手軽に始められるダイエットの一つとして、「ウォーキングダイエット」が人気です。
ウォーキングダイエットは、体への負担が比較的少なく、特別な道具や器具も不要で始められるため、運動が苦手な方にもとり入れやすいダイエット法です。
これから始める方のなかには、「ダイエット効果が感じられる時間帯にウォーキングしたい」と思っている方もいるのではないでしょうか。
この記事では、ウォーキングダイエットを行う時間帯別のメリット・デメリット、注意点などについて解説します。
1.ウォーキングダイエットはいつ行うのが良い?最適な時間帯
ダイエット効果が出やすいウォーキングの時間帯というものは、実は決まっていません。
体重を減らすための重要なポイントは、ウォーキング時間の長さです。
例えば、食事内容を変えず、他の運動もしていない体重70kgの方の場合は、約34時間のウォーキングをすれば1kg体重減少できるといわれています[1]。
ウォーキングは、ダイエット効果以外にも、体力向上、生活習慣病の予防、ストレス解消などといった心身に良い影響を与えるため、自分自身が無理なく続けられる時間帯を選んで行うのがおすすめです。
カロリーを消費してダイエット効果を高めるためにも、毎日の健康のためにも、コツコツと継続することが大切です。
ここからは、ウォーキングを行う時間帯別のメリット・デメリットについて紹介します。自分に合う最適な時間帯を探ってみましょう。
時間帯 | 向いている | 向いていない |
---|---|---|
朝 | ・朝の時間に余裕がある人 ・体内時計をリセットしたい人 ・前向きな気分で1日を始めたい人 |
・朝の時間に余裕がない人 ・低血糖・低血圧の人 |
昼 | ・気分転換したい人 ・休み時間を有効活用したい人 |
・紫外線を浴びたくない人 ・真夏は向いていない |
夕方 | ・通勤時間を有効活用したい人 ・紫外線をなるべく浴びたくない人 |
・歩行者や自転車を利用する人が 多い場所でウォーキングしたい人 ・夕方から予定が入りやすい人 |
夜 | ・日中にウォーキングの時間がとれない人 ・紫外線を浴びたくない人 |
・一人でのウォーキング ・街灯のない場所でウォーキングしたい人 |
2.朝の時間帯にウォーキングするメリット・デメリット
まずは、朝の時間帯にウォーキングするメリット・デメリットについて解説します。
メリット | デメリット |
---|---|
・セロトニンとメラトニンの分泌が高まる ・体内時計が整いやすくなる ・朝の眠気が消えてすっきりとした気分になれる |
・早起きが苦手な人はつらい ・脱水症状や低血糖などのリスクがある ・体に負担が一気にかかる |
2‐1.朝にウォーキングするメリット
朝の時間帯にウォーキングするメリットには、次の三つが挙げられます。
- セロトニンとメラトニンの分泌が高まる
- 体内時計が整いやすくなる
- 朝の眠気が消えてすっきりとした気分になれる
朝にウォーキングすると、太陽の光を浴びることができ、幸せホルモンともいわれる「セロトニン」や、睡眠を促すホルモン「メラトニン」が分泌されやすくなります。
よって、すっきりとした前向きな気分になりやすくなるとともに、活動と睡眠のサイクルが整いやすくなります[2]。
また、朝に体を動かすことで、徐々に眠気が消え、すっきりとした気分で1日をスタートできる点もメリットであるといえるでしょう。
2‐2.朝にウォーキングするデメリット
朝の時間帯にウォーキングするデメリットには、次の三つが挙げられます。
- 早起きが苦手な人はつらい
- 脱水症状や低血糖などのリスクがある
- 体に負担が一気にかかる
早起きが苦手で朝の時間帯に余裕のない方がウォーキングすると、「早起きしないといけない」というプレッシャーがかかり、余計につらくなってしまいます。
また、朝食前の空腹時にウォーキングすると、脱水症状や低血糖を起こす可能性があります。
さらに、起床後にいきなりウォーキングを始めると、体に負担がかかり、けがや心血管症状を起こしてしまうリスクもあるでしょう。
【関連情報】 「ウォーキングの効果と正しい方法とは?健康的に痩せたいなら必見!」についての記事はこちら
3.朝の時間帯の効果的なウォーキングのポイント
朝の時間帯にウォーキングするときは、メリット・デメリットを踏まえた上で、次のポイントに気を付けてみると良いでしょう。
- コップ1杯分の水を飲んでから行う
- ウォーミングアップを行う
- 通勤時間を有効活用する
- 前日に睡眠を十分とる
朝起きたときの体は、脱水状態になっているため、少なくともコップ1杯分の水を飲んでから行ってください。
低血糖を起こしやすい方は、ウォーキング前にバナナなどを食べて糖分補給をしておくことをおすすめします。
ウォーキング前の体の状態には細心の注意を払い、寝不足気味のときや体調不良を感じたときは、ウォーキングをお休みすることが大切です。
ウォーキングは、ゆっくりストレッチするなど軽く体をほぐしてから開始しましょう。
駅まで歩いて通勤している方は、通勤時間をウォーキングに充てるのもおすすめです。
姿勢を正し、いつもよりも少しだけ早歩きしてみましょう。
4.昼の時間帯にウォーキングするメリット・デメリット
昼の時間帯にウォーキングするメリット・デメリットは、次のとおりです。
メリット | デメリット |
---|---|
・昼食後の血糖値上昇を抑えられる ・気分転換ができる ・休み時間を有効活用できる |
・夏場は熱中症のリスクが高い ・強い紫外線を浴びる |
4‐1.昼にウォーキングするメリット
昼の時間帯にウォーキングするメリットには、次のようなものが挙げられます。
- 昼食後の血糖値上昇を抑えられる
- 気分転換できる
- 休み時間を有効活用できる
食後の運動は、血糖値の急上昇を改善できることが分かっています。
健康診断などで高血糖を指摘された方は、食後1時間後にウォーキングすることをおすすめします。
1回につき15~30分間を1日2回、1日の運動量として約10,000歩を目安にしてみてください。
運動する時間がない方は、通勤時に歩行する、階段を使うなどの運動を日常生活の中に取り入れるなど、工夫してみるのも良いでしょう[3]。
また、体を動かすことで気分転換となり、午後からの活動に良い影響を与えるでしょう。
昼にウォーキングすることは、朝や夜に時間がとれない方でも、休み時間を有効活用できるといったメリットがあります。
4‐2.昼にウォーキングするデメリット
昼の時間帯にウォーキングするデメリットには、次のようなものが挙げられます。
- 夏場は熱中症のリスクが高い
- 強い紫外線を浴びる
昼は、紫外線が強く、1日のなかで気温が最も高くなる時間帯です。
特に、夏場は熱中症のリスクが高まるため、屋外でのウォーキングは控えた方が良いでしょう。
ウォーキングは、必ずしも屋外で行う必要はありません。
夏場の時期や、天気が悪くて外に出られないときは、職場の中など屋内でウォーキングする工夫をすると良いでしょう。
5.昼の時間帯の効果的なウォーキングのポイント
昼の時間帯にウォーキングする際のポイントは、以下のとおりです。
- 食後に少し時間を空けてから行う
- 屋内でウォーキングする
食後すぐにウォーキングを始めてしまうと、せっかくの休み時間に体を休めることができません。
食後の血糖上昇を抑えるためには、食後1時間の運動が推奨されており、昼食とウォーキングの間は、ある程度時間を空けておくことがポイントです。
オフィス勤務の方は、昼食後しばらく休んでから、休み時間が終わる前にオフィス内を歩いたり、少し遠めのトイレに行ったりして体を動かしてみてはいかがでしょうか。
6.夕方の時間帯にウォーキングするメリット・デメリット
続いては、夕方の時間帯にウォーキングするメリット・デメリットについて紹介します。
メリット | デメリット |
---|---|
・通勤時間を有効活用できる ・紫外線を浴びなくて済む ・夜と比較して明るい |
・交通量が多く、ウォーキングしづらい可能性がある ・継続が難しい |
6‐1.夕方にウォーキングするメリット
夕方の時間帯にウォーキングするメリットには、次のようなものが挙げられます。
- 通勤時間を有効活用できる
- 紫外線を浴びなくて済む
- 夜と比較して明るい
夕方の時間帯は、職場から帰宅するタイミングをウォーキング時間に充てることができます。
電車に乗るのをやめて、通勤ラッシュを避けることも可能でしょう。
日沈後は、紫外線を浴びなくて済むため、日焼けが気になる方にもおすすめです。
夕方でも明るい時間帯にウォーキングすれば、視界も良く、歩きやすいでしょう。
6‐2.夕方にウォーキングするデメリット
続いては、夕方の時間帯にウォーキングするデメリットについて確認してみましょう。
- 交通量が多く、ウォーキングしづらい可能性がある
- 継続が難しい
夕方の時間帯は、通勤ラッシュと重なるため、細い歩道などは歩行者が多く、歩きづらい可能性があります。
車の交通量が多い場所だと、車との接触や信号待ちなど気を付けなければならない点が増えてきます。
また、帰宅後に家事をしたり、予定が入ったりすると、ウォーキングを中止しなければならないため、継続が難しいかもしれません。
7.夕方の時間帯の効果的なウォーキングのポイント
ここからは、夕方の時間帯にウォーキングする際のポイントについて、メリット・デメリットを踏まえた上で解説します。
- 通勤や移動でウォーキングする
- 交通事故に気を付けて行う
夕方の時間帯は、通勤や買い物など、思った以上に忙しいことが多いです。
帰宅途中に歩く時間を増やしたり、買い物などの移動を徒歩にしたり、工夫しながらウォーキングの時間を確保すると良いでしょう。
夕方は、歩行者の死亡事故が最も多い時間帯だといわれています。
道路を横断するときは、マナーを守ることはもちろん、明るい服装でウォーキングしたり、反射材やライトを使用したりしながら、事故を未然に防ぐ努力が必要です [4]。
8.夜の時間帯にウォーキングするメリット・デメリット
夜の時間帯にウォーキングするメリット・デメリットは、以下のとおりです。
メリット | デメリット |
---|---|
・ウォーキングの時間がとりやすい ・紫外線を浴びずに済む ・習慣化しやすい |
・一人でのウォーキングは危険 ・街灯のない場所でウォーキングは危険 ・暗くて転倒のリスクがある |
8‐1.夜にウォーキングするメリット
夜の時間帯にウォーキングするメリットには、次のようなものが挙げられます。
- ウォーキングの時間がとりやすい
- 紫外線を浴びずに済む
- 習慣化しやすい
夜の時間帯は、仕事や家事がひと段落してウォーキングの時間がとりやすいという方も多いのではないでしょうか。
夕食後の運動として、ウォーキングをとり入れてみるのも良いでしょう。
日が完全に沈んだ夜は、日焼けが気になる方にとってのウォーキングにも最適です。
汗ばむ程度のウォーキングを行った後、そのままシャワーして就寝するといったルーティンがつくりやすい点もメリットであるといえるでしょう。
8‐2.夜にウォーキングするデメリット
次に、夜の時間帯にウォーキングするデメリットについて解説します。
- 一人でのウォーキングは危険
- 街灯のない場所でウォーキングは危険
- 暗くて転倒のリスクがある
夜の時間帯に一人でウォーキングしたり、街灯のない暗い場所でウォーキングしたりすることは、事故などに遭うリスクがあって危険です。
できるだけ明るく人通りのある場所で、家族や友達と一緒にウォーキングを楽しむことをおすすめします。
また、暗い場所だと地面にある障害物に気付かず転倒してしまうこともあるため、夜の時間帯にウォーキングする際には、ライトを使用するなど工夫が必要です。
9.夜の時間帯の効果的なウォーキングのポイント
続いては、夜の時間帯にウォーキングする場合のポイントについて、みていきましょう。
- 夜のルーティンをつくってウォーキングを習慣化する
- 外でウォーキングするときは複数人でライトなどを使用し、事故に気を付ける
- 一人でウォーキングするときは、人通りの多い場所やジムなどの屋内で行う
夜は、のんびりできる上、ルーティンを比較的つくりやすい時間帯です。
ウォーキングから帰ってきたら、入浴して就寝するなどの流れをつくり、ウォーキングを習慣化してみましょう。
ただし、夜の外出は暗くて危険なため、ウォーキングするときはなるべく一人で行わないようにし、ライトを使用するなど事故を防ぐ対策を行いましょう。
一人でウォーキングするときは、人通りの多い場所や屋内で行うことをおすすめします。
10.ウォーキングに関するよくある質問
最後に、ウォーキングに関するよくある質問をまとめてみました。これは、楽しくウォーキングするために押さえておきたいポイントでもあります。
10‐1.ウォーキングダイエットのやり方は?
ウォーキングでダイエットの効果を得たい場合は、歩くときの姿勢、スピード、時間が重要です。
ウォーキング中は、背筋を伸ばし、あごを軽く引き、足裏をしっかり地面につけて歩きましょう。
正しいウォーキング姿勢を保つためには、体幹トレーニングが有効です。
うつ伏せ状態で肘を曲げ、肩の真下に置き、つま先と前腕だけで体を支える「プランク」、四つん這いの体勢から足を後ろに上げたり、あごの手前に引いたりする「プランク足上げ」をウォーキングと併せて行うと、姿勢が良くなるとともに体力が向上し、ウォーキングの効果が高まります[5]。
歩くときのスピードは、少し汗ばむ程度の早歩きで、歩く時間は15〜30分を1日2回に分けて行うと、代謝の効率が良くなるといわれています。まとまってウォーキングの時間がとれない場合は、日常生活の中で、通勤時に歩行する、階段を使うなどの運動を取り入れてみましょう[6]。
ウォーキング時の正しい姿勢や効果的に取り入れる方法については、以下の記事で詳しく解説しています。
ぜひ、ウォーキングダイエットについての理解を深めていきましょう。
関連記事:ウォーキングのダイエット効果と消費カロリー、正しいやり方を解説
10‐2.毎日1時間以上のウォーキングは逆効果って本当?
「毎日1時間以上のウォーキングは逆効果」という話を聞くこともあります。
これは、毎日長時間運動をすることでストレスや疲労が出て挫折してしまったり、食欲が増加してしまったりするからだといえます。
ウォーキングやダイエットは、何よりも継続が大切です。
途中で挫折してしまわないように、心地良く無理のないペースで続けましょう。
厚生労働省は、「1回30分以上の運動を週2回以上実施し、1年以上持続している人」を運動習慣のある人としています[7]。
まずは、このペースを目標に、少しずつウォーキングの時間や頻度を増やしてみることをおすすめします。
10‐3.散歩ダイエットは意味がない?
体を動かす習慣を身に付けたい場合や、リラックス・リフレッシュを目的としている場合は、散歩するようにゆっくり歩くだけでも効果的です。
しかし、ダイエット目的でウォーキングする場合は、少しきついと感じる程度の早歩きがおすすめです。
肘を曲げてリズミカルに振り、足の裏全体で地面を蹴るように意識しながらウォーキングすると、より効果的です。
ただし、早歩きをすると心拍数が上がるため、心臓に疾患のある方、運動制限を医師から指摘されている方は、ウォーキングでも体に負担がかかってしまうことがあります。
11.ウォーキングダイエットに最適な時間についてのまとめ
この記事では、朝・昼・夕方・夜の時間帯別にウォーキングのメリット・デメリットを解説しました。
ウォーキングによってダイエット効果が高まる時間帯というものは、特にありません。
ウォーキングは、自分が続けやすいと思う時間帯を見つけて、無理なく楽しむことが大切です。
どの時間帯にもそれぞれ良さがあります。
ここで解説したポイントに気を付けながら、ウォーキングを生活のなかにとり入れてみてはいかがでしょうか。