脳梗塞の原因3つ!なりやすい人の特徴をチェックしよう

2023年08月03日

2024年10月30日

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「脳梗塞になる原因にはどんなものがあるのだろう?」

「脳梗塞の予防方法があるのなら、知っておきたい……」

身近に脳梗塞になった方がいると、このように考える方もいらっしゃるのではないでしょうか。

脳梗塞は珍しい病気ではなく、また早期に発見できないと死に至るリスクがあります。

症状に気付いたら、すぐに医療機器を受診することが大切です。

この記事では、脳梗塞の原因や危険因子、また予防方法を紹介します。

自分が脳梗塞になりやすいのか確かめたい方、また脳梗塞対策を講じたいと考えている方は参考にしてみてください。

目次

1.脳梗塞とは?

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脳の血管に関連する病気には、脳梗塞のほかに脳出血、くも膜下出血などがあり、どのような違いがあるかわからないと感じている方もいることでしょう。

また、「脳梗塞と脳卒中にはどんな違いがあるの?」と疑問に思っている方もいるかもしれません。

ここでは、脳梗塞とはどんな病気なのか具体的に紹介します。

【関連情報】 「脳梗塞は突然起こる!原因や前兆、予防方法について」についての記事はこちら

1-1.脳の血管が詰まる病気

脳梗塞とは、「脳卒中」の一つです。

脳卒中とは、脳の動脈硬化が進行することで、脳の血管が詰まる、破れるといった症状が起こる病気のことをいいます。

脳卒中は三つに分類され、そのなかでも「脳梗塞」は脳の血管が詰まる病気です。

ほかには、脳動脈瘤が破裂する「くも膜下出血」、脳の血管が何らかの原因で破れる「脳出血」があります。

1-2.日本の死因第3位といわれている

脳卒中は日本の死因で第3位を占める病気で、脳卒中の75%を脳梗塞が占めています。

つまり、脳梗塞は命を失うリスクが高い病気ということです。

また、命に問題がなくても、一度発症すると後遺症が残るケースが多く、寝たきりなどの状態となる場合も多いとされています。

こうしたリスクを避けるには、脳梗塞の発症を予防することが大切といえるでしょう。

2.脳梗塞でみられる症状

女性

脳梗塞は命の危険があるため、「もしかして……」と疑われる場合、一刻も早く医療機関を受診することが大切です。

とはいえ、体の異変に気付いても、すぐに脳梗塞の可能性があるとは判断しにくいものですよね。

実は脳梗塞の症状は、脳のどの部分で生じるかによって異なります。

以下のいずれか、もしくは複数の症状がみられたら脳梗塞を疑いましょう。

2-1.運動障害(半身の麻痺)

脳梗塞で最も多い症状といわれるのが運動障害です。

運動障害は梗塞が生じた反対側の半身に現われ、半身の手足が思うように動かせなくなります。

例えば、右側の大脳に梗塞が起こると左側半身に麻痺が生じ、思うように動かせなくなるのです。

そうすると、手で持っていたお箸や茶碗などを落としてしまったり、歩こうとしても足がもつれてうまく歩けなくなったりなどの症状が出ます。

手足だけでなく、顔の半分が動かないといったこともしばしばみられます。

2-2.感覚障害(しびれ)

脳梗塞になると、体の半身の感覚が鈍くなったり、しびれたりします。

こうした感覚障害も全身ではなく、運動障害と同様、片方の手足や顔の半分のしびれ・感覚の異常のような症状がみられるのが特徴です。

しびれは脳梗塞の前兆として見られることも多いため、顔や手足のしびれを感じたら、すぐに救急車を呼んで医療機関を受診しましょう。

「気分が悪い」といった少しの体調不良であれば様子を見ることもできますが、しびれなどの症状は脳梗塞を含む脳卒中によるものの可能性があります。

様子を見ているうちに、症状が悪化して手遅れになるかもしれません。

1分1秒を争う事態となる恐れもあるため、すぐに行動することが大切です。

2-3.言語障害(うまく話せない)

言語障害も脳梗塞の症状の一つで、言語障害には構音障害(こうおんしょうがい)失語症の二つがあります。

2-3-1.構音障害

通常どおりの内容の言葉を話せるものの、唇や舌に運動障害が生じることでうまく話せなくなる症状です。

舌がもつれてろれつが回らないといった症状がみられます。

2-3-2.失語症

失語症は、話したくても言葉が出なかったり、人の話を聞いても言葉が理解できなかったりする症状です。

失語症も大きく「運動性失語」と「感覚性失語」の二つに分けられます。

運動性失語は人が言っていることを理解できるものの言葉が出ません。

一方、感覚性失語は人が言っていることを理解できないほか、自分が言っていることも理解できないのが特徴です。

2-4.嚥下障害(飲み込めない)

嚥下(えんげ)障害とは、食べ物や飲み物をうまく飲み込めないことをいいます。

脳梗塞を発症した際に必ずしも現れる症状ではないものの、脳卒中の発作直後だと3割~4割の方にみられるとされています。

食べ物や飲み物がうまく飲み込めないことから、むせやすくなるのも特徴です。

2-5.失行(日常動作ができない)

失行(しっこう)とは、運動障害や感覚障害といった症状はみられないものの、日頃行っていた動作ができなくなる状態のことです。

自分の体を思うように動かせなくなり、自分がしたいと思っていることと違うことをしてしまいます。

失行には、「観念失行」「観念運動失行」「構成失行」「着衣失行」などがあり、それぞれに症状が異なります。

2-5-1.観念失行

日常的に道具を渡されたときに、何に使用するのか理解できるものの、それをうまく使うことができません。

例えば、歯ブラシと歯磨き粉を渡されて歯磨きをするよう言われても、道具を正しい順序で使えないことがあります。

2-5-2.観念運動失行

「バイバイ」などの動作を自発的に行うことはできるものの、指示されるとできないことです。

また、人の動作をまねることができない状態も含まれます。

2-5-3.構成失行

形をうまく構成できない状態です。

例えば、箱など立体的に描く必要のあるものがうまく描けない、指で動物の形を作れないといったことが起こります。

2-5-4.着衣失行

自分の体と衣服の関係をうまく理解できなくなり、正しく衣服を着用できなくなる状態です。

衣服を裏返しに着たり、上下を逆に着用したりするといったことが見られます。

2-6.失認(認知できなくなる)

認知機能が低下し、特定の対象を認知できなくなるのが失認です。

失認にも「左右失認」「手指失認」「半側(はんそく)空間無視」「相貌(そうぼう)失認」「物体失認」など、さまざまなタイプがあります。

  • 左右失認:左右がわからなくなる
  • 手指失認:指を理解できなくなる
  • 半側空間無視:全体が見えているのに、片側の空間にあるものを無視してしまう
  • 相貌失認:家族が友人などなじみの人の顔がわからなくなってしまう
  • 物体失認:物を見ただけでは、それが何かを理解できなくなる

2-7.同名半盲(視野が狭くなる)

同名半盲とは、視野が半分に欠けてしまい、右もしくは左の視野にあるものが見えなくなることをいいます。

通常、眼から入った情報は視神経を経て大脳に入り、後頭葉(視覚中枢)まで達します。

脳梗塞で大脳の神経繊維がダメージを受けると、その反対側の視野が半分だけ欠けてしまうため同名半盲が起こるのです。

2-8.意識障害(意識が正常でない)

意識が正常でない状態のことを意識障害と呼びます。

脳梗塞などによって大脳や脳幹部に障害が生じると引き起こされる症状です。

意識障害は、程度によって「傾眠」「昏迷」「半昏睡」「昏睡」の四つに分類されます。

  • 傾眠:外部からの声かけや刺激に反応して覚醒するものの、そのままにしておくとすぐに眠ってしまう状態
  • 昏迷:少しの音や刺激には反応がなく、大声で呼びかけたり、体を揺すったりすると反応がある
  • 半昏睡:強い刺激に対する反応がある状態
  • 昏睡:眼を閉じたままで、外部からの刺激や呼びかけに全く反応しない状態

3.脳梗塞の原因

女性

「脳梗塞が起こるのはなぜ・・・・・・?」

脳梗塞の原因について知っておくと、自分はなりやすいのかどうか判断しやすくなりますよね。

脳梗塞は動脈硬化が進行することで起こる病気ですが、危険因子としては以下の三つがあげられます。

3-1.高血圧

脳梗塞の危険因子として、まずあげられるのが高血圧です。

血圧値と脳卒中の発症率は比例関係にあり、血圧が高ければ高いほど脳卒中の発症率も上がることが分かっています。

高血圧は身近な病気であるため死に直結するイメージはないかもしれませんが、血圧が高いと脳梗塞を発症するリスクが高いので注意が必要です。

3-2.糖尿病

糖尿病は虚血性脳卒中の発症リスクを2.27倍、出血性脳卒中については発症リスクを1.56倍高めるといわれています[1]。

つまり、糖尿病も脳梗塞の危険因子の一つです。

また、糖尿病患者については、脳卒中発症のリスクは、男性よりも女性の方が27%高いという報告もされています[1]。

近年では糖尿病患者が増加傾向にあるとされており、脳梗塞を含む健康リスクを高めています。

[1]日本脳卒中学会 3-1危険因子の管理(2)糖尿病

3-3.脂質異常症

血液中の脂質の値が基準値よりも高い、もしくは低い状態を脂質異常症といいます。

具体的には、LDLコレステロール(悪玉コレステロール)、HDLコレステロール(善玉コレステロール)、トリグリセライド(中性脂肪)の血中濃度の異常が脂質異常症です。

なかでも高コレステロール血症は脳梗塞の危険因子といわれています。

また、総コレステロールが1mmol/L(38.7mg/dL)増加すると、それにともなって脳梗塞の発症も25%増えるとの研究結果も報告されています[2]。

加えて、低HDLコレステロール血症についても、脳梗塞のリスクが高くなったという報告もあり、HDLコレステロール値が低過ぎるのも問題といえるでしょう。

[2]日本脳卒中学会 3-1危険因子の管理(3)脂質異常症

4.脳梗塞のなりやすさチェック

高血圧や糖尿病、脂質異常症といった病気以外でも、脳梗塞になりやすい人はいます。

以下に脳梗塞になりやすい人の特徴を紹介しますので、当てはまる点がないかチェックしてみてください。

4-1.肥満である

肥満も脳梗塞の危険因子の一つです。

肥満度を表す指標にBMIがありますが、BMIが高いほど脳梗塞発症のリスクは高くなることが分かっています。

メモ
BMIとは「Body Mass Index」の略で、体格を示す指数のことです。肥満度を表す数値として国際的に用いられており、世界共通の指数です。BMI = 体重(kg) ÷ 身長(m)で表され、「BMI = 22」となる体重は「標準体重」と呼ばれます[3]。

BMI値が高く、健康診断で肥満と判定された方は脳梗塞になりやすいタイプなので注意しましょう。

[3]一般社団法人 日本肥満学会「肥満症診療ガイドライン2022」

4-2.喫煙をしている

タバコには動脈硬化を促進するほか、血管を狭める作用があることが分かっています。

つまり、喫煙者は脳梗塞発症の条件が揃いやすいということです。

男性において、喫煙者と非喫煙者では、喫煙者の方がラクナ梗塞(脳の細い血管がつまる脳梗塞)に約1.5倍、大血管脳梗塞(脳の太い血管がつまる脳梗塞)に約2.2倍なりやすいとの研究結果もあります[4]。

少しでも発症リスクを抑えたいなら、禁煙するのが最も有効な方法といえるでしょう。

[4]国立研究開発法人 国立がん研究センター「男女別、喫煙と脳卒中病型別発症との関係について」

4-3.塩分の多い食事を好む

脳卒中の最大の原因とされている高血圧の発症は、食塩の過剰摂取が主な要因とされています。

そのため、塩分が多い食事を好む人は脳卒中になりやすいと考えられます。

日本人は醤油やみそ、漬け物など塩分を含む食品を習慣的に摂取することが多く、注意しないと塩分を摂り過ぎてしまいます。

濃い味付けが好みだったり、使用する醤油などの調味料の量が多かったりする人は、特に気を付けましょう。

4-4.大量の飲酒をすることがある

お酒を適量飲む分には大きな問題はありませんが、大量に飲むと脳梗塞を含む脳卒中すべての発症リスクを高めます。

過度の飲酒は、肥満や高血圧など脳梗塞の危険因子を引き起こしやすいからです。

脳梗塞の発症リスクを抑えるには、お酒は少量を嗜む程度に留めることをおすすめします。

4-5.運動不足である

運動不足は、高血圧や肥満などの生活習慣病のリスクを増大させ、脳卒中のリスクを高めることが分かっています。

特に仕事がデスクワークで体を動かす機会がほとんどない方や、インドアで休日に家で過ごすことが多い方は、運動不足の可能性が高いため注意が必要です。

5.生活習慣を見直して脳梗塞を予防しよう

ここまで脳梗塞の原因やなりやすい人の特徴を紹介しました。

確認した結果、「自分は脳梗塞になりやすいタイプ」とわかった場合、何か対策ができないのか悩みますよね。

実は生活習慣を見直すことで脳梗塞の発症リスクを下げることはできます。

脳梗塞を予防する方法について、みていきましょう。

5-1.禁煙をする

先述のように、喫煙は脳梗塞の発症リスクを高めます。

タバコを習慣的に吸っている方は禁煙しましょう。

とはいえ、これまで禁煙に何度か挑戦したものの、うまくいかなかった経験をもつ方もいるかもしれません。

禁煙を成功に導くには、薬局などで購入できる禁煙補助薬の使用がおすすめです。

ニコチンガムやニコチンパッチなどの禁煙補助薬は、ニコチン切れによるイライラなどの離脱症状を抑えるのに役立ちます。

また、どうしてもタバコがやめられない、いわゆるニコチン依存症の方、もしくはそれに類する方は医療機関に相談するのもおすすめです。

医療機関では医師に相談しつつ適切な治療を受けられます。

5-2.適切な体重を維持する

脳梗塞発症のリスクを下げるには、適切な体重の維持も大切です。

肥満もしくは肥満気味の方は、まずは体重を落とし、適正体重を目指しましょう。

適正体重は、以下の方法で算出できます。

身長(m) × 身長(m) × 22 = 適性体重(kg)

例えば、身長175cmの方であれば、以下のように計算します。

1.75 × 1.75 × 22 = 67.375(kg)

つまり、身長175cmの方であれば、67.375kgが適正体重ということです。

もしも適正体重を超えているなら、食事に気を付けるとともに定期的に体を動かして、適正体重に近づけるよう努力してみましょう。

5-3.食事方法を工夫する

食事内容によっては高血圧や糖尿病、肥満などを引き起こす原因となります。

以下の食事方法を意識しましょう。

5-3-1.バランスの良い食事

塩分が多い、脂っこいといった食事を避け、緑黄色野菜、海藻、きのこ、大豆類などが豊富に含まれた食事を心掛けるのがおすすめです。

できれば1日に30品目、また腹8分目を意識しましょう。

5-3-2.間食を避ける

いくら食事に気を付けていても、間食で脂質や糖質を摂り過ぎてしまうと、思うような効果は期待できません。

できれば間食はしないことをおすすめします。

また、食事だけでなく飲み物に含まれる糖分にも気を付けることが大切です。

5-3-3.寝る前に食べない

寝る前の食事は控えましょう。

夕食は就寝3時間前くらいには終えるようにします。

5-3-4.魚を意識して摂る

サバやイワシといった青魚には血液をサラサラにする成分が豊富なので、動脈硬化の予防につながります。

また、摂取カロリーの面からも魚の方が肉よりもカロリーが低くておすすめです。

5-4.こまめに水分補給をする

水分の摂取量が不十分だと、血液が濃くなってしまい、脳梗塞の発症リスクを高めます。

とりわけ中高年の方は若い方と比較して、脳梗塞のリスクが高いので、こまめに水分を補給することが大切です。

「喉が渇いた」と感じてから飲むのではなく、喉の渇きを感じる前に水を飲むようおすすめします。

特に入浴の前後や寝る前、起床時、また運動中やその前後などのタイミングでは意識して飲むようにしましょう。

5-5.運動習慣をつける

定期的に体を動かしましょう。

運動すると血液の流れを良くする、血圧や血糖値を下げる、善玉コレステロールを増加させるといった作用を期待できます。

ハードな運動をする必要はないので、ウォーキングなどできることから始めてみましょう。

少し早めの速度で1回につき30~40分程度歩くことをおすすめします。

5-6.アルコールは適量を守る

アルコールの飲み過ぎは動脈硬化の進行を促進し、脳梗塞のリスクを高めます。

禁酒をする必要はないものの、飲む量に気を付けて適量を守りましょう。

1日の目安量は、ビールなら中瓶1本程度です。

「ビールを飲み始めると、つい数本開けてしまう」「飲み始めると、やめられない」といった方は、できるだけお酒を飲まないように心掛けましょう。

6.脳梗塞の原因についてのまとめ

脳梗塞の原因には、高血圧、糖尿病、脂質異常症などがあげられます。

加えて、肥満や喫煙、塩分の多い食事、アルコールの飲み過ぎ、運動不足といった要素も脳梗塞の発症リスクを高めます。

脳梗塞になりやすい人の特徴に当てはまる方は、発症リスクを少しでも下げられるように生活習慣を見直しましょう。

この記事の監修者

小鷹 悠二
小鷹 悠二
おだかクリニック
副院長

【経歴】
総合病院・大学病院での勤務を経て、2018年よりおだかクリニックの副院長として診療・経営にあたる。専門の循環器疾患(虚血性心疾患、心不全、不整脈など)はもちろんのこと、高血圧や高脂血症、糖尿病等の生活習慣病や内科疾患全般の診療に従事。現在は、医療コンサルト・アドバイザー業務や、ライティング業務などにもあたっている。

【おだかクリニックのHP情報】
»医療法人日和会 おだかクリニック

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