「シトルリンってどんな効果があるの?」
このように、シトルリンがどんな成分なのか気になっているという方もいらっしゃるかもしれませんね。
私たちの体内にも存在しているアミノ酸の一種がシトルリンです。
シトルリンは、アミノ酸が分解される過程で発生する有毒物質「アンモニア」の解毒に関わっている成分です。
また、血管を広げて血流を促す作用が期待できることでも知られています。
この記事では、シトルリンに期待できる効果や適切な摂取量、含まれる食べ物などについて詳しく解説します。
1.シトルリンとは
シトルリンはアミノ酸の一種です。
アミノ酸はたんぱく質を構成する成分として知られていますが、シトルリンはたんぱく質の構成成分とならずに単体で体内に存在し、それぞれのはたらきを発揮している「遊離アミノ酸」の一つです。
また、シトルリンは肝臓内で有毒なアンモニアを無毒化する「尿素サイクル」に関わる成分でもあります。
さらに、シトルリンが作り出す物質「一酸化窒素(NO)」には血管拡張作用があり、血流を促すことが期待されています。
シトルリンは、体内でさまざまなはたらきを担うアミノ酸なのですね。
2.シトルリンに期待できる効果
「シトルリンには何か良い効果が期待できるのかな?」
シトルリンに期待できる効果について、さらに詳しく知りたいと考えている方も多くいらっしゃるかもしれませんね。
ここでは、シトルリンに期待できる効果について詳しく解説していきます。
効果1 血管をしなやかに保ち血流改善に役立つ
シトルリンから作り出される一酸化窒素(NO)は血管を拡張させ、血流を良くする効果が期待できるといわれています。
そもそも一酸化窒素(NO)は、血管の内側を覆っている組織(血管内皮)で非必須アミノ酸の一つ「アルギニン」と酸素から作られますが、アルギニンはシトルリンから変換されます。
そのため、シトルリンも一酸化窒素(NO)を作り出すために不可欠な物質として考えられているのです。
一酸化窒素(NO)は「動脈硬化」を予防したり血流の悪化から生じる手足の冷えなどの症状を改善したりする効果が期待できるとされています。
一酸化窒素の材料となるシトルリンの重要性が分かりますね。
また脳の血流を高めることで、記憶力や集中力の向上に役立つとも考えられています。
効果2 運動時の持久力向上などに役立つ
シトルリンが作り出す一酸化窒素(NO)には、運動時の持久力を向上させる効果なども期待できるといわれています。
一酸化窒素(NO)には血流促進のほか、運動時など筋肉が使われることで発生する「乳酸」の再利用を促す作用があります。
シトルリンを補うことで血流を促進したり乳酸を除去したりすることは、疲労感や筋肉痛の軽減につながり、運動時の持久力向上に役立つと考えられているのです。
効果3 肌の若々しさを保ったり保湿力を高めたりする
シトルリンには紫外線のダメージから肌を守ったり肌の水分量を保ったりする作用が期待されています。
紫外線を浴びることで、体内には肌のダメージにつながる「活性酸素」が過剰に発生します。
活性酸素は肌の細胞を傷つけることでシワやたるみの原因となりますが、シトルリンにはこの活性酸素のはたらきを抑えたり除去したりする「抗酸化作用」があるといわれています。
また、シトルリンは私たちの皮膚に備わっている「天然保湿因子」を構成する成分の一つです。
皮膚の表皮に存在する天然保湿因子の量が減少すると、肌が水分を保持する力が低下し乾燥肌を引き起こすとされています。
シトルリンを十分に摂取することは、肌の老化を予防したり乾燥を防ぎ弾力やハリを保ったりといった美肌対策にもつながるといえるのですね。
3.シトルリンの適切な摂取量
厚生労働省の「日本人の食事摂取基準」においては、シトルリンの摂取目安量などは設けられていません。
しかし、栄養補助食品や機能性表示食品として販売されている健康食品のなかには1日の推奨摂取量を800mgとしているものもあります。[2]
4.シトルリンを含む食べ物
シトルリンはすいかやメロン、きゅうり、にがうり(ゴーヤ)、冬瓜などウリ科の野菜や果物に多く含まれています。
なかでも多いのが「シトルリン」の名前の由来となったといわれている「すいか」です。
しかし、シトルリンの1日当たりの摂取推奨量を食べ物だけで摂取することはとても困難です。
例えば、100g中にシトルリン180mgを含むすいかは1/7個、50mg含むメロンは1.3個、9.6mg含むきゅうりは56.5本食べなければ1日当たりの推奨量である800mgには届きません。[3]
シトルリンを十分に摂取したいという方は、サプリメントなどの活用も視野に入れる必要があるのかもしれませんね。
5.シトルリンと一緒に摂ると良い成分
シトルリンの効果をより高めたい場合は、非必須アミノ酸の一つ「アルギニン」を一緒に摂ると良いといわれています。
シトルリンもアルギニンも、血管の弾力を保ち血流促進作用のある一酸化窒素(NO)を作り出すことに関与している物質です。
血流を促す作用を持つ一酸化窒素(NO)には、動脈硬化の予防や運動時に良い影響をもたらすなどさまざまな効果が期待されています。
この一酸化窒素(NO)を直接作り出している物質がアルギニンですが、アルギニンは体内でシトルリンから変換されるため、シトルリンも一酸化窒素(NO)の産生に不可欠な物質であると考えられています。
シトルリンとアルギニンを同時に摂取することで血液中のアルギニンの濃度が上昇し、より効率的に一酸化窒素(NO)を増やすことができると考えられているのです。
6.シトルリンに体への悪影響はある?
体内にも存在するアミノ酸の一種であるシトルリンは、適切に摂取する場合には安全性の高い成分であると考えられます。
シトルリンの摂取に注意が必要な方や相互作用のある医薬品、過剰摂取による健康被害の可能性などは現時点では報告されていません。
ただし妊娠中や授乳中の方がシトルリンを多く摂取した場合にどのような影響があるかはまだ不明なので、妊娠中や授乳中の方は自己判断でサプリメントなど濃縮されたシトルリンを摂取しないようにしましょう。
またシトルリンを意識的に摂取するためにサプリメントなどの利用を考えている方は、パッケージに記載された1日当たりの摂取目安量を守って利用しましょう。
7.シトルリンのまとめ
シトルリンはたんぱく質の構成成分とならない遊離アミノ酸の一種です。
シトルリンはすいかやメロン、きゅうりなどウリ科の野菜や果物に多く含まれています。
血管を拡張させ、血流を促す効果を有する一酸化窒素(NO)を作り出すことに関与するシトルリンには、動脈硬化を予防するといわれる一酸化窒素の材料となったり、運動時の持久力を向上させたりする効果が期待されています。
シトルリンと一緒に摂取すると効果的な成分にアルギニンがありますが、この二つの成分は筋トレやスポーツをする方の間では、運動前に摂取する「プレワークアウトサプリ」としても注目の成分です。
安全性の高い成分であるとはいえ、サプリメントなどから摂取する場合には過剰摂取に注意しましょう。
シトルリンを適切に摂取して健康に役立ててみてはいかがでしょうか。