「減塩食を取り入れたいけど、宅配サービスってどうなのかな?」
健康のために減塩食を取り入れたいと考え、宅配サービスの利用を考える方もいるでしょう。
宅配サービスを利用すれば減塩が習慣化しやすく、時短にもなります。
この記事では、減塩食の宅配サービスをおすすめする理由、選ぶときのポイントを詳しく解説し、減塩食の宅配サービスを六つご紹介します。
1.減塩食の宅配サービスをおすすめする四つの理由
日本では成人の3人に1人、高齢者の3人に2人が高血圧といわれています。
高血圧は脳卒中や心疾患の最大の危険因子となるため、現在健康な方でも予防が大切です。
高血圧の予防で特に重要なのは減塩です。
しかし、「食塩の量を減らすと味気ないのでは」「食塩の量を考えながら調理や食事をするのは難しい」と考える方もいるかもしれませんね。
そのような方におすすめなのが、減塩食の宅配サービスです。
まずは、減塩食の宅配サービスをおすすめする理由についてご紹介します。
【関連情報】 「【最新】宅食サービスおすすめ10社を比較!メリットと選び方も解説」についての記事はこちら
1-1.塩分量が分かる
食塩の摂取目標量は、15歳以上の男性で7.5g/日未満、女性で6.5g/日未満です[1]。
また、高血圧の方は6.0g/日未満が目標の摂取量となります[2]。
減塩をするなら、この目標量を超えないように調整する必要があります。
しかし自炊や外食だと正確な塩分量を計算するのは難しいですよね。
塩分は調味料や加工食品にも含まれるため、塩分量を把握するには細かく計算しなければなりません。
減塩食の宅配サービスなら1食当たりの塩分量が記載されているので、正確な数字が分かります。
計算する手間や時間が省けて、とても便利ですよね。
また、適切な量の減塩の味に慣れることで、食習慣の改善につながることも期待できます。
1-2.栄養バランスが整っている
心と体の健康のためには、栄養バランスが重要です。
エネルギーのもとになるたんぱく質、脂質、炭水化物をバランス良く摂取し、主食・主菜・副菜を組み合わせた食事を摂ることが大切です。
減塩食の宅配サービスは、管理栄養士や栄養士監修のものが多く、必要な栄養素をバランス良く摂取することができます。
健康にも気を遣いながら減塩できるのはとても良いですね。
1-3.おいしく食べられる
減塩食の宅配サービスは、味にもこだわって作られているのが特徴です。
加工食品やレストランでの外食、市販のお弁当などの食事に慣れている方では、食塩に対する嗜好も強く、減塩することは簡単ではありません。
食塩を減らすと味付けが薄いと感じて、なんだかパッとしない料理になってしまうことも多いのではないでしょうか。
減塩食の宅配サービスは、塩分量に配慮しながらおいしい食事を取れるように作られているため、楽しく減塩生活を続けられるでしょう。
1-4.調理が簡単
宅配サービスは、そのまま食べられたり、レンジで温めたりするだけのものがほとんどです。
時間のかかる調理は必要ありません。仕事から帰宅した後や料理をする時間がないときでも、簡単に食事の準備ができます。
また、食べ終わったあとも容器を廃棄するだけなので、後片付けの手間も省けます。
忙しい方でよく見られるのが、コンビニ弁当やファストフードに頼ってばかりになり、塩分量が多い食事ばかりになってしまうという状況です。
もちろん栄養バランスも乱れてしまいます。
減塩食の宅配サービスは塩分量や栄養バランスに気を使ったメニューが簡単に食べられるので、ライフスタイルに関係なく減塩にチャレンジできます。
2.減塩食の宅配サービスを選ぶときのチェックポイント
減塩食の宅配サービスのメニューの種類は豊富です。
そのため種類が多く、自分に合った宅配サービスを選べない方も多いでしょう。
宅配サービスを選ぶときにチェックしておきたいポイントは全部で六つあります。
減塩食を続けられるかどうかにも関わってくるので、事前にしっかり確認しておきましょう。
2-1.1食当たりの塩分量
必ずチェックしておきたいのが、1食当たりの塩分量です。
先ほどもご紹介したとおり、高血圧が気になる方の塩分摂取量の目標は1日当たり6g未満です[3]。
そのため、1食当たりの塩分量が2g以下になっているものが最適です。
2-2.配達エリア
すべての減塩食の宅配サービスが全国エリアに対応しているわけではありません。
同じ都道府県内でも市区町村によって対応していなかったり、一部の地域でしか配達していなかったりします。
冷凍で届くものは全国に対応しているものがほとんどですが、常温で届く宅配食はエリアが限られている可能性があります。
まずは自分が住んでいる地域で利用できるのかどうかを確認しておきましょう。
2-3.価格(コストパフォーマンス)
減塩食を続けるためには、味だけではなく価格も大切です。
いくらおいしく減塩ができる宅配食であっても、お財布に負担をかけてしまう場合は長続きしません。
宅配サービスの種類によって1食当たりの価格は大きく異なります。
価格とメニューのラインナップなど、総合的なコストパフォーマンスを比較して自分に合うサービスを選ぶのが継続のコツです。
2-4.保存性
宅配サービスの種類によって、数カ月保存できるものもあれば、当日中に食べなければいけないものもあります。
好きなときに減塩食を食べたい、できれば長く保存がきくものが助かるという方は冷凍で届くタイプの宅配サービスがおすすめです。
食べたいときに解凍すれば良いので、急な外出で家をあけたり体調を崩してご飯を食べられなくなったりしたときにもそのまま保存しておけます。
一方で決まった日に減塩食を食べる方は、常温タイプの宅配食がおすすめです。
自分のライフスタイルに合ったものを選びましょう。
2-5.お試し購入ができる
味付けが自分好みかどうかを確認するためには、お試し購入をするのが便利です。
しかし、すべての宅配サービスでお試しができるようになっているわけではありません。
1食から試せるものもあれば、一度に7食分ほど届くものもあります。
まずは味を確かめたい方は、お試しができるものを選びましょう。
2-6.定期・都度が選べる
購入方法を自由に選べるサービスを選ぶと便利です。
3食を減塩食に置き換えたいときは定期購入を選び、1食だけ置き換えたいときやお試しで購入したいときは都度購入を選ぶなど、自分の都合に合った方法で注文できます。
3.おすすめの減塩食の宅配サービス6選
ここからは、おすすめの減塩食の宅配サービスを六つ紹介します。
それぞれに1食当たりの塩分量や価格、送料や内容量なども解説しているので、宅配サービスを選ぶときの参考にしてみてください。
3-1.メディカルフードサービス【塩分量1.7g以下】
メディカルフードサービスは、医療や介護食の専門メーカーが作る減塩対応の宅配サービスです。
塩分量は1食当たり1.7g以下と、かなり少なくなっています。
できるだけ塩分量が少ないものをお探しの方は、メディカルフードサービスを利用すると良いでしょう。
3-2.みしまの御膳ほのか【塩分量2.0g以下】
みしまの御膳ほのかの塩分量は1食当たり2.0g以下で、送料は880円ですが、冷凍と常温をそれぞれ15,000円以上で送料無料です。
継続してみしまの御膳ほのかの減塩食を続ける方は、まとめ買いをして一度に15,000円以上購入するとお得になりますね。
※ご注文状況によっては当日出荷ができない場合がございます。その場合、ご注文受付順に出荷手配を進めさせていただいております。
価格 (1食当たり) |
921円 |
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内容量 | 7食 |
送料 | 880円(北海道と沖縄除く) 北海道…1,875円(税込) 沖縄……2,290円(税込) 注文金額15,000円以上で送料無料 |
3-3.ウェルネスダイニング【塩分量2.0g以下】
ウェルネスダイニングは、塩分量2.0g以下です。
1食で主菜食1品と副菜3品がセットになっています。
電子レンジで温めるだけなので便利ですね。
3-4.ニチレイフーズ【塩分量平均1.7g以下】
冷凍食品でもおなじみのニチレイフーズが手掛ける減塩食の宅配サービスです。
塩分量は1食当たり平均1.7gです。3,300円で送料無料にて購入できます。
3-5.Dr.つるかめ キッチン【塩分量2g以下】
Dr.つるかめ キッチンの減塩食は、専門医と管理栄養士の監修によって作られています。
「塩分制限気づかい御膳」は、塩分が1食当たり2.0g以下です。
3-6.ナッシュ【塩分量2.5g以下】
ナッシュはすべてのメニューの塩分量が2.5g以下です。
4.減塩食の宅配サービスを利用するときの注意点
減塩食の宅配サービスはとても便利です。
ほとんどがネットから注文でき、あとは待っているだけで数日のうちに自宅まで食事が配送されます。
多くの宅配食はカロリーも低く作られているので、体重管理が必要な方にもぴったりのサービスです。
医師や管理栄養士が監修しているものも多く、安心して食べられるでしょう。
しかし、減塩食の宅配サービスを利用するときにはいくつか注意点もあります。
せっかく注文したのに食べられないとならないようにするためにも、次に紹介する五つの注意点はしっかり押さえておきましょう。
4-1.病気のリスクがある場合は医師や管理栄養士と相談する
高血圧や糖尿病、腎臓病などがある方は、事前に医師に相談して減塩食の宅配サービスを利用しても良いか確認しておいてください。
含まれている食材や栄養素が薬と相性が悪い場合や、減塩のみではなく、ほかにも食事で気を付けなければいけない場合もあるためです。
宅配サービスによっては管理栄養士が相談に乗ってくれる栄養相談を行っている場合もありますので、こちらも活用してみてください。
なお、宅配サービスを利用しても構わないと許可が出た場合でも、メニューに自分で醤油や塩などの調味料を足すのは控えましょう。
塩分量が多くなり、制限食の意味がなくなってしまいます。
物足りない場合は、お酢や柑橘類の絞り汁をかけたり、一味や山椒、生姜などの香辛料を使ったりして味を加えるのがおすすめです。
4-2.アレルギーがある場合は使用されている食材をチェックする
宅配サービスはとても便利なものですが、アレルギーに完全対応しているものはほとんどありません。
アレルギーがある方は、届くメニューにアレルギー食材が入っていないかしっかり確認しておいてください。
宅配サービスのホームページをチェックすると、使われている食材を確認できるところもあります。
特にアレルギーが発症しやすい原材料は表示が義務化されています。
アレルギーが心配な方は以下を参考になさってください。
えび/かに/卵/乳/小麦/そば/落花生(ピーナッツ)
これらは必ずホームページやパッケージなどに記載することを義務付けられているので、必ず確認しておきましょう。
また、表示を推奨されている原材料は以下です。
アーモンド/あわび/いか/いくら/オレンジ/キウイフルーツ/牛肉/くるみ/さけ/さば/大豆/鶏肉/バナナ/豚肉/まつたけ/もも/やまいも/りんご/ゼラチン/カシューナッツ/ごま
また、サービスによってはアレルギーがあることを伝えるとメニューを変えてくれるケースもあるので、一度問い合わせてみるのがおすすめです。
なお、宅配食を受け取った後にアレルギーのある食材が入っていることに気づいたとしても、返品や交換はできません。
食品という製品の特性上、配送時に破損したとき以外は返品や交換を受け付けていないサービスがほとんどです。
そのため、アレルギーがある方は注文する前に食べられないものが入っていないか確認するようにしましょう。
4-3.賞味期限をチェックする
一般的に、食塩の量を減らすと保存性が下がるため賞味期限が短くなる傾向にあります。
ものによっては宅配された当日までに食べないといけないものもあるため注意しましょう。
冷凍で届くものは短くても3カ月程度はもつものが多いですが、食品によって異なるため、よほど余らせない限り賞味期限が切れてしまうことはないでしょう。
注文する前に賞味期限についてはしっかりチェックしておくことが大切です。
4-4.ナトリウム量のみを表示している場合は注意する
塩分にはナトリウムが含まれていますが、ナトリウムの量=塩分量ではありません。
ナトリウムの量に2.5をかけた数字がおおよその塩分量となります。
ナトリウム量だけを見るとあたかも塩分量が少ないかのように思えますが注意してください。
必ず食塩相当量に換算して塩分量を見るようにしましょう。
また、パッケージに記載されている塩分量やカロリーなどは必ずしも100%一致するものではありません。
共用範囲は±20%までとされていますので、塩分量が2.0gと記載されていても実際は1.6~2.4gと幅がある可能性があるのです。
仕入れる原料や製造方法によって誤差が出る可能性もあります。
とくに水産物や畜産物が原料の場合は、誤差が起こりやすいといわれています。
パッケージの記載には多少の誤差があり、おおよその塩分量であることを頭に入れておきましょう。
4-5.あとから調味料を付け足さない
減塩食は人によって味付けに物足りなさを感じる場合があります。
だからといって、塩やしょうゆなどの調味料を付け足すことはしないようにしてください。
食事から摂る食塩の7割は調味料からといわれています。
調味料に含まれる食塩量は以下のとおりです。
調味料の種類 | 小さじ1杯当たりの塩分量 |
塩 | 5.9g |
オイスターソース | 2.1g |
顆粒ガラスープ | 1.3g |
和風だしの素 | 1.3g |
コンソメ | 1.15g |
しょうゆ | 0.9g |
厚生労働省 e-ヘルスネット「調味料の上手な使い方」をもとに執筆者作成
せっかくの減塩食も、調味料を付け足すことで台無しになってしまいます。
薄味に少しずつ慣れていくか、減塩食でも味付けがしっかりしている宅配サービスを利用すれば調味料を付け足す必要がありません。
どうしても何か付け足したい場合は、塩分を含まないお酢の酸味や香辛料の香味や辛み、天然だしの旨みを上手に使うことが大切です。
ただし、顆粒のだしやルーなどには塩分が含まれているので注意しましょう。
できれば何も足さなくても満足できるような宅配サービスを選ぶことをおすすめします。
5.減塩食の宅配サービスに関するQ&A
「そもそも宅配サービスを使ったことがなくて不安」「どのようにして注文したら良いのかわからない」などの疑問を抱えている方もいるでしょう。
ここでは、減塩食の宅配サービスに関してよく聞かれる八つの質問にお答えします。
5-1.Q.配達時に不在の場合はどうなりますか?
冷凍で配達される場合は、通常の宅配便を受け取るのと同様で、基本的には不在票がポストに入れられます。
都合の良い日にちと時間帯を選んで再配達を頼んでください。
宅配ボックスへの配達は行っていないため、対面での受け取りのみとなる場合がほとんどです。
宅配サービスによっては、配達用のボックスを玄関前に設置してくれるところもあります。
5-2.Q.支払い方法を教えてください
支払い方法は宅配サービスの種類によって違うので、それぞれのサイトを確認してください。
Amazonペイやクレジットカード、コンビニ後払いや代金引換などが利用できる宅配サービスもあります。
5-3.Q.賞味期限はどのくらいですか?
賞味期限は冷凍保存ができるものでおよそ3~6カ月です。
長いものだと1年ほどもつものもあります。
宅配サービスによって賞味期限は異なるので、各サービスのホームページをチェックしておきましょう。
冷蔵の場合は製造から約5日間以内が目安となります。
5-4.Q.注文後、どのくらいで届きますか?
注文からは1週間前後を目安に考えておくと良いでしょう。
ただし、配食サービスが提携している運送会社やお届け方法により異なります。
また、大型連休や年末年始については注文確定日が変更となる可能性があります。
出荷予定日やお届け予定日は各サービスのHPを確認するのがおすすめです。
5-5.Q.温めはどのようにすれば良いですか?
容器ごと電子レンジに入れてパッケージに記載されているとおりに加熱してください。
主菜、副菜、ご飯など品によって加熱時間が異なる場合もあります。
多くの商品はフィルムを少し開けて、500~600Wで3~4分間加熱する方法で食べられます。
ただし、電子レンジの種類によって加熱の具合が変わりますので、温め不足だと感じる場合は30秒ずつ追加で加熱しましょう。
5-6.Q.冷凍庫から冷蔵庫に移したらどのくらいもちますか?
冷蔵庫に移したら24時間以内に食べるのが原則です。
食べる前には必ず加熱をしましょう。
届いたあと、冷凍庫のスペースがなく収納できないということがないよう、あらかじめ場所を確保しておくことをおすすめします。
5-7.Q.どんな宅配食を選べば良いですか?
塩分量やカロリー、送料や味のほか、体調、好みのメニューなどを考慮して自分に合うものを選びましょう。
商品の栄養素を印刷して、担当の医師や管理栄養士に相談するのもおすすめです。
また、大豆やきのこ(しめじ、えのき、しいたけなど)、野菜・果物(未加工のもの)、植物油脂類(亜麻仁油、えごま油、オリーブ油など)、いも(さといも、じゃがいもなど)には塩分が含まれていません。
塩分量が気になる方は、このような食材が含まれるメニューを選ぶのがおすすめですよ。
5-8.Q.返品はできますか?
基本的に食品の返品はできません。
味が合うかどうか不安な方は、一度に大量に頼まずお試しセットを注文するようにしましょう。
また、アレルギー食品が入っているか気になる方は、事前に問い合わせておくと安心です。
6.減塩食の宅配サービスのまとめ
高血圧を管理する場合、1日の塩分摂取量は6g未満とするように推奨されています[4]。
そのため、減塩食の宅配サービスを頼むときは1食当たりの塩分量が2g以下となっているものを選ぶのがおすすめです。
宅配サービスによって塩分量や賞味期限、容器の大きさなどが異なります。
食べやすい味付けのものを選ぶのももちろん大事ですが、冷凍庫の収納を圧迫しないサイズ感のものを選ぶのも大切です。
この記事を参考に、自分に合う減塩食の宅配サービスを見つけてみてください。
この記事の監修者
内科認定医・癌治療認定医
【経歴】
国立大学医学部医学科卒業後、公立病院にて初期研修の2年を終了後、3年目からは癌治療を専門としながら幅広く内科疾患の診療に従事。治療が必要となる前の生活習慣の改善、また病気についての正しい知識が大事であることを実感し、病気についての執筆活動にもあたっている。