これって五十肩?症状や原因、予防のポイント、治療法について解説

2024年08月15日

2024年11月11日

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「五十肩ってどんな症状や治療法があるのかな?」

と気になっている方は多いのではないでしょうか。

五十肩は人によって肩の痛みやこわばりといったさまざまな症状が現れます。

五十肩は症状の推移によって三つの期間に分けることができ、治療法もそれぞれ異なります。

この記事では五十肩の症状や原因を詳しく解説します。

五十肩を予防するポイントや五十肩の治療法もご紹介しますのでぜひ最後までお読みくださいね。

1.五十肩とは

自分の右肩をおさる女性

「五十肩ってそもそも何だろう?」

五十肩という病名に聞きなじみはあっても、詳しくは知らないという方が多いかもしれませんね。

五十肩とは肩関節周囲炎の別名です。

五十肩は名前のとおり中年以降、特に50歳前後に多く見られます[1]。

ただし、40代で症状が現れることもあり、平均寿命の延びに伴い最近では70代で五十肩を発症する人も少なくありません[1]。

「五十肩は50代だけのものだと思っていた」という方もいらっしゃるかもしれませんね。

この章では、五十肩の症状と原因についてさらに詳しく解説します。

症状や原因を知ることで、正しい対策を取ることができますよ。

[1] 一般社団法人 日本臨床整形外科学会「肩関節周囲炎(五十肩)

1-1.五十肩の症状

五十肩の症状には肩の痛みや関節の動きの悪さなどがあります。

肩の痛みは主に腕を上げたときに生じます。

その他、じっとしていても痛む場合や、肩だけでなく腕や肩甲骨、首まで痛む場合など人によってさまざまな痛み方があります。

痛みがひどくなると、夜中に寝返りを打つだけで痛みを感じ目が覚めてしまうこともあります。

最初は症状が軽くても、徐々に悪化することもあるため注意が必要です。

また、五十肩は症状の推移から急性期、慢性期、回復期の三つに分けることができます。                  

【五十肩の経過】
急性期 慢性期 回復期
期間 2週間~2カ月 2~4カ月 3~6カ月
症状 激しい痛みがあり 肩は動かない 動かすと痛み
肩は動かない
痛みはないが 肩は動かない

総合南東北病院「五十肩」をもとに執筆者作成

痛みが和らいだ後、あまり動かさないままでいると肩が水平以上に上がらなくなり、服を着替えたり髪を洗ったりすることが難しくなってしまいます

1-2.五十肩の原因

五十肩で肩が痛むのは肩関節に炎症が起こるためです。

この炎症そのものの原因ははっきりと分かっていません。

肩を繰り返し酷使することや、肩関節の動きが制限された状態が続くことが炎症のリスクを高めていると考えられています。

また、糖尿病や高脂血症などの代謝異常がある人も発症しやすいといわれています。

その他、五十肩で動きが悪くなる理由の一つに炎症を治す過程によるものが挙げられます。

肩関節の動きを良くする組織(肩峰下滑液包)や関節を包む組織(関節包)は肩の炎症が治る過程で水分を失います

これらの組織が乾いた状態になると、腱や骨に接着剤のように癒着してしまい肩の動きが悪くなります

肩の痛みが和らいだ後に動かしにくくなるのは、肩でこのようなことが起こっているからなのですね。

2.五十肩を予防するポイント

自分の左肩をおさえる女性

「五十肩を予防するポイントはあるのかな?」

五十肩を予防するにはいくつか気を付けておきたいポイントがあります。

この章では五十肩を予防するポイントを四つご紹介します

ぜひお読みになり、五十肩を予防していきましょう。

ポイント1 正しい姿勢を心掛ける

ノートパソコンの前で作業する女性

五十肩を予防するポイントの一つは正しい姿勢を心掛けることです。

背中が丸まった状態の猫背や、肩が前に出る巻き肩は肩の関節に負担を掛けてしまいます

パソコンやスマートフォンを使う際は巻き肩になりがちです。

肩の痛みを予防する正しい姿勢

正しい姿勢では首の骨が緩やかなカーブを描き、耳の穴の下に肩がある状態になります。

日頃からこの姿勢を維持できるように気を付けましょう。

何か作業に没頭するときに前屈みになったり、首を突き出して背中を丸めたりする癖がある人は注意しましょう。

ポイント2 体を温める

お湯をはったバズタブとタオル

体を温めることも五十肩の予防につながります

体が冷えると血行が悪くなり痛みが出やすくなります。

夏場は冷房などの影響で体が冷えてしまうこともあるため、季節にかかわらず体を温める習慣をつけましょう。

入浴や運動には血行促進と体を温める効果がありますので、ぜひ習慣化してくださいね。

ポイント3 ストレッチを行う

肩に手を添えている人

五十肩の予防にはストレッチも効果的です。

長時間同じ姿勢でいると肩に負担を掛けてしまいます。

家事や仕事の合間には休憩を挟みストレッチなどを行うようにしましょう。

ストレッチでは棘下筋(きょくかきん)、広背筋、菱形筋(りょうけいきん)を伸ばすと良いでしょう。

注意!
肩に違和感を覚える場合や痛みを感じる場合にはストレッチを止めましょう。

まずは棘下筋のストレッチを行います。

棘下筋とは、肩の真裏にある筋肉のことで、肩甲骨のほぼ全体を覆うようについています。

棘下筋のストレッチ

まずは片方の手を腰に当てて胸を張ります。

反対の手で肩を押さえながら肘を前に出していきましょう。

肩の後ろに伸びる感覚があればうまくストレッチができています。

猫背になると効果が得られないため、しっかりと胸を張るようにしてくださいね。

続いて広背筋のストレッチを行いましょう。

広背筋のストレッチ

広背筋は脇の下から腰にかけてあります。

腕を後ろに動かしたり、内側にひねったりするときに使われている部分が広背筋です。

まずは、片方の手を壁につけて、手首にもう片方の手を重ねます。

そのまま腰を下に下げていきましょう。

脇の下が伸びる感覚があればうまくストレッチができています。

腰を引くときには、しゃがむようにすると効果があります。

最後に棘下筋と菱形筋をストレッチしましょう。

菱形筋は首の後ろの骨が出っ張っている部分から肩甲骨の内側にかけてついています。

棘下筋の菱形筋をストレッチ

まずは片方の腕を伸ばし、肘に反対側の手を添えましょう。

十字のように手をクロスしたら、体をひねっていきます。

肩甲骨の内側辺りが伸びるのを感じてくださいね。

猫背になるとうまくストレッチができないため、しっかりと背筋を伸ばして行ってください。

ポイント4 他の病気を治療する

錠剤や血糖値測定器

五十肩を予防するには肩の炎症のリスクを高める病気の治療を行いましょう

糖尿病や脂質異常症、甲状腺の疾患などは五十肩のリスクを高めるといわれています。

これらはセルフケアだけで改善できるものではないため、医療機関で相談し適切な治療を受けましょう。

3.五十肩の治療法

自分の右肩をおさえる男性の後ろ姿

「五十肩を治療したいけどどうすれば良いんだろう?」

五十肩を治療するには肩の痛みを和らげて、可動域を改善する必要があります。

五十肩の治療の種類としては保存的治療、理学療法、外科的治療があります

症状の推移によって適用できる治療法が異なるため医療機関で指導を受けながら、継続して治療に取り組むと良いでしょう。

ほとんどの場合は保存的治療か理学療法で改善が見込めるため、外科的治療、つまり手術は必要ない場合が多いです。

この章では、三つの治療法についてご紹介します。

3-1.保存的治療

肩に湿布を貼っている女性の後ろ姿

五十肩の治療には保存的治療というものがあります。

保存的治療とは、急性期の痛みの強い時期に行うものです。

この時期には、重いものを持つことや肩を上げる動作を控えて安静にすることで肩の負担を少なくします

痛みが強い場合は、炎症を抑える薬や痛み止めを服用します。

最近では湿布、テープ剤などでも治療でき、内服薬と同程度の効果が認められています。

3-2.理学療法

理学療法を受ける女性

五十肩の治療には理学療法という治療法も用いられます

理学療法とは、肩関節の可動域を改善するためにストレッチやエクササイズを行う治療法のことです。

痛みが落ち着いてきた慢性期や回復期で行います。

肩を温めながら少しずつ動かすようにし、痛みがほとんどなくなってくる回復期には積極的に肩を動かすようにします。

医療機関での指導を受けた上で自宅で行う場合が多く、改善が見られない場合は通院でリハビリを行うこともあります。

また、ストレッチやエクササイズとともに患部を温めるなどの血行改善の治療を組み合わせることもあります。

3-3.外科的治療

手術室の照明や器具

五十肩の治療では外科的治療である手術が行われることもあります

症状が長引き、保存的治療や理学療法で改善が見込めない場合に行われることがあります

炎症を取り除いたり、可動域を改善したりするための手術があります。

しかし、ほとんどの場合は保存的治療や理学療法で改善することが多いため心配し過ぎる必要はありません。

あくまで、治療法の一つとして手術を行うこともあるということをお伝えします。

4.五十肩が疑われたら受診しましょう

説明をする男性医師

五十肩のような痛みであっても、実は「石灰沈着性腱板炎」や「腱板断裂」など、治療法が全く異なる病気や手術が必要な病気が潜んでいる可能性あります

五十肩であったとしても、自己判断で肩を動かしたり揉んだりすると症状が悪化してしまいます

次のような症状は、医療機関を受診する目安です。

【医療機関を受診する目安

  • 肩を動かしたり、寝返りを打ったりすると痛みがある
  • 肩の痛みが数週間以上続いている
  • 肩に電気が走るような痛みがある
  • 肩に力が入らない
  • 腕を水平以上に上げたり、後ろに回したりするのが難しい
  • 肩を動かすとゴリゴリという音がする

すぐに五十肩だと自己判断せず、まずは医療機関で相談しましょう。

5.五十肩についてのまとめ

五十肩とは中年以降の、特に50代に多い肩の痛みのことです[2]。

肩の痛みは肩関節に炎症が起こっていることが原因で起こります。

また痛みを放置すると肩が水平以上に上げられなくなるなどの後遺症が残ることがあります

服を着替えたり、髪を洗ったりなどの日常の動作に支障を来す可能性もあるため注意が必要です。

五十肩の予防には正しい姿勢や体を温める入浴や運動に加え、ストレッチや関係する病気の治療が効果的です。

五十肩の治療には、安静にして炎症を鎮める保存的治療、ストレッチやエクササイズを行う理学的治療、炎症を取り除く手術を行う外科的治療があります。

五十肩に似た病気のなかには、手術が必要なものもあるため違和感を感じたら医療機関を受診するようにしましょう。

ぜひこの記事を参考にし、五十肩の予防に努めていきましょう。

[2] 一般社団法人 日本臨床整形外科学会「肩関節周囲炎(五十肩)

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