「深呼吸にはどんな効果があるんだろう?」
深呼吸は体に良いという漠然としたイメージはあっても、その効果や適切なやり方を知らない方は多いのではないでしょうか。
深呼吸によって自律神経を整えると、リラックス効果、ストレス解消、睡眠の質の向上など、多くの効果をもたらしてくれます。
深呼吸によって自律神経を整えることは、心身を健やかに保つために重要といえるでしょう。
自律神経は深呼吸だけでなく、日々の生活習慣の改善によっても整えることができます。
この記事では深呼吸の効果とやり方、自律神経を整えるためのポイントについて詳しくご紹介します。
ぜひ参考にしてくださいね。
1.深呼吸とは
「深呼吸ってどんな呼吸のことなのかな?」
深呼吸とは深くゆったりとした呼吸のことです。
ここではどのような呼吸法を行うと深呼吸になるのかを解説します。
ヒトの呼吸法には「腹式呼吸」と「胸式呼吸」の2種類があります。
腹式呼吸は肺の下にある横隔膜を動かす呼吸法で、胸式呼吸は胸の肋骨の間にある肋間筋を使う呼吸法です。
横隔膜は肋間筋よりも動く範囲が大きく、肺も大きく広がるため、腹式呼吸の方が肺活量が大きいとされています。
深呼吸とは、ゆっくり大きく腹式呼吸をすることだといえるでしょう。
腹式呼吸では多くの酸素を体内に取り込める他、自律神経のバランスが整い副交感神経が優位になります。
意識的に深呼吸をすることで、腹式呼吸の持つメリットを効率的に取り入れることができるのですね。
【関連情報】 「「体調管理に努める」って何をする?毎日の体調管理のポイント」についての記事はこちら
2.深呼吸に期待できる効果
「深呼吸にはどんな効果があるのかな?」
深呼吸をすると、以下のようなさまざまな効果があります。
【深呼吸に期待できる効果】
- リラックス、ストレスの解消
- 睡眠の質の向上
- 血行の改善
- 内臓の活性化
- 集中力向上
この章ではこれら五つの効果について詳しく解説します。
心身ともにうれしい効果がたくさんありますので、ぜひお読みくださいね。
2-1.リラックス、ストレスの解消
深呼吸には、リラックス効果があるとされています。
これは深呼吸の持つ自律神経を整えて副交感神経を優位にするはたらきによるものです。
副交感神経が優位になると心身がリラックスし、ストレスの解消にもつながります。
さらに、深呼吸は精神を安定させ、自律神経を整えるはたらきをもつ「セロトニン」という幸せホルモンの分泌を促します。
深呼吸はいつでもどこでもできるため、気持ちを切り替えたいときや気分を落ち着けたいときには意識的に取り入れてくださいね。
2-2.睡眠の質の向上
深呼吸で副交感神経が優位になることで、睡眠の質も向上します。
ぐっすりと眠るには、副交感神経が優位になった状態で眠ることがポイントだといわれています。
夜遅くまで仕事をしていたり、スマホを見ていたりすると交感神経が優位になり、寝つきが悪くなります。
深呼吸はそのような状態を改善するのに役立ちます。
2-3.血行の改善
深呼吸には血行を改善する効果もあります。
丁寧な深い呼吸では浅い呼吸よりも多くの酸素を取り込めるため、全身により多くの酸素を行き渡らせることができます。
また深呼吸をすると副交感神経が優位になるため、 血管が拡張して血圧が安定します。
こうした効果によって血行が良くなり、筋肉の緊張もほぐれやすくなります。
2-4.内臓の活性化
深呼吸を行うと内臓が活性化します。
深呼吸で横隔膜が動き、内臓が刺激されることによって内臓が活性化します。
また深呼吸によって副交感神経が優位になることも、内臓のはたらきを活発にしてくれます。
腸が刺激されることにより、排便を促すことも期待できますよ。
内臓の活性化は血行も改善してくれるため、冷え性改善にも役立つといわれていますよ。
2-5.集中力の向上
深呼吸をすると脳に十分な酸素を送れるため集中力も向上します。
また深呼吸によって整えられる自律神経は集中力にも関わっています。
深呼吸で自律神経を整えると緊張やストレスを和らげ、集中力を高めることにつながります。
気持ちを切り替えたいときや、仕事や勉強に取り組む前には深呼吸をしてみましょう。
3.理想的な深呼吸のやり方
「深呼吸の理想的なやり方はあるのかな?」
この章では深呼吸のやり方について解説します。
深呼吸はいつ、どんな場所でもできる手軽さが魅力です。
仕事や家事、勉強の合間や、緊張する場面などで取り入れてくださいね。
【深呼吸のやり方】
- 背筋を伸ばし楽な姿勢で座る。
- おへその下に空気をためるイメージで鼻からゆっくり息を吸い、おなかを膨らませる。
- おなかをへこませながら吸うときの倍の時間をかけて口から息を吐く。
- 体調に合わせ無理のない程度に(1)〜(3)を繰り返す。
また息を吸うときには爽やかな自然や心地良いと感じるものをイメージし、息を吐くときには不快な気持ちが体から出ていくことをイメージすると、さらに効果を高めることができます。
ぜひ理想的な深呼吸のやり方を覚えて、効果を実感できるようにしてくださいね。
4.自律神経を整えるためのポイント
「深呼吸の他にも自律神経を整えるためにできることはあるのかな?」
自律神経が乱れていると心身にさまざまな悪影響が及びます。
深呼吸以外でも、生活習慣を改善することで自律神経を整えることができます。
この章では自律神経を整えるためのポイントを五つご紹介します。
ぜひお読みになり、健康な体づくりに役立ててくださいね。
ポイント1 睡眠の質を高める
自律神経を整えるには、十分な睡眠をとることが大切です。
睡眠不足が続いたり睡眠のリズムが乱れたりすると体内時計が狂い、自律神経のバランスが崩れやすくなります。
睡眠のリズムを整えるには、起床と就寝の時間を一定にしましょう。
起きたらカーテンを開けて太陽の光を浴びると、体内時計を調整することができます。
午後に眠くなってしまった場合には、日光浴やストレッチをするのもおすすめです。
昼寝のし過ぎは体内時計の乱れにつながりますので、午後3時までに30分以内にとどめると良いでしょう[1]。
夜は眠くなったら床につき、暗く静かな環境で眠るよう心掛けてくださいね。
またスマホやパソコンは体内時計を遅らせるブルーライトを発しているため、寝る前には見ないようにしましょう。
質の良い睡眠を取る方法については以下の記事で詳しく解説しています。
睡眠不足の悪影響とは?質の高い睡眠をとるためのポイントも解説
[1] 厚生労働省 e-ヘルスネット「不眠症」
ポイント2 規則正しく食事を摂る
自律神経を整えるために、食事は決まった時間に摂りましょう。
決まった時間に食事を摂ることで生活リズムが整い、自律神経のバランスが保たれます。
特に朝食をしっかり摂ると体温が上昇し、体のはたらきが活発になります。
とはいえ仕事や家事、学業の傍ら、必ず決まった時間に食事を摂るのは難しいかもしれません。
時間を気にし過ぎるとストレスを感じて、かえって自律神経が乱れる原因となりますので、無理をしない程度に心掛けてくださいね。
ポイント3 適度に運動する
自律神経を整えるには適度に運動することが重要です。
運動しているときは血管が収縮し、運動した後は血管が広がるため血流が良くなります。
この血管の収縮と拡張によって自律神経のはたらきにメリハリがつくため、バランスが整いやすくなります。
しかし激しい運動をすると交感神経が過剰にはたらき、運動後に副交感神経が優位にならないなど、かえって自律神経を乱すこともあります。
ウォーキングやジョギングのような軽く息が弾み、気持ち良く楽しめる程度の有酸素運動がおすすめです。
仕事中は座りっぱなしという方には、ストレッチをしてゆっくり筋肉をほぐし、血流を良くするのもおすすめです。
ポイント4 湯船につかる
自律神経を整えるには、湯船につかって体を温めることも効果的です。
自律神経のバランスが乱れると血の流れが悪くなって体が冷えやすくなります。
体を温めると全身の血流が良くなり、自律神経が整いやすくなります。
湯船につかると、体が温められて血流が良くなる上に、水圧によるマッサージや浮力によるリラックス効果も得ることができます。
また、太い血管が通っている首を温めたり温かい飲み物を飲んだりしても血流を良くする効果が期待できますよ。
ポイント5 好きな香りでリラックスする
ストレスをためないようにすることも、自律神経を整えるためには必要です。
自律神経の整うストレス解消法として、香りによるアロマテラピーが挙げられます。
香りは脳に直接伝わり、自律神経を整えるよう作用します。
入浴するときはリラックス効果があるアロマオイルを使うことで、副交感神経が優位になって眠りやすくなります。
またハーブティーを飲む、アロマポッドやアロマキャンドルを用いるといった方法もおすすめです。
香りには体を覚醒させるものからリラックスさせるものまでさまざまなものがあるため、自分が心地良いと感じる香りを生活に取り入れてみてくださいね。
5.深呼吸の効果についてのまとめ
深呼吸とは、ゆったりと深く行う腹式呼吸のことです。
深呼吸には、リラックス効果、睡眠の質向上、血行の改善、内臓の活性化、集中力向上といったさまざまな効果があります。
理想的な深呼吸は、おへその下に空気をためるイメージで鼻から吸い、吸うときの倍の時間をかけてゆっくりと口から吐くというものです。
健康的な体づくりに自律神経のバランスは深く関わっています。
自律神経は睡眠の質の向上、規則正しい食生活、適度な運動、入浴、好きな香りでのストレスの解消などによって整えることができます。
ぜひ、日々の生活に深呼吸やその他のポイントを取り入れてくださいね。