「プルーンは健康に良いって聞くけど、どんな効果があるんだろう?」
「プルーンにはどんな栄養素が含まれているのかな……」
生はもちろん、ドライフルーツとしても人気のプルーンですが、含まれている栄養素やその効果について詳しくご存じの方は多くはないかもしれませんね。
プルーンには整腸効果で知られる食物繊維や、正常な血液凝固を促すビタミンK、塩分の過剰摂取を調節するカリウムなど、多くの栄養素が豊富に含まれています。
また、全身へ酸素を供給するために必要な鉄なども含まれます。
さらに、抗酸化作用のあるポリフェノールという成分も含まれています。
この記事では、プルーンに含まれる栄養素とその作用を詳しく解説します。
また、含まれる成分の効果についてもご紹介します。
プルーンからしっかりと栄養補給ができるよう、参考にしてくださいね。
1.プルーンとは
プルーンは「すもも」の一種です。
すももはバラ科の植物で、中国原産の「日本すもも」とヨーロッパ原産の「西洋すもも」の2種類に分けられます[1]。
一般的に日本すももはプラム、西洋すももはプルーンと呼ばれます。
プルーンは生食の他、ドライフルーツとしてもおなじみですね。
ダイエット中の方や健康を気遣う方のなかには、プルーンのカロリー(エネルギー)が気になる方もいらっしゃるかもしれません。
プルーンのカロリーは次のとおりです。
食品名 | カロリー |
---|---|
プルーン/生 | |
プルーン/乾 |
文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」をもとに執筆者作成
他の果物のカロリーと比べてみましょう。
食品名 | カロリー |
---|---|
みかん | |
キウイフルーツ | |
りんご(皮なし) | |
パインアップル | |
バナナ | |
いちじく/乾 | |
干しがき | |
あんず/乾 | |
バナナ/乾 | |
干しぶどう |
文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」をもとに執筆者作成
生プルーンのカロリーは低めですね。
乾燥果物は水分が抜けている分100g当たりのカロリーは高くなりますが、一度に食べる量を考えると単純に数字だけを生と比較することはできません。
[1] JAグループ「夏・秋の旬くだものスモモ(プラム、プルーン)」
【関連情報】 「ポリフェノールとは?体への効果と摂取できる食品・飲み物を解説!」についての記事はこちら
2.プルーンに豊富な栄養素の効果・作用
プルーンには食物繊維をはじめ、さまざまなビタミンやミネラルが豊富に含まれています。
この章ではプルーンに豊富に含まれる栄養素をご紹介します。
また成人男女向けに1日当たりの摂取量の目安(食事摂取基準)を紹介していますので、摂取量の参考にしてくださいね。
栄養素 | 含有量 |
---|---|
食物繊維 | |
ビタミンA | |
ビタミンE | |
ビタミンK | |
ナイアシン当量 | |
葉酸 | |
カリウム | |
銅 |
文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」をもとに執筆者作成
栄養素 | 含有量 |
---|---|
食物繊維 | |
ビタミンK | |
ビタミンB6 | |
カリウム | |
銅 |
文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」をもとに執筆者作成
[2] 国立研究開発法人国立循環器病研究センター「栄養に関する基礎知識」
[3] 東京都保険医療局「栄養成分表示ハンドブック」
[4] 文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」
2-1.食物繊維(生・乾燥)
生と乾燥、いずれのプルーンにも食物繊維が豊富に含まれています。
100g当たりの食物繊維含有量は生で1.9g、乾燥プルーンで7.1gです[5]。
食物繊維は、胃や小腸で消化されずに大腸まで届きます。
食物繊維は便のかさを増やす材料となる他、腸内細菌のうち善玉菌と呼ばれるビフィズス菌や乳酸菌を増やし、腸内環境を良い状態に保つはたらきをします。
また、食物繊維には脂質や糖、ナトリウム(塩分)を吸着し体外へ排出する作用があります。
そのため、食物繊維にはこれらの過剰摂取が原因で起こる脂質異常症や肥満、糖尿病、高血圧などを防いだり改善したりする効果が期待されています。
現代の日本人は穀類やいも類、豆類の摂取が少ないため、食物繊維が不足傾向にあるといわれます。
食物繊維は健康のために重要な栄養素であり、積極的な摂取が望まれます。
食物繊維の1日当たりの摂取目標量は男性の場合18~64歳で21g以上、65歳以上で20g以上です[6]。
女性は18~64歳で18g以上、65歳以上で17g以上です[6]。
プルーンを食べることで、不足しがちな食物繊維の補給ができますね。
食物繊維についてさらに詳しく知りたい方は以下の記事をご覧ください。
食物繊維は1日にどのくらい摂ればいい?期待できる効果や食材を紹介
[5] 文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」
[6] 厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」
2-2.ビタミンA(生)
生プルーンにはビタミンAが豊富に含まれています。
また、乾燥プルーンにはビタミンAが含まれています。
100g当たりのビタミンA含有量(レチノール活性当量)は生プルーンで40μg、乾燥プルーンで100μgです[7]。
ビタミンAは脂溶性ビタミンの一種です。
ビタミンAは目の正常な機能の保持や、皮膚や粘膜の健康維持の他、細胞の成長や分化に関わります。
ビタミンAの1日当たりの摂取推奨量はレチノール活性当量で、男性の場合18~29歳で850μgRAE、30~64歳で900μgRAE、65~74歳で850μgRAE、75歳以上で800μgRAEです[8]。
女性の場合18~29歳で650μgRAE、30~74歳で700μgRAE、75歳以上で650μgRAEです[8]。
目や皮膚の健康のために必要なビタミンAをプルーンで補給できるのはうれしいことですね。
ビタミンAについてさらに詳しく知りたい方は以下の記事をご覧ください。
ビタミンAにはどんな効果がある?目標摂取量とおすすめの食品を紹介
[7] 文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」
[8] 厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」
2-3.ビタミンE(生)
生プルーンにはビタミンEが豊富に含まれています。
また、乾燥プルーンにはビタミンEが含まれています。
100g当たりのビタミンE含有量は生プルーン、乾燥プルーン共に1.3mgです[9]。
ビタミンEは脂溶性ビタミンの一種で、細胞膜や脂質に多く存在します。
ビタミンEは抗酸化作用を持つ他、細胞内における過酸化脂質の産生を抑えるはたらきをします。
ビタミンEの1日当たりの摂取目安量は、男性の場合18~49歳で6.0mg、50~74歳で7.0mg、75歳以上で6.5mgです[10]。
女性の場合18~29歳で5.0mg、30~49歳で5.5mg、50~64歳で6.0mg、65歳以上で6.5mgです[10]。
プルーンで抗酸化作用があるビタミンEを摂取できるのはうれしいことですね。
ビタミンEについてさらに詳しく知りたい方は以下の記事をご覧ください。
ビタミンEが多く含まれる食べ物は?効果や摂取基準も詳しく解説
[9] 文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」
[10] 厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」
2-4.ビタミンK(生・乾燥)
生と乾燥、いずれのプルーンにもビタミンKが豊富に含まれています。
生プルーン100g当たりのビタミンK含有量は20μg、乾燥プルーン100g当たりのビタミンK含有量は92μgです[11]。
ビタミンKは脂溶性ビタミンの一種で、血液凝固を正常に進めるために必要です。
骨の形成にも関わり、骨粗しょう症の治療薬としても用いられます。
ビタミンKの1日当たりの摂取目安量は18歳以上の男女共に150μgです[12]。
ビタミンKについてさらに詳しく知りたい方は以下の記事をご覧ください。
ビタミンKにはどんな効果がある?摂取目安量とおすすめの食材を紹介
[11] 文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」
[12] 厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」
2-5.ナイアシン(生)
生プルーンにはナイアシンが豊富に含まれています。
また、乾燥プルーンにはナイアシンが含まれています。
100g当たりのナイアシン含有量(ナイアシン当量)は生プルーンで0.7mgNE、乾燥プルーンで2.6mgNEです[13]。
ナイアシンは「水溶性ビタミン」であるビタミンB群の一種で、エネルギーの元となる「ATP(アデノシン三リン酸)」の産生に関わります。
また、ナイアシンは脂肪の材料である脂肪酸やステロイドホルモンの生合成の他、DNAの修復や合成、細胞分化などにも関与しています。
ナイアシンの1日当たりの摂取推奨量は、男性は18~49歳で15mgNE、50~74歳で14mgNE、75歳以上で13mgNEです[14]。
女性は18~29歳で11mgNE、30~49歳で12mgNE、50~74歳で11mgNE、75歳以上で10mgNEです[14]。
[13] 文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」
[14] 厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」
2-6.ビタミンB6(乾燥)
乾燥プルーンにはビタミンB6が豊富に含まれています。
また、生プルーンにはビタミンB6が含まれています。
100g当たりのビタミンB6含有量は乾燥プルーンで0.34mg、生プルーンで0.06mgです[15]。
ビタミンB6はビタミンB群の一種で、たんぱく質や脂質、炭水化物などの栄養素や神経伝達物質の代謝に関わります。
その他、ビタミンB6はホルモンの調節や免疫系の維持のためにも重要です。
ビタミンB6の1日当たりの摂取推奨量は、男性は18歳以上で1.4mg、女性で1.1mgです[16]。
ビタミンB6についてさらに詳しく知りたい方は以下の記事をご覧ください。
[15] 文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」
[16] 厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」
2-7.葉酸(生)
生プルーンには葉酸が豊富に含まれています。
生プルーン100g当たりの葉酸含有量は35μgです[17]。
乾燥プルーン100g当たりの葉酸含有量は3μgです[17]。
葉酸はビタミンB群の一種で、DNAやRNA、たんぱく質の合成などに深く関与しています。
そのため、葉酸が不足すると細胞分裂が抑制され造血機能に異常を来す他、貧血や神経・腸機能の障害などを引き起こすことがあります。
また、妊娠初期の胎児の細胞増殖が活発な時期に葉酸が不足すると、胎児の神経管の成長が正常に行われず、「神経管閉鎖障害」と呼ばれる先天異常の発症率が高まることが明らかになっています。
葉酸の1日当たりの摂取推奨量は、男女共に18歳以上で240μgです[19]。
葉酸についてさらに詳しく知りたい方は以下の記事をご覧ください。
葉酸が多く含まれている食べ物とは?効果や摂取基準もあわせて解説
[17] 文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」
[18] 厚生労働省 e-ヘルスネット「葉酸とサプリメント ‐神経管閉鎖障害のリスク低減に対する効果」
[19] 厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」
2-8.カリウム(生・乾燥)
生と乾燥、いずれのプルーンにもカリウムが豊富に含まれています。
生プルーン100g当たりのカリウム含有量は220mg、乾燥プルーン100g当たりのカリウム含有量は730mgです[20]。
カリウムは必須ミネラルの一種で、ほとんどは細胞内に存在します。
カリウムにはナトリウムを体外に排出する作用があります。
日本人のナトリウム摂取量は多いといわれるため、積極的に摂取したい栄養素の一つです。
また、カリウムには細胞内液の浸透圧を一定に保つはたらきがあります。
その他、カリウムには体液の酸性、アルカリ性のバランスを保持したり、筋肉を収縮させたりする作用があります。
カリウムの1日当たりの摂取目標量は、18歳以上の男性で3,000mg以上、女性で2,600mg以上です[21]。
カリウムについてさらに詳しく知りたいという方は以下の記事をご覧ください。
カリウムとは?はたらきや摂取すべき量、摂取源となる食品を紹介
[20] 文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」
[21] 厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」
2-9.銅(生・乾燥)
生と乾燥、いずれのプルーンにも銅が豊富に含まれています。
生プルーン100g当たりの銅含有量は0.06mg、乾燥プルーン100g当たりの銅含有量は0.27mgです[22]。
銅は必須ミネラルの一種で、骨や筋肉、血液に含まれています。
銅はエネルギーや神経伝達物質を産生する他、鉄の代謝や活性酸素の除去なども行います。
また、銅は鉄と共に造血機能にも関わります。
銅の1日当たりの摂取推奨量は、男性は18~74歳で0.9mg、75歳以上で0.8mgです[23]。
女性は18歳以上で0.7mgです[23]。
[22] 文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」
[23] 厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」
3.プルーンに含まれる栄養素の効果・作用
プルーンにはビタミンB1やビタミンC、パントテン酸といったビタミンや、マグネシウムや鉄などのミネラルが含まれています。
この章ではそれぞれの栄養素のはたらきをご紹介します。
栄養素 | 含有量 |
---|---|
ビタミンB1 | |
パントテン酸 | |
ビタミンC | |
鉄 |
文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」をもとに執筆者作成
栄養素 | 含有量 |
---|---|
マグネシウム | |
鉄 |
文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」をもとに執筆者作成
[24] 東京都保険医療局「栄養成分表示ハンドブック」
3-1.ビタミンB1(生)
生プルーンにはビタミンB1が含まれています。
生プルーン100g当たりのビタミンB1含有量は0.03mgです[25]。
乾燥プルーン100g当たりのビタミンB1含有量は0.07mgです[25]。
ビタミンB1はビタミンB群の一種で、糖質やアミノ酸の代謝を行う際の補酵素としてはたらきます。
糖質の一種であるブドウ糖を唯一のエネルギー源とする脳が正常に機能するためにも、ビタミンB1の存在は重要です。
ビタミンB1の1日当たりの摂取推奨量は、男性は18~49歳で1.4mg、50~74歳で1.3mg、75歳以上で1.2mgです[26]。
女性は18~74歳で1.1mg、75歳以上で0.9mgです[26]。
ビタミンB1についてさらに詳しく知りたい方は以下の記事をご覧ください。
ビタミンB1が豊富に含まれる食べ物は?効果や摂取基準も詳しく解説
[25] 文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」
[26] 厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」
3-2.パントテン酸(生)
生プルーンにはパントテン酸が含まれています。
生プルーン100g当たりのパントテン酸含有量は0.22mgです[27]。
乾燥プルーン100g当たりのパントテン酸含有量は0.32mgです[27]。
パントテン酸はビタミンB群の一種で、糖や脂質の代謝に深く関わります。
また、パントテン酸は皮膚や粘膜の健康を保つはたらきもしています。
パントテン酸は、満遍なくさまざまな食品に含まれます。
パントテン酸の1日当たりの摂取目安量は、男性は18~49歳で5mg、50歳以上で6mg、女性は18歳以上で5mgです[28]。
[27] 文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」
[28] 厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」
3-3.ビタミンC(生)
生プルーンにはビタミンCが含まれています。
生プルーン100g当たりのビタミンC含有量は4mgです[29]。
乾燥プルーンの場合、日本食品標準成分表での数値は0mgです[29]。
ビタミンCは水溶性ビタミンの一種で、「コラーゲン」をつくるために欠かせない栄養素です。
また、ビタミンCはビタミンEと共に活性酸素を除去し細胞を守る他、消化管で鉄の吸収を高めるはたらきもしています。
1日当たりのビタミンC摂取推奨量は18歳以上の男女共に100mgです[30]。
ビタミンCについてさらに詳しく知りたい方は以下の記事をご覧ください。
ビタミンCの美容・健康効果は?目標摂取量と豊富に含まれている食品
[29] 文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」
[30] 厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」
3-4.マグネシウム(乾燥)
乾燥プルーンにはマグネシウムが含まれています。
乾燥プルーン100g当たりのマグネシウム含有量は40mgです[31]。
生プルーン100g当たりのマグネシウム含有量は7mgです[31]。
マグネシウムは必須ミネラルの一つで、多くが骨に含まれます。
マグネシウムは骨や歯をつくるはたらきに関わっています。
また、マグネシウムはほぼすべての生合成反応や代謝反応のために欠かせない栄養素です。
マグネシウムは、精製や加工がされていない食品のほとんどに含まれています。
マグネシウムの1日当たりの摂取推奨量は、男性は18~29歳で340mg、30~64歳で370mg、65~74歳で350mg、75歳以上で320mgです[32]。
女性は18~29歳で270mg、30~64歳で290mg、65~74歳で280mg、75歳以上で260mgです[32]。
マグネシウムについてさらに詳しく知りたい方は以下の記事をご覧ください。
マグネシウムとは?はたらきや食事摂取基準、摂取源となる食品を解説
[31] 文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」
[32] 厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」
3-5.鉄(生・乾燥)
生と乾燥、いずれのプルーンにも鉄が含まれています。
生プルーン100g当たりの鉄含有量は0.2mg、乾燥プルーン100g当たりの鉄含有量は1.1mgです[33]。
鉄は必須ミネラルの一種で、体内では「機能鉄」と「貯蔵鉄」に分けられます。
鉄のうち機能鉄の多くは、赤血球に含まれるヘモグロビンとして酸素の運搬などに深く関わります。
一方、貯蔵鉄は肝臓や脾臓(ひぞう)、骨髄などに蓄えられています。
鉄の不足は、月経のある女性や鉄の需要が増す妊婦、授乳婦で特に起こりやすくなります。
代表的な欠乏症である鉄欠乏性貧血になると、動悸(どうき)や息切れ、目まいなどの症状が見られることがあります。
ただし、このような症状は鉄の欠乏がかなり進まないと現れないため、日頃から不足しないよう注意しましょう。
鉄の1日当たりの摂取推奨量は、男性は18~74歳で7.5mg、75歳以上で7.0mgです[34]。
女性は月経がある場合18~49歳で10.5mg、50~64歳で11.0mg、月経がない場合18~64歳で6.5mg、65歳以上で6.0mgです[34]。
鉄についてさらに詳しく知りたい方は以下の記事をご覧ください。
鉄分が多く含まれる食べ物と効果的な摂り方は?貧血気味の方必見!
[33] 文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」
[34] 厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」
4.プルーンに含まれる栄養成分の効果・作用
プルーンにはポリフェノールが含まれています。
ポリフェノールは、ほとんどの植物に含まれる苦みや渋み、色素などの成分です。
ポリフェノールは活性酸素による攻撃から体を守る抗酸化作用を持ち、血中コレステロールや血圧の低下、心血管疾患やアレルギーの予防といった効果が期待されています。
プルーンに含まれる代表的なポリフェノールはクロロゲン酸です。
クロロゲン酸はコーヒーに含まれることでも知られています。
ポリフェノールの一種、クロロゲン酸は脂肪の蓄積を抑える作用を持つといわれます。
このためポリフェノールには糖尿病や肥満、「脂肪肝」の予防効果が期待されています。
ポリフェノールは特に果皮に多く含まれるとされており、プルーンの果皮にも強い抗酸化作用が認められています。
そのため、プルーンは皮ごと食べることが健康にとって良いといわれています。
プルーンを食べることで、健康への効果が期待できるポリフェノールを手軽に摂れるのはうれしいことですね。
ポリフェノールについてさらに詳しく知りたい方は以下の記事をご覧ください。
ポリフェノールとは?体への効果と摂取できる食品・飲み物を解説!
5.プルーンの効果についてのまとめ
プルーンは西洋すももの一種で、主に生やドライフルーツの状態で摂取します。
100g当たりのプルーンのカロリーは、生が49kcal、乾燥したものが211kcalで、どちらもフルーツのなかでは低めです[35]。
プルーンには食物繊維の他、ビタミンAやビタミンKなどのビタミンや、カリウム、銅などのミネラルが含まれています。
生か乾燥かの状態によって含まれる栄養素は異なるため、自分が摂りたい栄養素に合わせてどちらを食べるか選ぶのがおすすめですよ。
またプルーンはポリフェノールも含みます。
ポリフェノールには抗酸化作用があり、血中コレステロールや血圧を低下させたり、心血管疾患、アレルギーなどを予防したりする効果が期待されています。
特にプルーンに多く含まれるポリフェノールの一種、クロロゲン酸には、脂肪の蓄積を抑える作用や糖尿病、肥満、脂肪肝などを予防する効果があるといわれます。
日々の食生活にプルーンを取り入れ、健康の維持や向上に役立ててくださいね。
[35] 文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」