「ビタミンDってどんな食べ物に入っているんだろう?」
このように気になっている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
ビタミンDは魚類やきのこ類などに多く含まれています。
ビタミンDは骨の健康を維持したり、筋肉を動かしたりするなど、体にとって重要な栄養素です。
この記事ではビタミンDを含む食べ物について詳しく解説します。
ビタミンDの適切な摂取量や効率良く摂取する方法についてご紹介するので参考にしてくださいね。
1.ビタミンDを含む食べ物
「ビタミンDがたくさん入っている食べ物って何だろう……」
ビタミンDを多く含む代表的な食品は魚やきのこです。
他に、卵類や肉類にもビタミンDが含まれます。
ビタミンDの主なはたらきはカルシウムやリンなど骨の材料となるミネラルの吸収を促進することです。
また、ビタミンDは筋肉を動かすはたらきや、神経が行う脳と体の情報伝達などにも関与しています。
ビタミンDのはたらきについては以下の記事でさらに詳しく解説しています。
ビタミンDとは?体内でのはたらきや摂取すべき量、摂取源を紹介
ビタミンといえば野菜を思い浮かべる方も多いと思いますが、実はビタミンDは野菜や穀物、いも類、豆類などにはほとんど含まれていないのです。
ここからはビタミンDの摂取源となる食品を紹介します。
1-1.魚類
ビタミンDは魚類や魚加工品に多く含まれています。
食品名 | 加工状態など | 含有量 |
---|---|---|
かつお塩辛 | ||
あんこうきも | ||
しらす干し | ||
いくら | ||
かわはぎ | ||
べにざけ | ||
からすみ | ||
まいわし | ||
しろさけ | ||
にしん | ||
うなぎ | ||
かたくちいわし(煮干し) | ||
くろまぐろ(トロ) | ||
さんま | ||
まがれい | ||
さば(水煮缶詰) | ||
たいせいようさば | ||
かつお(秋獲り) | ||
しめさば | ||
まだい(養殖) | ||
しらす | ||
まさば |
文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」をもとに執筆者作成
これらの多くは、100gで1日に必要な量のビタミンDを摂取できます[1]。
毎日の食生活に魚を取り入れることで、安定して十分なビタミンDを摂取できるといえるでしょう。
[1] 厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」
1-2.きのこ類
ビタミンDはきのこ類にも含まれています。
食品名 | 加工状態など | 含有量 |
---|---|---|
干ししいたけ | ||
まいたけ | ||
エリンギ | ||
えのきたけ | ||
はたけしめじ | ||
たもぎたけ | ||
まつたけ | ||
ぶなしめじ | ||
マッシュルーム(水煮缶詰) | ||
生しいたけ(菌床栽培) | ||
マッシュルーム |
文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」をもとに執筆者作成
種類が豊富なきのこはいろいろな料理に取り入れやすく、ビタミンDを効率良く摂るために役立ちそうですね。
1-3.卵類
卵類はビタミンDの摂取源となる食品の一つです。
食品名 | 加工状態など | 含有量 |
---|---|---|
鶏卵(卵黄) | ||
鶏卵(全卵) | ||
うずら卵(水煮) | ||
うずら卵(全卵) | ||
うこっけい(全卵) |
文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」をもとに執筆者作成
おなじみの食品である卵からビタミンDを摂取できるのはうれしいことですね。
1-4.肉類
ビタミンDは肉類からも摂取することができます。
食品名 | 加工状態など | 含有量 |
---|---|---|
豚タン | ||
豚レバー | ||
あいがも(皮付き) | ||
豚足 |
文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」をもとに執筆者作成
魚が苦手な方は肉類からビタミンDを摂るのも一つの方法といえますね。
2.ビタミンDを効率的に得るためのポイント
「ビタミンDを効率良く得るにはどうしたら良いのかな……」
せっかくなら、できるだけ無駄なくビタミンDを摂りたいですよね。
この章ではビタミンDを効率的に摂取するためのポイントをご紹介するので参考にしてくださいね。
ポイント1 食材は油を使って調理する
ビタミンDは油に溶けやすい性質を持つ脂溶性ビタミンの一つです。
このため、炒め物や揚げ物など油を使う料理から摂取すると効率良く取り入れることができます。
オイル入りのドレッシングをかけるのも、より手軽な方法としておすすめですよ。
ポイント2 適度に日光を浴びる
ビタミンDは食事から摂取する他、日光を浴びることにより皮膚で合成することも可能です。
日光に当たる時間が十分でないとビタミンD不足が起こる場合があるため、適度に日光浴をしましょう。
なお窓越しで日光を浴びてもビタミンDは生成されないため、直射日光を浴びるようにしましょう。
ただし紫外線にさらされ過ぎると皮膚がんのリスクが高まるといわれます。
そのため日焼け止めを塗ったり、紫外線を遮る衣類を身に着けたりして、長時間の日光浴は避けることが重要です。
曇りの日や冬はビタミンDの合成量が低下するので、日を浴びる時間が少ない場合は食事やサプリメントなどでビタミンDを補うと良いでしょう。
3.ビタミンDの適切な摂取量と平均摂取量
「ビタミンDってどのくらい摂ったら良いんだろう……」
「自分のビタミンDの摂取量は足りているのかな?」
このような疑問をお持ちの方もいらっしゃいますよね。
この章では、厚生労働省「日本人の食事摂取基準」や「国民健康・栄養調査」に基づき、食事摂取基準や平均摂取量をご紹介します。
3-1. ビタミンDの適切な摂取量
厚生労働省の日本人の食事摂取基準において、ビタミンDの食事摂取基準は以下ように定められています。
年齢 | 男性 | 女性 | ||
---|---|---|---|---|
目安量 | 耐容上限量 目安量 | 目安量 | 耐容上限量 目安量 | |
0〜5カ月 | ||||
6〜11カ月 | ||||
1〜2歳 | ||||
3〜5歳 | ||||
6〜7歳 | ||||
8〜9歳 | ||||
10〜11歳 | ||||
12〜14歳 | ||||
15〜17歳 | ||||
18~29歳 | ||||
30~49歳 | ||||
50~64歳 | ||||
65~74歳 | ||||
75歳以上 |
厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」をもとに執筆者作成
ビタミンDには全年代に目安量と耐容上限量が設けられており、妊婦・授乳婦に対する付加量はありません。
食事摂取基準を参考に、ビタミンDを過不足なく摂取できるよう心掛けてくださいね。
3-2. ビタミンDの平均摂取量
ビタミンDの平均摂取量は厚生労働省の「令和元年 国民健康・栄養調査」で確認することができます。
年齢 | 男性 | 女性 |
---|---|---|
1~6歳 | ||
7~14歳 | ||
15~19歳 | ||
20~29歳 | ||
30~39歳 | ||
40~49歳 | ||
50~59歳 | ||
60~69歳 | ||
70~79歳 | ||
80歳以上 |
厚生労働省「令和元年 国民健康・栄養調査」をもとに執筆者作成
男女とも、多くの年代でビタミンDの平均摂取量が目安量を下回る傾向にあります。
不足しがちなビタミンDの摂取量を増やすように意識したいですね。
4.ビタミンDを含む食べ物についてのまとめ
ビタミンDは骨の材料であるカルシウムやリンなどの吸収を促進する他、筋肉を動かしたり脳と体の間の情報伝達に関わったりする栄養素です。
ビタミンDの摂取源となる主な食品はさけやいわしなどの魚類、まいたけやエリンギといったきのこ類です。
他にも、鶏卵やうずらの卵などの卵類や豚のタンやレバーなどの肉類にビタミンDが含まれています。
ビタミンDは油に溶けやすい脂溶性ビタミンであるため、油を使った料理から効率良く摂取することができます。
また、ビタミンDは食事から摂取する以外にも、直射日光を浴びることで皮膚での合成が可能です。
ただし紫外線は皮膚がんを発症するリスクを高めるため、紫外線対策をした上で適度な時間の日光浴に留めましょう。
厚生労働省の「日本人の食事摂取基準」では、ビタミンDの食事摂取基準として全年代に目安量と耐容上限量が設けられています。
これに対し、ビタミンDの平均摂取量は男女ともに多くの年代でビタミンDの平均摂取量が目安量を下回っています。
この記事を参考に、ビタミンDを過不足なく摂取できるよう工夫をしてみてくださいね。