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炭水化物は筋トレに不可欠?筋肉を育てるのに必要な栄養素を解説

「筋肉を育てるには、炭水化物を摂った方が良いのかな?」

筋肉の成長には栄養素の摂取が重要であることは理解していても、炭水化物が筋肉にどのように作用するのかご存じない方もいらっしゃるでしょう。

炭水化物は体のエネルギー源となる栄養素の一種で、筋肉を育てる上で欠かせません

炭水化物は筋トレで筋肉を動かす際の主なエネルギー源となります。

もし炭水化物が不足した状態で筋トレを続けると、かえって筋肉が減ってしまう恐れすらあります

この記事では炭水化物が筋トレに不可欠な理由と、その他に摂るべき栄養素について詳しく解説します。

筋トレを効率的に進めるための食事のポイントもご紹介するので、ぜひ食生活に取り入れてくださいね。

1.炭水化物が筋トレに不可欠な理由

マシンで筋トレをする女性の後ろ姿

「炭水化物は筋トレするときに摂った方が良いのかな?」

炭水化物が筋肉にどのような影響を及ぼすのかご存じの方は少ないかもしれませんね。

炭水化物は筋トレで筋肉を動かす際の主なエネルギー源であり、筋トレをする際に不可欠な栄養素です。

炭水化物は「エネルギー産生栄養素」の一種で、ヒトの体の主要なエネルギー源です。

エネルギー産生栄養素とは
ヒトの体に必要不可欠な栄養素のことで、エネルギー源となる炭水化物やたんぱく質、脂質のことを指します。

炭水化物の摂取が十分でない場合、エネルギー不足による集中力の低下や疲労感を引き起こすことがあります。

一方で摂り過ぎると体内で脂肪に合成されて蓄えられるため、肥満の原因にもなり得ます。

炭水化物については以下で解説しています。

「608_炭水化物」

筋トレは、負荷をかけることで筋肉量や筋力を増大させることを目的としたトレーニングです。

筋肉に負荷をかけると筋肉を構成する筋線維の一部が損傷し破壊されます。

筋線維は破壊されると回復の際に元よりも太くなる性質があり、これを「超回復」といいます。

つまり筋トレは超回復という性質を利用して筋を増やし、筋力を向上させるトレーニングといえるでしょう。

筋トレについては以下で解説します。

筋トレ開始前に知っておきたいコツとは?基本的なメニューも紹介

筋肉は、エネルギー産生栄養素の一種でもあるたんぱく質を主な材料としています。

筋トレといえばたんぱく質が重要というイメージをお持ちの方がいらっしゃるかもしれませんね。

しかし実はたんぱく質だけではなく、炭水化物も筋肉にとって重要な栄養素なのです。

筋トレで筋肉を動かす際の主なエネルギー源は、炭水化物からつくり出されています

炭水化物は消化されてブドウ糖などに分解され、「グリコーゲン」という物質に合成されて肝臓や筋肉に貯蔵されます。

ブドウ糖とは
ヒトのエネルギー源の一つである糖質のなかで、最も小さく基本的な「単糖類」の一種です。特別な場合を除き、脳が利用できる唯一のエネルギー源でもあります。

筋トレでは、このグリコーゲンが筋肉に貯蔵された「筋グリコーゲン」が主なエネルギー源となります。

筋グリコーゲンが十分にない状態でトレーニングを行うと体がエネルギー不足に陥り、筋肉を分解してエネルギー源として消費してしまいます

これによりかえって筋肉が衰えてしまう恐れがあるのです。

筋グリコーゲンが不足した場合、たんぱく質を構成するアミノ酸や、グリコーゲンが分解されてできる乳酸などがブドウ糖に変換され、そこからグリコーゲンが合成されます。

メモ
糖質以外の物質からブドウ糖をつくる仕組みを「糖新生」といいます。

炭水化物の摂取が不足している場合、体は別の方法でエネルギーを補おうとするのですね。

こうした理由から筋トレを行うに当たっては、炭水化物を十分に摂ることが重要なのです。

「でも、炭水化物は肥満の原因にもなるんだよね……」

ダイエット目的で筋トレを行っていて、肥満の原因となる炭水化物を控えたいと考えている方もいらっしゃるかもしれませんね。

筋肉量を増やすことはダイエットにおいても効果的です。

筋肉量が増えると基礎代謝が増大し、消費カロリー(エネルギー消費量)が増加します。

メモ
カロリーはエネルギーの量を表す単位です。ヒトは食事から摂取したエネルギーを生命機能の維持や身体活動などに消費しています。なお、1cal(カロリー)は非常に小さいため通常はその1,000倍である1kcal(キロカロリー)が最小単位として用いられます。

基礎代謝とは呼吸や心拍、体温の維持など生命を保つために消費される必要最低限のカロリー(エネルギー量)のことで、総カロリー消費量の約60%を占めています[1]。

つまり基礎代謝が増大すると、安静にしていても消費カロリーが増えるのです。

消費カロリーを増やすためにも炭水化物を摂取し、筋トレのエネルギー源を確保することが不可欠なのですね。

実際、糖質高配合のプロテインは一般的なプロテインドリンクよりも体内でのたんぱく質合成を促進する効果が高いといわれています[2]。

筋肉を育てるためには、炭水化物の摂取が非常に重要なのですね。

プロテインについては以下の記事で解説しています。

プロテインとは?たんぱく質を効率的に摂取!種類や飲み方を解説

[1] 厚生労働省 e-ヘルスネット「身体活動とエネルギー代謝

[2] John Ivy, Robert Portman「Nutrient Timing: The Future of Sports Nutrition

2.筋肉を育てるのに必要な栄養素

「筋肉を育てるためには、どんな栄養素を摂ったら良いんだろう?」

ヒトの体に必要な栄養素には、3種類のエネルギー産生栄養素、13種類のビタミン、16種類のミネラルがあります[3]。

いずれも健康に欠かせないものですが、なかでも筋肉のはたらきと関わりのある栄養素が存在します。

この章では、筋肉を育てるために積極的に摂りたい栄養素をご紹介します。

[3] 国立研究開発法人国立循環器病研究センター「栄養に関する基礎知識

2-1.炭水化物

炊いた白ご飯

炭水化物はエネルギー産生栄養素の一種で、ヒトの主要なエネルギー源です。

炭水化物は食物として体内に取り入れられエネルギーとなる糖質と、体内の消化酵素では消化できない食物繊維に分けられます。

炭水化物のエネルギーは1g当たり4kcalで、ほとんどが糖質に由来したものです[4]。

糖質は主にご飯やパン、麺類などの主食類や、いも類、果物類、砂糖、甘味料などに含まれています。

糖質については以下の記事で紹介しています。

糖質とは?はたらきや過不足の悪影響、摂取の目標量と摂取源を紹介

一方、食物繊維はほとんどエネルギー源にはなりません。

メモ
食物繊維から生み出されるエネルギーは腸内細菌のはたらきによるもので、1g当たり0〜2kcalです[4]。

食物繊維には消化されずに大腸に到達し便通を整えるはたらきがあります。

また糖質や脂質を吸着し体外に排出するはたらきがあり、肥満の予防・改善にも効果的だと考えられています。

さらに腹持ちが良いという特徴もあるため、ダイエットをしている人は積極的に摂りたい栄養素だといえるでしょう。

食物繊維は動物性食品にはほとんど含まれておらず、野菜やきのこ、海藻類、豆類などの植物性食品に含まれています。

食物繊維については以下の記事で紹介しています。

食物繊維とは?はたらきや摂取目標量、摂取源となる食べ物を解説

[4] 厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)

2-2.たんぱく質

鶏肉や牛乳などのたんぱく質をイメージさせる食材

たんぱく質は筋肉を育てる上で極めて重要な栄養素です。

たんぱく質は体のエネルギー源となるエネルギー産生栄養素の一つで、1g当たり4kcalのエネルギーを生み出します[5]。

また筋肉や臓器、皮膚、髪の毛など体の組織の材料になったり、体の機能を調節するホルモンなどの成分としてはたらいたりします。

なお体を構成するたんぱく質は合成と分解を繰り返しており、筋肉量を増やすには体内のたんぱく質の合成が分解を上回る必要があります。

筋トレを行う際に十分にたんぱく質を摂取すると体内でのたんぱく質合成が増加し、筋肥大につながるとされています[6]。

筋肉の合成が行われる際に、たんぱく質が十分に摂取されていることでしなやかで良質な筋肉がつくられ、筋肉量を増やすことができるのです。

たんぱく質を十分に摂取していない状態で筋トレをしても、筋肉が分解されるだけで十分な合成を行うことができません

結果として筋肉量が減少し、筋トレの効果が現れにくくなってしまうのです。

筋肉を育てるにはたんぱく質の摂取が非常に重要なのですね。

「たんぱく質はどんな食品から摂ったら良いのかな?」

具体的にどんな食品からたんぱく質を摂ったら良いのか、疑問を抱いている方もいらっしゃるでしょう。

たんぱく質は20種類のアミノ酸という物質で構成されています[7]。

メモ
アミノ酸は食べ物から摂取する必要のある9種類の必須アミノ酸と体内で合成可能な11種類の非必須アミノ酸に分けられます[7]。

食品に含まれるたんぱく質が体内でどれくらい利用されるかは、たんぱく質を組成するアミノ酸のバランスによって決まります。

必須アミノ酸がヒトにとって望ましいバランスで含まれているたんぱく質や摂取源は「良質なたんぱく質」と呼ばれます。

このたんぱく質の質を表す指標をアミノ酸スコアといい、アミノ酸スコアの高い食品を摂取することが重要です。

アミノ酸スコアが高い食品には、肉や魚、卵、豆類、乳製品などがあります。

たんぱく質については以下の記事で紹介しています。

タンパク質とは?体内でのはたらきや食事摂取基準、豊富な食品を紹介

[5] 厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)

[6] alic独立行政法人 農畜産業振興機構「骨格筋量の維持・増加に向けたたんぱく質摂取の重要性

[7] 厚生労働省 e-ヘルスネット「アミノ酸

2-3.脂質

オイルを木のスプーンですくっているところ

脂質はエネルギー産生栄養素の一種で、1g当たり9kcalのエネルギーを生み出します[8]。

体内で細胞膜やホルモンを構成する物質としてはたらいています。

脂質を摂り過ぎると体脂肪として体に蓄えられ、肥満の原因となるため注意が必要です。

しかし脂質のなかには体内で合成できない必須脂肪酸も存在します。

不足すると皮膚炎などを引き起こすため、食品から摂取しなければなりません。

必須脂肪酸はさんまやまあじなどの青魚や、エゴマ油などの植物油に含まれています。

健康維持のためには、バランスの整った食事で適量の脂質を摂ると良いでしょう。

脂質については以下の記事で紹介しています。

脂質とは?はたらきや種類、1日に摂取すべき量の計算方法を解説

[8] 厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)

2-4.ビタミン

パックの豚小間切れ肉

ビタミンとはヒトの体の機能を正常に保つために必要な有機化合物の総称です。

性質の違いから4種類の脂溶性ビタミンと9種類の水溶性ビタミンに分けられます[9]。

このうち筋肉を育てる際に重要なのがビタミンD、ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンB6、ビタミンCだといわれています。

ビタミンについては以下の記事で紹介しています。

ビタミンとは?13種類のビタミンのはたらきと食事摂取基準を紹介

ビタミンDは骨をつくったり、筋力を維持したりするはたらきに関わっています。

ビタミンDはしらす干し(半乾燥)やさけ、まいわしなどに多く含まれています。

ビタミンDについては以下の記事で紹介しています。

ビタミンDとは?体内でのはたらきや摂取すべき量、摂取源を紹介

ビタミンB1は糖質からエネルギーを生み出すはたらきに欠かせない栄養素で、疲労を回復させるためにも重要です。

また必須アミノ酸の代謝における補酵素としてはたらいています。

代謝とは
摂取した栄養素を体に必要な物質やエネルギーに変えるはたらきのことです。

補酵素は「酵素」を活性化する物質で、主にビタミンなどからつくられています。

酵素とは
代謝などの体内で起こる化学反応に触媒として必要とされるたんぱく質です。酵素は体内に何千種類と存在し、それぞれに異なるはたらきをしています。また一部の酵素は補酵素がなければ作用を活性化させることができません。

ビタミンB1は豚肉やたらこなどに、多く含まれています。

ビタミンB1については以下の記事で紹介しています。

ビタミンB1とは?作用や食事摂取基準、摂取源となる食品を紹介

ビタミンB2はエネルギー代謝に関わる補酵素としてはたらきます。

エネルギー産生栄養素からしっかりとエネルギーをつくり出し、体を動かすために重要な栄養素の一つだといえるでしょう。

また成長を促したり皮膚や粘膜を保護したりするはたらきもあります。

ビタミンB2は牛・豚・鶏のレバーや鶏ハツ、アーモンドなどに多く含まれています。

ビタミンB2とは?はたらきや食事摂取基準、摂取源となる食品を紹介

ビタミンB6はたんぱく質や脂質、炭水化物の代謝の補酵素としてはたらくビタミンです。

ビタミンB6の必要量は、たんぱく質の摂取量が増えるにつれて増加するといわれています。

たんぱく質を意識的に多く摂取している筋トレ中の人はしっかりと摂っておくべき栄養素の一つだといえます。

ビタミンB6はまぐろ類やかつお、牛・鶏・豚のレバーなどに多く含まれています。

ビタミンB6については以下の記事で紹介しています。

ビタミンB6のはたらきは?食事摂取基準や摂取源となる食品も紹介

ビタミンCは皮膚や腱(けん)、軟骨などを構成するたんぱく質・コラーゲンの合成に必須のビタミンです。

ビタミンCは筋肉にも多く存在しており、長期にわたって不足すると筋線維が細くなることが研究によって示されています[10]。

ビタミンCについては以下の記事で紹介しています。

ビタミンCとは?体内でのはたらきや適切な摂取量、摂取源を紹介

[9] 厚生労働省 e-ヘルスネット「ビタミン

[10] 東京都健康長寿医療センター研究所「骨格筋でのビタミンC不足は筋萎縮や身体能力の低下をもたらす

2-5.ミネラル

岩塩

ミネラルは水素、炭素、窒素、酸素を除いた元素のことで、無機質とも呼ばれます。

ミネラルのなかでヒトが摂取する必要があるものは16種類あり、これらは必須ミネラルと呼ばれます[11]。

このうち、筋肉のはたらきに関わるものにはカルシウムやマグネシウム、ナトリウム、カリウム、亜鉛があります。

ミネラルについては以下の記事で紹介しています。

ミネラルとは?体に必要な理由と豊富に含まれる食べ物を種類別に紹介

カルシウムは成人の体内に最も多く存在するミネラルで、ほとんどは骨や歯のエナメル質を構成しています。

残りの一部は血液や筋肉、神経に存在し、筋肉の収縮に関わる他、血液の凝固を促したり、心筋の収縮作用を強めたりしています。

カルシウムは主に牛乳やチーズ、ヨーグルトなどの乳製品や骨ごと食べられるような小さな魚、大豆製品などに含まれています。

カルシウムについては以下の記事で紹介しています。

ミネラルとは?体に必要な理由と豊富に含まれる食べ物を種類別に紹介

マグネシウムはカルシウムと共に骨をつくる他、エネルギー代謝や筋肉の収縮、ホルモン分泌、体温調節、神経機能などに関わっています。

マグネシウムは乾燥わかめや刻み昆布、干しひじきなどの海藻類やアーモンドなどに多く含まれています。

マグネシウムについては以下の記事で紹介しています。

マグネシウムとは?はたらきや食事摂取基準、摂取源となる食品を解説

ナトリウムは主に食塩(塩化ナトリウム)の形で摂取されるミネラルで、成人の体内ではほとんどが細胞外液に含まれています。

細胞外液中のナトリウムは細胞外液の浸透圧を調節し、細胞外液量を保つはたらきをしています。

トレーニングによって発汗すると汗を通じてナトリウムが体外に排出されるため、適度に摂取することが重要です。

ただしナトリウムの摂り過ぎはむくみや口の渇き、高血圧などの原因になるとされています。

特に日本人の食生活は、塩分過多な傾向にあるといわれており注意が必要です。

ナトリウムについては以下の記事で紹介しています。

ナトリウムとは?体内でのはたらきや摂取目標量、摂取の注意点を解説

カリウムは細胞内液に存在し、その浸透圧を調節するはたらきを担うミネラルです。

また、筋肉の収縮や神経の興奮にも関わっています。

カリウムにはナトリウムを排せつするはたらきがあるため、ナトリウムを摂り過ぎたことによる高血圧や、むくみの改善にも効果が期待できます

なお、カリウムも汗を通じて体外に排せつされてしまうミネラルです。

日本人はカリウム摂取量が不十分な傾向にあるといわれており、積極的な摂取が勧められます

カリウムはほうれん草やえだまめ、大豆、アボカドなどに含まれます。

カリウムについては以下の記事で紹介しています。

カリウムとは?はたらきや摂取すべき量、摂取源となる食品を紹介

亜鉛は体内の筋肉や骨、皮膚、肝臓、脳、腎臓などに広く分泌するミネラルです。

たんぱく質と結合して多くの酵素に含まれ、たんぱく質の合成や細胞の成長・分化、遺伝子の発現などにおいて重要なはたらきをします。

亜鉛はかきや豚レバー、牛ひき肉などに多く含まれます。

亜鉛については以下の記事で紹介しています。

亜鉛のはたらきと1日の適切な摂取量とは?亜鉛を多く含む食品も紹介

[11] 国立研究開発法人国立循環器病研究センター「栄養に関する基礎知識

3.筋トレのための食事のポイント

「筋トレするときに食事で気を付けることはあるのかな?」

筋トレの効果を高めるためには、食事の内容や摂取するタイミングが重要です。

ここでは、積極的に摂るべき栄養素や控えた方が良い食品などをご紹介します。

筋トレのための食事のポイント

ポイント1 たんぱく質を十分に摂る

筋肉の材料となるたんぱく質は筋トレ中の食事において最も重視される栄養素です。

厚生労働省は「日本人の食事摂取基準(2025年版)」において、たんぱく質の推奨量および目標量を設定しています。

メモ
推奨量とはほとんどの人にとって十分だと考えられる量のことです。目標量とは、生活習慣病の発症を予防するために当面の目標とすべき摂取量のことです。

目標量は、1日に摂取するカロリーに対するたんぱく質の摂取するカロリーの割合(単位:%エネルギー)で設定されています。

【たんぱく質の推奨量と目標量】
性別 男性 女性
年齢 推奨量 目標量 推奨量 目標量
18~29歳
65g
13~20%エネルギー
50g
13~20%エネルギー
30~49歳
65g
13~20%エネルギー
50g
13~20%エネルギー
50~64歳
65g
14~20%エネルギー
50g
14~20%エネルギー
65~74歳
60g
15~20%エネルギー
50g
15~20%エネルギー
75歳以上
60g
15~20%エネルギー
50g
15~20%エネルギー

厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)」をもとに執筆者作成

ただしたんぱく質の必要量は運動量によって変動します。

特に筋肉をつけたい人や運動習慣のある人は体重1kg当たり2gのたんぱく質摂取が望ましいといわれています[12]。

なお一度の食事から吸収できるたんぱく質の量には限度があります。

一度にまとめて摂取してもそのたんぱく質を全て吸収できるわけではないので、たんぱく質は1日3食に分けて摂取することが勧められます。

朝食を抜きがちな方もいるかもしれませんが、朝食からもしっかりとたんぱく質を摂取しましょう。

ただし、食品のみから体重1kg当たり2gのたんぱく質を摂取するのは現実的ではなく、脂質やカロリーの摂り過ぎにもつながります

このため、筋肉をしっかり育てたい人は適宜プロテインを活用しましょう

プロテインについては以下の記事で紹介しています。

プロテインとは?たんぱく質を効率的に摂取!種類や飲み方を解説

[12] 一般社団法人 日本プロテイン協会「誰でもわかるプロテインの基礎知識

ポイント2 炭水化物を十分に摂る

糖質は摂り過ぎると肥満の原因となる一方で、不足すると筋肉の分解を招いてしまう恐れがあるため適切に摂取することが重要です。

厚生労働省は、炭水化物の目標量を1日に摂取するカロリーに対したんぱく質から摂取するカロリーが占める割合で設定しています(単位:%エネルギー)。

炭水化物の目標量は50〜65%エネルギーです[13]。

この割合を参考にし、他のエネルギー産生栄養素とのバランスも鑑みて摂取量を調節することが勧められます。

[13] 厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)

ポイント3 必要に応じて摂取カロリーを制限する

筋肉量を増やすだけでなく、減量や引き締まった体づくりを目指す場合、摂取カロリーを適切に制限する必要があります

体重は摂取カロリーと消費カロリーのバランスで変動し、摂取カロリーが消費カロリーを下回った場合に減少します。

摂取カロリーは目標とする体重での推定必要カロリー(推定エネルギー必要量)を目安にすると良いでしょう。

また目標体重はBMIを参照して決めることが勧められます。

BMIは国際的に用いられている肥満度を表す指標で、[体重(kg)]÷[身長(m)の2乗]で算出できます[14]。

メモ
肥満度の判定基準は国によって異なりますが、国内では18.5未満で「痩せ(低体重)」、18.5以上25.0未満で「普通体重」、25.0以上で「肥満」に分類されます[14]。ただし肥満は脂肪が多い状態を指すため、体重が多くとも脂肪が過剰に蓄積していない場合は肥満には該当しません。

厚生労働省は、年齢に応じて目標とするBMIの範囲を以下のとおり定めています。

【BMIの年代別目標値】
性別 男性 女性
年齢 目標とするBMI 目標とするBMI
18~49歳
18.5~24.9
18.5~24.9
50~64歳
20.0~24.9
20.0~24.9
65~74歳
21.5~24.9
21.5~24.9
75歳以上
21.5~24.9
21.5~24.9

厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)」をもとに執筆者作成

この範囲に収まるよう目標体重を決定すると良いでしょう。

なお、BMIをベースとして目標体重を決める場合、[身長(m)の2乗]に目標とするBMIをかけることで求められます。

消費カロリーは運動量によって変動するため、推定必要カロリーはどれだけ体を動かしているかによって異なります。

このため推定必要カロリーの計算には3段階に分けられた身体活動レベルを用います。

【身体活動レベル】
身体活動レベル 日常生活の内容
低い 生活の大部分を座って過ごし、あまり体を動かさない場合
普通 座って過ごすことが多いが、歩いたり立ったりする作業や接客などを行う機会や、通勤や買い物で歩く機会、家事や軽いスポーツを行う機会がある場合
高い 歩いたり立ったりすることが多い仕事に就いている場合、あるいは余暇に活発に運動する習慣がある場合

厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)」をもとに執筆者作成

体重1kg当たりの推定必要カロリーは、下記のとおりです。

【体重1kg当たりの推定必要カロリー(kcal/kg/日)】
性別 男性 女性
年齢 低い 普通 高い 低い 普通 高い
18~29歳 35.6 41.5 47.4 33.2 38.7 44.2
30~49歳 33.8 39.4 45.0 32.9 38.3 43.8
50~64歳 32.7 38.2 43.6 31.1 36.2 41.4
65~74歳 32.4 36.7 41.0 31.1 35.2 39.3
75歳以上 30.1 36.6 - 29.0 35.2 -

厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)」をもとに執筆者作成

ご自身が該当する箇所の数値を目標体重と掛け合わせて1日の摂取カロリーの目安を計算しましょう

例えば、身体活動レベルが普通(Ⅱ)の30歳女性が目標体重を50kgとする場合、1日の摂取カロリーの目安は、38.3(kcal)×50(kg)で1,915kcalとなります。

ただし必要カロリーを正しく算出することは難しく、誤差が生じると考えられます。

このため、摂取カロリーは実際の体重変化に応じて適宜調節する必要があります

カロリーについては以下の記事で紹介しています。

カロリーとは?体重との関係や摂取カロリーの目安、栄養について解説

筋肉量を増やすことに加え引き締まった体を目指すには、摂取カロリーにも注意する必要があるのですね。

[14] 厚生労働省 e-ヘルスネット「肥満と健康

ポイント4 筋トレ前にエネルギーを補給する

筋トレの前には軽くエネルギーを補給しておくことが勧められます

空腹の状態で筋トレを行うとエネルギーが不足し、筋肉が分解されてしまう恐れがあります。

ただし食後すぐの筋トレは消化不良を招いてしまう恐れがあります。

筋トレ前にバナナやおにぎりなど炭水化物を含む軽食を摂るか、食後数時間置いてから筋トレを行うと良いでしょう。

ポイント5 アルコールは控える

筋トレの後はアルコールの摂取を控えましょう

アルコールは必須栄養素ではありませんがエネルギー源となり、過剰摂取は体脂肪の蓄積を招きます

筋トレで引き締まった体を目指している方にとって、体脂肪の増加は避けたい問題ですよね。

アルコールのカロリーは1g当たり7kcalで、アルコール度数9%の缶酎ハイのカロリーは、他のエネルギー産生栄養素を含まないものでも500mLで250kcalにもなります[15]。

一般的なお酒には、糖質やたんぱく質などが含まれており、そのカロリーはさらに高くなります。

またお酒に弱い体質の人はアルコールが長時間体内に残り、エネルギーをゆっくり消費するため、より脂肪を蓄えやすいといわれています。

加えてアルコールには食欲を増す作用があり、おつまみなどの食べ過ぎにつながりかねないため、ダイエット中はお酒を控えた方が良いでしょう。

特に、筋トレ後の飲酒は筋肉に対するデメリットが多く、避けた方が良いと考えられています。

多量のアルコールを摂取すると体内では「コルチゾール」というホルモンが分泌されます。

このホルモンには筋肉の分解を促してしまう作用があるとされています。

加えて、アルコールを飲むことで筋肉を増やすはたらきのある「テストステロン」の分泌量が減るともいわれています。

メモ
テストステロンは男性ホルモンの一種で、筋肉や骨格の成長を促す、生殖器を形成する、ひげや体毛の発育を促すといったはたらきをします。

アルコールの過剰摂取は体にさまざまな影響を与え、筋トレの効果を減少させてしまう恐れがあるのですね。

[15] 厚生労働省 e-ヘルスネット「アルコールとメタボリックシンドローム

4.炭水化物が筋トレに不可欠な理由についてのまとめ

炭水化物は体のエネルギー源となる栄養素の一種で、筋肉を育てる上で欠かせません

筋トレで筋肉を動かす際のエネルギー源は、主に炭水化物からつくり出されています。

筋トレのエネルギー源となる筋グリコーゲンが不足した状態でトレーニングを行うと体がエネルギー不足に陥ります。

この際、筋肉を分解してエネルギー源として消費してしまうため、かえって筋肉が減ってしまう恐れがあるのです。

筋肉を育てる上で重要な栄養素は炭水化物の他にもさまざまなものがあります。

なかでもたんぱく質は筋肉の主な材料であり、筋トレを行う際に摂取することで筋肥大につながるとされています。

その他に、エネルギー産生栄養素でもある脂質や、筋肉に影響を及ぼすビタミン、ミネラルなどの摂取も欠かせません。

筋肉量を増やし引き締まった体を目指すには、必要に応じて摂取カロリーを制限しましょう

筋トレ前にエネルギーを補給することやアルコールを控えることも勧められます。

十分に炭水化物を摂取しエネルギーを補給した上で、筋トレに励んでくださいね。