「減塩しながら食事も楽しみたいけど、おすすめの減塩調味料ってあるのかな?」
「減塩調味料が良いって聞くけど、おいしく作れるか自信がない」
このように調味料を変えて、塩分摂取量を調整したい方も多いのではないでしょうか。
減塩調味料は、従来の調味料よりも塩分量が抑えられており、だしの旨みで風味豊かな味わいを楽しめるのが特徴です。
この記事では減塩調味料を取り入れながらおいしく食事を摂りたい方のために、おすすめの減塩調味料や上手に活用するポイント、簡単レシピをご紹介します。
1.減塩の目標値は1日7g未満が目安
健康な20歳以上の男女において、1日当たりの食塩摂取量は7g未満が推奨されています[1]。
また、「高血圧」の改善や「慢性腎臓病」の重症化を予防するための、1日当たりの塩分摂取量は食塩相当量として男女ともに6g未満にすることが推奨されています[2]。
令和元年の調査によると、20歳以上の男女における食塩摂取量の平均値は10.1gでした[3]。
どの目標量も大幅に上回っていますね。
食塩の目標値を達成するために、普段から意識して減塩に取り組むことが大切です。
2.減塩のコツは調味料を工夫すること
減塩に取り組むなら、調味料を工夫するのもポイントです。
使用頻度の高い調味料の塩分を控えることで、簡単に減塩できます。まずは、普段使っている調味料の塩分量について、詳しく見ていきましょう。
【関連情報】 「塩分の摂り過ぎには要注意!適切な摂取量と手軽にできる減塩のコツ」についての記事はこちら
2-1.塩分摂取量(1日)の7割は調味料といわれている
しょうゆやみそ、塩などの基本的な調味料は、料理に欠かせないものです。
しかし、塩分の約7割は調味料が占めているともいわれています。
調味料は使い勝手が良く、無意識のうちに塩分の摂り過ぎにつながる恐れがあるため、注意しなければなりません。
まずは、何気なく使っている調味料の塩分を知っておきましょう。
【塩分量の多い調味料ランキング】
1位 | 塩(5.9g/小さじ1) |
2位 | コンソメ(2.3g/1粒) |
3位 | オイスターソース(2.1g/小さじ1) |
4位 | 顆粒ガラスープ、和風だしの素(1.3g/小さじ1) |
5位 | しょうゆ(0.9g/小さじ1) |
6位 | みそ(0.7g/小さじ1) |
7位 | 和風ドレッシング(0.4g/小さじ1) |
8位 | トマトケチャップ(0.2g/小さじ1) |
9位 | マヨネーズ、有塩バター(0.1g/小さじ1) |
厚生労働省 e-ヘルスネット 「調味料の上手な使い方」をもとに執筆者作成
この表の塩分量は、調味料に含まれている塩分を食塩に換算して表したものです。
和風だしの素やコンソメなども、意外と塩分量が多いのですね。
よく料理に使う方は減塩調味料を選んだり、具材を増やしたりして、使用量を控えることをおすすめします。
塩分が多い調味料を知ることで、毎日の食生活で減塩しやすくなりますよ。
2-2.減塩調味料を賢く使おう
減塩するために調味料の量を少なくして、薄味に変えると「料理が味気ない」「食事が楽しめない」「食欲がわかない」など、食事に物足りなさを感じてしまうでしょう。
人によっては、おいしいご飯が毎日の活力になっている方もいます。
充実した食事を続けつつ減塩するのであれば、減塩調味料に置き換えてみてはいかがでしょうか。
近年は、技術的な進歩によって質の高い減塩調味料が増えてきました。
通常品と同じように使えて、おいしく減塩できるのはとても魅力ですよね。
ストレスのない方法としてもおすすめです。
3.高血圧が気になる方におすすめの減塩調味料
ここからは、高血圧の改善を目指す方におすすめの調味料を紹介します。
3-1.しょうゆ(塩分50%以上カット)
しょうゆは煮物やドレッシングなど、幅広い料理に使われる調味料です。
その分、摂取量には気をつけなければいけません。
減塩しょうゆは、食塩分をカットしてあるので、いつもの調理に置き換えるだけです。
3-2.塩・こしょう(塩分50%以上カット)
塩も和・洋・中さまざまな料理に用いる調味料です。
塩で塩分摂取量を減らせればうれしいですね。
食塩を他のものに置き換えるなどで量を抑えた調味料には、以下のものなどがあります。
3-3.ドレッシング(塩分50%以上カットまたは食塩不使用)
ドレッシングにも、以下のような塩分を減らした商品があります。
3-4.ポン酢(塩分25%以上カット)
ポン酢は酢の物、鍋料理に重宝する調味料ですね。
ポン酢にも塩分を減らした商品があります。
3-5.調味料セット
塩分を減らした調味料をお試しできるセットも販売されています。
セット内容は変更になる場合もありますのでご注意ください。
ここまで様々な減塩調味料を紹介してきましたが、塩分をカットしてもおいしくなければ、減塩を続けることは難しいものです。
かつお節や昆布などのだしを効かせて旨みたっぷりに仕上げた調味料や、素材本来の味を活かして加工されたものなどを活用して、食生活の満足度を下げずに減塩できると嬉しいですね。
4.減塩調味料を活用する際の注意点・ポイント
「減塩調味料を使っているから大丈夫」と思っていると、知らないうちに塩分を摂り過ぎてしまう恐れがあります。
ここからは、減塩調味料を賢く使うための注意点やポイントを解説します。
4-1.食塩相当量とナトリウム量の違いを知っておこう
加工食品などのパッケージから塩分量を確認したいときは、「ナトリウム量」と「食塩相当量」の記載をチェックしましょう。
ナトリウム量の数値のみ記載されているものもありますが、「食塩≠ナトリウム」なので注意が必要です。
正確な塩分量を知るために、ナトリウム量を食塩量に換算しましょう。
「減塩」と記載された商品は、従来品からナトリウム量を120mg以上/100g低減したものに使われています。
食塩相当量に換算すると、300mg以上/100gとなります[4]。
4-2.賞味期限を必ずチェックしておく
食材や料理の賞味期限はチェックしていても、意外と見落としがちなのが調味料の賞味期限です。
減塩調味料は塩分濃度が調整されているものが多く、保存性が低下するため、従来品よりも賞味期限が短くなることがあります。
減塩調味料を使用する前に賞味期限をチェックしてから、期限内に使い切るようにしましょう。
開封すると鮮度が落ちていくため、おいしく食べるためにも開封後はなるべく早く使用することがポイントです。
4-3.直接かけるよりも「つけて」食べる
しょうゆやソースなどの調味料を直接かけると、使い過ぎることがあるため気をつけましょう。
ボトルに入っている液体の調味料は、一気に出過ぎてしまいうっかり使い過ぎてしまったということにもなりかねません。
調味料を小皿に出してつけて食べるように意識しましょう。
調味料をつけながら食べると、かけるよりも塩分が抑えられて摂り過ぎを防げます。
4-4.大量に使用しない
減塩調味料を使用して、味が薄いと感じることがあるかもしれません。
しかし、食べ慣れた味つけにするために調味料を大量に使用すると、減塩にならないことがあるので注意が必要です。
減塩調味料は、減塩されていてもおいしく感じられるものを選ぶことが大切です。
4-5.塩分を含まない調味料と組み合わせる
減塩を継続するなら、食事をおいしく食べられる工夫をすることが大切です。
塩分を控えることで薄味になって料理や食事に楽しさが感じられないと、減塩自体が負担に感じてしまいます。
健康的に減塩を続けるために、酸味や辛味、うま味などを上手に活用すると良いでしょう。
酢や香辛料、天然だしなどは塩分を含まないため、減塩調味料と合わせてうまく活用すれば、減塩しながらおいしく味つけができます。
5.減塩調味料を使用したおいしいレシピ5選
「減塩調味料を使うと味が薄く感じる」「減塩していても、楽しくおいしく食べたい」という方におすすめのレシピを五つ紹介します。
5-1.豆腐サラダ
たんぱく質が豊富でヘルシーな豆腐を使ったサラダです。
ごま油の香ばしい香りが食欲をそそります。香味野菜を使うと良いアクセントになるでしょう。
■材料(三人分)
- 木綿豆腐……150g
- サニーレタス……50g
- ねぎ……1/2本
- セロリ……1/2本
- にんじん……30g
- ごま油……大さじ2
- 減塩しょうゆ……大さじ1と1/2
- 酢……大さじ1
■作り方
- 木綿豆腐を6等分に手でちぎる。水分がでないように、ペーパータオルにのせて約10分水切りをしておく。
- ねぎは斜め薄切り、セロリとにんじんは千切りにする。
- サニーレタスを食べやすい大きさにちぎる。
- ボウルに1~3の材料を入れて混ぜ合わせる。
- 熱したフライパンにごま油を入れて温める。
- 4の混ぜ合わせた豆腐と野菜の上から5を回しかける。
- 減塩しょうゆと酢で味を調える。
5-2.豚肉となすびの煮物
ジューシーなお肉の旨みと、だしつゆが染み込んだなすが絶品のひと品です。
電子レンジのみで調理できて時短になり、忙しい日でも簡単に作れます。
■材料(三人分)
- 豚バラ肉……130g
- なす……3本
- 減塩だしつゆ……大さじ2
- ごま油……大さじ2
- 水……大さじ2
- 白ごま……適量
- 青じそ……5枚
■作り方
- なすは乱切りにして水に浸けてアク抜きをする。青じそは千切りにして、豚肉を3cm幅に切っておく。
- 耐熱ボウルに、減塩しょうゆ・ごま油・水を入れ、豚肉と絡ませて下味をつける。
- 2の上に乱切りにしたなすをのせてふんわりとラップをかけて電子レンジで約7分加熱する。
- 加熱後、すべての具材を混ぜ合わせて盛りつける。
- 白ごまと青じそをトッピングして完成。
5-3.タコライス
スパイシーな香りが食欲をそそるタコライスは、お肉と野菜がたっぷり摂れて栄養バランスの良い料理です。
減塩調味料を上手に使えば、塩分をカットしながらおいしく食べられます。
■材料(二人分)
- ひき肉……180g
- 玉ねぎ……1/4個
- にんにく……2かけ
- レタス……2枚
- トマト……1個
- アボカド……1/2個
- 温かいごはん……茶碗2杯分
- 粉チーズ……大さじ1
- こしょう……少々
- オリーブオイル……大さじ1
- 食塩不使用のカレー粉……小さじ2
<合わせ調味料> - 減塩ウスターソース……大さじ2
- 無塩ケチャップ……大さじ2
- 酒……大さじ1
- 減塩しょうゆ……小さじ1
- 砂糖……小さじ1/4
- 昆布粉……小さじ1
<トッピング> - レモン……お好みで
- 卵……2個
■作り方
- 玉ねぎとにんにくはみじん切りに、トマトとアボカドは1cm角に切る。
- レタスは食べやすい大きさにちぎり、レモンはくし切りにする。
- フライパンにオリーブオイルを敷き、にんにくを入れて中火で炒める。
- にんにくの香りがしてきたら玉ねぎを入れてしんなりするまで炒める。
- ひき肉を入れて炒める。色が変わってほぐれてきたら、カレー粉を加える。
- 合わせ調味料を5に加えて、汁気がなくなるまで炒め合わせる。
- 別のフライパンにオリーブオイルを敷き、目玉焼きを作る。
- お皿にごはんを盛ってからレタスを敷き、野菜や炒めたお肉をトッピングする。
- 粉チーズをかけて完成。(お好みで目玉焼きやレモンを添える。)
5-4.春野菜と鶏肉のサラダ
春野菜のたけのこやスナップえんどうを使った、季節を感じられる一品です。
グリルした鶏もも肉を加えれば、おかずサラダになって栄養バランスもばっちりです。
■材料(三人分)
- 鶏もも肉……1枚
- ゆでたけのこ……200g
- スナップえんどう……適量
- ベビーリーフ……適量
- 卵……1個
- 減塩だししょうゆ……大さじ1
- 砂糖……大さじ1/2
- ブラックペッパー……適量
- オリーブオイル……適量
- 食塩不使用中華風ドレッシング……適量
■作り方
- ゆでたけのこはくし切りに。スナップえんどうは筋をとっておく。
- 鍋に水を入れ、沸騰したらスナップエンドウを約1分茹でてから、冷水に取り半分に裂く。
- 卵でポーチドエッグを作る。2で使ったお湯に酢大さじ3を加え、くるくるとお玉でかき混ぜながら卵を割り入れる。形を整えながら約2分茹でてから取り出す。
- 熱したフライパンにオリーブオイルを敷き、鶏肉の皮目を下にして約5分中火で焼く。焼き目がついたら裏返し、たけのこを加えてフタをしてから弱火で約4分蒸し焼きにする。
- 減塩だししょうゆと砂糖を絡めながらさらに焼く。
- 鶏肉を食べやすい大きさに切ってから、ベビーリーフ、鶏肉、たけのこ、スナップえんどうを盛り付け、ポーチドエッグをのせる。
- ブラックペッパーと中華風ドレッシングをかけて完成。
5-5.長芋ハンバーグ
角切りにした長芋を加えるだけで、食感が楽しいハンバーグが作れます。
パン粉の代わりにお麩を使えば減塩になります。
■材料(三人分)
- ひき肉……300g
- 牛乳……1/3カップ
- 卵……1個
- お麩……1/2カップ
- 食塩不使用洋風だし……小さじ3
- こしょう……少々
- ナツメグ……少々
- 長芋……100g
- オリーブオイル……大さじ1
- 減塩ゆずポン酢……小さじ3
■作り方
- お麩は細かく砕き、粉状にしておく。長芋は皮をむいてから5mm角に切る。
- ひき肉に、長芋とゆずポン酢以外の材料をすべて加えて良く混ぜておく。
- 長芋を加えて混ぜ合わせ、3等分にして成形しておく。
- 熱したフライパンにオリーブオイルを敷き、ハンバーグを入れて中火で約5分焼く。
- 裏返して約5分フタをして蒸し焼きにする。
- お皿に盛り付け、減塩ゆずポン酢をかけて完成。
6.減塩の調味料についてのまとめ
1日の塩分量を1日7g未満に抑えることが重要といわれています。
しかし、実際の塩分量は男女ともに目標値を超えています。
調味料のなかには塩分が多いものもあり、何気なく摂り過ぎてしまっている方も多いようです。
普段使う調味料を減塩調味料に替えれば簡単に減塩できるので、試してみてくださいね。
最近はおいしい減塩調味料も販売されているので、好みの調味料を使って楽しみながら減塩に取り組みましょう。