ご飯で摂れるタンパク質はどのくらい?効率良く摂取する方法もご紹介

2022年11月28日

2024年11月11日

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「ご飯にタンパク質って含まれているのかな?」

と考えたことがあるという方も多いのではないでしょうか。

タンパク質を含む食品といえば肉や魚を思い浮かべますが、日本人の主食であるご飯にもタンパク質は含まれています。

しかしご飯に含まれる栄養素は「炭水化物」がメインであるため、タンパク源として十分なほど多く含まれているとはいえません

また、ご飯のタンパク質を体内で有効利用するためには食べ方の工夫も必要です。

この記事ではご飯にどのくらいのタンパク質が含まれているのかに加え、ご飯のタンパク質の特徴や効率良く摂取する方法などについて解説します。

1.ご飯でタンパク質は摂れる?

玄米のおむずびと明太子

結論からいうと、ご飯にもタンパク質が含まれています

ご飯には精白米を炊いたご飯のほか玄米ご飯や胚芽精米ご飯などがありますが、それぞれのタンパク質含有量は以下のとおりです。

【ご飯のタンパク質の含有量】

食品名 100g当たり 茶碗1杯(約150g )当たり 1合(約340g )当たり
精白米ご飯 2.5g 約3.8g 約8.5g
胚芽精米ご飯 2.7g 約4.0g 約9.2g
発芽玄米ご飯 3.0g 約4.5g 約10.2g
玄米ご飯 2.8g 約4.2g 約9.5g

文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」をもとに執筆者作成

ご飯の種類によってタンパク質の含有量に大きな違いはないようですね。

メモ
精米の過程で取り除かれる「外皮(ぬか)」や「胚芽」を残したものが玄米、外皮を除去し胚芽を80%以上[1] 残したものが胚芽精米です。発芽玄米は玄米を少しだけ発芽させたもので、玄米よりも食べやすく栄養価が高いといわれています。

厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」によると、1日当たりのタンパク質摂取推奨量は以下のとおりです。

【タンパク質の1日当たりの摂取推奨量】

年齢 男性 女性
18〜29歳 65g 50g
30〜49歳 65g 50g
50〜64歳 65g 50g
65〜74歳 60g 50g
75歳以上 60g 50g

厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」をもとに執筆者作成

1日3食ご飯(精白米)を茶碗1杯(約150g)ずつ食べたとすると、1日当たりのタンパク質摂取推奨量の2割ほどが摂取できるということになりますね。

タンパク質のはたらきや、私たちが実際にどのくらいのタンパク質を摂っているのかについて詳しく知りたいという方は、以下の記事を参考にしてみてください。

たんぱく質は1日どれくらい必要?効率良く摂取できるおすすめの食品

[1] 農林水産省「お米を丸ごと味わう「機能性米」のススメ」

【関連情報】 「たんぱく質とは?体内でのはたらきや食事摂取基準、豊富な食品を紹介」についての記事はこちら

2.ご飯に含まれるタンパク質の特徴

鶏肉の料理

ご飯にはタンパク質が含まれているとはいえ、その含有量は決して多いとはいえません。

【ご飯および肉類・魚類・鶏卵の100g当たりのタンパク質の含有量】

食品名 加工状態など 含有量
しろさけ 22.3g
鶏むね肉 皮つき、生 21.3g
豚もも肉 脂身つき、生 20.5g
まあじ 皮つき、生 19.7g
牛もも肉 脂身つき、生 19.6g
鶏卵(全卵) 12.2g
木綿豆腐 7.0g
精白米ご飯 2.5g

文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」をもとに執筆者作成

また、良質なタンパク質の指標となる「アミノ酸スコア」も肉や魚と比べると低めです。

メモ
タンパク質は20種類[2]のアミノ酸で構成されています。そのうち体内で合成できず、食品から摂取することが必須となる9種類のアミノ酸を「必須アミノ酸」といいます。[2]この必須アミノ酸が人間の体に必要な量に対して、どの程度の割合で含まれているのかを表したものが「アミノ酸スコア」です。最大値は100で、この数値が高ければ高いほど質の良いタンパク質であるとされています。[3]

肉類や魚類、卵など動物性タンパク質や大豆のアミノ酸スコアは100であるのに対して、精白米は93、炊いた状態では91です[3]。

ご飯は必須アミノ酸の「リジン」が少なく、タンパク質を豊富に含む食品群と比較するとややアミノ酸スコアが低いことが分かります。

「じゃあ、ご飯からタンパク質を摂ることはあまり期待しない方が良いんじゃないの?」

このように思う方もいらっしゃるかもしれません。

確かに含有量、質の良さともに肉や魚にはおよびませんが、その肉や魚に次いで日本人のタンパク源となっているのがご飯なのです。

また、食べ合わせによってはご飯のタンパク質を有効活用することも可能です。

その方法についてはのちほど詳しく解説しますので、引き続き読み進めてみてくださいね。

[2] 厚生労働省e-ヘルスネット「アミノ酸」

[3] 文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」

3.ご飯で摂れるタンパク質以外の栄養

ご飯にはタンパク質のほか、意外と多くの栄養素が含まれています。

なかでもご飯の栄養としてよく知られているのが「炭水化物」です。

ここでは、ご飯に含まれるタンパク質以外の栄養素について、詳しく見ていきましょう。

3-1.炭水化物

空にむかって両手を広げている女性

炭水化物はご飯に含まれている主な栄養素です。

炭水化物は「エネルギー産生栄養素」の一つで、1g当たり4kcalのエネルギーをつくり出します。[4]

エネルギー産生栄養素とは
体にとって必須の栄養素のうち、エネルギー源となる栄養素のことです。炭水化物・タンパク質・脂質が該当します。

つまり、炭水化物は私たちが日々活動するために欠かせない栄養素なのです。

しかし、炭水化物はヒトの消化酵素で消化できる成分と消化できない成分で構成されており、全てがエネルギー源となるわけではありません。

炭水化物のうちエネルギーをつくり出すのは、消化できる成分「糖質」です。

一方、消化できない成分は「食物繊維」と呼ばれ便通を整える効果や、生活習慣病の予防や改善に役立つ効果が期待されています。

メモ
「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」では、炭水化物を「利用可能炭水化物」「食物繊維」「糖アルコール」に分けています。ヒトの消化酵素で消化できるものが「利用可能炭水化物」、消化されない、もしくはされにくいものが「食物繊維」「糖アルコール」です。

ご飯を食べることでエネルギーを補給できるほか、健康維持に役立つ効果が得られるのですね。

【ご飯100g当たりの炭水化物と食物繊維含有量およびカロリー】

食品名 炭水化物 食物繊維(総量) カロリー
精白米ご飯 37.1g 1.5g 156kcal
胚芽精米ご飯 36.4g 0.8g 159kcal
玄米ご飯 35.6g 1.4g 152kcal
発芽玄米ご飯 35.0g 1.8g 161kcal

文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」をもとに執筆者作成

メモ
食物繊維について「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」では、従来の分析方法で出された数値と新たに導入された分析方法で出された数値、2種類の数値が混在しています。精白米のご飯の食物繊維(総量)は新たな方法、その他は従来の方法で分析された数値です。

[4] 厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」

3-2.その他の栄養素

ご飯には脂質やビタミン、ミネラルなども含まれています。

ビタミン・ミネラルとは
体の機能を正常にはたらかせるために必要な栄養素です。全てのミネラル、ほとんどのビタミンが体内でつくられないため食べ物から摂取することが重要となります。

脂質や主なビタミン、ミネラルの含有量は以下のとおりです。

【ご飯100gに含まれるタンパク質・炭水化物以外の主な栄養素とその含有量】

食品名 脂質 ビタミンB1 マグネシウム 亜鉛
精白米ご飯 0.3g 0.02mg 7mg 0.1mg 0.6mg
胚芽精米ご飯 0.6g 0.08mg 24mg 0.2mg 0.7mg
発芽玄米ご飯 1.4g 0.13mg 53mg 0.4mg 0.9mg
玄米ご飯 1.0g 0.16mg 49mg 0.6mg 0.8mg

文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」をもとに執筆者作成

精白米のご飯よりも、胚芽精米のご飯や発芽玄米ご飯、玄米ご飯の方がビタミンやミネラルの含有量が多くなっています。

ビタミンやミネラルが豊富なご飯を食べたいという方は、玄米ご飯などをチョイスすると良さそうですね。

メモ
精米の過程では外皮(ぬか)や胚芽が取り除かれますが、この部分にビタミンやミネラルが含まれています。そのため、ぬかや胚芽をあえて残した玄米や胚芽米は、精白米よりもビタミンやミネラルが豊富に含まれているのです。

4.ご飯のタンパク質を有効利用する方法

シンプルな朝食

ご飯のタンパク質のアミノ酸スコアが低い理由は「リジン」というアミノ酸が少ないことです。

そのため、リジンを多く含む食べ物を一緒に組み合わせて食べれば必須アミノ酸をバランス良く摂取でき、タンパク質の有効活用につながります

リジンを多く含む食べ物の代表が大豆です。

ご飯と納豆、豆腐、みそやしょうゆなどの大豆製品は日本人の食事には欠かせない食材ですが、ご飯のタンパク質を有効利用するという点においても相性の良い食材であるといえるのですね。

タンパク質を有効利用するためには大豆製品に限らず良質なタンパク質を豊富に含む肉や魚、卵などの動物性食品とご飯を組み合わせ、体に必要なタンパク質を十分に摂取することが大切です。

また、タンパク質やその構成成分であるアミノ酸の代謝に関わるビタミンB6やビオチンなどのビタミンB群も欠かせません

代謝とは
食事から摂取した栄養素を、体内で使える物質に合成したり分解したりすることです。

ビタミンB6やビオチンのはたらきや含まれる食べ物については、以下の記事で詳しく解説していますので参考にしてみてくださいね。

ビタミンB群を豊富に含む食べ物は?それぞれの食事基準や作用も解説

5.ご飯とタンパク質について まとめ

ご飯にもタンパク質は含まれています。

肉や魚ほど豊富に含まれているわけではありませんが、日本人の重要なタンパク源の一つとなっています。

ご飯のタンパク質はリジンというアミノ酸の含有量が少ないため、良質なタンパク質の指標となるアミノ酸スコアは肉や魚、大豆や乳製品と比較すると低めです。

しかし、リジンの多い大豆製品を一緒に摂取することで体内のタンパク質合成に有効に利用することができるでしょう。

タンパク質は肉や魚、卵、大豆製品など良質なタンパク質を豊富に含む食べ物からの摂取が理想ですが、ご飯にもタンパク質が含まれていることを意識して日々の食事を組み立ててみてくださいね。

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