頭がぼーっとするときの原因は?疾患の可能性も紹介

2024年02月19日

2024年11月11日

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「日中、頭がぼーっとして集中できない……」

「頭がぼーっとしてしまう原因について知りたい」

このように、頭がぼーっとしてやる気が出ない、集中できないとお悩みの方もいるのではないでしょうか。

集中力が低下すると、仕事や勉強が捗らなくなるため、なんとか対処しておきたいところですよね。

また、頭がぼーっとする原因として何らかの疾患の可能性もあることから、早めに原因を特定しておく必要があります。

今回は、頭がぼーっとする原因や自分でできる対策、生活習慣の見直し方について解説します。

1.頭がぼーっとするときの主な原因

紅茶と砂糖や蜂蜜

頭がぼーっとするときの原因として大きく二つ考えられます。一つずつみていきましょう。

1-1.脳のエネルギー不足

一つ目は脳のエネルギー不足です。

脳が活動するには、エネルギー源であるブドウ糖を摂取する必要があります[1]。

脳はブドウ糖をほとんど蓄積できないため、しっかり補給しなければなりません[2]。

ブドウ糖が不足してしまうと、集中力の低下を招き、頭がぼーっとしてしまうことがあります。

また、就寝中もブドウ糖は消費されるので、朝はエネルギーが不足している状態です。

そのため、朝食をしっかり摂らないと日中は怠さや疲労感でやる気が出ないことがあります。

忙しくても朝食は抜かず、きちんと食べるようにしましょう。

[1] 農林水産省「朝ごはんを食べないと?」

[2] 独立行政法人農畜産業振興機構「砂糖の適時・適正摂取は身体の働きにどのように影響するか」

1-2.糖質過多

二つ目は糖質過多です。糖質の不足も体に支障をきたしますが、摂り過ぎも良いわけではありません。

炭水化物の食べ過ぎや食べる速度が早い場合、午後に強い眠気に襲われたり、食後ぼーっとしたりするなどの症状が現れる場合もあります。

このようなときは血糖値が急激に上昇している可能性があります。

急激に血糖値が上昇すると、脳が正常に機能しない恐れがあるのです

食事はゆっくりよく噛んで食べ、炭水化物の摂り過ぎに注意しましょう。

また、食事の最初に食物繊維が豊富な野菜やきのこ類、海藻類を食べることで、急激な血糖値の上昇を抑えられます。

2.頭がぼーっとするときは疾患の可能性もある

頭が痛そうな女性

頭がぼーっとするときは、脳のエネルギー不足や糖質過多だけでなく、疾患の症状が現れている可能性もあります。

ここでは、考えられる疾患の特徴や対策についてご紹介します。

2-1.自律神経失調症

自律神経失調症とは、ストレスによって自律神経のはたらきが崩れることで起こる症状のことです。

自律神経は、自分の意思に関係なく、体内を状況に適した状態に保ち続けるはたらきを持ちます[3]。

自律神経は大きく交感神経と副交感神経に分かれます。

交感神経は体を動かすときに優位になる神経で、副交感神経は休息するときに優位になる神経です。

この二つの自律神経のバランスが崩れてしまうと、体にさまざまな不調をもたらしてしまいます。

よく見られる身体的な症状は、疲労感や怠さ、不眠、動悸や息切れ、めまいなどです。

精神的な症状は、イライラや不安感、情緒不安定、うつなどの症状があります。

これらの症状は、病院で検査をしても原因が見つからなかったり、「気のせいかもしれない」と我慢したりするため、つらくなってしまう人もいるでしょう。

しかし適切に対処をすれば、症状は改善します。次の対策をとってみましょう。

  • ストレスを解消する
    ストレスを溜め込まないように、自分なりのストレス発散法を身に付けることが大切です。ストレスを感じたら散歩をしたり、音楽を聴いたりなどしてストレスを解消しましょう。


  • 規則正しい生活を送る
    自律神経のバランスを整えるには、規則正しい生活を送ることが大切です。栄養バランスのとれた食事や適度な運動を取り入れることを心掛けましょう。

[3] 一般社団法人日本臨床内科医会「自律神経失調症」

2-2.緊張型頭痛

緊張型頭痛とは、首の後ろから後頭部、肩の筋肉が緊張することによって起こる頭痛のことです

頭を締め付けられているような痛みが生じるのが特徴で、めまいを伴うことがあります。

緊張型頭痛が起こる原因として、精神的ストレスや眼精疲労が挙げられます。

例えば、デスクワークをしている方の場合、長時間同じ姿勢をとり続けることで首や肩の筋肉が凝り固まります。

それにより、血行が悪化することで頭痛が生じやすくなります。

緊張型頭痛には、次の対策をとりましょう。

  • マッサージやストレッチを取り入れる
    同じ姿勢をとり続けないよう、デスクワーク中にマッサージやストレッチを取り入れることで、首や肩の筋肉のコリをほぐすことにもつながります。


  • コリを感じる部分を温める
    首や肩の筋肉の緊張を緩和させるために、温湿布やホットタオルで温めることをおすすめします。また、ぬるめのお湯にゆっくりつかることも効果的です。

2-3.睡眠時無呼吸症候群

睡眠時無呼吸症候群とは、眠りにつくと呼吸が止まってしまい、それにより過眠や高血圧などを引き起こす病気のことです。

呼吸が止まって血液中の酸素濃度が低下します。

一度目が覚めて呼吸するものの、眠りにつくと呼吸が止まってしまいます。

この繰り返しが原因で、深い睡眠をとれなくなるのです。

日中の強い眠気、だるさ、頭痛、ボーっとすることによる注意力低下など、さまざまな症状を引き起こします[4]。

睡眠時無呼吸症候群の対策として、次のことを試してみましょう。

  • 口呼吸を鼻呼吸に変える
    鼻呼吸に比べて、口呼吸は咽頭が狭くなります。上気道が閉塞しやすい状態になるのを防ぐために、鼻呼吸を意識すると良いです。


  • 睡眠時の姿勢を変える
    仰向けだと、舌根が気道に沈む傾向があります。仰向きから横向きの姿勢に変えることで症状の改善を図れます。

[4] 厚生労働省 e-ヘルスネット「睡眠時無呼吸症候群/SAS」

2-4.花粉症

花粉症とは、スギやヒノキなどの花粉が体内に入ることで起こるアレルギー反応のことです

体の免疫システムが花粉に対して過剰に反応して症状が現れます。

主な症状は、くしゃみや鼻水、鼻づまり、目のかゆみや充血です。

そのほか、のどや皮膚のかゆみ、頭痛や倦怠感を伴うことがあります。

花粉症の症状が起こる時期は個人差があり、症状の強さも人それぞれです。

花粉症は、いかに花粉を避けるかが対策の基本になります。

次の対策をとりましょう。

  • 花粉を浴びないようにし、家に持ち込まない
    外出する際はマスクや帽子、メガネなどを着用して、花粉が顔に触れないようにすることが大事です。
    ウール素材の服は花粉が付着しやすいため、服の選び方も意識すると良いでしょう。

また、帰宅した際は衣服に付いた花粉を払い落としてから家に入るようにしましょう。

うがいや洗顔をしておくと、顔に付着した花粉を除去できます。

  • 掃除の仕方に注意する
    室内に花粉が蓄積されないよう、部屋の掃除をこまめに行います。掃除機を使うと排気によって花粉が舞い上がるので、拭き掃除がおすすめです。

2-5.慢性疲労症候群

慢性疲労症候群とは、日常生活に支障をきたすほどの強い全身倦怠感が6カ月以上続く症状のことを指します。

疲労感のほか、微熱や頭痛、睡眠障害などの症状を伴うケースがあります[5]。

放置していると倦怠感がさらにひどくなり、朝起きられない、会社に行けないなどの状態になりかねません。

日常生活にまで支障をきたしている場合は早めに受診し、治療を受けることをおすすめします。

予防・改善のためには以下の対策をとりましょう。

  • 運動習慣をつける
    適度な運動を取り入れることで、リフレッシュ効果を得られます。激しい運動はかえってストレスになりかねないため、散歩やウォーキングなどの軽い運動をする習慣を身に付けましょう。


  • バランスの良い食生活をとる
    疲労を感じやすい人は、ビタミンやミネラルが不足している可能性があります。疲労回復のためにも、さまざまな栄養素の食べ物を摂ることが大切です。 特にビタミンB群はエネルギーの産生に欠かせない栄養素であるため、積極的に摂るようにしましょう。


  • ストレスを溜め込まない
    ストレスを溜め込んでいると、慢性的な疲労につながります。 日々ストレスを解消できるよう、入浴やアロマセラピーなどでリラックスできる時間を取るようにしましょう。

[5] 厚生労働省「慢性疲労症候群患者の日常生活困難度調査事業」

2-6.浮動性めまい

頭がぼーっとするのは、浮動性めまいの可能性もあります

浮動性めまいの主な症状は、不安定感や立ちくらみ、失神などです[6]。

一般的にめまいは、男性よりも女性に多く見られる傾向にあります。

女性の場合、女性特有の病気や女性ホルモンが関係している可能性があります

頭がぼーっとしたり、ふわふわしたりするときには、横になって楽な姿勢で安静を保つようにしてください。

もしめまいが継続したり、頻繁に繰り返されたりする場合は、医療機関の受診を検討しましょう。

[6] 一般社団法人 日本女性心身医学会「女性の病気について」

2-7.うつ病

うつ病とは、日常生活に支障をきたすほどの抑うつ気分や意欲低下の状態が2週間以上続く病気です

軽度のうつ病の場合、身体的な症状が目立つ傾向にあり、頭痛やめまい、肩こりなどが現れることがあります。

うつ病は、脳内の神経伝達物質であるセロトニンやノルアドレナリンのはたらきが不安定になることで引き起こされる病気だといわれています。

セロトニンには精神を安定させ、ノルアドレナリンには意欲を高めるはたらきがあります。

しかし、これらの神経伝達物質のバランスが崩れることで気分が落ち込みやすくなり、無気力な状態が続いてしまうのです。

以下のうち五つ以上が2週間以上続いている場合は、医療機関へ受診するようおすすめします。

  • 悲しい気分が一日中続く
  • 何事も楽しめない
  • 食欲がない、もしくは食べ過ぎる
  • 寝不足、もしくは寝過ぎる
  • イライラしやすい
  • 疲労感がある
  • 自分に価値を見出せない
  • 集中力や判断力が低下している

うつ病の対処法としては、以下の三つが挙げられます[7]。

  • 休養
    うつ病は脳のエネルギーが欠乏している状態であるため、休養でしっかり心身を回復させることが治療の基本となります。

  • 薬物療法
    休養しても苦痛な状態が取れない場合は、薬物療法を行っていきます。
    抗うつ剤を用いて、セロトニンやノルアドレナリンが有効にはたらくようサポートするのが目的です。
    服薬し始めてから1週間は副作用を感じやすいため、副作用がつらい場合は医師に相談することをおすすめします。

  • 精神療法・カウンセリング
    精神療法・カウンセリングを通して、思考パターンや行動パターンを見直し、うつ病の再発予防に努めます。
    代表的な治療法としては、認知行動療法・森田療法・内観療法などがあります。

[7] 厚生労働省「うつ病の治療と予後」

3.頭がぼーっとするならまずは生活習慣を見直そう

野菜や肉や魚

頭がぼーっとするときは、まずは生活習慣を見直しましょう。

食事での栄養が不足すると、疲れや集中力の低下が起こり、ぼーっとすることになります。

脳に必要な栄養を摂るために、たんぱく質やビタミンB群、ミネラル、良質な脂質をバランス良く食べましょう。

また、しっかり睡眠を取ることも欠かせません。睡眠時間を確保することは心身の疲労を回復させるために重要です。

質の良い睡眠をとることで疲労回復物質が分泌され、ストレス解消を期待できます。

1日7時間を目標に睡眠をとりましょう。

4.頭がぼーっとするときの原因についてのまとめ

頭がぼーっとするときの主な原因として、脳のエネルギー不足、もしくは糖質過多が挙げられます。

そのほか、自律神経失調症や緊張型頭痛、花粉症などの疾患にともなって生じることがあります。

頭がぼーっとすることが続く場合、まずは規則正しい生活を送ることを心掛けることが大切です。

自身の生活習慣を見直して、栄養バランスのとれた食事や適度な運動を取り入れるようにしましょう。

また、ストレスは集中力の低下を引き起こす原因となるので、自分なりのストレス発散法を身に付けておくことをおすすめします。

自分でセルフケアしても改善しない場合は、医療機関を受診することも検討しましょう。

この記事の監修者

小鷹 悠二
小鷹 悠二
おだかクリニック
副院長

【経歴】
総合病院・大学病院での勤務を経て、2018年よりおだかクリニックの副院長として診療・経営にあたる。専門の循環器疾患(虚血性心疾患、心不全、不整脈など)はもちろんのこと、高血圧や高脂血症、糖尿病等の生活習慣病や内科疾患全般の診療に従事。現在は、医療コンサルト・アドバイザー業務や、ライティング業務などにもあたっている。

【おだかクリニックのHP情報】
»医療法人日和会 おだかクリニック

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