「デスクワーク中はどんな姿勢が良いんだろう?」
デスクワークで肩のこりなどを感じ、このような疑問をお持ちになった方もいらっしゃるのではないでしょうか。
デスクワーク中には背骨や首をしっかり伸ばし、足裏がしっかり床に着ける姿勢が理想的です。
誤った姿勢が長時間続くと、筋肉がこわばったり血流が悪くなったりしてさまざまな悪影響を及ぼすといわれています。
この記事では、デスクワーク中の誤った姿勢が与える影響や理想的な姿勢、作業環境について詳しく解説します。
デスクワークでの肩や腰の痛みを予防するポイントも解説するので、ぜひ参考にしてみてくださいね。
1.デスクワーク中の誤った姿勢が体に与える影響
デスクワーク中に誤った姿勢を続けていると、肩こりや腰痛などを招くことがあります。
本来背骨はS字のような形をしており、首や肩の筋肉と共に頭を支えて姿勢を維持しています。
しかしデスクワーク中にパソコンを見続けていると猫背になりやすく、自然と首が前に傾いてしまいます。
首が前傾した姿勢では背骨全体のバランスが崩れるため、首や肩などの筋肉が引っ張られ負担がかかります。
筋肉が緊張したままの状態が続くと血液の流れも悪くなるため、酸素や栄養が行き渡りにくくなります。
それにより筋肉に疲れがたまりやすくなったり、肩こりや首、腰の痛みの原因になったりするのです。
また、デスクワークなどで運動量が少なく、筋力が低下している場合も腰痛の原因になります。
特に姿勢を保持するのに重要なのが「体幹」の筋肉です。
体幹の筋力が弱いと正しい姿勢を保つことが難しくなり、背骨などに負担がかかりやすくなります。
このように、デスクワーク中の誤った姿勢による血流の悪化や、運動不足による筋力の低下が原因で首や肩、腰のこりや痛みなどの悪影響が生じます。
2.デスクワーク中の理想的な姿勢と作業環境
「デスクワーク中は姿勢をどうしたら良いのかな?」
と、気になっている方もいらっしゃるかもしれませんね。
デスクワーク中は正しい姿勢を意識して椅子に深く座ったり、自分に合った作業環境を整えたりすることで肩こりや腰痛などを予防できます。
この章では、デスクワーク中の理想的な姿勢や作業環境について解説します。
デスクワークが長時間に及ぶ方は、ぜひ参考にしてみてくださいね。
2-1.デスクワーク中の理想的な姿勢
肩こりや腰痛などを予防するためには、デスクワーク中に正しい姿勢を意識するようにしましょう。
理想的な姿勢は、椅子に深く座って背もたれで体幹を支え、足裏全体が床に接する状態です。
背骨と首をしっかり伸ばし、腹筋に力が入るように座ることで良い姿勢を保つことができます。
おなか周りの筋肉を鍛えて体幹を安定させると、肩や腰などにかかる負担を軽くすることができますよ。
また、椅子と太ももの接している部分は手指が入る程度に少し浮かせていると、太ももにかかる圧力を軽減することができます。
必要に応じて足を置く台を使うと良いでしょう。
加えて、骨盤を立てるように意識して座ることも重要です。
背もたれに寄りかかり過ぎた姿勢では骨盤自体が後ろに倒れてしまい、背中が丸まって首や肩のこりなどを引き起こしやすくなります。
反対に、正しい姿勢を意識し過ぎると骨盤が前に倒れて反り腰になりやすく、腰痛を招く原因になります。
デスクワーク中は気付かぬうちに姿勢が崩れやすくなるため、意識的に姿勢を正すようにしましょう。
2-2.デスクワーク中の理想的な作業環境
デスクワーク中に良い姿勢を保つためには作業環境を調整することも重要です。
パソコンは画面の上端が目線の高さまで、目から40cm以上の距離になるように設置することが推奨されています[1]。
デスクワークで使用する椅子は、安定して座れるもの、座面の高さや背もたれの傾きなどを調節できるものが良いでしょう。
また、デスクワークに必要な物品を適切な位置に配置することも大切です。
キーボードやマウスが近過ぎたり遠過ぎたりすると、肩こりにつながることがあります。
デスクの上は物品の移動や配置がしやすいように整理整頓し、無理のない姿勢で作業ができるように心掛けてくださいね。
その他にも部屋やパソコン画面が暗く見えにくいと姿勢が悪くなったり、目が疲れやすくなったりする原因になります。
画面と書類を交互に見る場合にはそれぞれの照明の明るさの差がなるべく小さくなるようにしましょう。
机上の照明は300ルクス以上であることが目安となっています[1]。
これは蛍光灯を使用している少し古めのオフィスくらいの明るさといわれています。
自分が作業しやすい明るさであるかどうかに留意し適宜調整するようにしてみてくださいね。
このようにデスクワーク中は正しい姿勢を意識するだけでなく、無理のない姿勢で安全に作業ができる環境を整えることも大切なのですね。
3.デスクワークでの肩こりや腰痛を予防する上でのポイント
デスクワークでの肩こりや腰痛を予防するには、デスクワークの合間にストレッチを行ったり、日頃から適度な運動を取り入れたりすることが重要です。
体を動かすことによって血流を改善し、筋肉への負担を軽減することができます。
肩こりや腰痛を予防・改善したい方はぜひ実践してみてくださいね。
ポイント1 適宜ストレッチを行う
デスクワークの合間にストレッチを行うことも効果的です。
ストレッチは筋肉の柔軟性を高めて血流を良くし、疲労回復を促進する効果があるといわれています。
首や肩こりの予防・改善には、僧帽筋の柔軟性を高めるストレッチが有効です。
まずは姿勢を正して座り、右腕を後ろから腰に回します。
左手で右耳の上側を軽く押さえ、左斜め前に頭を倒します。
首の後ろが伸びていると感じるところまで倒し、20~30秒ほどキープしましょう。
この動作を反対側も同様に行います。
ストレッチ中は呼吸が止まらないように留意してくださいね。
次に、腰痛を予防・改善できるストレッチについて解説します。
腰のストレッチは腰を支える筋肉の柔軟性を高めたり、姿勢を改善したりすることが期待できますよ。
まずはデスクから椅子を少し後ろに下げ、やや浅く座るような姿勢をとります。
膝を広げ、上体を前に倒して十分に腰を伸ばします。
ゆっくり上体を起こしたら、首を回したり肩を上下させたりして肩周りもほぐしていきましょう。
3〜5回程度を1セットとして、無理のないよう1日のうちで数回に分けて行ってくださいね。
今回紹介したストレッチは、デスクワークの合間に座ったまま行うことができます。
もし仕事が忙しくストレッチをすることが難しい場合には、立ち上がったり立ち作業に切り替えたりするだけでも血流が良くなりますよ。
同じ姿勢が続かないようこまめに休憩を挟みながらストレッチを取り入れてみてくださいね。
ポイント2 適度な運動をする
デスクワークによる腰痛などを予防するには、適度な運動で筋力を維持することも重要です。
運動によって筋力を維持すると正しい姿勢を保つことができ、背骨や腰にかかる負担を軽減できます。
比較的運動の負荷が軽く、普段あまり運動習慣のない方でも取り組みやすいのが有酸素運動です。
有酸素運動は筋力の維持はもちろん、血流を良くして筋肉に疲れがたまりにくくなる、脂肪が消費されて体脂肪が減少するなどの効果があるとされています。
有酸素運動には、水中ウォーキングやハイキングなどがあります。
水中ウォーキングはプールなどで歩くトレーニングを指します。
水圧によって血流が良くなり、筋肉がほぐれて肩こりなどの改善ができる他、水の抵抗を受けることで筋力の向上が期待できるとされています。
また、水の浮力で腰や膝などにかかる負担を抑えることができるため、体力に自信のない方でも無理なく行うことができますよ。
ハイキングは、山道などの自然の中を楽しみながら歩く運動です。
ハイキングは自然の中を歩く運動であるため長時間になりやすく、平坦な道に比べると運動の負荷が高くなることがあります。
そのためハイキングをする際には休憩を挟みながら自分のペースで歩くことが大切です。
こまめに休憩をとりながら周りの景色や音、温度などを感じるとリラックス効果を得ることもできるため、自然を楽しみながら歩くようにしてみてくださいね。
このように、筋力を維持するための有酸素運動にはさまざまな種目があります。
自分に合った運動を習慣化して筋力を保ち、デスクワークによる腰痛などを予防していきましょう。
4.デスクワーク中の姿勢についてのまとめ
デスクワーク中の誤った姿勢や長時間同じ姿勢が続くと、肩こりや腰痛などを招くことがあります。
デスクワークでパソコンを見続ける姿勢が続くと猫背になりやすく本来S字のような形をしている背骨のカーブが崩れてしまいます。
次第に首や肩などの筋肉が引っ張られて血液の流れも悪くなるため、筋肉に疲れがたまりやすくなったり、肩こりや首、腰の痛みなどを引き起こしたりします。
このような首や肩のこり、腰痛などを防ぐためには日頃から正しい姿勢を保ち作業環境を整えましょう。
デスクワーク中は椅子に深く座って背もたれで体を真っすぐに支え、足裏全体が床に接する姿勢が理想的です。
腹筋を意識して座ることで腰にかかる負担を軽減することもできますよ。
また、長時間同じ姿勢が続かないようこまめに休憩を挟んでストレッチをしたり、日常的に運動をして筋力を維持したりすることも大切です。
デスクワークの合間にストレッチをすると筋肉の柔軟性が高まり疲れがたまりにくくなります。
座ったままできるストレッチもあるので、今回紹介したストレッチを参考に実施してみてくださいね。
筋力を維持する方法としては水中ウォーキングや、ハイキングなどの有酸素運動が効果的です。
いずれも筋トレなどに比べて体に負担がかかりにくく無理なく始めやすいので、できるところから取り組んでいきましょう。