筋トレは週何回行うべき?適切なセット数や負荷のかけ方、時間帯

筋トレは週何回行うべき?適切なセット数や負荷のかけ方、時間帯

2023年06月12日

2024年03月05日

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「筋トレは週何回行えば良いのかな?」

「筋トレのセット数や負荷のかけ方、筋トレを行う時間帯について詳しく知りたい……」

筋トレを始めるに当たってこのような疑問を持っている方も多いのではないでしょうか。

筋肉を鍛えるには毎日行ったり、とにかく負荷の高いトレーニングを行ったりすれば良いというわけではありません。

個人の筋力や体力、トレーニングの習熟度に合わせてメニューや頻度を設定する必要があります

この記事では筋トレの週当たりの頻度や負荷のかけ方、適切な時間帯について紹介します

効果的なトレーニングのポイントについても解説するのでぜひ参考にしてみてくださいね。

1.筋トレは週何回行うべき?

「筋トレは週何回くらいやるのが良いのかな?」

トレーニング初心者のほとんどがこのような疑問を抱いているのではないでしょうか。

実際に推奨されている筋トレの頻度は週当たり2~3回です[1]。

週に2~3回と聞くと想像よりも頻度が少ないと感じるかもしれません。

この頻度には筋肉が大きくなるメカニズムが大きく関係しています。

筋肉はトレーニングによって筋繊維の一部が破断されて、2~3日間かけて修復する過程で元の筋繊維よりも太くなります[2]。

この仕組みを「超回復」といい、超回復を繰り返すことでだんだんと筋肉が太きくなり、筋力もアップするのです。

週2~3回という筋トレ頻度は、この超回復の期間を考慮して設定されています。

「週5日程の頻度でジムに通っている人もいるけど良いの?」

という疑問をお持ちの方もいらっしゃいますよね。

連続してトレーニングを行う場合は、全身の筋肉を胸・背中・肩・腕・下半身のように分けて、曜日ごとに鍛える部位を分けている方もなかにはいらっしゃいます。

このように前日と同じ部位を避けるようにメニューを組むことで、連続して筋トレを行うことができます。

ただしこの方法は一つの部位を徹底して鍛えるもので、初心者向けというよりも筋トレに慣れている上級者向けの方法といえます。

慣れないうちは週2~3回の頻度で、無理なく続けるようにしましょう[1]。

[1] 厚生労働省 e-ヘルスネット「レジスタンス運動」

[2] 厚生労働省 e-ヘルスネット「筋力・筋持久力」

2.筋トレの適切な進め方

「筋トレの負荷やセット数はどうやって決めれば良いのかな?」

このような疑問をお持ちの方もいらっしゃるのではないでしょうか。

ここからは筋トレを適切に進めるための負荷のかけ方やセット数、時間帯について解説します。

正しい方法で筋トレを続けたいと考えている方はチェックしてくださいね。

2-1.筋トレの適切な負荷のかけ方

並んだバーベル

筋トレの負荷は1回で扱える最大重量の60~80%に設定するようにしましょう[3]。

例えば1回で最大20kg扱えるのであれば、12~16kgの重量の器具を使ってトレーニングを行うようにしてみてください[3]。

一度設定した負荷で6~8週間継続して筋トレをしましょう[4]。

この期間のうちに負荷が強過ぎる、あるいは弱過ぎると感じた場合には負荷を再設定する必要があります。

[3] 厚生労働省「成人を対象にした運動プログラム」

[4] 岐阜県教育委員会「【トレーニングプログラムの作成】」

2-2.筋トレの適切なセット数

笑顔でバーベルを持つ男性

筋トレは1セット10~15回を、3セットを目安に無理のない範囲で行うことが推奨されています[5]。

初心者は1セットで筋肉をしっかり鍛えるのが難しいですが、セット数を重ねることで筋肉をしっかり追い込むことができるのです。

まずは3セットからトレーニングを始め、慣れてきたら4~5セットとセット数を増やしたりメニューを追加したりすると良いでしょう。

このように筋トレの適切なセット数はトレーニングの習熟度によって異なります。

自分に合ったセット数を見つけてみてくださいね。

[5] 厚生労働省 e-ヘルスネット「レジスタンス運動」

2-3.筋トレに適した時間帯

自宅で筋トレするひと

「筋トレに適した時間帯っていつなのかな?」

日々筋トレを行うのに適切な時間帯があるのか気になっている方もいらっしゃるのではないでしょうか。

筋トレと時間帯に関する研究は数多く行われており、午後の方が大きな効果が見られるという報告もあれば、朝と夜のトレーニングで効果に差はないという報告もあります。

このように現状は筋トレに適した時間に定説はないといえます。

重要なことは無理せず続けることですので、自分の生活スタイルに合わせて筋トレを行うようにしましょう

ある研究では個々の朝型・夜型などの睡眠パターンを示す「クロノタイプ」によっても、運動で力を発揮できる時間帯が異なることも報告されています。

3.負荷の過不足によって起こる問題

「負荷が不足していたり過剰だったりするとどんな影響があるのかな?」

筋トレの負荷や強度についてこのような疑問をお持ちの方もいらっしゃるのではないでしょうか。

ここからは筋トレの負荷・強度の過不足によって起こる問題について解説します。

適切な負荷・強度を設定することは極めて重要なためしっかりと確認してくださいね。

3-1.負荷や強度が足りない場合

筋トレの負荷や強度が足りない場合は、適切な負荷・強度で行うトレーニングよりも効果が出るまで時間がかかる上、筋肉量も増えにくくなります

筋肉量を増やすには超回復が欠かせませんが、負荷・強度が軽いと筋繊維が効率的に破断せず、超回復が起こりづらいのです。

そのため超回復による筋肉の増量は期待できないでしょう。

また負荷が少ないトレーニングは通常の負荷で行う場合よりも体型の変化がゆっくり表れるため、短期間で引き締まった体になりたいという方にもおすすめできません。

「じゃあ負荷・強度が軽い筋トレは意味がないの?」

このように思う方もいらっしゃるかもしれませんが、全く意味がないわけではありません

低強度の筋トレの場合はセット数を増やしてトレーニングを行うことで適切な負荷をかけられ、筋肥大・筋力増強が望めることが分かっています。

筋肥大とは
筋肉の細胞が成長、増加することです。超回復を繰り返すことで筋肉量が増加する筋肥大を引き起こします。

低強度のトレーニングは無理をせずに行えるため続けやすく、運動習慣のあまりない人でも関節や腰を傷めるリスクが低いというメリットもあります。

トレーニング初心者や腰・関節への負担が気になる方は、強度を下げてセット数を増やすことでしっかり筋肉に負荷を与えるようにしましょう。

3-2.負荷や強度が過剰な場合

過剰な負荷や強度がかかっている場合にはオーバートレーニング症候群を引き起こす可能性があるため注意が必要です。

オーバートレーニング症候群とは、疲労が回復していない状態でトレーニングを繰り返し行うことによって起こる慢性疲労状態のことです。

この状態はトレーニングの効果を低下させるだけでなく、食欲不振や体重減少、集中力の欠如、倦怠(けんたい)感などの症状を引き起こす恐れがあります

また強度の高いトレーニングによって関節に急な負荷がかかると捻挫を、筋肉に大きな力がかかると肉離れを引き起こすリスクも高まるでしょう。

とはいえ負荷や強度が不足しているトレーニングでは十分な効果を得られないのも事実です。

体を鍛えるには日常生活で発揮する力以上の負荷がかかるトレーニングを行う必要があり、これをトレーニングの原理の一つ「過負荷の原理」といいます。

トレーニングの原理とは
効果的な運動プログラムを作成する上で大切とされるトレーニングの原理のことです。過負荷の原理の他に、特定の効果を得たいのであればそれに応じたトレーニングが必要となるという「特異性の原理」、トレーニングで得た効果も中止してしまえば失われるという「可逆性の原理」があります。

効果的なトレーニングをするためにも、適切な負荷・強度で行えているか見直してください。

そして運動前後や最中に苦痛を感じたり力が入らなかったりしたときには、強度を下げて行うかトレーニング自体を休むようにしましょう。

起床時の心拍数が増加している場合はオーバートレーニング症候群の発症の目安となります。

体からのサインを見逃さず、オーバートレーニング症候群にならないように注意しましょう。

4.筋トレを効果的に行うためのポイント

「筋トレを効果的に進めるにはどんなポイントに注意すれば良いのかな?」

せっかく筋トレを行うならより効果的な方法を知りたいという方もいらっしゃるのではないでしょうか。

筋トレを効果的に行うには筋トレ前後、筋トレ中、そして普段の生活習慣から意識すべきポイントがいくつかありますよ。

筋トレを効果的に行うためのポイント

ポイント1 筋トレ前後にストレッチを行う

ストレッチをする女性

効果的に筋トレをしたいなら運動前後にストレッチを行いましょう

ストレッチとは筋肉や関節を伸ばす運動のことで、「動的ストレッチ」と「静的ストレッチ」があります。

メモ
動的ストレッチは関節をある方向に動かし筋肉を繰り返し伸び縮みさせる柔軟運動です。一方、静的ストレッチは筋肉を一定方向に時間をかけて伸ばしその状態で止める柔軟運動です。前者はウォーミングアップの、後者はクーリングダウンやリラクゼーションの効果が期待できます。

運動前にストレッチを行うとけがを防げるだけでなく、体のさまざまな器官のはたらきがより活発化し、心身共に運動の準備が整うため効果的なトレーニングが行えるようになるのです。

またトレーニング後のストレッチは乳酸をいち早く除去することで疲労の回復を早める効果が期待できますよ。

乳酸とは
筋肉がエネルギーを作る際に糖が分解されてできる生成物のことです。激しい運動をすることで蓄積するため、以前は疲労物質とも呼ばれていたが、近年では乳酸がつくられる過程で発生する水素イオンの作用が疲労の原因ではないかと考えられています。

ポイント2 鍛える部位を意識する

筋トレをする男性

鍛える部位を意識してトレーニングを行うことは筋トレを効果的に行うために重要です。

トレーニングをするときには目的や内容などを理解し、どの筋肉を鍛えているか意識して行うことでより良い効果が得られます

これは「トレーニングの原則」の一つで「意識性の原則」といいます。

トレーニングの原則とは
安全で効果的な運動を行うために重要視されている原則のことです。意識性をはじめ、全面性、専門性、個別性、漸進性、反復性・周期性の六つの原則があります。

ただ何となく筋トレをするのではなく、大胸筋や腹直筋などトレーニングによって鍛えられる部位を意識するようにしましょう

ポイント3 動作をゆっくり行う

きつそうな顔で筋トレする男性

動作をゆっくり行うことで効果的な筋トレが行えます

これはスロートレーニングといって筋肥大や筋力増強を狙う方法です。

筋トレは1回で扱える最大重量の60~80%が適切な負荷ですが[6]、スロートレーニングの場合はこれより小さい負荷で大きな効果を得られるというメリットがあります。

1回で扱える最大重量の50%程度で行うスロートレーニングが、80%の重量で行った通常トレーニングと同等の筋肥大・筋力増強効果が見られたという報告もあります[7]。

スロートレーニングはさまざまな方法が提唱されていますが、各動作を3~5秒かけて行う方法が一般的とされています[7]。

ポイントは終始力を入れっ放しで動作することです。

力を入れっ放しで動作することで筋肉に力が入り、血流が制限されるため筋肉内の酸素レベルが低下します。

このように低酸素環境で筋トレを行うことで筋肥大のための強い刺激が筋肉にかかると考えられています

さらに効果的なトレーニングを行いたい場合は、肘や膝を伸ばし切らないノンロックと呼ばれる動作を組み合わせるようにしましょう。

またスロートレーニングは小さな負荷でも大きな効果を得られるため、自重を使ったトレーニングでも筋肥大・筋力増強を期待できます。

トレーニングによる腱(けん)や関節へかかる負担も小さいため、けがをするリスクが低い点もメリットといえるでしょう。

追加で器具を購入することなく負荷を大きくできるため、今のトレーニングに慣れてきたという方はぜひスロートレーニングを取り入れてみてくださいね。

[6] 厚生労働省「成人を対象にした運動プログラム」

[7] 厚生労働省 e-ヘルスネット「スロートレーニングとは」

ポイント4 食事の数時間後に行う

お茶わんとお箸

筋トレのタイミングは食事の数時間後に行うようにしましょう

食べ物の消化が完了するまでには数時間はかかるといわれており、筋トレをするなら消化が完了してからがベストタイミングと考えられています。

消化が完了したタイミングなら筋トレに必要なエネルギーが体内に十分ある状態でトレーニングを行えるため、エネルギー不足による筋肉の分解を防ぐことができます

メモ
体はエネルギーが不足すると体内にあるたんぱく質や体脂肪を分解しエネルギーとして補うため、エネルギー不足の状態で激しい筋トレをすると筋肉を減少させることにつながります。

食後すぐのトレーニングはかえって効率が悪くなってしまうので注意してください。

食事後は血液が消化吸収に使われてしまうために、十分な栄養素を筋肉に送ることができずトレーニングの効率が悪くなってしまうのです。

また食後すぐに筋トレをすると消化不良や腹痛、脇腹痛を引き起こす恐れもあります

効率良く筋肉を鍛えるためにも、食後の消化が完了したタイミングでトレーニングを行うようにしましょう。

ポイント5 適度に休憩をとる

座って休憩をする男性

筋トレ中は疲労の蓄積による事故やけがを防ぐためにも適度な休憩をとるようにしましょう。

他にも呼吸が整う上、正しい姿勢を再度意識して筋トレを行えるというメリットもあります。

セット間の休憩の長さを変えることで目的に合わせた効果的な筋トレを行えるようになるでしょう。

筋トレのセット間の休憩を長めにとると「筋力」を、短めにとると「筋持久力」をそれぞれ鍛えられます

メモ
筋力は筋肉が発揮できる力のことで、1回で扱える最大重量によって計ることができます。筋持久力は特定の筋肉に対して繰り返し負荷がかかる運動を行い、それがどれだけ続けられるかという筋肉の持久力のことです。

正しいフォームで筋トレを行い、事故やけがを防ぐためにも適度な休憩をとりましょう。

筋肉をどう鍛えるかに合わせて休憩時間の長さも意識してみてくださいね。

5.筋トレは週何回行うべきかについてのまとめ

筋トレは超回復を促すために週当たり2~3回の頻度で行うのが良いとされています[8]。

なかには週5日の頻度で毎回異なる筋肉を鍛えている方もいますが、これは各部位をしっかり追い込む必要があり上級者向けのメニューです。

頻度の他にも筋トレは適切な負荷やセット数を設定する必要があります

負荷が軽過ぎると筋トレの効果が表れるまで時間がかかったり、望むような筋肥大・筋力増強が感じられなかったりといったデメリットがあります。

一方で負荷の大きいトレーニングを疲労が回復していない状態で行うと、トレーニングの効果が低下するだけでなく、食欲減退、体重減少などさまざまな悪影響を及ぼすでしょう。

また効果的なトレーニングを行うためには、筋トレ前後のストレッチを行う、鍛える筋肉を意識するなどのポイントを押えることも重要です。

これから筋トレを始めようと考えている方は、まずは週2~3回の頻度からトレーニングをしてみてください。

トレーニング頻度も重要ですが、適切な負荷・セット数を把握し、習慣化させやすい時間帯を見つけて無理なく継続しましょう。

[8] 厚生労働省 e-ヘルスネット「レジスタンス運動」

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