茄子に豊富な栄養素とは?カロリーや特徴、選び方や保存方法を紹介

2023年11月27日

2024年11月11日

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「茄子にはどんな栄養素が含まれているのかな……。」

茄子(なす)は昔から親しまれている食材の一つですが、その栄養素については詳しく知らないという方も多いのではないでしょうか。

茄子は味にくせがないことや、果肉に細かい隙間があるため油やだし、調味料などを十分に含むことでおいしいく調理しやすい食材です。

また煮る、焼く、揚げる、蒸すなど、どんな調理法にも相性の良い食材ともいえます。

さらに茄子にはビタミンやミネラルなどの栄養素や、ナスニンと呼ばれる茄子に特徴的な成分も含まれています

ナスニンとはポリフェノールの一種であるアントシアニンと呼ばれる成分で、茄子の皮を鮮やかな紫色にしているものです。

この記事ではナスニンに期待される効果をはじめ、茄子に豊富に含まれる栄養素や茄子をおいしく食べるコツなどをご紹介します

茄子に含まれる栄養素を知り、日々の食事に茄子をうまく取り入れてくださいね。

1.茄子の基礎知識

なすのへた部分アップ画像

「茄子にはどんな品種があるのかな?」

「茄子はどこでたくさん採れているのかな?」

茄子の品種をはじめ、産地や旬の時期などはよく知らないという方も多いでしょう。

一般的に流通している茄子は、果肉が柔らかく栽培が容易とされている「長卵形なす」です。

その他、「米なす」「丸なす」「小なす」「大長なす」などがあります。

米なすは他の品種と異なりへたが緑色をしているのが特徴で、果肉が密で煮崩れしないので詰め物をして煮たり、焼き物にしたりするのがおすすめです。

京都の賀茂なすに代表される丸なすは丸い形が特徴で、果肉が柔らかいため田楽や煮物に利用しやすい品種です。

一口なすとも呼ばれる果実が小さいサイズの茄子は、丸形で皮が柔らかく種が少ない品種で、からし漬けに利用されることが多いとされています。

大長なすは細長い形が特徴で、九州地方で多く栽培されている品種です。

果皮が硬く果肉が柔らかいため焼き物や煮物に使いやすい品種とされています。

また茄子は夏の代表的な野菜とされていましたが、現在はハウス栽培されているので年間を通して食べることができます。

ただ 出荷量は夏から秋にかけてが他の時期よりも多く、この時期に太陽の光をたくさん浴びて育った茄子は色つやが良く、味わいも濃厚といわれています。

主な産地は時期により異なり、夏秋は茨城県や群馬県、栃木県で、冬春は高知県や熊本県、福岡県などから多く出荷されています。

2.茄子に含まれる栄養素・成分

茄子にはビタミンやミネラルなどの栄養素や、ナスニンと呼ばれる成分が含まれています。

メモ
含まれる栄養素について「豊富に含む」といった表示を行う場合には、食品100gまたは100kcal当たりに含まれる栄養素の量を基準としています。そのため、茄子だけで栄養素を十分に摂れるとは限りません[1]。この記事では茄子100kcal当たりの栄養素を基準としており、茄子100kcalを重量に換算すると約558gとなります[2]。

茄子の100g当たりのカロリーは18kcalです[2]。

茄子100g当たり93gが水分ですが、栄養がないわけではなく下記の栄養素が豊富に含まれています[2]。

【茄子に含まれる主な栄養素とその含有量(100g当たり)】

栄養素 含有量
ビタミンE 0.3mg
ビタミンK 10μg
ビタミンB1 0.05mg
ビタミンB2 0.05mg
ビタミンB6 0.05mg
ビタミンC 4mg
ナイアシン(ナイアシン当量) 0.7mg
パントテン酸 0.33mg
ビオチン 2.3μg
カリウム 220mg
カルシウム 18mg
マグネシウム 17mg
0.3mg
0.06mg

文部科学省「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」をもとに執筆者作成

年齢によって各栄養素の摂取基準が異なるため17歳以下の方、妊娠・授乳中の方は必要量が増える栄養素もあるため以下で厚生労働省が定める日本人の食事摂取基準をご確認ください。

17歳以下の方

妊娠・授乳中の方

[1] 東京都福祉局「栄養成分表示ハンドブック」

[2] 文部科学省「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」

2-1.ビタミンE

茄子にはビタミンEが豊富に含まれています

茄子100g当たりのビタミンEの含有量は0.3mgです[3]。

ビタミンEは油に溶けやすい性質を持つ脂溶性ビタミンの一種です。

ビタミンEは抗酸化作用が期待できる栄養素で、細胞膜を構成する脂質などの酸化を防ぎ細胞の健康維持を助ける役割を担っています。

抗酸化作用とは
「活性酸素」のはたらきを抑える作用のことです。活性酸素は呼吸によって取り込まれた酸素が通常より活性化されたもので、免疫機能や細胞伝達物質としてはたらきますが、増え過ぎると細胞を傷つけ、老化や免疫機能の低下、生活習慣病などの原因となります。

ビタミンEの1日当たりの摂取目安量は、男性の18~49歳が6.0mg、50~74歳が7.0mg、75歳以上が6.5mgに設定されています[4]。

女性の場合は18~29歳が5.0mg、30~49歳が5.5mg、50~64歳が6.0mg、65歳以上が6.5mgです[4]。

メモ
十分な根拠が得られず推定平均必要量と推奨量が設定できない場合に「目安量」を設定しています。目安量以上を摂取することで一定の栄養状態を維持することができ、不足の心配はほとんどありません。

抗酸化作用が期待できるビタミンEを十分に摂るために、茄子を食卓に取り入れるのも良いですね。

ビタミンEについては以下の記事で解説しています。

ビタミンEが多く含まれる食べ物は?効果や摂取基準も詳しく解説

[3] 文部科学省「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」

[4] 厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」

2-2.ビタミンK

茄子にはビタミンKが豊富に含まれています

茄子100g当たりのビタミンK含有量は10μgです[5]。

ビタミンKは血液凝固のはたらきに関わっており、不足した場合には血液凝固に時間がかかり出血が止まりにくくなります。

また骨の形成にも関わっており、丈夫な骨づくりのためにも欠かせない栄養素です。

ビタミンKの1日当たりの摂取目安量は18歳以上の男女共に150μgです[6]。

ビタミンKについては以下の記事で解説しています。

ビタミンKにはどんな効果がある?摂取目安量とおすすめの食材を紹介

[5] 文部科学省「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」

[6] 厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」

2-3.ビタミンB1

茄子にはビタミンB1が豊富に含まれています。

茄子100g当たりのビタミンB1含有量は0.05mgです[7]。

ビタミンB1は水溶性ビタミンの一種で、糖質をエネルギーに変換するのに必要な栄養素です。

糖質を多く摂る方や活動量が多い方はエネルギーの産生が盛んに行われるため、不足しないように十分にビタミンB1を摂取しましょう。

ビタミンB1が不足すると十分にエネルギーを確保できなくなり糖質をエネルギー源とする脳にも影響を与え、脳や神経に障害を来すこともあります。

ビタミンB1の1日当たりの摂取推奨量は男性の18~49歳が1.4mg、50~74歳が1.3mg、75歳以上が1.2mgに設定されています[8]。

女性の摂取推奨量は18~74歳が1.1mg、75歳以上が0.9gに設定されています[8]。

エネルギーを十分に産生するためにも、ビタミンB1を豊富に含んだ茄子を食べるのも良いですね。

ビタミンB1については以下の記事で解説しています。

ビタミンB1が豊富に含まれる食べ物は?効果や摂取基準も詳しく解説

[7] 文部科学省「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」

[8] 厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」

2-4.ビタミンB2

茄子にはビタミンB2が豊富に含まれています。

茄子100g当たりのビタミンB2含有量は0.05mgです[9]。

ビタミンB2は水溶性のビタミンの一種で、補酵素としてエネルギーの代謝に関わっています。

代謝とは
食べ物や薬などを体内で分解したり、他のものへと合成したりするはたらきのことをいいます。
酵素とは
食べ物を消化や吸収、代謝する際に起こる化学反応のために必須のたんぱく質です。たんぱく質を分解する酵素はでんぷんや脂質を分解できないなど、酵素はそれぞれ特定の反応のみに関わります。

またビタミンB2には皮膚や粘膜を保護するはたらきもあり、不足すると皮膚炎や口内炎になる場合があります。

ビタミンB2の1日当たりの摂取推奨量は、男性の18~49歳が1.6mg、50~74歳が1.5mg、75歳以上が1.3mgです[10]。

女性は18~74歳が1.2mg、75歳以上が1.0mgに設定されています[10]。

ビタミンB2についてさらに詳しく知りたいという方は以下の記事をご覧ください。

ビタミンB2が手軽に摂れる食べ物は何?効果や食事摂取基準も紹介

[9] 文部科学省「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」

[10] 厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」

2-5.ビタミンB6

茄子にはビタミンB6が豊富に含まれています。

茄子100g当たりのビタミンB6の含有量は0.05mgです[11]。

ビタミンB6は、たんぱくを構成するアミノ酸の代謝を助ける補酵素として欠かせない栄養素です。

皮膚や粘膜の健康を維持するはたらきもあるため、不足すると皮膚炎などを起こします。

ビタミンB6の1日当たりの摂取推奨量は、18歳以上の男性が1.4mg、女性が1.1mgに設定されています[12]。

ビタミンB6についてさらに詳しく知りたいという方は以下の記事をご覧ください。

ビタミンB6を豊富に含む食べ物は?効果や食事摂取基準も解説

[11] 文部科学省「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」

[12] 厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」

2-6.ビタミンC

茄子にはビタミンCが豊富に含まれています。

茄子100g当たりのビタミンC含有量は4mgです[13]。

ビタミンCは、皮膚や軟骨などを構成するたんぱく質であるコラーゲンを合成するのに必要な栄養素です。

不足するとコラーゲンが合成できず血管がもろくなり、出血しやすくなります。

また抗酸化物質としてのはたらきや消化管では鉄の吸収を高めるはたらきがあります。

抗酸化物質とは
ヒトに有害な影響を及ぼす活性酸素の作用を抑制する物質のことです。活性酸素は微量であれば体に有用なはたらきをしますが、大量に発生すると細胞を傷つけて老化やがんの発症リスクを高めるほか、免疫機能の低下を引き起こす恐れがあります。

ビタミンCは、野菜や果物の摂取が少ない方や食生活が極端に偏っている方などで不足しやすく、喫煙者は非喫煙者よりも多くのビタミンCの摂取が必要です。

ビタミンCの1日当たりの摂取推奨量は、男女共に18歳以上で100mgです[14] 。

ビタミンCについてさらに詳しく知りたいという方は以下の記事をご覧ください。

ビタミンCの美容・健康効果は?目標摂取量と豊富に含まれている食品

[13] 文部科学省「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」

[14] 厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」

2-7.ナイアシン

茄子にはナイアシンが豊富に含まれています。

茄子100g当たりのナイアシン含有量はナイアシン当量で0.7mgです[15]。

メモ
ナイアシンは食事以外にも、必須アミノ酸の一種であるトリプトファンから合成することができます。そのため食事摂取基準においては、ナイアシンに体内でトリプトファンから合成されるナイアシン量を加えたナイアシン当量(NE)で設定されています。

ナイアシンは水溶性のビタミンで、皮膚や粘膜の健康維持に効果が期待できます。

日本ではまれですがナイアシンが不足すると皮膚炎や下痢、精神神経障害を主症状としたペラグラを発症する場合があります。

ナイアシンの1日当たりの摂取推奨量は、男性の18~49歳が15mgNE、50~74歳が14mgNE、75歳以上が13mgNEに設定されています[16]。

女性の18~29歳が11mgNE、30~49歳が12mgNE、50~74歳が11mgNE、75歳以上が10mgNEに設定されています[16]。

[15] 文部科学省「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」

[16] 厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」

2-8.パントテン酸

茄子にはパントテン酸が豊富に含まれています。

茄子100g当たりのパントテン酸の含有量は0.33mgです[17]。

パントテン酸は水溶性のビタミンで、補酵素として生体内で重要なはたらきを担っています。

体の中で起こるさまざまな酵素反応に関わっており、なかでも脂質の代謝に大きく関わっています。

パントテン酸の1日当たりの摂取目安量は、男性の18~49歳が5mg、50歳以上が6mgです[18]。

女性は18歳以上が5mgです[18]。

パントテン酸は至るところに存在する酸という意味を持ちさまざまな食品に含まれていることから、通常の食事をしている場合は不足の心配はありません。

ただしカフェインを含む飲み物やアルコールを多く飲む方はパントテン酸の消費量も多くなるため、意識して摂取すると良いでしょう。

[17] 文部科学省「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」

[18] 厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」

2-9.ビオチン

茄子にはビオチンが豊富に含まれています。

茄子100g当たりのビオチンの含有量は2.3μgです[19]。

ビオチンは水溶性のビタミンで、皮膚や粘膜、髪などの健康維持を助ける栄養素といわれています。

また補酵素として糖質やエネルギー代謝などに関わっています。

ビオチンの1日当たりの摂取目安量は、男女共に18歳以上で50μgです[20]。

ビオチンについてさらに詳しく知りたいという方は以下の記事をご覧ください。

ビオチンとは?はたらきや摂取の目安量、摂取源となる食品を解説

[19] 文部科学省「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」

[20] 厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」

2-11.カリウム

茄子にはカリウムが豊富に含まれています。

茄子100g当たりのカリウムの含有量は220mgです[21]。

カリウムはミネラルの一種で、そのほとんどが細胞内に存在します。

ミネラルとは
ヒトの体を構成している主な元素である酸素、炭素、水素、窒素以外の成分のことです。代表的なミネラルとしてはカルシウム、カリウム、リンなどが挙げられます。

カリウムにはナトリウムを排出するはたらきがあるため、塩分の過剰摂取を調整するのに役立ちます。

ナトリウムとは
ヒトに欠かせないミネラルの一種で、主に食塩(塩化ナトリウム)の形で摂取されます。日本人のナトリウム摂取量は世界的にも多いとされています。ナトリウムの過剰な摂取は高血圧をはじめ胃がん、食道がんなどの発症のリスクを高めるといわれています。

また神経の伝達や筋肉の収縮に関わったり、体液の酸性・アルカリ性のバランスを維持したりとさまざまな役割を担っています。

カリウムの1日当たりの摂取目標量は、18歳以上の男性が3,000mg以上、女性が2,600mg以上です[22]。

カリウムは体のいろいろなはたらきに関わっているため、茄子を活用して積極的に摂りましょう。

カリウムについてさらに詳しく知りたいという方は以下の記事をご覧ください。

カリウムとは?はたらきや摂取すべき量、摂取源となる食品を紹介

[21] 文部科学省「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」

[22] 厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」

2-11.カルシウム

茄子にはカルシウムが豊富に含まれています。

茄子100g当たりのカルシウムの含有量は18mgです[23]。

ヒトの体に最も含まれているミネラルで、骨や歯を構成しています。

そのためカルシウムが不足すると骨がもろくなり「骨粗しょう症」の原因にもなります。

骨粗しょう症とは
骨がもろくなり骨折しやすい状態のことです。骨を形成するカルシウムやマグネシウムの不足、カルシウムの吸収に必要なビタミンD不足などによって起こります。また閉経や加齢、運動不足も骨粗しょう症の要因です。

カルシウムの1日当たりの摂取推奨量は、男性の18~29歳が800mg、30~74歳が750mg、75歳以上が700mgです[24]。

女性は18~74歳が650mg、75歳以上が600mgです[24]。

カルシウムについてさらに詳しく知りたいという方は以下の記事をご覧ください。

カルシウムを多く含む食品と効果的な摂り方は?骨の健康を守ろう!

[23] 文部科学省「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」

[24] 厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」

2-12.マグネシウム

茄子にはマグネシウムが豊富に含まれています。

茄子100g当たりのマグネシウムの含有量は17mgです[25]。

マグネシウムはヒトの体に欠かせないミネラルの一種で、カルシウムと共に骨を形成したり代謝を助けたりするはたらきがあります。

またマグネシウムは筋肉の収縮や神経情報の伝達、体温・血圧の調整などにも関わっています。

マグネシウムの1日当たりの摂取推奨量は、男性の18~29歳が340mg、30~64歳が370mg、65~74歳が350mg、75歳以上が320mgです[26]。

女性は18~29歳が270mg、30~64歳が290mg、65~74歳が280mg、75歳以上が260mgです[26]。

マグネシウムについてさらに詳しく知りたいという方は以下の記事をご覧ください。

マグネシウムとは?はたらきや食事摂取基準、摂取源となる食品を解説

[25] 文部科学省「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」

[26] 厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」

2-13.鉄

茄子には鉄が豊富に含まれています。

茄子100g当たりの鉄の含有量は0.3mgです[27]。

鉄はヒトの体に必要なミネラルの一種で、赤血球のヘモグロビンに多く存在しています。

鉄が不足した場合、赤血球のヘモグロビンが減少するため酸素の供給が不足した「鉄欠乏性貧血」になります

ヘモグロビンとは
赤血球中に存在している物質で、酸素と結び付きやすい性質があります。全身に酸素を運ぶ役割を担っている他、体内の二酸化炭素を取り込んで肺に運ぶ役割も担っています。

鉄欠乏性貧血の主な症状として、頭痛や目まい、動悸(どうき)、息切れなどが挙げられます。

ただし鉄欠乏が進行し重度にならないと症状が現れないため、注意が必要です。

鉄の1日当たりの摂取推奨量は、男性の18~74歳が7.5mg、75歳以上が7.0mgに設定されています[28]。

月経がある女性の場合、18~49歳が10.5mg、50~64歳が11.0mg、月経がない女性の場合、18~64歳が6.5mg、65歳以上が6.0mgです[28]。

特に月経のある女性や妊産婦では鉄不足が懸念されますので、十分摂取しましょう。

年齢によって各栄養素の摂取基準が異なるため17歳以下の方、妊娠・授乳中の方は必要量が増える栄養素もあるため以下で厚生労働省が定める日本人の食事摂取基準をご確認ください。

17歳以下の方

妊娠・授乳中の方

[27] 文部科学省「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」

[28] 厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」

2-14.銅

茄子には銅が豊富に含まれています。

茄子100g当たりの銅の含有量は0.06mgです[29]。

銅は主に骨や骨格筋、血液に存在しているミネラルで、鉄と共に造血機能に関わっています。

通常の食生活を送っていれば不足の心配はないとされています。

銅の1日当たりの摂取推奨量は、男性の18~74歳が0.9mg、75歳以上が0.8mgです[30]。

女性は18歳以上が0.7mgです[30]。

[29] 文部科学省「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」

[30] 厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」

2-15.ナスニン

茄子にはナスニンと呼ばれる成分が含まれています。

茄子の皮の鮮やかな紫色は色素であるナスニンによるものです。

ナスニンはアントシアニンの一種です。

メモ
アントシアニンはポリフェノールの一種で、アントシアニンは茄子の他にぶどうやブルーベリー、黒豆、赤ワインなどに多く含まれています。赤や紫、青などの天然色素で、食品に色付けする際に使われています。

ポリフェノールには抗酸化作用が期待できるといわれています。

メモ
ポリフェノールは植物に含まれる色素や苦味成分のことで、構造の違いにより多くの種類が存在しています。

抗酸化作用が期待できるポリフェノールを含む茄子は、積極的に食卓に取り入れたい食材の一つですね。

3.茄子をおいしいく食べるコツ

なすの煮浸し

「茄子をおいしく食べるにはどうしたら良いのかな?」

さまざまな料理に合う茄子は、選び方や保存方法に気を付けることでよりおいしく食べられますよ。

ここでは、おいしい茄子の選び方や適切な保存法、おすすめの調理法についても具体的に解説します。

3-1.茄子の選び方

なすのお漬物

「どんな茄子を選んだら良いのかな?」

茄子を選ぶ際には、皮の色が鮮やかで傷や変色がなく、つやとハリがあるものを選ぶのがポイントです。

つややハリがなく変色しているものは古い可能性があるため避けた方が良いでしょう。

また、へたやがくにも変色がないものを選ぶこともポイントです。

3-2.茄子の保存方法

ザルにのったみずみずしいなす

茄子は低温や乾燥に弱いため、涼しいところで常温保存し早めに使い切りましょう

暑い時期に数日間保存する場合は、新聞紙に包みポリ袋に入れて冷蔵庫の野菜室に入れると良いでしょう。

ただし、野菜室に長時間保存していると低温障害を起こす可能性があるため、早めに食べ切ることがおすすめです。

3-3.茄子を調理する際のポイント

なす料理

茄子は味にクセがなくさまざまな調味料と相性が良い食材です。

また果肉に隙間があるため調味料を含みやすいという特徴があります。

調理をする際は皮に切れ目を入れると、味が染み込みやすく見た目も良くなります

またナスニンを摂取するためには、皮はできるだけつけたまま調理するのがおすすめです。

皮がかたい場合は皮に切れ目を入れると良いでしょう。

その他、茄子を切った際に塩をふりかけておくと水分とあくが出る上、油の吸収を抑えることができますよ。

4.茄子の栄養素についてのまとめ

茄子の100g当たりのカロリーは18kcalで水分を多く含んでいますが、ビタミンやミネラルなどの栄養素も豊富に含まれています[31]。

また抗酸化作用が期待できるポリフェノールの一種であるナスニンも含まれています

茄子の皮の鮮やかな紫色はナスニンによるもので、抗酸化作用が期待できるといわれています。

ナスニンを摂取できるように、皮はできるだけつけたまま調理するのがおすすめです。

茄子は、皮の色が鮮やかで傷や変色がなくつやとハリがあるものを選ぶことがポイントです。

調理の際は、茄子の皮に切れ目を入れると味が染み込みやすく見た目も良くなりますよ。

また、茄子を切った際に塩をふりかけておくと水分とあくが出る上、油の吸収を抑えることができます。

バランスの良い食生活を送るために、茄子をうまく食卓に取り入れてくださいね。

[31] 文部科学省「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」

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