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BMIとは?定義や計算方法、基準値について分かりやすく解説!

2023年9月1日

ダイエット

「BMIって何を表す数値なんだろう?」

「BMIが高いと良くないって聞くけど、具体的にどのくらいの数値だったら良いんだろう?」

このようにBMIについて何となく聞いたことはあるけど、具体的なことはあまり知らないという方も多いのではないでしょうか。

BMIは体の状態を知る目安となる数値の一つで、肥満の定義にも用いられています。

この記事では、BMIの定義や計算方法、基準値のほか、BMIが基準値を外れた場合の健康への影響などについて詳しく解説します。

1.BMIとは

健康診断の結果などでBMIという語を目にして、何を指しているのか疑問に思った方もいらっしゃるかもしれませんね。

そもそもBMIとは何を指している数値なのでしょうか。

まずはBMIの定義や計算方法、基準値について確認していきましょう。

1-1.BMIの定義

BMIとは「Body Mass Index」の略で、体格を示す指数のことです。

肥満度を表す数値として国際的に用いられており、世界共通の指数です。

日本でも肥満の診断基準や特定健診・特定保健指導の基準として採用されています。

メモ
特定健診とは生活習慣病の予防のため、40歳〜74歳の方を対象として行われるメタボリックシンドロームに着目した健診のことです。特定保健指導は特定健診において生活習慣病の発症リスクが高く、生活習慣の改善による予防効果が高いと判断された方に対して、保健師や管理栄養士などの専門スタッフが生活習慣を見直すサポートのために行います。

1-2.BMIの計算方法

BMIは身長と体重の数値を下記の式に当てはめて計算することができます。

BMI=体重(kg)÷身長(m)÷身長(m)

例えば身長165cm、体重55kgの方であれば、

55÷1.65÷1.65=20.2

という計算式からBMIは20.2であることになりますね。

1-3.BMIの基準値

日本肥満学会では、肥満について「脂肪組織に脂肪が過剰に蓄積した状態で、BMI25以上のもの」と定義しています*1。

さらに肥満度は以下のように分類されています。

【肥満度分類】

BMI判定
18.5未満低体重
18.5以上25.0未満普通体重
25.0以上30.0未満肥満(1度)
30.0以上35.0未満肥満(2度)
35.0以上40.0未満肥満(3度)
40.0以上肥満(4度)

一般社団法人 日本肥満学会「肥満症診療ガイドライン2016」をもとに執筆者作成

普通体重のおよそ中間である「BMI22」となる体重は「標準体重(理想体重)」と呼ばれ、統計上最も死亡率・有病率が低いとされています*1。

標準体重=身長(m)×身長(m)×22で計算できるので、ご自身の体重が適切かを判断する際の参考にしてみてください。

また厚生労働省が公表している「食事摂取基準」では、目標とするBMIの値として以下の数値が掲載されています。

【目標とするBMIの範囲】

年齢BMI
18歳〜49歳18.5~24.9
50歳〜64歳20.0~24.9
65歳以上21.5~24.9

厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」をもとに執筆者作成

いずれの年齢層も上限はBMI25未満ですが、下限は年齢が高くなるほど上がっています。

これは、高齢になると低栄養による健康へのリスクが高くなることが考慮されているためです。

推奨値ではなく、あくまで参考とする数値として掲載されているものではありますが、健康を維持する上での指標の一つとして利用すると良いでしょう。

*1 一般社団法人 日本肥満学会「肥満症診療ガイドライン2016

2.BMIが高過ぎたり低過ぎたりする場合の健康への影響

「BMIが高いと健康に良くないって聞くけど、低くてもダメなのかな?」

「普通体重の範囲から外れたら、どんな影響があるんだろう」

このようにBMIの数値が健康にどう影響を与えるかが気になっている方もいるのではないでしょうか

BMIは高過ぎても低過ぎても、健康に影響を与える可能性があります。

それぞれどのような影響が考えられるのか、詳しく解説しましょう。

2-1.BMI25以上(肥満)の場合

BMI25以上(肥満)の場合

BMIが25を超える肥満になると、生活習慣病のリスクが上がるとされています。

生活習慣病とは、運動や食事、喫煙、飲酒、ストレスといった普段の生活習慣が、発症や進行に深く関与している病気の総称です。

糖尿病や高血圧、脂質異常症、動脈硬化のほか、がんや脳血管疾患、心疾患などが生活習慣病とされています。

また日本肥満学会は、肥満に起因あるいは関連する病気として、月経異常や不妊、骨や関節の病気、睡眠時無呼吸症候群なども挙げています。

健康を維持するためには、適切な体重を保つことが重要であるといえますね。

2-2.BMI18.5未満(痩せ)の場合

BMI18.5未満(痩せ)の場合

BMIは高いと健康に悪影響を与える可能性がありますが、低ければ大丈夫というわけでもありません。

特に若い女性の痩せは問題となっており、厚生労働省が行った「令和元年国民健康・栄養調査報告」では、20代女性の約2割がBMI18.5以下という結果でした*2。

痩せは鉄欠乏などの栄養不良や、倦怠(けんたい)感などの自覚症状を引き起こします。

痩せたい願望が強くなりすぎると摂食障害を招き、それが慢性化すると低血圧や不整脈、無月経といった健康障害が起きてしまうかもしれません。

また高齢者の痩せによる健康リスクも大きな問題となっています。

高齢になってくると、さまざまな理由から食事量が低下し、体重が徐々に減っていく傾向にあります。

痩せると倦怠感や疲れやすさ、不眠、めまいを引き起こすほか、感染症にかかりやすくなったり、持病が悪化するリスクが高くなったりします。

上記でご紹介した「食事摂取基準」で公表されている通り、目標とするBMIの範囲は、年齢層が上がるごとに下限も上がっています。

BMIは低くなっても、健康に大きな影響を与えることが分かりますね。

*2 厚生労働省「令和元年国民健康・栄養調査報告

3.BMIと体脂肪率の違いは?

BMIと体脂肪率の違いは?

「BMIが肥満をみる指標になっているのは分かったけど、体脂肪率とどう違うの?」

どちらも体型に関わる指標や数値なので、違いが分かりにくく迷ってしまいますよね。

BMIは肥満度を示す指標ではありますが、BMIが高いからといって体脂肪率も高いとは限りません

身長と体重のみで計算した値なので、体脂肪が多くて肥満状態なのか、筋肉質な体型なのか区別することはできないのです。

またBMIが同じであっても、脂肪のつく部位によって健康へのリスクも変わってきます。

一般に、内臓脂肪が多いタイプの方は生活習慣病を発症するリスクが高くなり、皮下脂肪が多いタイプの方にはそれらの症状はあまり見られません。

なかにはBMIは標準でも体脂肪が多い、隠れ肥満の状態になっている方もいます。

隠れ肥満は若い女性に多くみられる傾向にあり、極端なダイエットが原因の一つといわれています。

一方、体脂肪率は体のうち脂肪が占める比率を表す数値で、皮下脂肪も内臓脂肪も含みます

そのため生活習慣病との関連も低く、BMIのように何らかの基準には採用されていません。

体脂肪率を測れる体重計や体組成計も増えていますが、体の水分量に左右されるため、測るタイミングによって数値にばらつきがあります。

健康維持の目安とするのであれば、測定する時間帯を一定にすると良いでしょう。

健康を維持しながら適正な体重を保つためには、食事内容はもちろん、運動をして筋肉をつけることが大切です。

メモ
肥満は女性に多くみられ皮下組織に脂肪が蓄積するタイプの「皮下脂肪型」と、男性に多くみられ腸の周りに脂肪が蓄積する「内臓脂肪型」に分けられます。皮下脂肪型肥満ではお尻や太ももなどの肉付きがよくなり、内臓脂肪型では下半身よりもウエスト周りに肉が付く傾向にあります。

4.健康のためにはBMI以外にも目を向けよう

健康のためにはBMI以外にも目を向けよう

「BMIが普通体重の範囲内だったら、健康状態に心配はないと思って良いのかな?」

肥満や痩せの基準に当てはまらないのであれば、特に問題はないように感じますよね。

しかしBMIが普通体重の範囲内の数値であったとしても、血圧や血糖値などが高かったり、腹囲がメタボリックシンドロームの基準を超えていたりすることもあるので注意が必要です。

健康診断の結果などを確認してみて、当てはまる項目がある方は、食事や運動などの生活習慣を見直してみましょう。

また生活習慣病の発症には、喫煙や休養も深く関わっているといわれています。

健康維持のためにはBMIの数値も目安にしながら、体全体の状態や生活状況にも目を向けることが大切なのですね。

メタボリックシンドロームとは
内臓肥満が蓄積した状態に、高血糖や高血圧、脂質代謝異常が組み合わさり、脳卒中や心臓病を発症するリスクが高い状態のことです。腹囲が男性85cm以上、女性90cm以上で、かつ血圧・血糖値・脂質の中で二つ以上に異常が認められた場合に診断されます。

5.BMIについて まとめ

BMIは肥満度を示す数値として国際的に使われており、日本の基準では25以上が肥満に分類されます。

BMI25を超えると生活習慣病のリスクが上がるとされているため、数値が高い方は注意が必要です。

ただしBMIが高いからといって体脂肪が多いというわけではなく、筋肉質なために体重が重い方もいます。

またBMIが低くても体脂肪率が高い方もいるため、BMIだけで健康状態を把握することはできません

あくまで目安の一つとして、日々の健康管理に役立てていきましょう。

この記事の監修者

青木厚
青木厚
あおき内科さいたま糖尿病クリニック
院長

【経歴】
自治医科大学付属さいたま医療センター内分泌代謝科を経て 2015 年に開設。糖尿病、高血圧、高脂血症、生活習慣病が専門。糖尿病患者の治療に食事術を取り入れインスリン脱悦や薬を使わない治療に成功するなど成果を挙げている。自身も 40 歳のときに舌がんを患うも完治。食事療法を実践して再発を防いでいる。著書「空腹こそ最強のクスリ」(アスコム刊)は40万部超えのベストセラー。近年では、「ファーストファスティングー青木式 16 時間断食ー」の監修に携わり、宿泊しながら気軽にファスティングを体験できるホテル・ファーストキャビン HD の専属顧問に 2021 年から就任。また、エステプロ・ラボでも医学顧問を務めている。

【出演番組等】
日本テレビ「ザ!世界仰天ニュース」、中京テレビ「それって!?実際どうなの課」、テレビ朝日「林修のレッスン!今でしょ」、フジテレビ「めざましテレビ」、「ポップUP!」、テレビ東京「なないろ日和!」など出演多数。ほかにも番組の医療監修なども日々行っている。

【クリニックのHP・SNS情報】
»あおき内科さいたま糖尿病クリニック »Twitter »Instagram

【執筆論文情報】
»Association of serum osteoprotegerin with vascular calcification in patients with type 2 diabetes, Cardiovascular Diabetology 2013 Jan 9;12:11.
»Prompt increases in retinol-binding protein 4 and endothelial progenitor cells during acute exercise load in diabetic subjects, Endocrine Journal 2012, 59 (12), 1085-1091

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