「ヒップリフトにはどんな効果があるのかな?」
「ヒップリフトってどうやれば良いんだろう?」
このような疑問を持っている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
ヒップリフトはお尻や太もも、体幹に効くトレーニングで、ヒップアップや姿勢の改善、基礎代謝の向上などの効果が得られます。
ヒップリフトは基本のやり方の他に、片脚で行ったり、ダンベルやレジスタンス・バンドを使ったりする応用トレーニングがあります。
この記事ではヒップリフトの効果をご紹介しつつ、ヒップリフトとその応用トレーニングのやり方を解説します。
ヒップリフトをより効果的に行うためのポイントについても触れているので、参考にしてみてくださいね。
1.ヒップリフトで鍛えられる筋肉
「ヒップリフトではどんな筋肉が鍛えられるのかな?」
ヒップリフトでは主に大臀(だいでん)筋、ハムストリング、脊柱起立(せきちゅうきりつ)筋、腹横(ふくおう)筋を鍛えることができます。
大臀筋はお尻、ハムストリングは太もも、脊柱起立筋は背中、腹横筋はおなかにある筋肉です。
この章ではそれぞれの筋肉の特徴について解説していきます。
1-1.大臀筋
ヒップリフトでは主に大臀筋を鍛えることができます。
大臀筋はお尻のなかで一番大きく、強い筋肉です。
歩いたり走ったりするときに足を後ろに引っ張る動作や、腰を伸ばす動作に関わります。
また、骨盤がぐらつかないように支える役割も担っています。
大臀筋が衰えるとつまずきやすくなる他、姿勢が悪くなったり、腰痛になったりします。
現代人は座っている時間が長い傾向があり、大臀筋をあまり使えていないケースが多いのが実情です。
日常的な動作に深く関わる筋肉だからこそ、ヒップリフトでしっかり鍛える必要がありますね。
1-2.ハムストリング
ヒップリフトではハムストリングも鍛えることができます。
ハムストリングは半腱様(はんけんよう)筋、半膜様(はんまくよう)筋、大腿二頭(だいたいにとう)筋の三つで構成される、太ももの裏にある筋肉の総称です。
股関節や膝関節の動きを担っているため、サッカーや陸上競技、ラグビーなど多くの運動のパフォーマンスに関わっています。
そのため、ハムストリングを鍛えるとこれらスポーツのパフォーマンス向上が見込める他、お尻から太ももに続くヒップラインを美しく整えることができます。
1-3.脊柱起立筋
ヒップリフトを行うことで、脊柱起立筋を鍛えることができます。
脊柱起立筋は腸肋筋(ちょうろく)筋、最長(さいちょう)筋、棘(きょく)筋からなる筋肉で、首から腰にかけて背骨の両側についています。
脊柱起立筋は姿勢を維持するのに必要な筋肉であるため、鍛えることで姿勢改善が見込めます。
横になっているとき以外は機能しているため、日常生活を送る上でとても重要な役割を果たしているといえるでしょう。
1-4.腹横筋
ヒップリフトでは腹横筋も鍛えることができます。
腹横筋は、外腹斜筋とそのすぐ内側にある内腹斜筋のさらに奥にある筋肉です。
そのため腹横筋は腹筋のなかでも「インナーマッスル」に分類されます。
腹横筋は体を安定させる機能を持つ他、腹式呼吸をするとき、息を吐いたりおなかをへこませたりする役割を担います。
ウエストの太さに大きく関わっているため、鍛えることでおなかの引き締め効果も期待できますよ。
2.ヒップリフトで得られる効果
「ヒップリフトにはどんな効果があるのかな?」
ヒップリフトによって得られる効果を知っていると、筋トレに励むモチベーションを上げやすいですよね。
この章ではヒップリフトで得られる効果を四つご紹介します。
2-1.ヒップアップ
ヒップリフトにはヒップアップ効果があるため、丸くてきれいなお尻を目指している方におすすめです。
ヒップリフトをすると大臀筋が鍛えられてお尻の位置が高くなり、ヒップラインがきれいになります。
さらにお尻の一番高い部分であるヒップトップが上がることで、お尻から膝までの距離が伸び、脚が長く見えるようになります。
お尻の筋肉を鍛えることで、下半身の印象をガラッと変えられるのですね。
2-2.太ももやおなかの引き締め
ヒップリフトは大臀筋だけでなく、ハムストリングにも刺激を加えられるため、太ももの引き締め効果が期待できます。
筋肉を付けると、かえって脚が太く見えるのではないかと心配している方もいらっしゃるかもしれません。
しかしハムストリングは太ももの裏側に位置するため、筋肉を付けても太く見えにくいという特徴があります。
また、ヒップリフトは腹横筋にも刺激を与えることができるため、おなかを引き締めたい方にも向いています。
腹横筋は息を吐くときに使う筋肉なので、呼吸を意識しながらヒップリフトを行うと、より効果的におなか周りを鍛えることができます。
2-3.姿勢の改善
ヒップリフトは姿勢の改善にもつながります。
安定した姿勢を保つには背骨を支える脊柱起立筋と、腰椎を支える腹横筋のバランスがとれていることが重要です。
これらのバランスが崩れると背中が丸くなり、猫背になってしまいます。
そのためヒップリフトによって脊柱起立筋が鍛えられると、美しい立ち姿をつくることができるのですね。
2-4.基礎代謝の向上
ヒップリフトで鍛えられる筋肉には大きなものが多いため、筋肉量を増やしやすいという特徴があります。
筋肉量が増えると「基礎代謝」が向上し、太りにくい体になります。
筋肉は脂肪に比べてエネルギー代謝が活発で、全身組織のなかでも実に22%の割合を占めます[2]。
そのため脂肪が減り、筋肉が増えるほど太りにくい体になるといえるわけですね。
3.ヒップリフトと応用トレーニングのやり方
ヒップリフトに限らず、筋トレはやり方が間違っていると効果を得にくくなってしまいます。
そのため、この章ではヒップリフトの正しいやり方を解説していきます。
基本となる型の他に、より強い負荷をかけられる応用トレーニングもご紹介しているので、ぜひ参考にしてくださいね。
3-1.ヒップリフト
まずは基本形のヒップリフトをご紹介しましょう。
あおむけに寝て、膝を直角に立てつつ、足裏を床につけます。
お尻を持ち上げ、肩からおなか、膝までが一直線になる位置でキープします。
ゆっくりお尻を下げて元の位置に戻ります。
これを20回3セットを目安に行いましょう。
慣れるまでは手をついて体を支えても構いません。
3-2.ワンレッグ・ヒップリフト
ワンレッグ・ヒップリフトは片足を上げた状態で行うヒップリフトの応用トレーニングです。
まずはヒップリフトと同様あおむけに寝転び、片方の足裏を床につけ、膝を直角に立てます。
反対側の脚は伸ばしておいてください。
お尻を持ち上げ、肩からおなか、膝までが一直線になる位置で静止します。
お尻が床につくギリギリのところまで下げます。
10回を1セットとし、左右3〜5セットずつ行いましょう。
この方法だと脚を持ち上げていない方のお尻により強い負荷をかけられます。
また、大臀筋下部が鍛えられるため、裏ももとお尻の境目をきれいに見せることができるようになりますよ。
3-3.ダンベル・ヒップリフト
ダンベル・ヒップリフトは、その名のとおりダンベルを使った応用トレーニングです。
あおむけに寝転んで膝を直角に立て、足裏を床につけた後、おなかの上にダンベルを乗せます。
このとき、ダンベルが落ちないように両手を添えて固定するのがポイントです。
お尻を持ち上げ、肩からおなか、膝までが一直線になる位置で止めます。
ゆっくり元の位置に戻ります。
やり方はヒップリフトとほぼ同じで、違うのはおなかの上にダンベルを乗せる点だけです。
ヒップリフトとの違いを感じられないのではないかと思う方もいるかもしれませんが、軽い重量でも十分に負荷を強めることができます。
ヒップリフトの負荷を手軽に強めたいという方は、まずこちらを試してみるのも良いでしょう。
3-4.レジスタンスバンド・ヒップリフト
レジスタンスバンド・ヒップリフトは、筋トレで使われるゴム製のバンドである「レジスタンスバンド」を使った応用トレーニングです。
あおむけに寝転んで膝を直角に立て、膝の上当たりにレジスタンスバンドを通します。
お尻を持ち上げ、肩からおなか、膝までが一直線になる位置で止めます。
ゆっくりと元の位置に戻ります。
このとき、レジスタンスバンドを常にピンと張っておくことがポイントです。
膝を内側に寄せようとするレジスタンスバンドの張力に反発するかたちで膝を外側に開くことで、強度が上がります。
4.ヒップリフトを効果的に行うためのポイント
いくつかのポイントを押さえることで、ヒップリフトはより効果的になります。
この章ではそんなポイントを四つご紹介したいと思います。
ポイント1 上半身はリラックスする
ヒップリフトで一番負荷をかけたいのは大臀筋を中心とした下半身の筋肉です。
下半身にしっかり意識を集中させるためにも、上半身はできるだけリラックスさせましょう。
特に肩に余計な力が入っていると可動域が制限され、トレーニングの効果が低下してしまいます。
どうしても力んでしまうという方はアロマを焚くなど、環境を変えてみるのも良いかもしれません。
ポイント2 反動を使わず、ゆっくり行う
ヒップリフトをする際には、反動を使わないようにしましょう。
ヒップリフトではお尻を上下させる際に反動を使うと、効果を得にくくなってしまいます。
それどころか思わぬところに負荷がかかり、けがの原因になってしまうことすらあるのです。
そのため一つひとつの動作をゆっくり丁寧に行い、筋肉に加わる刺激を意識しましょう。
勢いをつけて回数をこなすより、少ない回数でも反動を使わず、ゆっくり行った方が大きな効果が得られます。
ポイント3 呼吸を意識する
ヒップリフトを効果的に行うには呼吸を意識することも大切です。
呼吸を止めてしまうと筋トレの効果を得にくくなるだけでなく、酸欠やめまいなどの症状が出ることがあります。
特に疲れが顕著に出る後半は呼吸が止まってしまうことが多いので注意が必要です。
原則的に筋トレは負荷をかけるときに息を吐き、緩めるときに息を吸います。
ヒップリフトの場合はお尻を上げるときに息を吐いて、下ろすときに吸い込むと良いでしょう。
ポイント4 鍛える筋肉を意識する
鍛えたい筋肉を意識して行うと筋トレの効果はアップします。
鍛えたい筋肉を意識すると筋トレへの集中力が高まり、正しいフォームを取りやすくなります。
ヒップリフトをする際には大臀筋や脊柱起立筋に意識を集中させると、より効果を高めることができますよ。
5.ヒップリフトの効果とやり方のまとめ
ヒップリフトは主に大臀筋、ハムストリング、脊柱起立筋、腹横筋を鍛える筋トレです。
その効果としてはヒップアップ、太ももやおなかの引き締め、姿勢の改善、基礎代謝の向上などが挙げられます。
ヒップリフトには基本的なやり方に加えて、片脚で行ったりダンベルやレジスタンスバンドを使ったりする応用トレーニングがあります。
基本のやり方に慣れてきたら、より負荷の高い応用トレーニングを試してみると良いでしょう。
上半身をリラックスさせる、動きの反動を使わない、呼吸や鍛える筋肉を意識するといったポイントを押さえるとトレーニングの効果をより高めることができます。