「昨日は食事会でついつい食べすぎて体調が優れない……」
「食べすぎた次の日に楽になる過ごし方はあるのだろうか……」
職場や友人、知人との食事会などで、ついつい食べすぎてしまい、翌日に体重増加や体調不良に悩む方も多いのではないでしょうか。
「1日くらいなら大丈夫だろう」と感じる方もいるかもしれませんが、食べすぎによって引き起こされる体の不調があるのも事実です。
そのため、食べすぎた次の日は、早めの対処が必要です。
この記事では、食べすぎた翌日の食事や生活で注意したいポイントを中心に紹介します。
1.食べすぎた次の日は”48時間以内”にリセットすることが大事!
ダイエット中につい食べすぎてしまい、次の日に罪悪感を覚える方も少なくありません。ただし、翌日すぐに脂肪になるわけではありません。
食べたものはグリコーゲンとして肝臓や筋肉に貯蔵されますが、食べすぎるとこのグリコーゲンがエネルギーとして消費されず、脂肪に変化します。
余ったエネルギーが脂肪に変わるまでに48時間かかるといわれているため、食べすぎたら翌日にリセットすることが大事です。
とはいえ、極端な食事制限はおすすめできません。食事制限ではなく、体を調節したり健康を維持したりするための必要な栄養素を摂ることで、カロリー調整に役立ちます。
食べすぎて体調が優れないと感じた場合は、まずは医師へ相談しましょう。体調不良が悪化する前にも早期の受診が大切です。
2.食べすぎた次の日の食事で意識すべきポイント
ここでは、食べすぎた次の日も食事で意識すべきポイントを紹介します。
2-1.白湯を飲む
食べすぎた翌日は、摂りすぎた塩分や糖分、アルコールをデトックスできるよう水分を多めに摂るようにしましょう。ここで摂取する水分は、体の巡りを良くする白湯がおすすめです。
朝にマグカップ1杯の白湯を飲むことで、胃腸のはたらきを整えデトックス作用を回復できます。白湯によって胃腸が温められ、消化力を高められるためです。
さらに、白湯を飲むことで体内の血流が促進され、老廃物が排出されやすくなったり、代謝が高まってむくみにくくなったりする効果も期待できます。
白湯の適温は50℃程度。熱いと感じる場合は、冷ましながらゆっくり飲みましょう。1日に飲む量の目安は、マグカップ3〜5杯程度です。
食後の30分間に飲むと胃の消化液を薄めてしまう可能性があるため、起床してからすぐ飲むのが良いとされています。
2-2.カリウムを含む食材を食べる
食べすぎた翌日に顔や体のむくみを感じる人もいるでしょう。むくみの原因の一つは、ナトリウムの摂りすぎです。
体内の水分量はナトリウムとカリウムのバランスでコントロールされていますが、ナトリウムを摂りすぎることでそれらのバランスが崩れ、むくみやすくなる仕組みです。
塩分の多い食事の摂りすぎは、カリウムを含む食材で調整しましょう。
カリウムには体内に溜まった余分な水分を排出する役割があるため、むくみが気になる方におすすめです。
カリウムはバナナや納豆、ほうれん草、わかめなどに多く含まれています。
特にバナナは消化も良く、食物繊維も豊富で利尿作用やデトックスにも期待できます。
2-3.消化の良いものを食べる
体や胃の調子が通常モードに戻るまでは、野菜や炭水化物など、消化の良い食べ物を選んで食べると良いでしょう。
ただし、炭水化物の摂りすぎには注意し、糖質過多にならないようにしてください。
消化の良い食べ物の例は以下のとおりです。
主食 | おかゆ、うどん |
肉類 | 鶏のささみ、赤身肉など脂が少ない肉 |
魚介類 | 鯛、カレイ、タラなどの白身魚 |
豆類 | 納豆、豆腐 |
乳製品 | 牛乳・ヨーグルト |
野菜 | ほうれん草、白菜、人参など繊維が少ない野菜 |
果物 | バナナ、りんご |
その他 | ゼリー、麦茶など |
温かいものや、やわらかいもの、脂肪が少ないものが消化の良い食べ物として挙げられます。
そのほか、調理方法を工夫するのも一つの方法です。
細かく刻んだり、ミキサーを使って食べやすくしたり、薄い味付けにしたりすることで消化の良い食べ物に近づけられます。
2-4.ゆっくり噛んで食べる
よく噛んで食べることは、唾液の分泌が増え、食べ物の消化を助けます。早食いでは脳の機能が満腹を感じるまでに食べすぎてしまう可能性があります。
そこで、よく噛むことで少量でも満腹中枢が刺激され、さらなる食べすぎを防ぐ効果が期待できます[1]。
そのほか、よく噛んで食べることで肝臓や筋肉に蓄えられていたグルコースが血液中に放出され、体が活発になったり、脂肪が燃えやすくなったりするメリットもあります。
そのため、食べすぎた日の翌日の食事は、いつも以上にゆっくりとよく噛み、味わいながら食べるようにしてみてください。
窒息の予防や味わいを考慮した場合の目安として、一口当たり30回以上噛むことを意識しましょう。十分に噛むためには、歯と口を健康に保つ必要があります。
また、テレビやスマートフォンを見ながらの食事は噛むことに集中できないため、「ながら食い」は避けましょう。
3.食べすぎた翌日にしておきたいこと
食べすぎた翌日は、軽い運動をしたり、7〜8時間程度の睡眠をとったりして体を調整することが大切です。
ここでは、食事以外で食べすぎた翌日にしておきたいことを紹介します。これらを取り入れることで、より効率的に体を通常モードに戻せるはずです。
3-1.軽い運動を取り入れる
食べすぎた翌日は、消化を促すためにも軽い運動を取り入れましょう。体内の血流やリンパの流れを促し、余分なものを排出しやすくなります。
激しい運動よりもストレッチや散歩、階段での移動といった軽い運動がおすすめです。
運動をする習慣がない人も、ちょっとした運動を取り入れるだけで運動量が上がり、血流のアップを図れます。
食べすぎた翌日は、食事の量や栄養素をコントロールし、運動でエネルギーを消費して調整することが大切です。
体力や体調に合わせて、無理のない範囲で取り入れてみてください。
3-2.7~8時間程度の睡眠をとる
適切な睡眠時間の長さは個人差がありますが、食べすぎた翌日は、最低でも7〜8時間程度の睡眠をとるのがおすすめです。
夜更かしはせずに早めに寝るようにしてください。
体は睡眠中に細胞の産生や修復をしており、十分な睡眠を取ると、それだけで約300kcalのエネルギーを消費すると言われています。
睡眠不足になると、内臓脂肪が蓄積されやすいと言われています。
睡眠時間が短いと食欲抑制ホルモンであるレプチンの分泌量が減少し、食欲増進ホルモンであるグレリンの分泌量が増加しやすくなるためです[2]。
肥満や生活習慣病の助長を防ぐためにも、寝る前はテレビやスマートフォンを見る時間を減らし、十分な睡眠時間を確保しましょう。
4.食べすぎた次の日についてのまとめ
食べすぎてしまったときは、翌日にリセットするよう食事や生活を意識することが大切です。
食事では、白湯を飲んだり、カリウムを多く摂ったり、消化の良いものを食べたりするなどで体を調整しましょう。
また、ストレッチや散歩などの軽い運動や、7〜8時間程度の十分な睡眠をとることも必要です。
食べすぎた翌日だけではなく、普段の生活を意識して整えておくことで、食べすぎても体に影響が出にくくなります。
できるだけ体に負担なく調整ができるよう、普段から健康的な生活を意識して過ごすことが何よりも大切です。
この記事の監修者
おだかクリニック
副院長
【経歴】
総合病院・大学病院での勤務を経て、2018年よりおだかクリニックの副院長として診療・経営にあたる。専門の循環器疾患(虚血性心疾患、心不全、不整脈など)はもちろんのこと、高血圧や高脂血症、糖尿病等の生活習慣病や内科疾患全般の診療に従事。現在は、医療コンサルト・アドバイザー業務や、ライティング業務などにもあたっている。
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