ダイエット中にたんぱく質を摂るべき理由とは?健康的に痩せるポイントを解説!

ダイエット中にたんぱく質を摂るべき理由とは?健康的に痩せるポイントを解説!

2022年08月25日

2024年04月18日

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「ダイエット中はたんぱく質を摂った方が良いっていうけど、どうして?」

「プロテインを飲んだ方が良いのかな?」

このように気になっている方もいらっしゃるのではないでしょうか。

たんぱく質は体に欠かせない栄養素でカロリー源となる「エネルギー産生栄養素」の一つです。

体の組織をつくる重要な役割を果たすという点においても重要な栄養素だといえます。

この記事ではダイエットにたんぱく質を摂るべき理由や健康的に痩せるポイントを解説します。

1.たんぱく質とは?

そもそもたんぱく質がどのようなものか、皆さんご存じでしょうか。

名前はよく聞くけれど、いわれてみればたんぱく質がどんなものか説明できないという方もいらっしゃるかもしれませんね。

ダイエットとたんぱく質の関係について解説する前に、まずはたんぱく質がどのようなものなのかご説明しましょう。

たんぱく質は、炭水化物(糖質)・脂質と並び、体のエネルギーとなる「エネルギー産生栄養素」の一つです。

エネルギー産生栄養素とは
ヒトの体に必須の成分のうち、エネルギー(カロリー)の源となるものです。

その他に体内で細胞を構成し筋肉や臓器、皮膚、髪の毛などの材料となったり、ホルモンや酵素、抗体などの体を調節する機能の成分として使われたりもしています

体から水分を除いて、残った分の約50%はたんぱく質でできている*1のです。

たんぱく質は生命の維持に欠かせない栄養素なのですね。

たんぱく質は20種類ある「アミノ酸」という物質がたくさん結合してできており、種類によって構造や性質、はたらきが大きく異なります*1。

アミノ酸は体内でつくることができない9種類の必須アミノ酸と体内で合成が可能な11種類の非必須アミノ酸に分けられます*2。

必須アミノ酸がバランスよく含まれ、体内での利用率が高い卵類や肉類、魚類や大豆などは「良質なたんぱく質」と呼ばれています。

*1 厚生労働省 e-ヘルスネット「たんぱく質

*2 厚生労働省 e-ヘルスネット「アミノ酸

2.ダイエット中にたんぱく質を摂るべき理由

ダイエット中はカロリー制限を行う方も多くいらっしゃるのではないでしょうか。

「たんぱく質にはカロリーがあるのに、どうしてダイエット中にしっかり摂ることを勧められているの?」

と疑問に思っている方もいらっしゃるかもしれませんね。

ダイエット中にたんぱく質を摂るべきなのは、たんぱく質が筋肉の材料となるためです。

ヒトはたんぱく質、炭水化物(糖質)、脂質からエネルギーを得ていますが、消費したカロリーより摂取したカロリーの方が多かった場合、余った分は体脂肪として体内に蓄えられてしまいます。

食事から摂取するカロリーを制限すると、体内に体脂肪として蓄えられていたエネルギーを消費することになるため、痩せることができるのですね。

しかし、カロリー制限を行う際に蓄えられていた脂肪を使い切ってしまうと、筋肉中のたんぱく質を分解しエネルギー源とするため、筋肉量が減りやすくなるといわれています。

筋肉が減るとそれに伴って「基礎代謝」が低下し、消費カロリーも減少してしまいます。

基礎代謝とは
何もせずじっとしているときに体温や鼓動、呼吸などを保つために消費される、生命維持に最低限必要なカロリー(エネルギーの量)のことです。基礎代謝量は筋肉が増えるとそれに伴って増えるといわれています。

カロリー消費というと運動のイメージが強いかもしれませんが、基礎代謝はヒトの消費カロリーの約60%を占めています *3。

つまり、痩せやすい体になるには筋肉量を増やすことが重要なのですね。

腹筋をしている女性

ダイエット中でカロリー制限を行っているという方も、たんぱく質が不足しないよう注意するのがポイントだといえるでしょう。

*3 厚生労働省 e-ヘルスネット「身体活動とエネルギー代謝

3.たんぱく質の1日の摂取量の目安

「たんぱく質が重要なのは分かったけど、どれくらい摂れば良いの?」

このように気になった方もいらっしゃるかもしれませんね。

厚生労働省は、国民の健康の保持・増進、生活習慣病の予防のために各栄養素をどれくらい食事から摂取すべきなのかという基準*4を示しています。

18歳以上の男女のたんぱく質の食事摂取基準は以下のとおりです。

【たんぱく質の1日当たりの食事摂取基準(g)】

男性

年齢 推定平均必要量 推奨量
18〜29歳 50 65
30〜49歳 50 65
50〜64歳 50 65
65〜74歳 50 60
75歳以上 50 60

女性

年齢 推定平均必要量 推奨量
18〜29歳 40 50
30〜49歳 40 50
50〜64歳 40 50
65〜74歳 40 50
75歳以上 40 50

厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」をもとに執筆者作成

メモ
推定平均必要量は半数の人にとって必要な量を満たせる量、推奨量はほとんどの人にとって充足している量のことです。

「たんぱく質を十分に摂るのは意外と大変なんだな……」

と驚かれた方もいらっしゃるかもしれませんね。

しかし厚生労働省「令和元年 国民健康・栄養調査」によれば、たんぱく質の1日当たりの平均摂取量は20歳以上の男性で78.8g、20歳以上の女性で66.4gとなっています*5。

どの年代も食事摂取基準における推奨量以上のたんぱく質を摂取できているので、不足を過度に心配する必要はないでしょう。

ただしダイエットのためにカロリーの低い野菜ばかり食べているなどしている方はたんぱく質が不足している可能性もあるので食生活を見直してみてくださいね。

*4 厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)

*5 厚生労働省「令和元年 国民健康・栄養調査

4.健康的に痩せる食事のポイント

「健康的に痩せるにはどうしたら良いんだろう?」

このように疑問に思っている方もいらっしゃるかもしれませんね。

ここでは健康的に痩せるために意識しておきたい食事にまつわるポイントをご紹介しておきましょう。

メモ
ダイエットには食事の改善だけでなく、適度に運動したり、生活習慣を改めたりすることも重要です。

ポイント1 摂取カロリーを適正に抑える

ダイエットの際にカロリー制限が重要となることは皆さんご存じですよね。

メモ
カロリーとは本来、食べ物や飲み物がどれだけ体のエネルギーになるか、ということを表す単位です。1cal(1カロリー)は非常に小さいため、一般的にはその1,000倍のkcal(キロカロリー)が単位として使われています。

ダイエットでは摂取カロリーを消費カロリーより小さくする必要があるため、日々の摂取カロリーを適正に抑えることが重要です。

ご自分の消費カロリーを把握しないまま、なんとなくカロリーを抑えているという方もいらっしゃるのではないでしょうか。

適切なカロリーを摂取していないと、体に必要なエネルギーを補給できなかったり、反対にダイエットがうまく進められなかったりしてしまいます。

まずは1日に摂取するカロリーの目安を決めることから始めましょう。

ここでは、「標準体重」を目指す場合の1日の摂取カロリーを求める方法をお伝えします。

標準体重とは
最も病気になりにくいとされている、BMI(肥満度を表す指標として国際的に使われている体格指数)が22となるときの体重のことです。[身長(m)の2乗]×22で求められます。

ご自身の身長における標準体重に、生活習慣病の食事指導において用いられる体重1kg当たりの推定必要カロリーを掛け合わせてみましょう

消費カロリーは運動量によっても異なるため、先にご自身の「身体活動レベル」を確認してください。

身体活動レベルとは
身体活動レベルとは、運動や日常生活など1日にどのくらいの活動をしているかを表す指標となるものです。活動の強度によって3段階に分けられています。

【身体活動レベルの基準】

レベル 定義
レベルⅠ(低い) 生活の大部分を座って過ごし、あまり体を動かすことがない場合
レベルⅡ(普通) 座った状態でいることが多いが、職場内での移動や立った状態での作業・接客などを行ったり、通勤や買い物で歩いたり、家事や軽いスポーツをしたりする場合
レベルⅢ(高い) 移動や立っての作業が多い仕事に従事している、または余暇に活発な運動を行う習慣がある場合

厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」をもとに執筆者作成

メモ
75歳以上の場合、レベルⅠは自宅にいてほとんど外出しない方もしくは高齢者施設で自立に近い状態で過ごしている方、レベルⅡは自立している方に該当します。

以下が、身体活動レベル別・年代別・男女別の推定必要カロリーです。

【体重1kg当たりの推定必要カロリー】

男性

身体活動レベル Ⅰ(低い) Ⅱ(普通) Ⅲ(高い)
18〜29歳 35.5kcal 41.5kcal 47.4kcal
30〜49歳 33.7kcal 39.3kcal 44.9kcal
50〜64歳 32.7kcal 38.2kcal 43.6kcal
65〜74歳 31.3kcal 36.7kcal 42.1kcal
75歳以上 30.1kcal 35.5kcal -

女性

身体活動レベル Ⅰ(低い) Ⅱ(普通) Ⅲ(高い)
18〜29歳 33.2kcal 38.7kcal 44.2kcal
30〜49歳 32.9kcal 38.4kcal 43.9kcal
50〜64歳 31.1kcal 36.2kcal 41.4kcal
65〜74歳 30.0kcal 35.2kcal 40.4kcal
75歳以上 29.0kcal 34.2kcal -

厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」をもとに執筆者作成

例えば155cmの20代女性の場合、標準体重が52.855kg、身体活動レベルが普通なら1日の必要カロリーは2,045kcal(小数点以下四捨五入)となります。

ご自分の状況に該当する必要推定カロリーを確認してみてくださいね。

ポイント2 たんぱく質を十分に摂る

たんぱく質を十分に摂る

カロリー制限によって筋肉が落ちると、基礎代謝量が減ってその分カロリーを消費しにくい体になってしまいます。

筋肉が落ちてしまわないよう、カロリー制限をする際にもたんぱく質は十分に摂るよう心掛けましょう

例えば以下のような食品はたんぱく質が豊富に含まれています。

【たんぱく質を豊富に含む食品と可食部100g当たりのたんぱく質含有量およびカロリー】

食品名 加工状態など たんぱく質含有量 カロリー
かつお(春獲り) 25.8g 108kcal
きはだまぐろ 24.3g 102kcal
ささみ 23.9g 98kcal
鶏むね肉 皮なし、生 23.3g 105kcal
豚ロース(赤肉) 22.7g 140kcal
さけ 22.3g 124kcal
豚ヒレ(赤肉) 22.2g 118kcal
豚もも肉(赤肉) 22.1g 119kcal
牛サーロイン(赤肉) 22.0g 127kcal
鶏もも肉 皮なし、生 19.0g 113kcal
納豆 - 16.5g 184kcal
鶏卵(全卵) 12.2g 142kcal
木綿豆腐 - 7.0g 73kcal

文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」をもとに執筆者作成

メモ
どの食品に由来するかによってやや異なるものの、一般的にたんぱく質と炭水化物は1g当たり約4kcal、脂質は1g当たり約9kcalであるとされています*6。

また食事摂取基準とは別に、一般的に運動をしている方や特に筋肉をつけたい方は体重1kg当たり2gのたんぱく質を摂ると良い *7といわれています。

例えば筋トレを本格的に行っている体重60kgの方の場合、1日に120gものたんぱく質を摂るべきだということになります。

これは鶏のささみ約500g分に当たります。

ささみは100g当たり98kcalと低カロリーなのでたくさん食べても比較的カロリーオーバーにはなりにくいと考えられますが、食品から多くのたんぱく質を摂取しようとすると、脂質やカロリーの摂り過ぎにつながってしまう場合もあります

また、たんぱく質を摂取するために、鶏のささみを1日に500g食べるような食べ方もあまり現実的ではありませんよね。

カロリーオーバーを避け手軽にたんぱく質の摂取量を補うためには、プロテインを適宜取り入れるのもおすすめです

*6 厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)

*7 一般社団法人 日本プロテイン協会「誰でもわかるプロテインの基礎知識

ポイント3 糖質を制限し過ぎない

糖質を制限し過ぎない

糖質を制限すると痩せられると聞いたことがある方も多くいらっしゃるでしょう。

しかし極端な糖質制限は避けた方が良いと考えられます。

糖質とは炭水化物のうち体内に取り入れられエネルギー源となるもののことをいいます。

メモ
炭水化物のうちヒトの消化酵素では消化できず、エネルギー源にならないものを食物繊維といいます。

糖質を摂り過ぎるとエネルギーとして消費しきれず、体内に中性脂肪として蓄積されるため肥満の原因になってしまいます

糖質制限は糖質を含む食べ物や飲み物の摂取を控えるダイエット法です。

糖質を制限する他は、好きなものを食べても良い、と聞いたことがある方もいらっしゃるかもしれませんね。

糖質制限はもともと、肥満の原因は炭水化物にあると考えたアメリカ人の医師ロバート・アトキンスが糖尿病や肥満の方に向けて提案した「炭水化物の摂取量を1日当たり50g以下に抑える」*8という考え方をもとにしています。

メモ
炭水化物のうち、食物繊維にはほとんどカロリーがなく、腸内環境を整えるなど良い効果が多数あるため、炭水化物と糖質を区別する意味で「糖質制限」に変化していったものと考えられます。

しかし、糖質制限には短期的な効果はあるものの、長期的な効果についてはエビデンスが確立されていないというのが現状のようです

BMI30以上の肥満者を対象に、1日当たり50〜60gを目指してカロリー制限なしの炭水化物の摂取制限を指導したところ、カロリー制限を指導した群と脂質制限を指導した群に比べて6カ月目に大きな体重減少が見られたという研究報告があります*8。

しかし別の研究によると、6カ月目までは明らかな体重減少のあった低炭水化物群も、1年後には他の群との体重差がなくなるばかりか血中LDLコレステロール(悪玉コレステロール)が増えたとの報告もあるのです*8。

また、炭水化物制限による短期的な減量の効果についても、炭水化物を制限することによって結果として摂取カロリーが減っていることが報告されています*8。

そのため、炭水化物さえ制限すればカロリーを摂り過ぎても痩せられるという解釈は短絡的だといえるでしょう。

日本糖尿病学会は、体重を適正にするためには運動療法とともに積極的な食事療法が必要で、カロリー制限が最優先であるとしています

現時点では、糖質制限を長期的に行うことの安全性などに対するエビデンスが不足しているという点において、糖質制限はすすめられないとしています。

長期に糖質制限を行うことは効果へのエビデンスが不十分である上、食事を戻せばリバウンドの可能性もあることから、自己判断では行わないようにしてください。

*8 日本糖尿病学会「日本人の糖尿病の食事療法に関する日本糖尿病学会の提言

ポイント4 食物繊維を十分に摂る

食物繊維を十分に摂る

健康的に痩せるためには、カロリーを抑えながらもしっかり食べることが重要であるといえます。

ダイエットのためにはカロリーを制限することも重要ですが、極端な食事制限は栄養不足を招き健康を損なう恐れもあるため、決して健康的であるとはいえません

そこでカロリーオーバーせずにしっかり食べることに役立ってくれるのが、食物繊維を多く含む食材です。

炭水化物のうち、食物繊維にはほとんどカロリーがないため、ダイエット中の食事の味方となってくれるでしょう。

食物繊維は、便秘の予防など整腸作用を持つ成分として知られていますが、よく噛んで食べることが必要であることから、早食い防止や満腹感を得やすいといったメリットがあります。

また、脂質を吸着して体の外に排出したり食後血糖値の上昇を抑制したりするはたらきもあります。

健康的に痩せるための食事を考える際には、食物繊維を十分摂ることが必須であるといっても過言ではないのかもしれませんね。

食物繊維を多く含む食品には、以下のようなものがあります。

【食物繊維を多く含む食品と可食部100g当たりの含有量】

食品名 加工状態など 含有量(総量)
モロヘイヤ 5.9g
ごぼう 5.7g
ブロッコリー 5.1g
えだまめ 5.0g
オクラ 5.0g
しいたけ 4.6g
えのきたけ 3.9g
まいたけ 3.5g
ぶなしめじ 3.5g
キャベツ 1.8g
もやし 1.3g
レタス 1.1g

文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」をもとに執筆者作成

5.まとめ

たんぱく質は、エネルギー産生栄養素の一つとしてカロリー源となるほか、筋肉や皮膚などの材料となったりホルモンや酵素などの成分として使われたりしている栄養素です。

痩せるためにはカロリー制限により脂肪を落としていくことになりますが、消費カロリーを保つためには筋肉量を落とさないようにしなければいけません

そのために必要なのがたんぱく質です。

ダイエットといえばカロリー制限というイメージから、サラダしか食べないなど偏った食事になってしまっている方は、たんぱく質が不足している可能性があります。

この記事を参考に、ダイエット中の食事を見直したり運動を取り入れてみたりするなどして、健康的なダイエットを目指しましょう。

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