パントテン酸とは?はたらきや摂取目安量、摂取源となる食品を紹介

2024年04月11日

2024年11月11日

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「パントテン酸ってどんな栄養素なんだろう?」

「パントテン酸はどれくらい摂取すべきなのかな……」

このような疑問を抱えている方もいらっしゃるのではないでしょうか。

パントテン酸とは水溶性ビタミンの一種です。

さまざまな食品に含まれているという特徴があり、生体内で重要なはたらきを担っています。

この記事ではパントテン酸のはたらきや摂取目安量、摂取源となる食品などについてご紹介していきます。

1.パントテン酸とは

「そもそもパントテン酸ってどんな栄養素なの?」

と気になっている方もいらっしゃるかもしれません。

パントテン酸は水溶性ビタミンのうちのビタミンB群に属する栄養素です。

ギリシャ語で「どこにでもある酸」という意味の名が付けられ、その名のとおりさまざまな食品に含まれています。

コエンザイムA(CoA)やホスホパンテテインなどの「補酵素」の構成成分として、「TCAサイクル」や脂質の代謝に関わっています

補酵素とは
体内で代謝を担っている「酵素」の作用をサポートする物質のことです。酵素のなかにはそれ単体では活性化しないものもあるため補酵素が必要になります。

TCAサイクルとはトリカルボン酸サイクルの略で、脂肪や糖質、たんぱく質を分解して生きるために必要なエネルギーをつくり出す仕組みのことです。

TCAサイクルに異常が起これば生物は生きていくことができなくなるため、パントテン酸は非常に重要な役割を持つ栄養素といえます。

【関連情報】 「ビタミンとは?13種類のビタミンのはたらきと食事摂取基準を紹介」についての記事はこちら

2.パントテン酸の食事摂取基準と平均摂取量

「パントテン酸は食事からどれくらい摂れば良いのかな?」

「パントテン酸をたくさん摂りたいけど、摂り過ぎても良いのかな……」

パントテン酸はどれくらい摂ったら良いのか気になるのではないでしょうか。

ここからはパントテン酸の食事摂取基準と平均摂取量をみていきましょう。

2-1.1日当たりの食事摂取基準

厚生労働省が定めるパントテン酸の1日当たりの食事摂取基準についてみていきましょう。

パントテン酸の食事摂取基準には摂取の目安量が設定されています

目安量とは
一定の栄養状態を保つのに十分な量のことで、目安量以上に摂取できていれば不足のリスクは低いと考えられます。摂取不足の回避を目的とした「推定平均必要量」と「推奨量」が設定できない場合に使われる指標です。

厚生労働省が公表している「日本人の食事摂取基準(2020年版)」によるとパントテン酸の1日当たりの摂取目安量は以下のとおりです。

【パントテン酸の摂取目安量(mg/日)男性】

年齢 目安量
0~5(カ月) 4
6~11(カ月) 5
1~2歳 3
3~5歳 4
6~7歳 5
8~9歳 6
10~11歳 6
12~14歳 7
15~17歳 7
18~29歳 5
30~49歳 5
50~64歳 6
65~74歳 6
75歳以上 6

【パントテン酸の摂取目安量(mg/日)女性】

年齢 目安量
0~5(カ月) 4
6~11(カ月) 5
1~2歳 4
3~5歳 4
6~7歳 5
8~9歳 5
10~11歳 6
12~14歳 6
15~17歳 6
18~29歳 5
30~49歳 5
50~64歳 5
65~74歳 5
75歳以上 5

厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」をもとに執筆者作成

また妊婦や授乳婦の摂取目安量もみていきましょう。

【妊婦・授乳婦のパントテン酸の摂取目安量(mg/日)】

目安量
妊婦 5
授乳婦 6

厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」をもとに執筆者作成

パントテン酸は広く食品に存在するため、摂取目安量を意識せずとも不足することはまずないでしょう。

2-2.1日当たりの平均摂取量

日本人のパントテン酸の平均摂取量はどれくらいなのでしょうか。

厚生労働省「令和元年 国民健康・栄養調査」によるとパントテン酸の1日当たりの平均摂取量は以下のとおりです。

【パントテン酸の平均摂取量(mg/日)男性】

年齢 平均摂取量
1~6歳 4.26
7~14歳 6.40
15~19歳 6.85
20~29歳 5.92
30~39歳 5.54
40~49歳 5.91
50~59歳 5.83
60~69歳 6.21
70~79歳 6.48
80歳以上 5.92

【パントテン酸の平均摂取量(mg/日)女性】

年齢 平均摂取量
1~6歳 3.83
7~14歳 5.83
15~19歳 5.60
20~29歳 4.65
30~39歳 4.87
40~49歳 5.06
50~59歳 5.12
60~69歳 5.68
70~79歳 5.79
80歳以上 5.02

厚生労働省「令和元年 国民健康・栄養調査」をもとに執筆者作成

20歳以上の平均値を参照してみると男性が1日当たり6.05mg、女性が同5.30mg摂取できており、摂取目安量に達しています[1]。

しかし、男性の場合は50代、女性の場合は20~30代と一部の年代でパントテン酸の平均摂取量が摂取目安量に達していないことが分かります[2]。

[1] 厚生労働省「令和元年 国民健康・栄養調査

[2] 厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)

3.パントテン酸の過不足による影響

「パントテン酸の過剰摂取や摂取不足による影響にはどんなものがあるんだろう」

普段の食事で摂り過ぎや不足による悪影響があるなら知りたいと思う方も多いのではないでしょうか。

ここからはパントテン酸の過剰摂取による影響と摂取不足による影響についてそれぞれみていきましょう。

3-1.パントテン酸を過剰摂取した場合

実は通常の食事をしている人で、パントテン酸を過剰に摂取して健康障害が現れたという報告は確認されていません

また厚生労働省が公表している「日本人の食事摂取基準(2020年版)」では、データが十分に集まらなかったためパントテン酸の「耐容上限量」は設定されていません。

耐容上限量とは
過剰摂取によって生じる健康障害の回避を目的として設定された指標です。

3-2.パントテン酸が不足した場合

パントテン酸が不足すると初期症状として疲労や胃の不快感を伴う食欲不振、便秘などが起こります。

この他にも目まいや頭痛、動悸(どうき)、不眠といった症状が見られ、さらに進行すると手や足のしびれと灼熱(しゃくねつ)感、副腎皮質・消化管などの臓器の機能不全、成長停止が起こるといわれています。

このようにパントテン酸が不足するとさまざまな症状が現れるとされていますが、パントテン酸は多くの食品中に含まれているため、通常の食事をしている場合には不足することはまずありません

4.パントテン酸を多く含む食品

「パントテン酸はいろいろな食品に含まれているみたいだけど、どんな食品に多く含まれているんだろう」

このようにパントテン酸を多く含む食品について気になっている方も多いのではないでしょうか。

ここからはパントテン酸を多く含む食品を動物性食品と植物性食品に分けてご紹介します。

メモ
この章でご紹介する栄養素は食品表示基準にのっとって100g当たり(または100kcal当たり)の含有量が「豊富である(または含まれている)」と表現できるものです。

4-1.動物性食品

お皿にのっためんたいこ

パントテン酸を多く含む動物性食品は以下のとおりです。

【動物性食品100g当たりのパントテン酸の含有量(mg)】

食品名 加工状態 含有量
鶏レバー 10.00
豚レバー 7.19
牛レバー 6.40
たらこ 3.68
あわび 2.44
いくら - 2.36
ささみ 2.07
ししゃも(生干し) 1.95
鶏むね肉(皮なし) 1.92

文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」をもとに執筆者作成

このように動物性食品ではレバーなどの肉類やししゃもなどの魚介類に多く含まれています。

4-2.植物性食品

納豆

パントテン酸を多く含む植物性食品は以下のとおりです。

【植物性食品100g当たりのパントテン酸の含有量(mg)】

食品名 加工状態 含有量
ひきわり納豆 - 4.28
納豆 - 3.63
らっかせい 2.56
まつたけ 1.91
ピーナツバター - 1.87
モロヘイヤ 1.83
アボカド 1.55
マッシュルーム 1.54

文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」をもとに執筆者作成

このようにパントテン酸を多く含む植物性食品にはモロヘイヤなどの野菜類、納豆などの豆類、まつたけなどのきのこ類などがあります。

パントテン酸は水に溶けやすく熱で分解されやすいため、調理の際は注意しましょう

5.パントテン酸についてのまとめ

パントテン酸は水溶性ビタミンのビタミンB群に属する栄養素です。

パントテン酸は補酵素の構成成分としてエネルギ―代謝や脂質の代謝に深く関わっており、生命を維持するのに必要不可欠な栄養素といえます。

これまでパントテン酸の過剰摂取による悪影響が報告されたことはありません。

また摂取不足になると手足のしびれや灼熱感、頭痛、疲労、不眠、胃の不快感を伴う食欲不振に加え、臓器の機能不全や成長停止などの症状が現れます

しかし、パントテン酸はさまざまな食品中に含まれているため、通常の食生活を送っている場合には摂取不足による悪影響が表れることはないでしょう。

パントテン酸は鶏レバーや豚レバー、たらこなどの動物性食品と、納豆やアボカド、ブロッコリーなどの植物性食品の両方から摂取することができます。

さまざまな食品に含まれているパントテン酸を普段から意識して摂取してくださいね。

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