「ストレスがたまると食欲が止まらなくなる……」
「どうしてストレスを感じると食べたくなっちゃうのかな?」
ストレスで食べ過ぎてしまい、自己嫌悪に陥った経験のある方は多いのではないでしょうか。
ストレスがたまるとホルモン分泌のバランスが乱れ、食欲が増してしまいます。
過食は肥満の原因となりかねないため、できるだけ食べ過ぎないようにしたいですよね。
この記事ではストレスによる過食への対策とストレス発散の方法をご紹介します。
自分が過食かを判断するポイントや、摂食障害との違いについても解説するので、参考にしてくださいね。
1.ストレスが過食につながる原因
「仕事のストレスで食べ過ぎてしまった……」
「いらいらすると、どうしても食べたくなってしまう」
ストレスで食べ過ぎるという経験をした方は少なくないでしょう。
ストレスを感じたときに食欲が増してしまうのは、体の反応の一つだといえます。
まずはストレスとはどのようなものか、なぜストレスが過食につながるのか解説しましょう。
ストレスとは自分の外部からの刺激によって体や精神、行動に起こる反応のことを意味します。
原因となる「ストレッサー」とそれに対して起こる心身の反応(ストレス反応)を合わせてストレスと呼ぶ場合もあります。
一般的に「ストレス」というときには、ストレッサーとストレス反応が混同されている場合も多くあるかもしれませんね。
ストレスの原因となるストレッサーは、大きく以下の四つに分類されます。
【ストレッサーの分類】
- 物理的ストレッサー:暑さ、寒さ、騒音、放射線など
- 化学的ストレッサー:栄養不足、有害物質など
- 生物的ストレッサー:病気、けが、飢え、睡眠不足など
- 心理的・社会的ストレッサー:怒り、不安、責任、緊張、葛藤、恐怖、人間関係など
人間は特に、心理的・社会的ストレッサーによる影響を受けやすいとされています。
職場や学校などで人間関係の悩みを抱えたことがある方も多くいらっしゃるのではないでしょうか。
また家族や恋人、友人などとけんかやトラブルになり、それがストレッサーとなる場合もあります。
こうしたストレッサーの刺激を受けることで生じる「ストレス反応」は、大きく以下の三つに分類されます。
【ストレス反応の分類】
- 心理面の反応:不安、気分の落ち込み、いらいら、恐怖、怒り、罪悪感、孤独感、集中困難、思考力低下、判断・決断力低下など
- 行動面の反応:拒食・過食、怒りの爆発、けんかなどの攻撃的行動、過激な行動、引きこもり、孤立、幼児返りなど
- 身体面の反応:食欲の減退、動悸(どうき)、異常な発熱、頭痛、腹痛、疲労感、嘔吐(おうと)、下痢、めまい、しびれ、睡眠障害など
過食はストレス反応のうち、行動面の反応の一種に位置づけられています。
実はストレスを感じた際にたくさん食べてしまうのは、体内のホルモンのバランスが乱れるためです。
ストレスがかかると体内では食欲を増進させるはたらきのある「コルチゾール」や「ノルアドレナリン」「ドーパミン」「グレリン」といった食欲を増進させるはたらきのある物質の分泌量が増加します。
またこれらの物質は食欲を抑える「セロトニン」や「レプチン」の分泌を抑制することが分かっています。
コルチゾールとグレリン、ドーパミンは「セロトニン」の分泌を、グレリンとドーパミンはレプチンの分泌を抑制します。
ストレスは体内で分泌されるさまざまな物質に影響を与え、過食を招いてしまうのですね。
好きなものやおいしいものをおなかいっぱい食べることは手軽なストレス解消法ですが、食べ過ぎは肥満の原因にもなってしまいます。
また多少の過食であれば少々体重が増える程度で済みますが、過食が自分の意思で止められなかったり、食べた後に嘔吐してしまったりする場合は摂食障害の恐れがあります。
摂食障害については次の章で解説します。
【関連情報】 「ストレスの原因、引き起こされる症状や対処法を分かりやすく解説!」についての記事はこちら
2.摂食障害に注意
「ついつい食べ過ぎてしまうのは摂食障害なのかな……」
過食症や摂食障害という病気を見聞きしたことはあっても、具体的にどのような症状があるのかは 知らないという方が多いでしょう。
摂食障害とは食事に関する異常な行動を繰り返し、社会生活や人間関係に支障を来す精神疾患の一種です。
摂食障害にはいくつかの種類がありますが、過食の症状があるものとしては「過食性障害」「神経性過食症」の二つが挙げられます。
神経性過食症は大量の食品を短時間のうちに次々と摂取し、その後に体重増加を防ぐための意図的な嘔吐、下剤や利尿剤、浣腸などを用いた排せつ、絶食、運動などの代償行動を行うことが特徴とされます。
発症者の多くは自分の体型や体重を強く気にしますが、実際の体重は適正体重前後の場合が多いといわれます。
神経性過食症は若い世代、特に若い女性に多い病気です。
神経性過食症における過食の症状は精神的ストレスがきっかけで始まる場合が多いとされています。
過食を自制できないと感じる発症者が多く、空腹でなくても食べてしまう、不快感が生じるまで食べ続けてしまうといった行動を取ります。
一方、過食性障害は極めて大量の食品を短時間のうちに食べる行為を繰り返しますが、神経性過食症に見られる嘔吐や無理な排せつといった代償行為が見られないことが特徴です。
過食性障害の発症者の多くがこの疾患によってカロリーを過剰摂取しており、過体重や肥満に陥っているとされます。
過食性障害は神経性過食症よりも発症者の年齢が高い傾向にあり、男女の比率にはあまり差がありません。
非常に速いペースで食べる、気持ち悪くなるまで食べる、空腹でなくとも大量に食べるといった行動を取ります。
また食べている最中や事後に自制を失っていると感じて後悔や罪悪感に苛まれ、抑うつ状態になるケースも見られます。
これらの症状に思い当たる方は専門的な治療が必要になる場合があるため、決して自己判断せずに医療機関を受診してください。
3.過食を判断するポイント
「どれくらい食べていたら過食なんだろう?」
「自分が過食なのか判断するにはどうしたら良いのかな……」
自分が過食に陥っているかどうかは、自分だけでは簡単には判断できません。
しかし自分の体格に合った体重や1日に必要なエネルギー量(カロリー)を知ることは、自分が必要以上に食べていないかを考える際のヒントになります。
この章では適正体重と1日のエネルギー必要量(必要カロリー)の求め方をご紹介します。
ただし心配な場合は一人で悩まず、専門家のサポートを仰いでくださいね。
3-1.適正体重を把握する
自分が過食かどうかを知るには、自分の適正体重を知ることが重要です。
過体重や肥満はエネルギー摂取量(摂取カロリー)がエネルギー消費量(消費カロリー)よりも多い場合に起こるため、適正体重よりも重い場合は必要以上に食べ過ぎている可能性があるといえるでしょう。
適正体重とは「BMI」が22のときの体重です。
適正体重は糖尿病や高血圧、脂質異常症などの肥満に関連する病気のリスクが最も小さい体重とされています。
適正体重(kg)は[身長(m)の2乗]×22で求められます[2]。
体重が適正体重より重い場合、特にBMIが「肥満」に該当する場合は過食の可能性を考えてみても良いでしょう。
[1] 厚生労働省 e-ヘルスネット「BMI」
[2] 厚生労働省 e-ヘルスネット「肥満と健康」
3-2.1日のエネルギー必要量を把握する
自分が過食かを知るためには、1日にどの程度のエネルギーを必要としているかを把握しましょう。
習慣的に1日のエネルギー必要量(必要カロリー)以上のエネルギー(カロリー)を摂取している場合は食べ過ぎの可能性があるといえるでしょう。
1日活動するのに必要なエネルギー量(カロリー)は年齢や身体活動の強さによって変わります。
身体活動の強さは3段階の「身体活動レベル」で表されます。
生活のほとんどを座って過ごしている場合には身体活動レベルは「低い(Ⅰ)」に該当します。
また座って過ごしていることが多いものの、立ったり歩いたりする時間がある場合、通勤や買い物などで歩く場合、家事や軽いスポーツを行う場合などは「普通(Ⅱ)」に当たります。
立ったり歩いたりすることが多い場合、スポーツなど活発に体を動かす習慣のある場合は「高い(Ⅲ)」に該当します。
それぞれの身体活動レベルで1日に必要な体重1kg当たりのエネルギー量(カロリー)は以下のとおりです。
【体重1kg当たりの推定エネルギー必要量 男性】
身体活動レベル | 低い(Ⅰ) | 普通(Ⅱ) | 低い(Ⅰ) |
---|---|---|---|
18~29歳 | 35.5kcal | 41.5kcal | 47.4kcal |
30~49歳 | 33.7kcal | 39.3kcal | 44.9kcal |
50~64歳 | 32.7kcal | 38.2kcal | 43.6kcal |
65~74歳 | 31.3kcal | 36.7kcal | 42.1kcal |
75歳以上 | 30.1kcal | 35.5kcal | - |
【体重1kg当たりの推定エネルギー必要量 女性】
身体活動レベル | 低い(Ⅰ) | 普通(Ⅱ) | 低い(Ⅰ) |
---|---|---|---|
18~29歳 | 33.2kcal | 38.7kcal | 44.2kcal |
30~49歳 | 32.9kcal | 38.4kcal | 43.9kcal |
50~64歳 | 31.1kcal | 36.2kcal | 41.4kcal |
65~74歳 | 30.0kcal | 35.2kcal | 40.4kcal |
75歳以上 | 29.0kcal | 34.2kcal | - |
厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」をもとに執筆者作成
この推定エネルギー必要量を適正体重と掛け合わせ、ご自分の推定エネルギー必要量を計算してみましょう。
例えば身長170cmでデスクワークに従事する40代男性の場合、標準体重は1.7(m)×1.7(m)×22=63.58(kg)となります。
デスクワークで体を動かす習慣があまりない場合身体活動レベルは「低い(Ⅰ)」に当たり、体重1kg当たりの推定エネルギー必要量は33.7kcalです。
1日の推定エネルギー必要量は63.58(kg)×33.7(kcal)=2,143(kcal)となります(小数第1位で四捨五入)。
この場合、習慣的に2,142kcalを超えるエネルギー(カロリー)を摂取していれば食べ過ぎの可能性があるといえるでしょう。
4.ストレスによる過食への対策
「ストレスで食べ過ぎてしまうのだけど、どうしたら止められるのかな……」
いらいらして思わず食べ過ぎてしまった経験のある方は多いのではないでしょうか。
たまの気晴らしで思う存分食べるのならともかく、毎日食べ過ぎていると肥満なども心配になりますよね。
この章では、ストレスで思わず食べたくなってしまった際の対策をご紹介します。
4-1.噛む回数を増やす
ストレスで食べ過ぎないためには、食品を噛む回数を増やしましょう。
噛む回数を増やし、唾液の分泌量を増やすことで満腹感を得られやすくなるといわれています。
これは唾液に含まれる「アミラーゼ」という酵素のはたらきによるものです。
アミラーゼは糖質をさらに小さな分子である「糖類」に分解します。
糖類の一種である「ブドウ糖」には満腹中枢を刺激し満腹感を生じさせる作用があります。
このため唾液の分泌量を増やし、速やかに糖質を分解させることで、満腹感を得やすくなると考えられるのです。
また、よく噛むと満腹中枢を刺激する「神経性ヒスタミン」と呼ばれる物質の分泌量が増えることも分かっています。
さらに咀嚼は食欲を抑えるレプチンの分泌を促す効果もあるのです。
噛む回数が増えることで、食事のペースがゆっくりになることも重要です。
食事を始めてから満腹と感じるまでには20分以上かかるため、ゆっくり噛んで食べること自体が食べ過ぎの歯止めとなってくれます[4]。
一口30回以上を目標に、意識的に噛む回数を増やしていくと良いでしょう[4]。
[3] 公益財団法人長寿科学振興財団 健康長寿ネット「酵素の働きと健康効果」
[4] 独立行政法人労働者健康安全機構「ゆっくり食べてみませんか」
[5] 厚生労働省「歯科保健と食育の在り方に関する検討会報告書「歯・口の健康と食育~噛ミング 30(カミングサンマル)を目指して~」」
4-2.野菜でかさ増しする
ストレスによる食べ過ぎを防ぐには、食事を野菜でかさ増ししましょう。
野菜は食物繊維を多く含んでいます。
食物繊維の多い食べ物は自然と噛む回数が多くなる傾向にあります。
このため少量でも満腹感を生じさせるといわれており、食べ過ぎの防止に有効です。
また食物繊維は1g当たり0〜2kcalと低カロリーであるのも魅力的です[6]。
ごぼうやれんこんなどは食物繊維が豊富で歯応えがあるので特におすすめです。
また主食を玄米やそば、ライ麦パンなどに変えることでも食物繊維の摂取量を増やすことができます。
この他、加熱してもあまりかさの減らないブロッコリーや生で食べられるトマト、きゅうり、キャベツなども食事のかさ増しに使えますよ。
これらの食品を日々の食事に多く取り入れることで、食べ過ぎが予防できると考えられるでしょう。
[6] 厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」
4-3.たんぱく質を多めに摂る
ストレスで食べ過ぎないためには、たんぱく質を多めに摂取しましょう。
たんぱく質は消化に時間がかかるため、胃に長時間とどまる腹持ちの良い栄養素です。
このため満腹感が持続し、食べ過ぎを防ぐことが期待できます。
またたんぱく質を摂取すると「コレシストキニン」というホルモンが分泌されます。
このホルモンには満腹中枢にはたらきかけることで食欲を抑えるはたらきがあります。
たんぱく質は食べ過ぎを抑えてくれる栄養素だといえるでしょう。
4-4.見える場所に食べ物を置かない
ストレスでの食べ過ぎを防ぐには、見える場所に食べ物を置かないようにしましょう。
空腹感や食欲は視覚と密接に関係しているといわれています。
これは視覚で食べ物を認識することで、脳が食べ物の存在を予測して消化器官に準備を促すためです。
ついつい食べ物を口にしてしまう方は、買った食べ物を見えない場所にしまうようにしましょう。
またテレビやSNSでおいしそうな食べ物を見ておなかが減ってしまったことのある方もいらっしゃるでしょう。
実際の食べ物でなくても、画像や映像で食べ物を見るだけで空腹感や食欲が増してしまうため注意してくださいね。
5.ストレス発散の方法
「過食につながるストレスをどうにかしたい……」
「ストレスはどうやって発散したらいいんだろう?」
ストレスで食べ過ぎてしまう場合は、原因となっているストレスを発散することも重要です。
日々の生活からストレスを完全になくすことは難しいため、少しずつでも意識的に発散するようにしましょう。
この章では、ストレス発散に有効とされる方法をご紹介します。
自分に合った方法を無理なく生活に取り入れてくださいね。
5-1.十分な睡眠と休養をとる
ストレスの発散には十分な睡眠と休養をとることが重要です。
睡眠不足でストレスを感じたことがある方もいらっしゃるでしょう。
睡眠は脳と体を休め、健康を保つのに欠かせません。
眠っている間、脳は起きているときに得た情報を整理し、必要な情報だけを選んで記憶として保存し、不要なものや嫌なものは消去しているといわれています。
しかし睡眠を十分にとれないと必要な記憶を定着させられなかったり、嫌なことが頭から離れなくなったりしてしまうのです。
また睡眠不足は、自律神経のバランスを乱してしまいます。
自律神経のバランスが崩れると体内のさまざまな機能に問題が生じます。
反対にしっかりと眠り副交感神経を優位にすることで、ストレスの発散につながると考えられているのです。
また、睡眠不足が続くとストレスに対抗するためのホルモン「コルチゾール」が過剰に分泌されます。
コルチゾールは食欲を抑えるレプチンやセロトニンの分泌を抑えます。
さらに睡眠不足では食欲を増進させるグレリンの分泌量が増えることも分かっています。
十分な睡眠時間を確保することでストレスの軽減だけでなく、食欲に関わる物質の分泌の正常化もできると考えられるのですね。
睡眠には脳や体を休める役割があり、十分に睡眠をとることでストレスの発散に加えて病気の予防や仕事の効率アップも期待できますよ。
眠っている間には食欲を抑えるはたらきのあるホルモンのレプチンが分泌されます。
しかし十分に睡眠をとっていないとレプチンの分泌量が減り、食欲を増進させるホルモンであるグレリンの分泌量が増えています。
またしっかり睡眠をとると、ストレスを受けた際に分泌されるホルモン「コルチゾール」の分泌量が適正化されます。
コルチゾールの分泌量が増えると食欲を抑えるレプチンやセロトニンの分泌が抑制されてしまうため、適正化によって食欲の抑制が期待できるといえるでしょう。
十分な睡眠時間をキープすることで、さまざまなホルモンのはたらきによって食欲が抑えられるのですね。
ぐっすり眠るための秘訣(ひけつ)については以下の記事で詳しく解説しています。
睡眠は時間だけでなく質も重要!ぐっすり眠るための7つの秘訣とは?
またリラックスして休息をとることもストレス発散に効果的です。
リラックスすることで交感神経が鎮静化し、副交感神経が活性化します。
これによりストレスが発散できるといわれています。
リラックスするには好きな音楽を聞く、軽く読書をする、お香やアロマテラピーなどで香りを楽しむ、ヨガやストレッチを行うことなどが効果的です。
意識的に深く呼吸をしてみたり、瞑想を試してみたりしても良いでしょう。
5-2.入浴する
ストレス発散には入浴も効果的です。
シャワーを浴びるだけでなく、ぬるめのお湯にじっくりつかるようにしましょう。
適度な温度のお湯につかることで副交感神経を優位にし、体をリラックスさせることができます。
またぬるめのお湯につかることには、寝つきを良くする効果も認められていますよ。
お湯につかりながら音楽を聴いたり読書したりするのも良いでしょう。
加えて、ストレッチやマッサージで体をほぐすことでさらなるリラックス効果が期待できます。
ただし熱いお湯につかるとかえって交感神経が活発になってしまい、ストレス発散の効果は薄れてしまうため注意してくださいね。
[7] 厚生労働省 e-ヘルスネット「快眠と生活習慣」
5-3.適度に運動を行う
適度な運動もストレス発散に効果的です。
運動はネガティブな気分を和らげたり心身をリラックスさせたりする他、睡眠リズムの改善にも役立ちます。
体を動かすと、心を落ち着けるはたらきのあるセロトニンや、多幸感をもたらすエンドルフィンなどの分泌量が増えるといわれています
ストレスの発散には特に有酸素運動が効果的だといわれています。
有酸素運動を行うと副交感神経が優位になり、ストレスが和らぐといわれています。
なかでもリズミカルに同じ動きを繰り返すウォーキングなどでは、セロトニンの分泌が促されることが分かっています。
さらに有酸素運動では筋肉の緊張をほぐし、血流を活発にすることができます。
またヨガやストレッチはこり固まった筋肉をほぐして血流を改善し、深い呼吸によって精神をリラックスさせることでストレスを発散させてくれます。
有酸素運動後のクールダウンとして取り入れてみるのも良いですね。
5-4.趣味に打ち込む
自分の好きなことに思う存分打ち込むこともストレス発散に効果的です。
ヒトは一度にいくつもの物事に意識を向けることはできません。
そのため好きなことに熱中して楽しんでいるときは、ストレスの原因から意識を離すことができるのです。
映画鑑賞やショッピング、スポーツ、音楽、アウトドア、家族や友人とのおしゃべりなど、何が楽しくて熱中できるかは人によってさまざまです。
楽しんで続けられることが重要なので、自分に合う趣味を探してみましょう。
その際、ストレス発散を目的に無理をして趣味を探すよりも、以前から興味があることや気になっていたことに挑戦してみると良いでしょう。
5-5.信頼できる人や専門家に相談する
ストレスは一人で抱え込まず、信頼できる人や専門家に相談しましょう。
つらさや困惑などの気持ちを表現するだけでもストレスが発散でき、前向きな気持ちになれるでしょう。
また話をするなかでストレッサーに対応する道筋が見えることもあります。
相談に乗ってもらえた際の、受け入れられている、守られているという安心感も、気持ちを落ち着かせてくれます。
家族や友人、恋人、同僚、地域や趣味の仲間など、日頃から気軽に悩みやストレスについて話せる人を増やしておくと良いでしょう。
また不安や心配に苛まれ、心身の不調が続く場合は専門家に相談しましょう。
精神科や心療内科などの医療機関、公認心理師やカウンセラーなどの専門家をはじめ、地域の精神保健福祉センター、保健所、職場の健康管理センターなどで相談ができます。
6.ストレスと過食の関係についてのまとめ
過食はストレスに対する反応の一つで、主にホルモンバランスの乱れによって起こります。
過食した後に吐いたり下剤などを用いて排せつしたりする場合や、過食で過体重や肥満に陥っている場合は摂食障害の可能性があるため、早急に医療機関を受診する必要があります。
自分が過食であるかを判断するには、適正体重や1日に必要なエネルギー量を把握しておくと良いでしょう。
ストレスによる過食を防ぐには、噛む回数を増やす、野菜でかさ増しする、たんぱく質の摂取量を増やす、食べ物を見えるところに置かないといったことがポイントです。
またストレスの発散には十分な睡眠や休息、入浴、適度な運動、趣味への没頭などが効果的です。
さらに一人で悩まず、信頼できる人や専門家に相談することも重要です。
この記事をストレスによる過食の予防やストレスの発散の参考にしてくださいね。