葉酸が多く含まれている食べ物とは?効果や摂取基準もあわせて解説

2021年10月28日

2024年11月11日

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「葉酸が多く含まれている食べ物ってどんなものなのかな」

「葉酸って今まで意識したことがなかったからよく分からない……」

あまりなじみがないという方も多くいらっしゃるかもしれませんが、実は葉酸はビタミンB群の仲間です。

ビタミンB12と共に血液を作るはたらきに関わっており、不足すると貧血を起こすことがあります。

妊娠前後の方は特に摂取すべき栄養素としてご存じの方もいらっしゃるかもしれませんね。

この記事では、葉酸が多く含まれている食べ物や必要な摂取量、不足や過剰摂取による影響などについて詳しく解説します。

1.葉酸とはどんな栄養素?

葉酸は水溶性ビタミンの一種で、ビタミンB群に分類されます。

ほうれん草の抽出物から発見されたため葉酸と名付けられました。

ビタミンB群とは
炭水化物、脂質、たんぱく質、ミネラル、ビタミン、ミネラルのことです。この五大栄養素は筋肉や血液など体の部分を作ったり、生きていくために必要なエネルギーを生み出したりと、ヒトの体に不可欠なはたらきがあります。水溶性ビタミンのうち、ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンB6、ビタミンB12、ナイアシン、パントテン酸、葉酸、ビオチンの8種類の総称です。食事から摂取した糖質・脂質・たんぱく質からエネルギーを作り出すときに重要な役割を果たしています。

葉酸は血液を作る上で重要な役割を果たす栄養素の一つで、ビタミンB12と共にはたらきます。

貧血予防に必要な栄養素として聞いたことがある方もいるかもしれませんね。

また体内でDNA合成やたんぱく質合成にも葉酸が関係しています

DNAは私たちの体を作り正常に機能させるための設計図のもととなる物質です。

DNAの中には遺伝子が存在し、この情報に基づいて作られたたんぱく質には体の材料となるもの、生体内でのはたらきを果たすものなどさまざまなものがあります

DNAやたんぱく質の合成がうまくいかないと、うまく体を作り機能させることができないのですね。

葉酸は母親の胎内で胎児の脳や神経管、心臓などの体の重要な部分が形成される妊娠初期に特に多く必要とされ、不足すると子どもに先天性の異常が生じる可能性が高くなることが分かっています。

そのため、胎児の正常な発育にとって重要な栄養素ともいわれています。

また近年では、動脈硬化のリスク因子である「血清ホモシステイン」という物質が血液中に増えるのを抑えるはたらきがあることでも注目されています。

【関連情報】 「ビタミンB群」についてもっと知りたい方はこちら

【関連情報】 「葉酸とは?はたらきや食事摂取基準、多く含まれる食品などを紹介」についての記事はこちら

2.葉酸の食事摂取基準と摂取状況

貧血予防や体の成長に必要な葉酸ですが、どのくらいの量を摂れば良いのかを知りたいという方も多いのではないでしょうか。

普段の食生活で葉酸を十分に摂取できているかどうかも気になりますよね。

ここでは葉酸をどれくらい摂取すべきかの目安となる基準や、日本人の平均的な摂取量をご紹介します。

2-1.葉酸の食事摂取基準

厚生労働省は、栄養素をどれくらい摂れば良いかの目安として「日本人の食事摂取基準(2020年版)」を公表しています。

葉酸の食事摂取基準は以下のとおりです。

【葉酸の1日当たりの食事摂取基準】 ※横にスクロールできます

男性 推定平均必要量 推奨量 耐容上限量
18〜29歳 200μg 240μg 900μg
30〜64歳 200μg 240μg 1,000μg
65歳以上 200μg 240μg 900μg
女性 推定平均必要量 推奨量 耐容上限量
18〜29歳 200μg 240μg 900μg
30〜64歳 200μg 240μg 1,000μg
65歳以上 200μg 240μg 900μg

厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」をもとに執筆者作成

葉酸は過剰摂取によって身体に悪影響を及ぼす可能性があるため、習慣的に摂取しても健康障害をもたらすリスクがないとされる摂取量の上限として、「耐容上限量」が設定されています。

また妊娠中・授乳中の方に対しては、以下の量を加えた摂取が推奨されています。

【妊婦・授乳婦の付加量】

推定平均必要量 推奨量
妊婦 +200μg +240μg
授乳婦 +80μg +100μg

厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」をもとに執筆者作成

葉酸は体の成長に欠かせない栄養素なので、妊娠中の方や授乳中の方はより多い量が必要になることが分かりますね。

メモ
推定平均必要量は、特定の性別・年齢に該当する日本人に必要な栄養素の量の平均値を推定したもので、該当する人の約50%が必要量を満たすとされる1日の摂取量です。推奨量は該当する人のほとんど(97〜98%)が必要量を満たすと推定される1日の摂取量になります。

2-2.葉酸の摂取状況

厚生労働省が行った「令和元年国民健康・栄養調査」によると、日本人の平均的な葉酸の摂取量は以下のとおりです。

【葉酸の1日当たりの平均摂取量】

年齢 男性 女性
15〜19歳 260μg 245μg
20〜29歳 237μg 226μg
30〜39歳 253μg 233μg
40〜49歳 275μg 247μg
50〜59歳 297μg 284μg
60〜69歳 335μg 328μg
70〜79歳 359μg 348μg
80歳以上 335μg 311μg

厚生労働省「令和元年国民健康・栄養調査」をもとに執筆者作成

どの年代も推定平均必要量は超えており、葉酸が大きく不足している傾向は見られないことが分かります。

しかし20代男性や20〜30代女性については、推定平均必要量は超えているものの、推奨量には達していません

20〜30代の女性で妊娠を希望されている方は、特に意識して葉酸を摂取しましょう。

3.葉酸が多く含まれる食べ物

「葉酸をたくさん摂るためには、どんな食べ物が良いんだろう?」

どの食品を選べば葉酸が効率的に摂取できるのか気になるところですよね。

葉酸は藻類や野菜類などの植物性食品、レバーなどの動物性食品に多く含まれています。

これから詳しく解説していきましょう。

3-1.植物性食品

葉酸は以下のような植物性食品に多く含まれています。

【葉酸を多く含む植物性食品と可食部100g当たりの含有量】

食品名 加工状態など 含有量
焼きのり - 1,900μg
味付けのり - 1,600μg
青汁 粉末 820μg
枝豆 320μg
きな粉(黄大豆) - 220μg
ブロッコリー 220μg
ほうれん草 210μg
春菊 190μg
アスパラガス 190μg
水菜 140μg
納豆 - 130μg

文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」をもとに執筆者作成

葉酸はブロッコリーやほうれん草など、普段の食事に取り入れやすい野菜に多く含まれているので、積極的に利用してみましょう。

のりやわかめなどの藻類は1回の摂取量を多くすることは難しいかもしれませんが、ごはんに添えたりみそ汁に入れたりと工夫することで手軽に葉酸の摂取量を増やすことができますよ。

メモ
葉酸などの水溶性ビタミンは水に溶け出す性質があるため、ゆでたり煮たりするよりも炒めたり揚げたりする方が食品中に残る割合が多く摂取しやすいといわれています。ただし葉酸は熱にも弱いとされているため、加熱し過ぎにも注意が必要です。

植物性食品

3-2.動物性食品

葉酸は以下のような動物性食品にも多く含まれています。

【葉酸を多く含む動物性食品と可食部100g当たりの含有量】

食品名 加工状態など 含有量
鶏レバー 1,300μg
牛レバー 1,000μg
豚レバー 810μg
豚スモークレバー - 310μg
さくらえび 素干し 230μg
卵黄 150μg
豚レバーペースト - 140μg
いくら - 100μg
ほたて 87μg

文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」をもとに執筆者作成

レバー類には多くの葉酸が含まれているので、効率的に摂取することができると考えられますね。

炒め物や汁物に桜えびを足してみたり、卵かけご飯にしたりするのも手軽で良いでしょう。

「レバーはちょっと苦手」という場合は、葉酸が多く含まれる植物性食品を意識して摂るようにしてみてくださいね。

動物性食品

【関連情報】 「葉酸が含まれる食品」についてもっと知りたい方はこちら

4.葉酸の不足や過剰摂取による影響

「葉酸が不足すると体にどんな影響がおよぶんだろう?」

「葉酸を摂り過ぎても体に悪いのかな?」

葉酸が不足するとどうなるのか、逆に摂り過ぎるとどんな影響があるのか気になりますよね。

ここでは、葉酸の不足や過剰摂取によって身体へどのような影響が起きるかについて説明します。

4-1.葉酸の不足による影響

葉酸が不足すると、血液を作る機能に異常が起こって貧血になったり、神経や腸の機能に障害が起きたりします。

また、葉酸には動脈硬化の危険因子とされるホモシステインの増加を抑えるはたらきがあるため、不足すると動脈硬化を起こすリスクを高めると考えられます。

さまざまな研究から食事による葉酸の積極的な摂取は、心筋梗塞などの循環器疾患の発症予防に有用であることが推測されています[1]。

予防にどのくらいの摂取量が必要かはまだはっきりしていないものの、普段の食事で葉酸の摂取を意識することは大切だと考えられますね。

また胎児への影響に関しては、妊娠前後に葉酸をサプリメントで摂取すると胎児の先天性異常の一種「神経管閉鎖障害」の発症リスクが抑えられることが明らかになっています。

そのため厚生労働省でも、妊娠前1カ月から妊娠後3カ月の期間は食事に加えてサプリメントで葉酸を摂ることを推奨しています。

ただし、この障害の原因は葉酸不足だけでなくさまざまな要因が組み合わさって生じるものであるため、葉酸を十分に摂っても完全に予防できるわけではないことには注意が必要です。

また、サプリメントで摂っているからといって食事から葉酸を摂取しなくても良いというわけではありません。

他の栄養素の不足を招かないためにも、バランスの良い食事を心掛けることが必要です。

[1] 厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)

【関連情報】 「貧血を防ぐ葉酸の働き」についてもっと知りたい方はこちら

4-2.葉酸の過剰摂取による影響

葉酸は食品から摂取する分には摂り過ぎて健康に悪影響がおよぶ心配はないと考えられています。

ただしサプリメントなど食品以外からの過剰摂取によって健康を損ねたという報告があるので注意が必要です。

サプリメントを摂り過ぎないように注意し、普段の食事から葉酸を摂取することを意識した方が良いでしょう。

5.葉酸が多く含まれている食べ物や効果について まとめ

水溶性ビタミンの一種である葉酸は、血液をつくる機能やDNA、たんぱく質の生成に関わるほか、動脈硬化のリスクを高めるホモシステインの増加を抑えるはたらきも持っています。

どの年代も推定平均必要量は摂取できていますが、20代男性と20〜30代女性は推奨量に達していないので、意識して葉酸を多く含む食品を摂取すると良いでしょう。

妊娠前後の方はサプリメントからの摂取が推奨されていますが、全体的な栄養バランスも踏まえて食品からの摂取を意識することも重要です。

葉酸は野菜類や藻類などの植物性食品、レバーを中心とした動物性食品に多く含まれています。

食品からの摂取であれば、葉酸の過剰摂取による健康障害の心配はないと考えられます。

葉酸はもちろん、他の栄養素もしっかり摂取できるようにバランスの取れた食事を心掛けてみてくださいね

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