「縄跳びってダイエットに効果があるのかな?」
「ダイエットのために縄跳びを行う際に注意すべきポイントが知りたい。」
ダイエット中の運動として縄跳びを取り入れようと考えている方のなかには、このような疑問を抱いている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
実は縄跳びは有酸素運動の一種で消費カロリーが高く、多くの筋肉を使う全身運動のためダイエット向きの運動といえるのです。
ただ跳ぶだけなら簡単だと思いがちですが、フォームや運動をする場所などに注意しないと効果が下がるだけでなく、けがをする可能性もあります。
この記事では縄跳びのダイエット効果や正しいやり方、注意点などについて解説していきます。
ダイエット中の運動として手軽に始められるものがないか探している方は、ぜひ参考にしてみてくださいね。
1.縄跳びのダイエット効果とは?
「縄跳びってダイエット中の運動としてはどうなのかな?」
縄跳びは子どもの遊びという印象があるため、このように感じている方も多いのではないでしょうか。
実は縄跳びは脂肪を燃焼する運動とされる有酸素運動の一つなのです。
また広い場所でなくとも運動ができるというメリットがあります。
現在では100円均一ショップなどで安価な縄跳びも販売されているため、手軽に始めることができるのはうれしいですよね。
【関連情報】 「ダイエットに効果的な運動は?有酸素運動と筋トレについて徹底解説」についての記事はこちら
2.縄跳びでダイエットをするメリット
「ダイエット中の運動として縄跳びを行うとどんなメリットがあるんだろう……」
ダイエットには脂肪を燃焼する有酸素運動が良いとされていますが、そのなかでもあえて縄跳びを選ぶ理由について知りたい人もいらっしゃるでしょう。
ここからは縄跳びでダイエットをする三つのメリットについて紹介します。
2-1.消費カロリーが高い
縄跳びは有酸素運動のなかでも消費カロリーが高いというメリットがあります。
運動の種目ごとの負荷やきつさは「メッツ」で表すことができます。
国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所 国立健康・栄養研究所が発行した「改訂版『身体活動のメッツ(METs)表』」によると縄跳びのメッツは毎分100回未満で8.8メッツ、毎分100~120回程度で11.8メッツ、毎分120~160回程度で12.3メッツです[2]。
ランニングで同じ強度の運動をしようとしたら、時速8.4~13.8kmのペースで走る必要があります[2]。
つまり縄跳びはランニングに比べて運動強度が高く、その分短時間でより多くのカロリーを消費することができるのです。
メッツが分かれば「メッツ×時(h)×体重(kg)」で簡易的にその運動のエネルギー消費量を求めることができます[3]。
例えば体重50kgの人が3メッツの運動を30分間行った場合、そのエネルギー消費量は3×0.5×50=75kcalです[3]。
これをもとに縄跳びのエネルギー消費量を簡易的に求めました。
なお、以下の表の値は小数点第一位で四捨五入を行っています。
【縄跳び30分当たりの体重別消費カロリー】
体重 | 毎分100回程度 | 毎分100~120回程度 | 毎分120~160回程度 |
---|---|---|---|
40kg | 185kcal | 248kcal | 258kcal |
50kg | 231kcal | 310kcal | 323kcal |
60kg | 277kcal | 372kcal | 387kcal |
70kg | 323kcal | 434kcal | 452kcal |
80kg | 370kcal | 496kcal | 517kcal |
90kg | 416kcal | 558kcal | 581kcal |
国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所 国立健康・栄養研究所「改訂版『身体活動のメッツ(METs)表』をもとに執筆者作成
2-2.下半身・体幹を鍛えられる
縄跳びで鍛えられる筋肉は複数ありますが、主に下半身や体幹を鍛えることができます。
普通の跳び方で縄跳びをすれば太ももに当たる「大腿(だいたい)四頭筋」を、爪先立ちのようにして跳ぶことでふくらはぎに位置する「下腿(かたい)三頭筋」を鍛えられるでしょう。
また全身のバランスを意識して正しい姿勢で跳べば体幹を鍛えることもできます。
このように縄跳びは跳び方によって鍛える部位を変えられるのです。
特に大腿四頭筋や下腿三頭筋といった下半身の筋肉は筋肉のなかでも大きな部位といわれています。
筋肉を増やすことで基礎代謝量が高まれば、その分エネルギー消費量も増えるため太りにくい体になるでしょう。
基礎代謝によるエネルギー消費量は1日の総エネルギー消費量のおよそ6割も占めています[4]。
代謝を上げるには大きな筋肉を鍛えるのが良いといわれているため、大腿四頭筋、下腿三頭筋を鍛えられる縄跳びはダイエットにうってつけの運動といえるでしょう。
2-3.持久力が向上する
縄跳びをすることで持久力が向上するというメリットもあります。
持久力には「全身持久力(心肺持久力)」と「筋持久力」があり、縄跳びによって高められるのは全身持久力です。
全身持久力が高まれば肺や心臓のはたらきが強化され、多くの酸素を取り込む能力が高まるため、より長時間運動を続けられるようになります。
長時間継続して運動ができるようになれば、さらに多くの脂肪を燃焼させられるようになるでしょう。
また全身持久力の向上は健康に過ごす上でも重要な要素です。
全身持久力を高めると肥満や生活習慣病が予防できる効果を期待できるといわれています。
また、ある研究によると全身持久力が高い人は低い人よりの2倍近く死亡リスクが低いことが判明しています[5]。
全身持久力を向上させることは、ダイエットだけでなく健康全般にも良い効果を期待できるといえますね。
3.ダイエットを目的とした縄跳びのやり方
「ダイエットに効果的な縄跳びのやり方を知りたい……」
せっかくなら正しいやり方で縄跳びを行いたいですよね。
縄跳びはシンプルな運動ですがフォームを維持することが重要です。
正しいフォームで縄跳びを行うためのポイントをいくつか紹介していきますね。
縄はビニール製や布製のものなどがありますが、自分が使いやすいと感じるものを選んでください。
使いやすい縄を選んだら長さを調整しましょう。
縄の中央に立ち、そのまま縄を張った際にグリップ部分が胸の下辺りに来る程度の長さが理想です。
また正しいフォームで跳ぶためにもいくつか気を付けなければいけない点があります。
手はできるだけ体側に寄せ脇を締め背筋を伸ばした状態にすることで、縄に引っかからず跳びやすくなります。
そして足は肩幅より狭く開き爪先は少し外に向け、顎を少し引いて目線を正面に向けてください。
縄は手首を使って回し、一定のリズムをキープしながら跳びましょう。
左右の足のリズムがずれないように跳び、同じ着地点に戻ってくるように意識してください。
これらのポイントを意識することで正しい姿勢を保ったまま縄跳びを続けられるでしょう。
以上が基本的な縄跳びの跳び方です。
基本となる前跳びに慣れてきたら二重跳びに挑戦するのもおすすめです。
二重跳びは1回のジャンプの間に縄を2回転させる必要があるため、その分エネルギー消費量が大きくなります。
いきなり連続で跳ぶのは難しいですが、少しずつ練習して日々の運動に取り入れてみてくださいね。
4.縄跳びで効率良くダイエットをするためのコツ
「縄跳びで効率良くダイエットをするためのコツってあるのかな?」
効率良く痩せるためのコツがあったら知りたいですよね。
コツを押さえて縄跳びをすれば、ただがむしゃらにやるよりも効果が表れやすいでしょう。
ここからは縄跳びで効率良くダイエットをするための四つのコツについて紹介します。
コツ1 継続して行う
縄跳びで脂肪を燃焼させるには継続して運動を行うことが重要です。
脂肪を燃焼させたいなら少なくとも週当たり約10メッツ・時以上の運動が必要と考えられています[6]。
約70分の間、毎分100回ペースで縄跳びを続けた場合に10メッツ・時の運動になります。
有酸素運動の脂肪燃焼効果を高めるには20分以上運動を継続する必要があるという話を聞いたことがある人もいるかもしれません[6]。
しかし、これまでの研究から有酸素運動による減量効果は1回当たりの継続時間ではなく、総運動時間に対応することが判明しました。
つまり1回の運動で10メッツ・時を達成しなくても良いため、1回当たり10分継続すると決めて週6日運動を続けるという方法でも同様の効果を得られます[6]。
もちろん週当たりの運動量が多ければ多いほど脂肪燃焼効果は高まるため、慣れてきたら1回当たりの運動時間を伸ばしたりペースを速めたりすると良いでしょう。
また縄跳びが苦手な方は、まずは縄跳びに慣れることから始め徐々に時間を伸ばしていくようにしましょう。
コツ2 正しいフォームで行う
正しいフォームを崩さず行うことも重要なポイントです。
誤ったフォームで運動を続けてしまうと筋肉や関節を痛める恐れがあります。
特に縄跳びに慣れていない人は脇が開いたり、足元を注意するあまりに首や背中が丸まったりしてしまいがちです。
縄跳びのフォームに慣れていないうちはフォームを維持することを重視してくださいね。
実際に跳んでいるところを動画に撮って確認するのも良いでしょう。
またより高い効果を得ようとして無理にペースを速めないようにしましょう。
これは有酸素運動によって脂肪を燃焼させるには適度に酸素を体内に取り込む必要があるためです。
安定して呼吸ができるペースで縄跳びを行ってくださいね。
コツ3 筋トレを併せて行う
筋トレも併せて行うのもおすすめです。
縄跳びで鍛えられる大腿四頭筋と下腿三頭筋以外の筋肉から鍛える部位を選ぶと良いでしょう。
お尻や太もも、背中などの大きな筋肉を鍛え筋肉量を増やせば、基礎代謝によるエネルギー消費量も増大するでしょう。
筋肉量が増え基礎代謝量も増えれば、太りにくい体になりますね。
筋トレを取り入れる際はトレーニングの順番も重要です。
筋トレは有酸素運動の前に行う方が効果的に脂肪を燃焼させられます。
筋トレによって分泌される成長ホルモンには脂肪分解作用があり、その作用はトレーニング後も持続します。
つまり筋トレ後に有酸素運動をすることで脂肪分解作用を受けて、より多くの脂肪を燃焼させられるのです。
成長ホルモンによる脂肪分解作用はトレーニング後48時間程持続するため、トレーニング後すぐに有酸素運動をする必要はありません[7]。
効率良く脂肪を燃焼させるためにも脂肪分解作用がはたらいているうちに有酸素運動をしてくださいね。
[7] 公益財団法人 横浜市スポーツ協会 横浜市スポーツ医科学センター「肥満と減量(理論編) 知っておきたい肥満と減量の基礎知識【理論3】減量に筋力トレーニングが必要な理由」
コツ4 バランスの良い食事を心掛ける
効率良くダイエットするには運動だけでなくバランスの良い食事を心掛けるようにしてくださいね。
効率良く痩せるには運動も大事ですが、食事も重要な要素です。
ダイエット中も主食、主菜、副菜そして汁物を組み合わせたバランスの良い食事をしましょう。
ダイエットというと食事制限が必要と思う方もいらっしゃるかもしれません。
しかし極端に食事量を減らしたり特定の食品のみを摂取したりというダイエットは、一時的な減量は期待できる半面、必要な栄養素が摂取できなくなりかえって不健康になる恐れがあります。
また一般的には摂取カロリーは1日の消費カロリー以下に抑えることを意識すれば減量できるため、極端な食事制限は必要ありません。
どんな食品をどれだけ食べれば良いか分からない方は、農林水産省で公開している「「食事バランスガイド」について」を参考にしてみてくださいね。
5.ダイエットとして縄跳びを行う際の注意点
「縄跳びでダイエットをする際に注意しなければいけない点は何かあるのかな?」
縄跳びでダイエットをする際の注意点があれば事前に知っておきたいですよね。
ここからはダイエットとして縄跳びを行う際の三つの注意点について解説します。
注意点1 動きやすい服装で行う
縄跳びを快適に続けるためにも動きやすい服装で行いましょう。
例えば袖が長い服はグリップに袖がかぶって跳びにくくなる恐れが、フード付きの服はフード部分が縄に引っかかる可能性があるため避けるようにしてください。
女性の場合はスポーツブラを着用するのもおすすめです。
スポーツブラを着用すれば体の動きを防げず胸の揺れを抑えてくれるでしょう。
また靴選びも重要なポイントとなるでしょう。
運動時に足首にかかる負担を減らせるようなクッション性の高い靴がおすすめです。
ランニングシューズをすでにお持ちの方はランニングシューズでも良いですよ。
注意点2 硬い地面の上で行わない
コンクリートのように硬い地面の上で行わないように気を付けてください。
硬い地面の上で縄跳びをすると足腰に負担がかかり、けがを引き起こす恐れもあります。
外で縄跳びをする場合には、土や芝生などできるだけ軟らかい地面の上で行うようにしてくださいね。
また外で縄跳びをするのに抵抗があるという人はエア縄跳びもおすすめです。
エア縄跳びとはロープを跳ばず、縄跳びをしているように一定のペースで跳び続ける運動のことです。
近年ではエア縄跳び用のグッズも販売されています。
エア縄跳びは縄がなく重りが付いているのだけのものなら、室内のように限られた場所でも手軽に縄跳びができます。
なかには縄を付け替えられるものもあるため、状況に応じて使い分けられるのです。
室内で行う場合には防音マットなどを敷いて運動をするようにしましょう。
注意点3 運動前後にストレッチを行う
運動前後にはストレッチを行うようにしましょう。
ストレッチは体の柔軟性や筋肉の温度・体温を高めるウォーミングアップに、またクールダウンやリラクゼーションに効果的な運動であり、準備運動や整理運動として活用されています[8]。
ストレッチにはある方向に関節を動かし筋肉を伸び縮みさせる「動的ストレッチ」と一定方向に筋肉を伸ばした状態でしばらく制止する「静的ストレッチ」があります。
柔軟体操などの動的ストレッチは準備運動として、クールダウンやリラクゼーション効果がある静的ストレッチは整理運動として行われています。
ストレッチの種類によって効果が異なるため、目的に合わせて正しいストレッチを行いましょう。
縄跳び前のウォーミングアップは足の腱(けん)を伸ばすストレッチを行うと良いですよ。
立った状態で両手が両足前の地面に着くように、前屈するとアキレス腱など足の腱を伸ばすことができます。
その他にも縄跳びでは首や両肩、両腕も使用するため、これらの部位も入念にストレッチを行いましょう。
6.縄跳びによるダイエット効果についてのまとめ
縄跳びは脂肪を燃焼する有酸素運動の一種であるため、ダイエット効果が期待できる運動といえます。
縄跳びをダイエット中の運動として取り入れるメリットには、消費カロリーの高さ、下半身や体幹の筋肉の強化、持久力向上といった点が挙げられます。
最初のうちは正しいフォームで行うことを意識して、一定のリズムを保つことが大切です。
普通の跳び方に慣れてきたら、二重跳びのように強度の高い跳び方に挑戦するのも良いでしょう。
またより効率良くダイエットをするには継続して運動を行い、筋トレも並行して行う、そして食事バランスにも注意する必要があります。
他にも運動に適した服装や場所、運動前後のストレッチなどに注意して、けがをしないように縄跳びをしてくださいね。