「塩分の摂り過ぎは良くないと指摘され、減塩に取り組みたいからコツを知りたい」
「減塩に挑戦しているが、味付けが薄くなって食事を楽しめない……」
血圧の数値に配慮して減塩に挑戦したいと考えている方もいるでしょう。
塩分は私たちの体には欠かせない成分ですが、摂り過ぎると高血圧などを発症するリスクが高くなります。
とはいえ、普段から食塩含有量の多い食品を食べていた方にとって、減塩は味が薄くて続けるのが難しいと感じますよね。
この記事では、無理なく減塩を続けて、塩分摂取量を抑えるためのコツを解説します。
1.減塩のコツ1.食材の選び方を工夫する
普段の買い物では何気なく食材を選んでいませんか?
加工食品の成分表示に目が行く方も多いのではないでしょうか。
食材選びを工夫するだけでも減塩に近づきます。
- 塩分量の少ない食材を選ぶ
- 新鮮な野菜を選ぶ
まずはこの2点を意識しましょう。
ここでは選び方のポイントをご紹介します。
【関連情報】 「塩分の摂り過ぎには要注意!適切な摂取量と手軽にできる減塩のコツ」についての記事はこちら
1-1.塩分量の少ない食材を選ぶ
魚類や肉類、野菜類の食材にも塩分が含まれているものもあります。買い物する際は、塩分量が少ない食材を選ぶようにしましょう。塩分量が0gの食材としては、以下のものが知られています。
1-2.新鮮な野菜を選ぶ
新鮮な食材は、香りやうま味が感じられ、素材の風味を活かした調理ができます。
減塩のために塩やしょうゆなどの調味料を減らして、味がパッとしないと感じる方は、新鮮な野菜で調理してみましょう。
また、野菜をおいしく食べるには、旬の野菜を選びましょう。
旬とは、ほかの特定の野菜と比べて、収穫量が多くて新鮮な状態でおいしく食べられる時期のことです。
旬が過ぎた野菜よりも栄養価が高く、健康に配慮した食生活に役立ちます。
ここでは、季節ごとの代表的な旬野菜を一覧でご紹介します。
春 | キャベツ、セロリ、たけのこ、アスパラガスなど |
夏 | トマト、きゅうり、ピーマン、なす、ゴーヤなど |
秋 | しいたけ、人参、じゃがいも、玉ねぎ、しめじなど |
冬 | かぶ、れんこん、白菜、大根、長ねぎ、春菊など |
2.減塩のコツ2.調理方法を工夫する
調理方法を工夫することでも減塩できます。
ちょっとした工夫で塩分量を減らせますので、今日から早速実践してみてください。
2-1.みそ汁は具沢山にする
みそ汁は定番な野菜や旬野菜を使用して、おいしく味わえる家庭料理です。
あたたかいみそ汁を飲んでほっとリラックスしている、という方もいるのではないでしょうか。
減塩に配慮してみそ汁を作る場合は、野菜の具をたくさん入れて調理します。
具が多くなる分、汁の量が減るので塩分摂取量を抑えられます。
また、多種の野菜を入れるとヘルシーに仕上がり、おなかも満足しますよ。
2-2.酸味を上手く利用する
塩分で味を整えようとせず、酸味で味を引き出すのも減塩につながります。
かぼすやレモンなどの柑橘(かんきつ)類を使い、料理の風味をアップさせましょう。
また、こしょうや七味、しょうがを使うのもおすすめです。
塩分量を増やさなくても香辛料や香味野菜、酸味を上手く使えば味にメリハリをつけることができます。
一方で、しょうゆやみそなどは塩分量が多い調味料なので、使用量には気をつけましょう。
参考までに、各調味料に含まれる塩分量は、以下のとおりとなっています。
調味料 | 小さじ1杯あたりの塩分量 |
食塩 | 5.9g |
固形コンソメ | 2.3g(1個あたり) |
オイスターソース | 2.1g |
顆粒ガラスープ | 1.3g |
しょうゆ | 0.9g |
みそ | 0.7g |
ドレッシング | 0.4g |
トマトケチャップ | 0.2g |
マヨネーズ | 0.1g |
バター(有塩) | 0.1g |
3.減塩のコツ3.調味料を工夫する
調味料は一人ひとりの嗜好に合う香りや味に整えて食生活を豊かにする材料です。
基本的な調味料は、しょうゆ、みそ、塩、砂糖、酢などがあげられます。
これらの調味料の中に多く含まれる塩分の過剰摂取が問題になっています。
私たちが摂取する塩分の約7割は調味料類[1]といわれており、調味料の使い方や選び方に工夫が必要です。
3-1.調味料の使い方に気を付ける
調理するときは目分量を避けて計量カップなどを用いて規定量を守りましょう。
また、減塩は調理中に使う調味料を減らすだけではなく、料理に付け加えるときにも注意が必要です。
サラダや揚げ物を食べるときに調味料を直接かけて召し上がっていませんか?
塩分の過剰摂取につながるため、醤油やソース、ドレッシングなどは小皿を用意して取り分けましょう。
調味料は「かける」のではなく「つける」という意識を持つことが大切です。
3-2.減塩調味料を使用する
減塩調味料は、従来の調味料に比べて塩分含有量が抑えられています。
同じしょうゆでも、減塩された調味料に入れ替えるだけで食事による塩分摂取量を下げられます。
ただし、減塩調味料は塩分含有量を抑えているだけなので、塩分は含まれています。
塩分含有量の表示を確認してから使用しましょう。
また、味を濃くするためにかけ過ぎるなど、使用量には気を付けてください。
ここでは、おすすめの減塩調味料を紹介します。
食塩分を66%カットした減塩しょうゆです。減塩の調味料でありながら、豊かな旨味と華やかな香り、しっかりとしたしょうゆ感を味わえます。また、容器にも工夫が施されており、鮮度を保つために二重構造の密封ecoボトルを採用しています。開栓後、90日間は鮮度を保てます。
減塩調味料や食材が8種類(サンプル含む)セットになった商品です。なかでも、食塩不使用中華ドレッシングは機能性表示食品であり、血圧が高めの方にもおすすめです。サンプル以外の6品の調味料は、以下のとおりです。
4.減塩のコツ4.食べ方を変える
食べ方を変えるのも減塩に効果的です。
何をどう食べるかが塩分摂取量を大きく左右します。
塩分の多い食品を食べるときは、以下のポイントを押さえておきましょう。
4-1.麺類の汁は残す
麺類の汁には6gほどの塩分が含まれているため、汁まで飲み干さずに残すようにしましょう。
汁を残すだけで2~3gほど減塩できます。
特に、ラーメンやかけうどん・かけそば、カップ麺は塩分量が多くなりがちです。
カップ麺は1個100gあたり塩分5.5g。きつねうどんは一人前塩分5.3gといわれています。
汁を残すようにしたり、食べる頻度を少なくしたりして塩分量が過剰にならないように気をつけましょう。
4-2.漬け物は控える
漬物は塩分量が多い食べ物です。
だいこんの漬物は12枚で7.2g、かぶの漬物は10枚で6.9g、なすの漬物は約1.3本で6.6gもの塩分が含まれています。
食べ過ぎには十分に注意してください。
5.減塩のコツのまとめ
血圧の数値が気になる場合は、普段の生活から減塩を意識しましょう。
日本人は塩分を摂り過ぎている傾向にあり、塩分が原因で血圧が上がっている方が少なくありません。
塩分量の少ない食材を選んだり減塩調味料を使ったりして無理なく減塩を続けることが大切です。
また、塩分を排泄するカリウムを積極的に摂ることも血圧対策に効果があります。
以下の記事でカリウムを豊富に含む食べ物について紹介しているので、こちらも参考にしてみてください。
この記事の監修者
おだかクリニック
副院長
【経歴】
総合病院・大学病院での勤務を経て、2018年よりおだかクリニックの副院長として診療・経営にあたる。専門の循環器疾患(虚血性心疾患、心不全、不整脈など)はもちろんのこと、高血圧や高脂血症、糖尿病等の生活習慣病や内科疾患全般の診療に従事。現在は、医療コンサルト・アドバイザー業務や、ライティング業務などにもあたっている。
【おだかクリニックのHP情報】
»医療法人日和会 おだかクリニック