ランニングを毎日行うと体によくないのは本当?走る適切な目安とは

2024年01月24日

2024年10月11日

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ランニングを毎日するのはよくないって聞くけど、どうして?

どれくらいの頻度で走るとちょうど良いの?

日常的にランニングをしている方のなかには、毎日走るのはよくないと聞く機会もあるのではないでしょうか。

適度なランニングやジョギングは体の調子を整えるのに良いことが知られていますが、具体的にどれくらいの頻度で走るのが適しているのか気になりますよね。

今回は、毎日のランニングがよくないと言われる理由や、適切なタイミング・強度などについて解説します。

加えて、体に負担をかけないランニングのポイントもご紹介しますので、ぜひ参考になさってください。

1.毎日のランニングがよくないといわれる理由

ひざを押さえる手

毎日のランニングは健康面でプラスに働く習慣と思われがちですが、過度なランニングは悪影響を及ぼすケースも珍しくありません。

ここでは、過度にランニングを行うリスクを解説します。

【関連情報】 「有酸素運動とは?効果や無酸素運動との違い、おすすめの運動を紹介」についての記事はこちら

1−1.オーバートレーニング症候群を引き起こす恐れがある

ランニングを毎日続けることは、オーバートレーニング症候群という問題を引き起こす恐れがあります。

オーバートレーニング症候群とは、疲労が十分に回復する前に運動を繰り返し、積み重なることによって慢性的な疲労状態に陥る状態を指します[1]。

また、単純な筋肉の疲労だけなく、肉体的・精神的なストレスにより、脳から分泌されるホルモンのバランスが崩れることも発症の原因と考えられています。

特に、コルチゾール、カテコールアミン、テストステロンなどのホルモンが影響を受けていると言われています。

オーバートレーニング症候群が重症化すると、回復の時間が延びるため、無理せずに休息や治療に励むことが大切です。

まずはランニング含むトレーニングは控えて、ビタミンB群やビタミンC群を積極的に摂取しましょう。

ただし、体の変化に不安を感じた場合は専門家に相談し、早期に対処することが大切です。

[1]公益財団法人長寿科学振興財団 健康長寿ネット「オーバートレーニング症候群とは」

1−2.膝を痛める恐れがある

習慣的にランニングをしている場合は「ランナー膝(腸脛靱帯炎)」の発症に注意が必要です。

膝の外側に位置する腸脛靱帯(ちょうけいじんたい)が炎症を起こして、痛みや腫れを引き起こす可能性があります。

特に、最近ランニングを始めたばかりの人や筋肉が硬い人、十分な筋力が身に付いていない人、O脚の人は発症しやすいと言われています。

2.ランニングの適切なタイミング・強度は?

ピンクの服を着てジョギングする女性

毎日のランニングがよくないと言われても、どの程度走れば健康や美容に効果的かつ安全なのか、具体的にイメージしにくいですよね。

ここでは、健康づくりのために走る場合とダイエットのために走る場合、それぞれのランニングの適切なタイミングや強度について解説します。

2−1.健康づくりのために走る場合

ランニングを通じて健康を維持・向上させるためには、身体活動を評価するための単位である「メッツ(METs)」と「エクササイズ(Ex)」について知っておくことをおすすめします。

・メッツ(METs):身体活動の強さを、安静時の何倍に相当するかで表す単位。安静に座っている状態が1メッツ、通常の歩行が3メッツに相当。

・エクササイズ(Ex):身体活動の量を表す単位。メッツに身体活動の実施時間(時)をかけたもの。より強い身体活動ほど短い時間で1エクササイズとなる。

健康づくりの目標は、週に4回、3メッツ以上の運動を行うことです。

1度のエクササイズの目安は、軽いジョギング10分、ランニング7〜8分です。

これらの基準を元に、ランニングのスケジュールを立ててみてはいかがでしょうか。

2−2.ダイエットのために走る場合

ダイエットの一環としてランニングを取り入れる場合、内臓脂肪を減少させるためには週に少なくとも10エクササイズ、もしくはそれ以上の運動量が必要です。

週に10エクササイズとは、具体的には30分間の速歩を週5回行う程度の運動量です。

内臓脂肪は美容面だけでなく健康リスクとも関連しており、減少させることは重要といえるでしょう。

3.体に負担をかけないランニングのポイント

ストレッチをする女性の後ろ姿

日のランニングは、場合によってけがや慢性的な疲労感に悩まされるケースがあります。そこで負担の少ないランニングのポイントを押さえておきましょう。

ここでは、オーバートレーニング症候群や膝の痛みなどのリスクを最小限に抑えるためのランニングの方法について解説します。

3−1.クッション性のあるシューズを履く

ランニング中、体にかかる負担は踵や膝に集中します。

この負担を最小限に抑えけがのリスクを減少させるためには、クッション性の高いシューズを選ぶことが不可欠です。

クッション性のあるシューズは、地面との衝撃を吸収し、足や膝へのストレスを軽減してくれます。

3−2.ランニング前にストレッチを行う

ランニング前のストレッチは、けがを予防する重要なステップです。

ストレッチは筋肉や関節を柔軟にするため、ランニング中に無意識に体が強張るリスクを軽減します。

ランニング前のストレッチは、痛みを感じない程度に筋肉を20〜30秒程度伸ばすことを目指します。特に、太ももや膝関節周りに焦点を当てましょう。

ストレッチは無理に行わず、自身の体調や柔軟性に合わせて行うことがポイントです。

3−3.正しいフォームを身に付ける

ランニングの正しいフォームを身に付けることも、体に負担をかけないために重要です。

例えば、足は重心の真下に着くように意識しましょう。

足が大きく前方に出過ぎないように注意することで地面との接地が安定し、脚への負担が分散されます

また、ランニング中は目線を前に向けることも大切です。前方を見つめることで、姿勢が保たれます。

下を向くことは背中や首に負担をかける原因となるため、目線と背中を真っすぐにすることをイメージしながら走りましょう。

3−4.ピッチとストライド(歩幅)を調整する

ランニング中、ピッチ(1分間当たりの歩数)とストライド(歩幅)も意識しましょう。

適切なバランスを見つけることで体の疲労や負担を軽減し、けがを予防できます。

一般的に、ストライドが大き過ぎると体に余分な負担がかかり、疲れやすくなります。

したがって、早めのピッチでストライドを大きくし過ぎないように調整することで、無理なく長距離を走ることができるでしょう。

ピッチに合わせて呼吸をし、リズミカルに走ることを心掛けてみてください。

3−5.土や芝生などのコースを選ぶ

ランニングコースの選択は、ランニングの快適性と安全性に大きな影響を与えます。

特に硬いアスファルトの上で走ると、足への負担が大きくけがのリスクが高まります。

極力柔らかい土や芝生の上を選ぶことで、足への衝撃を吸収し、関節へのストレスを軽減できるでしょう。

また、コースを定期的に変えることもおすすめです。同じコースを走り続けると、ランニングが単調な作業に感じてしまうこともあります。

新しい景色や坂道や階段などの挑戦的な地形を探すことで、ランニングを楽しみながら続けることができるはずです

4.毎日のランニングがよくないことについてのまとめ

毎日のランニングが健康に及ぼす影響や注意すべきリスク、安全かつ効果的なランニングを実践するための方法を紹介しました。

オーバートレーニング症候群には休息、膝への負担にはフォームとシューズ、目標に応じたタイミングと強度を設定します。

体への負担を最小限に抑えるために、普段からフォーム、ストレッチ、ピッチとストライドに注意すること、柔らかいコースの選択など、工夫しましょう。

ランニングを健康的に習慣化するためには、自身の体調や目標に合わせた適切なアプローチが重要です。

無理のないランニングライフを実現するために、今回紹介した情報を参考にしてみてください。

この記事の監修者

井上 志穂
井上 志穂
内科認定医・がん治療認定医

【経歴】
国立大学医学部医学科卒業後、公立病院にて初期研修の2年を終了後、3年目からはがん治療を専門としながら幅広く内科疾患の診療に従事。治療が必要となる前の生活習慣の改善、また病気についての正しい知識が大事であることを実感し、病気についての執筆活動にもあたっている。

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