「さばって体に良いのかな?」
「さばにはどんな栄養素が含まれているんだろう……」
さばはおなじみの魚の一つですが、どのような栄養素が含まれているのか詳しく知っている方は少ないかもしれませんね。
さばには私たちの体に必要なさまざまな栄養素が含まれています。
この記事では、さばに含まれる栄養素とそのはたらきについて詳しく解説します。
また、おいしいさばを選ぶポイントや保存方法についてもご紹介しているので、ぜひ参考にしてくださいね。
1.さばの基礎知識
「さばは日本で取れる魚なのかな?」
「さばのカロリーってどのくらいなんだろう?」
買い物をする際に、さばを手に取ってこのように考えることもあるかもしれませんね。
私たちが普段食べているさばは、日本で水揚げされるまさば、ごまさばと、海外から輸入されるたいせいようさば(ノルウェーさば)です。
まさばとごまさばではまさばの方が脂が多く、一般的に味が良いといわれています。
また、たいせいようさばはさらに脂がのっていることが特徴で、塩サバなどで販売され人気です。
一般的に、さばの旬は10月~5月です[1]。
さばは全国の沿岸で水揚げされていますが、まさばの主な産地は、青森県、千葉県、静岡県、和歌山県、佐賀県、鳥取県、長崎県などです。
一方ごまさばの産地としては主に、静岡県、和歌山県、高知県、長崎県、鹿児島県などが挙げられます。
健康を気遣う方にとって気になるカロリーですが、まさばが211kcal、ごまさばが131kcal、たいせいようさばが295kcalと種類によって開きがあります[2]。
脂の多いまさばやたいせいようさばは、カロリーが高めですね。
参考に他の魚のカロリーも見てみましょう。
【主な魚の可食部100g当たりのカロリー】
食品名 | 加工状態など | カロリー |
---|---|---|
かれい | まがれい/生 | 89kcal |
あじ | まあじ/生 | 112kcal |
いわし | うるめいわし/生 | 124kcal |
さけ | しろさけ/生 | 124kcal |
ぶり | 成魚/生 | 222kcal |
さんま | 皮付き/生 | 287kcal |
文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」をもとに執筆者作成
[1] 一般社団法人 日本さば文化協会 「さばを知る」
[2] 文部科学省 「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」
2.3種のさばに共通して含まれる栄養素
まさば、ごまさば、たいせいようさばには、たんぱく質、ビタミンD、ビタミンB群の他、体内でつくられない必須脂肪酸のDHAやEPAが豊富に含まれています。
【3種のさばに共通して含まれる栄養素とその含有量(100g当たり)】
栄養素 | まさば | ごまさば | たいせいようさば |
---|---|---|---|
たんぱく質 | 20.6g | 23.0g | 17.2g |
DHA | 970.0mg | 830.0mg | 2600.0mg |
EPA | 690.0mg | 230.0mg | 1800.0mg |
ビタミンD | 5.1μg | 4.3μg | 10.0μg |
ビタミンB2 | 0.31mg | 0.28mg | 0.35mg |
ナイアシン当量 | 16.0mg | 20.0mg | 10.0mg |
ビタミンB12 | 13.0μg | 13.0μg | 8.1μg |
文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」をもとに執筆者作成
[3] 東京都保険医療局「栄養成分表示ハンドブック」
2-1.たんぱく質
3種のさばには共通してたんぱく質が豊富に含まれています。
100g当たりのたんぱく質の含有量は、まさばが20.6g、ごまさばが23.0g、たいせいようさばが17.2gです[4]。
たんぱく質はエネルギー産生栄養素の一つです。
たんぱく質は、体を構成している筋肉・臓器・皮膚・毛髪などの材料として重要な成分です。
その他、ホルモンや酵素など体を調節するために必要な物質をつくる成分で、生きていく上で欠かせない栄養素です。
肉や魚、卵、豆などには食品成分として存在します。
食事からの摂取不足などが原因でたんぱく質の欠乏症に至ると、成長障害、免疫機能の低下などを起こすことがあります。
たんぱく質の1日当たりの摂取推奨量は、男性の場合18~64歳で65g、65歳以上で60gです[5]。
女性の場合18歳以上で50gです[5]。
たんぱく質についてさらに詳しく知りたいという方は以下の記事をご覧ください。
たんぱく質を多く含む食べ物は?摂取量の目安やおすすめの食材を解説
[4] 文部科学省 「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」
[5] 厚生労働省 「日本人の食事摂取基準(2020年版)」
2-2.DHA・EPA
3種のさばにはそれぞれDHA・EPAが豊富に含まれています。
DHA(ドコサヘキサエン酸)・EPA(エイコサペンタエン酸)は共に不飽和脂肪酸で、体内で合成することができない必須脂肪酸です。
100g当たりのEPAの含有量は、まさばが690.0mg、ごまさばが230.0mg、たいせいようさばが1,800.0mgです[7]。
EPAは中性脂肪が要因となる生活習慣病の改善を目的とした健康食品にも使われる成分のため、聞き覚えのある方も多くいらっしゃるかもしれませんね。
EPAは主に、「アレルギー」や「高血圧」「動脈硬化」などの予防や改善に効果が期待できるとされています。
血液をサラサラにし、動脈硬化などの原因となる血栓(血管にできる血のかたまり)がつくられるのを防ぐともいわれています。
EPAが不足すると、中性脂肪や悪玉コレステロールが増加することがあります。
血液や血管の健康維持への関わりも深いため、不足しないように注意したい栄養素の一つです。
一方、100g当たりのDHAの含有量は、まさばが970mg、ごまさばが830mg、たいせいようさばが2,600mgです[7]。
一方DHAは、アレルギーや高血圧、動脈硬化などの予防や改善の他、脂肪燃焼を促進する効果も期待されています。
また、脳の神経細胞の情報伝達をスムーズにするはたらきにより、記憶力や言語能力などの認知機能や行動能力を向上させるともいわれています。
DHAが不足すると脳細胞のはたらきに影響し、記憶力や学習能力が低下する恐れがあります。
また、胎児や乳児期の欠乏は脳の発育に悪影響を及ぼすことがあるといわれます。
DHAはEPA同様、血圧を下げる薬との併用により血圧を下げ過ぎてしまう恐れがあります。
また、EPAを含む魚油や血液凝固を抑えるはたらきのある健康食品と一緒に摂ると、出血が止まりにくくなる可能性があります。
[6] 厚生労働省 「日本人の食事摂取基準(2020年版)」
[7] 文部科学省 「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」
2-3.ビタミンD
3種のさばにはいずれもビタミンDが豊富に含まれています。
100g当たりのビタミンDの含有量は、まさばが5.1μg、ごまさばが4.3μg、たいせいようさばが10.0μgです[8]。
ビタミンDは水には溶けない脂溶性ビタミンの一種で、食品からの摂取と体内での合成により供給されています。
主にカルシウムやリンなどのミネラルや骨の代謝に関わる栄養素です。
ビタミンDの不足は、骨強度の低下による骨折などを引き起こす骨軟化症やくる病の原因になるといわれます。
ビタミンDの1日当たりの摂取目安量は、男女共に18歳以上で8.5μgです[9]。
ビタミンDについてさらに詳しく知りたい方は以下の記事をご覧ください。
ビタミンDはどんな食べ物に含まれる?1日の摂取基準やはたらきは?
[8] 文部科学省 「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」
[9] 厚生労働省 「日本人の食事摂取基準(2020年版)」
2-4.ビタミンB2
3種のさば全てに共通してビタミンB2が含まれています。
100g当たりのビタミンB2の含有量は、まさばが0.31mg、ごまさばが0.28mg、たいせいようさばが0.35mgです[10]。
ビタミンB2は水溶性ビタミンで、ビタミンB群の一種です。
ビタミンB2は体内でエネルギー代謝が行われる際に補酵素としてはたらきます。
成長促進、皮膚や粘膜の保護にも関わる栄養素です。
そのため、ビタミンB2が不足すると成長障害や皮膚炎、口内炎などの症状が現れることがあります。
ビタミンB2の1日当たりの摂取推奨量は、男性は18~49歳で1.6mg、50~74歳で1.5mg、75歳以上で1.3mgです[11]。
女性は18~74歳で1.2mg、75歳以上で1.0mgです[11]。
ビタミンB2についてさらに詳しく知りたいという方は以下の記事をご覧ください。
ビタミンB2が手軽に摂れる食べ物は何?効果や食事摂取基準も紹介
[10] 文部科学省 「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」
[11] 厚生労働省 「日本人の食事摂取基準(2020年版)」
2-5.ナイアシン
3種のさばのいずれにもナイアシンが豊富に含まれています。
100g当たりの含有量はナイアシン当量で、まさばが16.0mg、ごまさばが20.0mg、たいせいようさばが10.0mgです[12]。
ナイアシンはビタミンB群の一種で、皮膚や粘膜の健康に関わっています。
また、脂肪の一種である脂肪酸の合成やステロイドホルモンの合成を助ける役割を担っています。
ナイアシンの1日当たりの摂取推奨量は、男性の場合18~49歳で15mgNE、50~74歳で14mgNE、75歳以上は13mgNEです[13]。
女性の場合18~29歳で11mgNE、30~49歳で12mgNE、50~74歳で11mgNE、75歳以上で10mgNEです[13]。
[12] 文部科学省 「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」
[13] 厚生労働省 「日本人の食事摂取基準(2020年版)」
2-6.ビタミンB12
3種のさばそれぞれにビタミンB12が豊富に含まれています。
100g当たりのビタミンB12 含有量は、まさばが13.0μg、ごまさばが13.0μg、たいせいようさばが8.1μgです[14]。
ビタミンB12はビタミンB群の一種で、悪性貧血の発症を抑えるはたらきがあります。
微生物のみが合成するビタミンで、植物性の食品中にはほとんど見られません。
ビタミンB12は主に、糖質およびたんぱく質を構成する「アミノ酸」や脂質の補酵素としてはたらきます。
不足すると、悪性貧血や神経障害が起こることがあります。
ビタミンB12の1日当たりの摂取目安量は、男女共に18歳以上で2.4μgです[15]。
ビタミンB12についてさらに詳しく知りたいという方は以下の記事をご覧ください。
ビタミンB12を含む食べ物は?過不足の影響と食事摂取基準も解説
[14] 文部科学省 「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」
[15] 厚生労働省 「日本人の食事摂取基準(2020年版)」
3.各種のさばに含まれる栄養素
すべてに共通していなくても、さばの種類によって「豊富である」あるいは「含まれている」ビタミンやミネラルがあります。
【各種のさばに含まれる栄養素とその含有量(100g当たり)】
栄養素 | まさば | ごまさば | たいせいようさば |
---|---|---|---|
ビタミンE | 1.3mg | 1.2mg | 0.7mg |
ビタミンB1 | 0.21mg | 0.17mg | 0.14mg |
パントテン酸 | 0.66mg | 0.72mg | 0.72mg |
カリウム | 330mg | 420mg | 320mg |
鉄 | 1.2mg | 1.6mg | 0.9mg |
文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」をもとに執筆者作成
それぞれの栄養素について見ていきましょう。
3-1.ビタミンE(まさば・ごまさば)
まさばとごまさばにはビタミンEが含まれています。
100g当たりのビタミンEの含有量は、まさばが1.3mg、ごまさばが1.2mgです[16]。
ビタミンEは脂溶性ビタミンの一種で、細胞膜や脂質に豊富に存在し活性酸素のはたらきを抑える抗酸化ビタミンとして知られています。
本来、酵素によって活性酸素のはたらきは抑えられますが、年齢とともに酵素の量は減少します。
抗酸化ビタミンは酵素が処理できない活性酸素を抑える物質として、その効果が期待されています。
ビタミンEの1日当たりの摂取目安量は、男性の場合18~49歳で6.0mg、50~74歳で7.0mg、75歳以上で6.5mgです[17]。
女性の場合18~29歳で5.0mg、30~49歳で5.5mg、50~64歳で6.0mg、65歳以上で6.5mgです[17]。
ビタミンEについてさらに詳しく知りたい方は以下の記事をご覧ください。
ビタミンEが多く含まれる食べ物は?効果や摂取基準も詳しく解説
[16] 文部科学省 「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」
[17] 厚生労働省 「日本人の食事摂取基準(2020年版)」
3-2.ビタミンB1(まさば)
まさばにはビタミンB1が含まれています。
まさば100g当たりのビタミンB1の含有量は0.21mgです[18]。
ビタミンB1はビタミンB群の一種で、体内では糖質やアミノ酸を代謝する際の補酵素としてはたらきます。
食事からの長期にわたる供給の不足や、糖質の多い食品やアルコールの多量摂取による需要の増加があると、ビタミンB1が不足する場合があります。
ビタミンが不足すると、糖質を主なエネルギー源として利用する脳や神経のはたらきに影響を及ぼすことがあるので注意が必要です。
ビタミンB1の1日当たりの摂取推奨量は、男性の場合18~49歳で1.4mg、50~74歳で1.3mg、75歳以上で1.2mgです[19]。
女性の場合18~74歳で1.1mg、75歳以上で0.9mgです[19]。
ビタミンB1についてさらに詳しく知りたいという方は以下の記事をご覧ください。
ビタミンB1が豊富に含まれる食べ物は?効果や摂取基準も詳しく解説
[18] 文部科学省 「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」
[19] 厚生労働省 「日本人の食事摂取基準(2020年版)」
3-3.パントテン酸(ごまさば・たいせいようさば)
ごまさばとたいせいようさばにはパントテン酸が含まれています。
100g当たりのパントテン酸の含有量は、ごまさば・たいせいようさば共に0.72mgです[20]。
パントテン酸はビタミンB群の一種で、補酵素を構成する成分です。
エネルギーの産生や脂質の代謝に関わり、欠乏するとエネルギー代謝に異常や障害を来すとされています。
ただしパントテン酸は多くの食品に含まれているため、通常の食事をしている場合には不足の心配はほぼありません。
パントテン酸の1日当たりの摂取目安量は、男性の場合18~49歳で5mg、50歳以上で6mg、18歳以上の女性の場合5mgです[21]。
[20] 文部科学省 「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」
[21] 厚生労働省 「日本人の食事摂取基準(2020年版)」
3-4.カリウム(ごまさば)
ごまさばにはカリウムが含まれています。
ごまさば100g当たりのカリウムの含有量は420mgです[22]。
カリウムはミネラルの一種で、体内では多くが細胞内に存在しています。
カリウムにはナトリウムを体外へ排出するはたらきがあるため、過剰な塩分の摂取を調節するのに役立ちます。
また、細胞内液の浸透圧を一定に保ったり、筋肉の収縮や体液の酸性・アルカリ性のバランスを調整したりするはたらきがあります。
カリウムが不足すると、脱力感や食欲不振、精神障害、不整脈などの症状が現れることがあります。
一方、カリウムは摂取量が多くても体内で調整されるので、過剰になることは稀(まれ)です。
ただし腎機能が低下している場合、本来一定のはずの血液中のカリウム濃度が高くなり不整脈の原因となり得るため、摂取量には注意が必要です。
カリウムの1日当たりの摂取目標量は、18歳以上の男性で3,000mg以上、女性で2,600mg以上です[24]。
カリウムについてさらに詳しく知りたいという方は以下の記事をご覧ください。
カリウムとは?はたらきや摂取すべき量、摂取源となる食品を紹介
[22] 文部科学省 「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」
[23] 国立研究開発法人国立循環器病研究センター 「栄養に関する基礎知識」
[24] 厚生労働省 「日本人の食事摂取基準(2020年版)」
3-5.鉄(まさば・ごまさば)
まさばとごまさばには鉄が含まれています。
100g当たりの鉄の含有量は、まさばが1.2mg、ごまさばが1.6mgです[25]。
鉄はミネラルの一つで、多くは赤血球中のヘモグロビンや筋肉中のミオグロビンに存在する他、肝臓や筋肉中に貯蔵鉄として蓄えられています。
体内では酸素の運搬や酵素の構成、鉄の輸送など重要な役割を担う栄養素です。
とくに乳幼児や月経のある女性、鉄の需要が高まる妊婦や授乳婦においては鉄の不足が多く見られ、なかでも「鉄欠乏性貧血」は代表的な欠乏症として知られています。
鉄欠乏性貧血が重度になると、頭痛やめまい、動悸(どうき)、息切れなどの症状を引き起こします。
このような兆候は欠乏がかなり進んでから現れるため、日頃から鉄が不足しないように注意したいですね。
鉄の1日当たりの摂取推奨量は、男性は18~74歳で7.5mg、75歳以上で7.0mgです[26]。
女性は月経がある場合18~49歳で10.5mg、50~64歳で11.0mg、月経がない場合18~64歳で6.5mg、65歳以上で6.0mgです[26]。
鉄についてさらに詳しく知りたいという方は以下の記事をご覧ください。
鉄分が多く含まれる食べ物と効果的な摂り方は?貧血気味の方必見!
[25] 文部科学省 「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」
[26] 厚生労働省 「日本人の食事摂取基準(2020年版)」
4.さばを食べる際の注意点
さばにはアニサキスの幼虫が寄生している場合があるため注意が必要です。
アニサキスは線虫の一種で、幼虫は長さ2~3cm、幅は0.5~1mmほどの大きさです。
さばの他、あじ、さんま、かつお、いわし、さけ、いかなどに寄生することがあります[27]。
魚が生きている間は内臓に存在しますが、死んで時間が経つと筋肉へと移動します。
アニサキスが寄生している魚を生や火の通りが不十分な状態で食べると、胃壁や腸壁にアニサキスが入り込み、アニサキス症をいう食中毒を起こします。
主な症状は、胃や腸の激しい痛み、悪心、嘔吐(おうと)などです。
アニサキス症は十分に加熱や冷凍することで防ぐことができます。
鮮度の良いものを選び、丸ごとの魚の場合は早めに内臓を取り除くこと、内臓を生食しないこともアニサキス症を予防する大事なポイントです。
目視でも確認し、発見したら除去してください。
養殖の魚にはアニサキスはほぼ存在しないとされていますが、念のために確認しましょう。
[27] 厚生労働省 「アニサキスによる食中毒を予防しましょう」
5.さばをおいしく食べるためのポイント
「おいしいさばの選び方ってあるのかな?」
この章では、よりおいしくさばを食べるために知っていきたいポイントについてご紹介します。
ポイント1 目が大きく太ったものを選ぶ
さばは鮮度の落ちやすい魚といわれるため、選ぶ際にはできるだけ新鮮なものを選びたいですね。
さばの鮮度の良さを見分けるポイントは目です。
目が真っ黒で大きなものは鮮度が良いとされています。
また、一般的に体にハリがあり尾の先までしっかり太いさばは脂がのっているといわれています。
まれに、おなかに金の筋が入ったものがありますがこれもおいしさの印といわれます。
さばを選ぶ際には、ぜひ参考にしてみてくださいね。
ポイント2 下処理してから冷凍保存する
さばは鮮度の良いものを購入し、すぐに食べない場合はできるだけ速やかに冷凍すると良いでしょう。
生のさばの場合、パックから取り出して両面に塩を振り、水分が浮いてくるまで冷蔵庫の中に少し置きます。
この水分は生臭さの元なので、ペーパータオルでしっかり拭き取りましょう。
塩さばの場合は加工の段階で余分な水分が抜けているので、この作業は省略します。
空気が入らないように一切れずつラップでピッタリ包み、冷凍用の保存袋に入れます。
アルミやステンレスのバットなどの上に置き急速冷凍すると、しばらく保存がききます。
パックのままでの保存は、酸化や乾燥の原因になるので気を付けてくださいね。
調理の際は凍ったまま使うことができますが、切って使う場合には半解凍にしてから切ると良いですよ。
6.さばに含まれる栄養素についてのまとめ
日本で食べられているサバは、主に日本産のまさば、ごまさばと、海外から輸入されるたいせいようさば(ノルウェーさば)です。
まさばもごまさばも旬は10月~5月で、全国各地で水揚げされます[28]。
カロリーは、まさばが211kcal、ごまさばが131kcal、たいせいようさばが295kcalと種類によって異なり、脂の多いまさばやたいせいようさばは、他の魚と比べてもカロリーが高めです[29]。
まさば、ごまさば、たいせいようさばには共通して、たんぱく質、ビタミンD、ビタミンB群の他、必須脂肪酸のDHAやEPAが豊富に含まれています。
また、さばの種類によって、ビタミンE、ビタミンB1、パントテン酸、カリウム、鉄は「豊富である」あるいは「含まれている」栄養素です。
さばを食べる際にはアニサキスによる食中毒に注意しましょう。
アニサキス症は、新鮮なものを選び十分に加熱や冷凍をすることで防ぐことができます。
鮮度の良いおいしいさばは、目が真っ黒で大きく全体的に太っていてハリがあるのが特徴です。
サバは鮮度が落ちやすい魚ですが、新鮮なものを適切な下処理をして冷凍することでしばらく保存することができます。
体に必要な栄養素が多く含まれるさばを、ぜひ日々の食生活に取り入れてみてくださいね。
[28] 一般社団法人 日本さば文化協会 「さばを知る」
[29] 文部科学省 「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」