「最近、口臭がきついかも……」
「自分で口臭をケアする方法はないのかな?」
人の印象を左右する一つの要因でもある口臭はどうしても気になってしまうものですよね。
気づかないうちに人に不快な思いをさせているのではないかと不安を覚えている方も多いでしょう。
爽やかな息を保つためにしっかりとケアしておきたいですよね。
この記事では気になる口臭の原因から自分でケアする方法までを詳しくご説明します。
1.主な口臭の原因
「口臭が気になるんだけど、原因はなんだろう……?」
と疑問に思っている方も多いでしょう。
口臭の原因としてはいくつかの要素が挙げられます。
適切なケアをするためにはまず原因をしっかりと把握しておきたいですよね。
実は口臭の原因は87%が口の中にあるといわれています[1]。
口臭は主に「VSC」と呼ばれる物質が増えることによって生じます。
VSCは舌の上でもっとも多く作られるといわれていますが、これは舌苔によるものです。
口臭はVSCが増える原因が何かによって、主に「生理的口臭」と「病的口臭」に分けられます。
また、この二つとは別に食べ物など口にしたものが原因で一時的な口臭が起きる場合もあります。
ここから詳しくご説明していきましょう。
[1] 厚生労働省 e-ヘルスネット「口臭の治療・予防」
【関連情報】 「口臭が気になる!原因や対策は?口内環境を整えるのが大事!?」についての記事はこちら
原因1 生理的なもの
生理的な口臭は誰にでもあり得るものです。
常に周囲の人を不快にさせるものではなく、近距離で接した場合などにときどき気になる程度だといえます。
特に起きたばかりのときやおなかが空いているとき、緊張しているときなど、唾液の分泌が減少しているときには細菌が繁殖し口臭の原因物質が作られやすくなるため、生理的口臭は強くなる傾向にあります。
多くの口臭の原因である舌苔のつき方には個人差があり、時間帯や体調によっても変動しますが、その原因はよく分かっていません。
しかし寝たきりで食べ物を口から摂取することが難しい状態にある方や、健康な方であっても起床時や絶食時に舌苔が増える傾向にあります。
そのため物をかんだり飲み込んだりするはたらきや、それによって変化する唾液の分泌量と関係していると考えられています。
また生理的口臭は体調不良やストレス、生活習慣の乱れ、ホルモンバランスの変化などによって発生する場合もあるといわれています。
生理的口臭は本人も気が付かない場合があるため、普段から気を付けてケアしておきたいところですね。
原因2 歯周病などの病気
病気が原因で口臭が発生してしまうこともあり、「病的口臭」と呼ばれます。
さまざまな病気が口臭の原因になり得ますが、多くは歯周病など口内の病気です。
歯周病が進行すると歯ぐきからの出血に膿が混じり、口臭も強くなってしまいます。
また口腔がんで口臭が発生する場合もあります。
原因3 飲食物や嗜好品
臭いの強い食べ物や飲み物が口臭の原因になることは想像に難くありませんよね。
にんにくやねぎ、酒などが口臭の原因として知られています。
ただし食べ物や飲み物、嗜好品が原因で起こる口臭は一時的なものであり、特別なケアの必要なく収まるものと考えられています。
2.自分でできる!口臭をケアする4つのポイント
「口臭が気になる……どうやってケアしたら良いんだろう?」
というのが気になるところですよね。
病的口臭、つまりなんらかの病気が原因となって生じている口臭の場合、まずは原因を取り除くことが重要です。
生理的口臭の場合であれば、ケアのために自分でできることは少なくありません。
ここでは自分でできる口臭のケアの方法を四つご紹介しましょう。
ポイント1 歯を磨く
シンプルな方法ですが、歯を磨くことは口臭の有効な対策の一つだと考えられます。
口臭の原因の多くは口の中にあります。
食べかすなどが舌の表面に付着して細菌が繁殖し舌苔になることで、口臭の原因になってしまうと考えられています。
忙しいといった理由からつい歯磨きがなおざりになってしまっているという方もいらっしゃるのではないでしょうか。
食後には丁寧に歯磨きをし、口内を清潔に保つよう心掛けましょう。
ポイント2 舌苔を除去する
「歯はきちんと磨いているはずなのに、口臭が気になる……」
このようにお悩みの方もいらっしゃるかもしれませんね。
歯だけでなく、舌もきれいにすることで口臭を和らげることができるかもしれません。
舌についた舌苔が口臭の原因になっているかもしれない場合は、舌苔の除去を行いましょう。
舌苔は専用の舌ブラシや毛先の柔らかい子ども用の歯ブラシ、目の粗いタオルなどで除去することができます。
ここでは舌ブラシで舌苔を除去する方法をご説明します。
まず鏡を見ながら舌を前に突き出し、奥の方に舌苔が付いていないか確認してください。
舌ブラシを奥の方に軽く当て、手前に向かってそっと引きます。
息を止めながら行うことで、吐き気を催すことなく舌をきれいにできますよ。
一度舌苔を除去した舌ブラシは水道水でよく洗い、汚れが付いてこなくなるまで繰り返しましょう。
前後にこすったり、力を入れ過ぎたりしないよう注意してくださいね。
舌の掃除は起きたときに1回行う程度で十分です。
やり過ぎると舌の粘膜を傷付けてしまう可能性があるため、注意しましょう。
ポイント3 口内の乾燥を防ぐ
口内の乾燥を防ぐことも口臭対策になると考えられます。
唾液が減り乾燥した状態は「ドライマウス(口内乾燥症)」といい、口臭の原因にもなります。
口臭は細菌がたんぱく質などを分解することで発生しますが、唾液には洗浄・殺菌・抗菌の作用があるため口内をきれいにし細菌の繁殖を防いでくれると考えられるのです。
ドライマウスは薬の副作用やストレス、緊張のほか、口呼吸で唾液が蒸発することによっても起こります。
リラックスする、口呼吸を減らして鼻で呼吸するといったことを心掛けてみましょう。
また唾液の分泌は咀嚼によって促されるため、食事をよく噛んで食べたり、ガムなどを噛んだりするのもおすすめですよ。
ポイント4 禁煙する
たばこを吸っている方は、禁煙することも視野に入れましょう。
口臭の対策には唾液の分泌量を十分に保つことが重要ですが、たばこは唾液の分泌を抑制してしまうのです。
唾液の分泌が低下すると口内の自浄作用が衰え、歯に歯垢が付きやすくなるため歯周病にもつながると考えられます。
またたばこを吸うことによってニコチンやタールの臭いが口腔に残り、直接的にも口臭の原因となります。
たばこは健康にもさまざまな害を及ぼしてしまうため、これを機会に禁煙を検討しましょう。
3.不安な場合は専門医に相談しよう
口臭は歯周病などの口の中の病気や、他の疾患が口臭の原因となっている可能性もあります。
改善しない場合や他に原因があると考えられる場合は早めに専門医に相談しましょう。
病気が原因の口臭は適切な治療を受けることで改善すると考えられますよ。
また口臭は自分では感じにくいものであるため、自分の口臭が気になって仕方がないという場合には自分自身の臭いが強いと思い込んでしまっている可能性もあります。
専門家に相談することで不安が拭われるかもしれません。
【関連情報】 「口臭の原因になるむし歯や歯周病」についてもっと知りたい方はこちら
4.口臭ケアについてのまとめ
口臭は生理的なものと病的なものに大別できます。
多くの場合、口臭の原因は口の中にあります。
細菌がたんぱく質などを分解することで発生する臭気物質が口臭を生んでいると考えられるのです。
特に唾液の分泌が低下すると口の中で細菌が繁殖し、舌苔が増えて口臭が強くなってしまうといわれています。
したがって、口臭をケアするためには口内を清潔に保ち、口内の乾燥を防いで唾液の分泌を十分にすることが重要です。
歯磨きをしたり、舌苔の除去を定期的に行ったりすると良いでしょう。
たばこを吸っている方は禁煙するのがおすすめです。
また口臭は病気が原因で生じる場合もあるため、気になる方は早めに専門医に相談しましょう。
病気が原因で口臭が発生していることもあり、その場合は病気を治療することで口臭が改善すると考えられますよ。