます。

適切なケアを行わずに日焼けが慢性化した場合、しわやシミ、たるみに加え、皮膚がんを引き起こす恐れがあります

日焼けによる体への影響を防ぐには、日焼けを予防することが重要です。

紫外線が強い時間帯は外出を避けたり、年間を通して日焼け止めを塗ったりといった紫外線対策を行いましょう。

また日焼けしてしまった場合には、患部を冷やして火照りを抑え、化粧水や乳液などで保湿を行ってください

日焼け止めやメイクをしている場合には、クレンジングで優しく落とし、泡を使って肌を刺激しないように洗うようにしましょう。

日焼けによる炎症がひどい場合には速やかに皮膚科を受診してくださいね。

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