「高血圧の人が食べてはいけないものってあるの?」
「血圧を高める食べ物はできるだけ控えたいな」
血圧の数値が気になっていて、このようにお考えの方もいるのではないでしょうか。
高血圧は生活習慣病とも呼ばれるとおり、食生活が大きく関わっています。日常生活から改善を目指すなら、毎日の食べ物から見直していきたいものです。
この記事では、高血圧の方が食べてはいけないものや、おすすめしたい食べ物について詳しく見ていきましょう。
1.高血圧には減塩・節酒・脂質制限が大切
まずは、高血圧の改善を目指すための基本的な食事のポイントをご紹介します。
日本人における高血圧の最大の要因は、食塩の摂り過ぎと言われています。また、肥満や飲酒も原因の一つです。
そのため、血圧が気になる場合には減塩と節酒、脂質制限を行うことが大切です。
それぞれどの程度の値を目標に減らしていけば良いのか、具体的に解説しましょう。
【関連情報】 「高血圧とは?基準値や健康上のリスク、改善のポイントを徹底解説」についての記事はこちら
1-1.塩分摂取の目標値は1日6g未満
高血圧の場合、1日に摂取する塩分量は6g未満が推奨されています[1]。減塩の降圧効果は、これまでのあらゆる実験で実証済みです。
高血圧の方では、1日当たり4.5~8.2gの減塩によって、6.87/3.61mmHg血圧が低下したという実験もあります[2]。
減塩は、血圧を下げて脳心血管病のリスクを抑える効果も期待できるため、生活習慣病予防のためにも取り入れたいポイントです。
日本人は、総じて塩分摂取量が多いといわれています。令和元年の調査によると、20歳以上の塩分摂取量は1日当たり平均10.1gでした[3]。
麺類のスープは飲み干さず残したり、減塩調味料を使ったりして塩分の摂取量を減らしていきましょう。
[1]特定非営利活動法人 日本高血圧学会「高血圧治療ガイドライン2019」
[2]Niels Graudal,Thorbjørn Hubeck-Graudal,Gesche Jürgens,David A McCarron「The significance of duration and amount of sodium reduction intervention in normotensive and hypertensive individuals: a meta-analysis」Advances in Nutrition, Vol.6,2,(2015)
[3]厚生労働省「令和元年「国民健康・栄養調査」の結果」
1-2.エタノール摂取の目標値は1日20~30ml以下
長期間の飲酒や過度なアルコール摂取は、血圧を上昇させる原因です。血圧が気になる場合は、節酒をしましょう。
ある研究では、1~2週間の飲酒制限で降圧の効果が認められています[4]。
また、飲酒は脳卒中やアルコール性心筋症を引き起こす原因にもなるため、できるだけ飲酒量を減らすように心掛けましょう。
血圧を管理するためには、1日に摂取するエタノールの量を男性で20~30ml、女性で10~20ml以下にすることが推奨されています[4]。
ビール中瓶1本、日本酒1合がおよそエタノール20~30mlに相当する量です。この量を目安に節酒しましょう。
1-3.脂質摂取の目標値は総摂取エネルギーの20~30%未満
飽和脂肪酸をはじめ脂質の摂り過ぎは、肥満や脂質異常症の原因になります。
また、内臓脂肪となって蓄積されると、高血圧や高血糖の原因になることが分かっています。
飽和脂肪酸の摂取目標は、総摂取エネルギーの4.5%以上7%未満、コレステロールの摂取量は1日200mg以下とされています[5]。
また、脂質の摂取は総摂取エネルギーの20~30%が推奨されているので、こちらも参考に食生活の見直しを行いましょう[6]。
[5] 一般社団法人 日本動脈硬化学会「コレステロール摂取量に関する声明」
[6]厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」
2.高血圧の方が食べてはいけないもの一覧
これから紹介する食材は、血圧を上昇させる原因となりますので、食べ過ぎには気をつけるようにしてください。
しかし、なかには必要な栄養素が含まれているものもあるため、絶対に食べてはいけないわけではありません。
「できるだけ食べるのを控える」「食べ方を工夫する」ことが大切です。
2-1.高塩分の食材
次の食材は、塩分が多く含まれているので注意しましょう。
- みそ汁
- 漬物
- 梅干し
- ちくわ、かまぼこ(練りもの)
- 塩鮭
- ハム、ソーセージ
- うどん、そば、ラーメン(麺類)
- せんべい、ポテトチップス
日々の食事で目にすることが多いものばかりかと思います。
それほど、私たちの身の回りには高塩分の食品が溢れているのです。
以下を意識することで、より塩分の摂取量を減らせます。
- 麺類のスープは残す
- 具だくさんのみそ汁にして汁の量を減らす
- 食材の持ち味を利用して薄味で調理する
- 調味料の量を減らす
- 低ナトリウムの調味料を使う
- 香辛料や香味野菜を組み合わせる
- 外食や加工食品を控える
とくに麺類のスープには、多くの塩分が含まれています。
スープを残すだけでも2~3gほどの減塩ができると言われているため、食べるときには飲み干さないようにしてください。
調理するときは新鮮な食材を用いれば、食材の味がしっかり残っているので、塩分を多く加えずに済みます。
2-2.高脂質の食材
高血圧は脂質異常症を合併すると、脳心血管病のリスクが高まります。高血圧の方は脂質が多く含まれている食材にも注意が必要です。
次の食材はとくに脂質の量が多いので摂り過ぎないようにしてください。
- 肉の脂身、鶏肉の皮
- バター、ラード(動物性脂肪)
- 牛乳(乳脂肪)
- ココナッツミルク
- マーガリン、ショートニング
- 揚げ物
- パイ、クッキー、ポテトチップス(菓子類)
- 鶏卵、魚卵(卵類)
- レバー、モツ(内臓類)
とくに肉の脂身や鶏肉の皮、ラードやバターなどは、摂取しすぎると血中コレステロールを上げてしまいます。
肉類は脂身の少ない赤身肉を選び、脂身があるものに関しては取り除いてから使うようにしましょう。
牛乳も意外と脂肪分が多いため、脂肪分を控えるには低脂肪牛乳を選ぶのがおすすめです。
3.高血圧の方におすすめしたい食べものを紹介
高血圧の方は、高塩分や高脂質の食材を避けることで血圧の上昇や合併症のリスクを抑えられます。
あわせて、血圧の適切な調整をサポートしてくれる食べ物も取り入れて適正な血圧を維持できるようにしましょう。
高血圧の方におすすめしたい食べ物を4つご紹介します。
3-1.カリウムの豊富な食べ物
カリウムはナトリウムの排出を促し、血圧の上昇を抑える効果が期待できる成分です。
18歳以上の場合、カリウムの摂取目標量は、1日当たり成人男性で3,000mg以上、成人女性で2,600mg以上です[7]。
野菜や果物類、海藻類などにはミネラルが豊富に含まれているため、ぜひ積極的に取り入れてみてくださいね。
効率的にカリウムを摂取したい方は、サプリメントを活用するのも良いでしょう。
3-2.食物繊維の豊富な食べ物
食物繊維にはナトリウムを吸着して体外に排出するはたらきがあることが分かっています。
食物繊維を多く含む食べ物として代表的なものは、もずくやひじき、わかめや昆布、きのこやこんにゃくなどです。
効果的に食物繊維を摂るなら、サプリメントを活用するのもおすすめです。
1日に必要な食物繊維が不足しがちな場合に、補給の目的として利用しましょう。
3-3.GABAの豊富な食べ物
GABAは自然界に幅広く存在するアミノ酸の一種です。
身近な食べ物では、じゃがいも、カボチャ、大豆もやし、トマト缶等に多く含まれています。
効果的にGABAを摂るなら、サプリメントを活用するのもおすすめです。
1日に必要なGABAが不足しがちな場合に、補給の目的として利用しましょう。
【血圧が高めの方向け方におすすめのサプリメント】
メイン成分 | GABA:100mg ヒハツ由来ピぺリン類:120μg |
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機能性表示食品の届出文言 | 本品にはヒハツ由来ピペリン類、GABAが含まれます。ヒハツ由来ピペリン類には、脚のむくみが気になる健常な女性の夕方の脚のむくみ(病的ではない一過性のむくみ)を軽減する機能、冷えにより低下した血流(末梢血流)を正常に整え、冷えによる末梢(手)の皮膚表面温度の低下を軽減する機能が報告されています。GABAは睡眠の質(眠りの深さ)の向上に役立つ機能、すっきりとした目覚めをサポートする機能、仕事や勉強による一時的な精神的ストレスや疲労感を緩和する機能、血圧が高めの方の血圧を下げる機能、一時的な活気・活力感の低下を軽減する機能、肌の乾燥が気になる方の肌の弾力を維持し肌の健康を守るのを助ける機能が報告されています。 |
メイン成分 | GABA:12.3mg バナバ葉由来コロソリン酸:0.9mg |
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機能性表示食品の届出文言 | 本品にはGABA、バナバ葉由来コロソリン酸が含まれます。GABAには、血圧が高めの方の血圧を低下させる機能があることが報告されています。血圧が高めの方に適した食品です。バナバ葉由来コロソリン酸は、健常な方の高めの空腹時血糖値を下げる機能が報告されています。空腹時血糖値が高めの方に適した食品です。 |
メイン成分 | GABA:12.3mg サラシア由来サラシノール:0.2mg |
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機能性表示食品の届出文言 | 本品にはGABAが含まれます。GABAには、高めの血圧を低下させ、正常の範囲内に維持するのを助ける機能が報告されています。本品にはサラシア由来サラシノールが含まれます。サラシア由来サラシノールには、糖の吸収をおだやかにし、食後血糖値の上昇をゆるやかにする機能が報告されています。 |
3-4.多価不飽和脂肪酸の豊富な食べ物
高血圧の方は、脂質異常症を合併すると脳心血管リスクが高まります。
将来の健康リスクを下げるためには、脂質異常症にも気を付けなければなりません。
不飽和脂肪酸は青魚に多く含まれているので、1日に1食は魚を取り入れると良いでしょう。
効果的に多価不飽和脂肪酸を摂るなら、サプリメントを活用するのもおすすめです。
1日に必要な多価不飽和脂肪酸が不足しがちな場合に、補給の目的として利用しましょう。
4.高血圧の方が食べてはいけないものについてのまとめ
高血圧の方が食べてはいけないものとして、今回は高塩分の食材と高脂肪の食材を紹介しました。
みそ汁やスープ漬け物は高塩分の食材、肉の脂身やバター、スナック菓子は高脂肪の食材の代表例です。
血圧を正常に維持するためにも食べ過ぎには気をつけ、バランスの良い食生活を心掛けましょう。