「ビタミンB2はどんな食べ物に含まれているんだろう?」
「最近食生活が乱れがちでビタミンB2を摂りたいけど、1日どれくらいの量が必要なのかな……」
ビタミンB2が含まれる食べ物やビタミンB2を摂取する目安量が気になっている方は多いのではないでしょうか。
ビタミンB2はほとんどの栄養素の分解・吸収に関わっている上、成長促進や皮膚・粘膜を保護するはたらきのある重要な栄養素です。
日々の食事からしっかり必要な量を摂取しておきたいですよね。
そこで、この記事ではビタミンB2のはたらきから豊富に含む食べ物、厚生労働省の定める食事摂取基準まで、わかりやすく解説していきます。
1.ビタミンB2とは?
「そもそもビタミンB2ってどんな栄養素なんだろう?」
ビタミンB2がなんとなく体に良いことは知っていても、具体的なはたらきについては分からないという方も多いでしょう。
ビタミンB2はビタミンB群のうちの1つで、私たちの体内でほとんどの栄養素の「代謝」をサポートするはたらきをしている栄養素です。
特に体内で脂質をエネルギーとして利用する際に必要とされています。
脂質の多い食事を摂っている方は特にしっかり摂取しておきたい栄養素だといえますね。
またビタミンB2には皮膚や粘膜を保護したり成長を促したりするはたらきもあります。
不足すると口内炎や口角炎、舌炎、皮膚炎、お子さまの場合には成長障害が生じてしまうので注意が必要です。
【関連情報】 「ビタミンB群」についてもっと知りたい方はこちら
2.ビタミンB2を豊富に含む食べ物
さまざまなはたらきを持つビタミンB2ですが、どんな食べ物から摂取できるのかが最も気になるポイントではないでしょうか。
「ビタミン」と聞くと野菜や果物が思い浮かぶ方も多くいらっしゃるかもしれません。
しかしビタミンB2は肉や魚、乳製品、卵など動物性の食品に比較的多く含まれているといえます。
【ビタミンB2を多く含む動物性食品と可食部100g当たりの含有量】
食品名 | 加工状態など | 含有量 |
---|---|---|
豚レバー | 生 | 3.60mg |
牛レバー | 生 | 3.00mg |
鶏レバー | 生 | 1.80mg |
鶏ハツ | 生 | 1.10mg |
豚ハツ | 生 | 0.95mg |
牛ハツ | 生 | 0.90mg |
うなぎ蒲焼き | - | 0.74mg |
カマンベールチーズ | - | 0.48mg |
鶏卵 | 生 | 0.37mg |
牛ハラミ | 生 | 0.35mg |
また以下のような植物性の食品からもビタミンB2を摂取することができますよ。
【ビタミンB2を多く含む植物性食品と可食部100g当たりの含有量】
食品名 | 加工状態など | 含有量 |
---|---|---|
焼きのり | - | 2.33mg |
干し椎茸 | - | 1.74mg |
唐辛子 | 乾燥 | 1.40mg |
アーモンド | いり、無塩 | 1.04mg |
乾燥わかめ | 素干し | 0.83mg |
納豆 | - | 0.56mg |
モロヘイヤ | 生 | 0.42mg |
干しひじき | 乾燥 | 0.42mg |
マッシュルーム | 生 | 0.29mg |
ブロッコリー | 生 | 0.23mg |
焼きのりや干し椎茸、唐辛子などは他の植物性食品に比べ多くのビタミンB2を含んでいます。
ただし、1食当たりの摂取量を考えると、アーモンドや納豆、モロヘイヤなどの食品の方がより効率的にビタミンB2を摂取できると考えられるでしょう。
栄養バランスやカロリーなども考慮しつつ、ビタミンB2を摂るようにしてくださいね。
3.ビタミンB2の食事摂取基準と摂取状況
「ビタミンB2はどれくらい摂るべきなんだろう?」
「今の食生活で十分に摂取できているのかな……」
日頃の食生活で自分にビタミンB2が足りているのかどうか不安になってしまった方もいらっしゃるでしょう。
3-1.ビタミンB2の食事摂取基準
厚生労働省が2005年から5年ごとに「日本人の食事摂取基準」として、各栄養素などの摂取基準を定めています。
ビタミンB2の摂取基準は以下のとおりです。
【ビタミンB2の1日当たりの食事摂取基準】
男性 | 推奨量 | 推定平均必要量 |
---|---|---|
18〜49歳 | 1.3mg | 1.6mg |
50〜74歳 | 1.2mg | 1.5mg |
75歳以上 | 1.1mg | 1.3mg |
女性 | 推奨量 | 推定平均必要量 |
---|---|---|
18〜49歳 | 1.0mg | 1.2mg |
50〜74歳 | 1.0mg | 1.2mg |
75歳以上 | 0.9mg | 1.0mg |
厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」をもとに執筆者作成
100g当たり3.6mgものビタミンB2が含まれている豚レバーであれば、30〜40gで十分な量のビタミンB2を摂取できることになります。
また妊婦・授乳婦の方には以下の量を加えるよう食事摂取基準が定められています。
【妊婦・授乳婦の付加量】
妊婦 | +0.2mg | +0.3mg |
授乳婦 | +0.5mg | +0.6mg |
厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」をもとに執筆者作成
3-2.ビタミンB2の摂取状況
実際、普段の食生活でどれくらいの量を摂取しているのかが気になるところですよね。
厚生労働省が行っている「国民健康・栄養調査」で各栄養素の摂取状況がまとめられているので、平成30年に行われた調査の結果を確認してみましょう。
男女別・年代別の1日当たりのビタミンB2平均摂取量は以下のとおりです。
【男女別・年代別の1日当たりのビタミンB2平均摂取量】
年齢 | 男性 | 女性 |
---|---|---|
20〜29歳 | 1.19mg | 0.96mg |
30〜39歳 | 1.16mg | 1.03mg |
40〜49歳 | 1.11mg | 1.04mg |
50〜59歳 | 1.24mg | 1.12mg |
60〜69歳 | 1.32mg | 1.24mg |
70歳以上 | 1.32mg | 1.20mg |
厚生労働省「平成30年国民健康・栄養調査」をもとに執筆者作成
「日本人の食事摂取基準(2020年版)」と「平成30年国民健康・栄養調査」では年齢区分が異なるため、20歳以上のデータを掲載しています。
表中の濃いブルーは推定平均必要量を下回っているデータ、薄いブルーは推定平均必要量を超えているものの推奨量を下回っているデータを示しています。
全体としてやや不足しがちで、特に働き盛りの年代は十分に摂取できていない傾向にあることが分かりますね。
またビタミンB2が単独で不足することはあまりなく、他のビタミンと同時に不足することが多い栄養素だといわれています。
栄養バランスの取れた食事を心掛けておきましょう。
4.ビタミンB2を含む食べ物についてのまとめ
ビタミンB2はビタミンB群の一種で、さまざまな栄養素の代謝をサポートするはたらきをしています。
特に体内で脂質をエネルギーとして利用する際には欠かせない栄養素です。
厚生労働省の「国民健康・栄養調査」によると、ビタミンB2は多くの年代で不足しがちで、特に働き盛りの年代の方が十分に摂取できていません。
ビタミンB2は主に肉や魚、乳製品、卵などの動物性食品に含まれています。
特にレバーやハツといった内臓の肉に豊富に含まれるため、不足が気になる方は意識的に摂取すると良いでしょう。
また植物性食品では焼きのりや干し椎茸、アーモンド、納豆、モロヘイヤなどに含まれています。
ビタミンB2の不足は口内炎や口角炎、舌炎、皮膚炎などの原因となるので、これらの食品からしっかり摂取しておきましょう。