「かぼちゃにはどんな栄養素が含まれているんだろう?」
「かぼちゃはおいしいけど、甘いから太らないか心配……」
ふとしたときにこのように疑問に思う方もいらっしゃるのではないでしょうか。
日本人にとってなじみ深い野菜の一つであるかぼちゃではありますが、含まれている栄養素やカロリーについては知らないという方も多くいらっしゃるかもしれません。
かぼちゃには食物繊維やさまざまなビタミン類、ミネラルが豊富に含まれています。
この記事ではかぼちゃに含まれる栄養素やカロリー、おいしいかぼちゃの選び方、保存方法などについて解説します。
知識を深めることでかぼちゃをより身近に感じ、健康づくりに役立てていきましょう。
1.かぼちゃについての基礎知識
年中手に入り、身近な存在のかぼちゃですが、普段は何気なく食べていて旬や産地などの背景については詳しく知らないという方も多いでしょう。
ここではかぼちゃに関する基本的な情報や、気になるカロリーについて解説します。
1-1.かぼちゃとは
かぼちゃはウリ科カボチャ属の野菜です。
かぼちゃの旬は夏で、5~6月下旬は関東より南の産地、8月上旬~10月上旬ころは北海道・東北の出荷量が多くなります[1]。
国内産が品薄になる冬から春にかけて店頭に並ぶもののほとんどは、メキシコ、トンガ、ニュージーランドなどからの輸入品です[1]。
国内での出荷量は北海道産が最も多く、鹿児島県産、茨城県産と続きます[1]。
日本で栽培されているかぼちゃは、日本かぼちゃ(東洋種)、西洋かぼちゃ(西洋種)、ペポかぼちゃの3種類に分けられますが、現在生産されているものの大半は西洋かぼちゃです[1]。
西洋かぼちゃにはさまざまな品種があります。
なかでも「えびすかぼちゃ」や「みやこかぼちゃ」に代表される、ほくほくとした食感と甘さが特徴の「黒皮栗かぼちゃ」が多く流通しています。
またペポかぼちゃに分類されるのは、ハロウィーンなどでおなじみの「おもちゃかぼちゃ」や「金糸うり(そうめんかぼちゃ)」、イタリア料理の食材として知られる「ズッキーニ」などです。
1-2.かぼちゃのカロリー
かぼちゃのカロリーは100g当たり78kcalです[2]。
この数値だけではぴんと来ないという方もいらっしゃるかもしれませんね。
代表的な他の野菜やいも類のカロリーと比較してみましょう。
【代表的な野菜の可食部100g当たりのカロリー】
食品名 | 加工状態など | カロリー |
---|---|---|
西洋かぼちゃ | 生 | 78kcal |
日本かぼちゃ | 生 | 41kcal |
さつまいも | 皮なし、生 | 126kcal |
とうもろこし(スイートコーン) | 生 | 89kcal |
じゃがいも | 皮なし、生 | 59kcal |
ブロッコリー | 生 | 37kcal |
たまねぎ | 生 | 33kcal |
にんじん | 皮なし、生 | 32kcal |
キャベツ | 生 | 23kcal |
トマト | 生 | 20kcal |
ほうれん草 | 生 | 18kcal |
だいこん | 皮なし、生 | 15kcal |
かぼちゃは他の多くの野菜に比べてカロリーが高い傾向にあることが分かります。
これはかぼちゃには他の一般的な野菜に比べ糖質が多く含まれていることによるものです。
この後ご説明するようにかぼちゃは重要な栄養素を多数含んでいますが、野菜としてはカロリーが比較的高いので食べ過ぎには気を付けましょう。
2.かぼちゃに豊富に含まれる栄養素
かぼちゃには食物繊維やビタミン、ミネラルが豊富に含まれます。
【かぼちゃに豊富に含まれる栄養素と100g当たりの含有量】
栄養素 | 含有量 |
---|---|
食物繊維 | 3.5g |
ビタミンA | 210μg |
ビタミンE | 3.9mg |
ビタミンK | 37μg |
ナイアシン | 1.9mg |
ビタミンB6 | 0.23mg |
葉酸 | 42μg |
パントテン酸 | 0.62mg |
ビタミンC | 43mg |
カリウム | 430mg |
マグネシウム | 25mg |
銅 | 0.07mg |
ここではかぼちゃに豊富に含まれる栄養素とそれぞれの栄養素のはたらきについて解説します。
2-1.食物繊維
かぼちゃには食物繊維が豊富に含まれています。
かぼちゃ100g当たりの食物繊維含有量は3.5gです[3]。
食物繊維におなかの調子を整えるはたらきがあることはよく知られていますよね。
食物繊維は小腸で吸収されることなく大腸へ達し、便秘を予防するはたらきがあるといわれています。
また糖質や脂質、ナトリウムを吸着して体外に排出する作用があり、それらが原因となる高血糖・肥満・高血圧などを予防・改善する効果も期待できます。
食物繊維の1日当たりの摂取目標量は成人男性で20〜21g以上、成人女性で17〜18g以上とされていますが、多くの日本人は食物繊維を十分に摂取できていないといわれています[4]。
食物繊維の摂取量を増やすために、かぼちゃを取り入れるのも良いかもしれませんね。
食物繊維についてさらに詳しく知りたいという方は以下の記事をご覧ください。
食物繊維は整腸作用の他にも効果アリ?含有量の多いおすすめ食品11選
[3] 文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」
2-2.ビタミンA
かぼちゃはビタミンAを多く含む野菜です。
かぼちゃ100g当たりのビタミンA含有量はレチノール活性当量で210μgです[5]。
ビタミンAには目の機能を正常に保ったり、皮膚や粘膜の健康を維持したりするはたらきがあります。
そのため不足すると夜盲症、皮膚や粘膜の乾燥などを引き起こす場合があります。
ビタミンAの1日当たりの摂取推奨量は成人男性で800~900μgRAE、同じく女性で650~700μgRAEです[6]。
現在の日本人の平均摂取量は摂取推奨量に達していないため、かぼちゃを食べることでビタミンAを摂取しましょう。
ビタミンAについてさらに詳しく知りたいという方は以下の記事をご覧ください。
[5] 文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」
2-3.ビタミンE
ビタミンEもかぼちゃに豊富に含まれる栄養素です。
かぼちゃ100g当たりのビタミンE含有量は、3.9mgです[7]。
ビタミンEには「抗酸化作用」があります。
ビタミンEは細胞膜を構成する脂質などの酸化を防ぐことで、細胞の健康維持に役立っています。
ビタミンEが欠乏すると神経や筋肉に異常を来すといわれますが、ヒトではほぼ見られません 。
成人の1日当たりのビタミンE摂取目安量は男性で6.0~7.0mg、女性で5.0~6.5mgとされています[8]。
かぼちゃを通じてビタミンEをしっかり摂取しておきたいものですね。
ビタミンE についてさらに詳しく知りたいという方は以下の記事をご覧ください。
ビタミンEが多く含まれる食べ物は?効果や摂取基準も詳しく解説
[7] 文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」
2-4.ビタミンK
かぼちゃにはビタミンKも豊富に含まれています。
かぼちゃ100g当たりのビタミンK含有量は、37μgです[9]。
ビタミンKは出血を止める「血液凝固作用」や健康な骨づくり、動脈の石灰化の抑制に関わっています。
成人の1日当たりのビタミンK摂取目安量は男女ともに150μgとされています[10]。
ビタミンKが不足しないようにかぼちゃで補給できると良いですね。
[9] 文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」
2-5.ナイアシン
かぼちゃにはビタミンB群の一種であるナイアシンも多く含まれます。
水溶性ビタミンのうち、ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンB6、ビタミンB12、ナイアシン、パントテン酸、葉酸、ビオチンの8種類をまとめてビタミンB群と呼びます。
詳しくは以下の記事で解説しています。
ナイアシンは体内でエネルギーを生み出すはたらきや、脂質やアミノ酸(たんぱく質の構成要素)の代謝などに関わっています。
かぼちゃ100g当たりのナイアシン含有量はナイアシン当量で1.7mgです[11]。
ナイアシンは体内で「酵素」がさまざまな化学反応を行う際に、その作用を助ける「補酵素」としてはたらきます。
またナイアシンは筋肉の収縮などで使われるエネルギーの貯蔵・利用に関わるアデノシン三リン酸(ATP)の産生や、ビタミンC、ビタミン E の抗酸化作用に関与しています。
その他に、ナイアシンは体内で脂肪の構成要素である脂肪酸や、「ステロイドホルモン」をつくるはたらきにも関わっています。
ナイアシンが欠乏すると、ペラグラという疾患により皮膚炎・下痢・精神神経障害などの症状を引き起こし重篤化する場合があります。
ナイアシンの1日当たりの摂取推奨量は成人男性で13~15mgNE、同じく女性で10~12mgNEです*[12]。
平均的な食生活を送っている場合ナイアシンは十分に摂取できていると考えられますが、かぼちゃなどさまざまな食品からしっかり摂取しておくようにしましょう。
[11] 文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」
2-6.ビタミンB6
かぼちゃにはビタミンB6が豊富に含まれます。
かぼちゃ100g当たりのビタミンB6含有量は、0.23mgです[13]。
ビタミンB6は、たんぱく質、脂質、炭水化物などの代謝において補酵素としてはたらく他、ホルモンを調節するといったはたらきをしています。
ビタミンB6が不足すると、湿疹や口角炎、貧血、まひ性発作、聴覚過敏、脳波異常、免疫機能の低下などさまざまな症状の原因となることがあります。
ビタミンB6の1日当たりの摂取推奨量は成人男性で1.4mg、女性で1.1mgです[14]。
大事な栄養素の一つであるビタミンB6をかぼちゃでしっかり摂取しておきたいですね。
ビタミンB6についてさらに詳しく知りたいという方は以下の記事をご覧ください。
[13] 文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」
2-7.葉酸
葉酸もかぼちゃに多く含まれる栄養素の一つです。
かぼちゃ100g当たりの葉酸含有量は、42μgです[15]。
葉酸は体内でDNAやRNA、たんぱく質の合成やアミノ酸の代謝などに関係しており、細胞の増殖のために重要なはたらきをしています。
葉酸が足りなくなると、貧血、神経障害や腸機能障害などを引き起こすことがあります 。
また、妊娠中の方や妊娠の可能性のある方が十分に葉酸を摂取すると、先天的な脳や脊椎の異常の一種「神経管閉鎖障害」のリスクが低減されるという報告があります。
葉酸の1日当たりの摂取推奨量は成人男女ともに240μgです[16]。
葉酸を含む食品の一つであるかぼちゃを摂ることで、摂取量を増やすことができますね。
葉酸についてさらに詳しく知りたいという方は以下の記事をご覧ください。
葉酸が多く含まれている食べ物とは?効果や摂取基準もあわせて解説
[15] 文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」
2-8.パントテン酸
かぼちゃにはビタミンB群の一種であるパントテン酸も多く含まれます。
かぼちゃ100g当たりのパントテン酸含有量は、0.62mgです[17] 。
パントテン酸はビタミンB 群の一種で、糖や脂肪酸の代謝に関わる他、皮膚や粘膜の健康を保つはたらきがあります。
パントテン酸の1日当たりの摂取推奨量は成人男性で5~6mg、成人女性で5mgとされています[18]。
パントテン酸はさまざまな食品に含まれているため一般的な食生活を送っていれば不足の心配は少ないといわれますが、かぼちゃをプラスすることでさらに補給することができますね。
パントテン酸についてさらに詳しく知りたいという方は以下の記事をご覧ください。
[17] 文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」
2-9.ビタミンC
かぼちゃにはビタミンCも豊富に含まれています。
かぼちゃ100g当たりのビタミンC含有量は、43mgです[19]。
ビタミンCは水溶性ビタミンの一つで、皮膚や腱(けん)、軟骨の生成に必要な「コラーゲン」の生成に欠かせません。
また抗酸化作用を持つ他、消化管における鉄の吸収を高めるはたらきがあります。
成人の1日当たりのビタミンC摂取推奨量は男女ともに100mgとされています[20]。
多くの動物はビタミンCを合成することができますが、ヒトの体内ではビタミンCをつくることができないため、毎日の食事から摂る必要があります。
料理からデザートまで幅広く活用できるかぼちゃは、ビタミンCの補給に一役買ってくれる食材であるといえますね。
ビタミンC についてさらに詳しく知りたいという方は以下の記事をご覧ください。
[19] 文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」
2-10.カリウム
かぼちゃにはミネラルの一種であるカリウムも豊富に含まれます。
ミネラルについて詳しく知りたい方は以下の記事をご覧ください。
かぼちゃ100g当たりのカリウム含有量は、430mgです[21]。
カリウムは細胞内の水分量を調節したり、体内の酸性・アルカリ性のバランスを調整したりする他、筋肉の収縮などのはたらきにも関わっています。
また同じくミネラルの一つであるナトリウムを体外に排出するはたらきがあり、血圧を下げる効果が期待されています。
カリウムが不足すると、脱力感・食欲不振・筋無力症・精神障害・不整脈などの症状が現れます。
カリウムの1日当たりの摂取目標量は成人男性で3,000mg以上、成人女性で2,600mg以上とされています[22]。
日本人の塩分摂取量は世界においても多いとされているので、かぼちゃなどからカリウムをしっかり補給しておきましょう。
[21] 文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」
2-11.マグネシウム
かぼちゃにはミネラルの一種であるマグネシウムも豊富に含まれています。
かぼちゃ100g当たりのマグネシウム含有量は、25mgです[23]。
マグネシウムは「リン」や「カルシウム」といった他のミネラルとともに骨をつくる材料となる他、体内のさまざまな代謝をサポートする作用を持っています。
また骨や歯の他、筋肉や脳・神経にも存在し、酵素を活性化することで、筋肉の収縮や神経情報の伝達、体温・血圧の調整などを行います。
マグネシウムの欠乏により骨の形成に支障が出たり、不整脈や虚血性心疾患、高血圧、筋肉のけいれんの原因となったりする場合があるため、不足しないよう注意が必要です。
マグネシウムの1日当たりの摂取推奨量は成人男性で320~370mg、成人女性で260~290mgとされています[24] 。
かぼちゃを摂ることでマグネシウムの補給もできるのはうれしいですね。
マグネシウムについてさらに詳しく知りたいという方は以下の記事をご覧ください。
マグネシウムとは?はたらきや食事摂取基準、摂取源となる食品を解説
[23] 文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」
2-12.銅
銅もかぼちゃに多く含まれるミネラルの一種です。
かぼちゃ100g当たりの銅含有量は、0.07mgです[25]。
銅は主に骨や骨格筋、血液に存在し、たんぱく質と結合して体内での化学反応の触媒としての役割を果たしています。
また鉄とともに血をつくる機能に関わるミネラルでもあります。
日常の食生活において欠乏する心配はあまりありませんが、不足した場合には貧血や高コレステロール血症、動脈硬化などの原因となる恐れがあります。
銅の1日当たりの摂取推奨量は成人男性で0.8〜0.9mg、成人女性で0.7mgとされています[26]。
[25] 文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」
3.かぼちゃに含まれる栄養素
かぼちゃには糖質やビタミンB群、鉄などの栄養素も含まれています。
ここではそれぞれの栄養素について、役割やかぼちゃに含まれる量について説明します。
【かぼちゃに含まれる栄養素と100g当たりの含有量】
栄養素 | 含有量 |
---|---|
糖質 | 15.9g |
ビタミンB1 | 0.07mg |
ビタミンB2 | 0.08mg |
鉄 | 0.4mg |
3-1.糖質
かぼちゃには糖質が含まれます。
かぼちゃ100g当たりの糖質含有量は15.9gです[27]。
糖質は炭水化物の一種で、体内で消化されてエネルギーのもととなります。
糖質が不足すると疲労を招いたり集中力が低下したりすることもあります。
一方でエネルギーとして消費し切れなかった糖質は体内で中性脂肪として蓄えられ、肥満や生活習慣病の原因となります。
炭水化物の1日の摂取目標量は1日に摂取するエネルギー(カロリー)に対する割合で定められており、1歳以上の全ての年代で性別を問わず50〜65%です[28]。
かぼちゃを食べ過ぎて糖質過多になってしまわないよう注意しましょう。
糖質についてさらに詳しく知りたいという方は以下の記事をご覧ください。
[27] 文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」
3-2.ビタミンB1
かぼちゃにはビタミンB1も含まれます。
かぼちゃ100g当たりのビタミンB1含有量は0.07mgです[29]。
ビタミンB1は糖質の代謝に必要な栄養素です。
糖質の多い食事をしたりアルコールを多く摂ったりした際には特に需要が高まります。
糖質が不足すると、脳や神経など糖を主なエネルギー源としている器官に影響を及ぼします。
また、白米を常食している東洋人は、ビタミンB1が不足すると全身の倦怠(けんたい)感や食欲不振、手足のしびれ、足のむくみなどを生じる「かっけ」が見られることがあります。
ビタミンB1の1日当たりの摂取推奨量は成人男性で1.2~1.4mg、女性で0.9〜1.1mgとされています[30]。
お米を食べることの多い日本人にとって、ビタミンB1が摂取できるかぼちゃは頼もしい存在ですね。
ビタミンB1 についてさらに詳しく知りたいという方は以下の記事をご覧ください。
ビタミンB1が豊富に含まれる食べ物は?効果や摂取基準も詳しく解説
[29] 文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」
3-3.ビタミンB2
かぼちゃにはビタミンB2も含まれています。
かぼちゃ100g当たりのビタミンB2含有量は、0.08mgです[31]。
ビタミンB2は体内でエネルギーの代謝に関わる補酵素としてはたらきます。
また皮膚や粘膜を保護したり、成長を促したりするといった作用があるため、ビタミンB2が不足すると成長障害や皮膚炎・口内炎などの原因となることがあります。
ビタミンB2の1日当たりの摂取推奨量は成人男性で1.3~1.6mg、成人女性で1.0〜1.2mgとされています[32]。
皮膚炎や口内炎の予防のために、かぼちゃからビタミンB2を補給できるのはうれしいですね。
ビタミンB2についてさらに詳しく知りたいという方は以下の記事をご覧ください。
[31] 文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」
3-4.鉄
かぼちゃにはミネラルの一種である鉄も含まれています。
かぼちゃ100g当たりのビタミン鉄含有量は0.4mgです[33]。
鉄は体内では赤血球のヘモグロビンや筋肉中に多く存在します。
不足すると鉄欠乏性貧血を引き起こし、集中力や食欲の低下、頭痛、さらには筋力の低下や疲労感といった症状を生じます。
鉄不足は特に成長期の乳幼児や月経のある女性、妊婦・授乳婦で多く見られます。
鉄の1日の摂取推奨量は成人男性で7.0〜7.5mg、成人女性で月経のある場合は10.5~11.0mg、月経のない場合は6.0〜6.5mgとされています[34]。
また、妊娠初期は2.5mg、中後期は9.5mg、授乳期は2.5mgを付加することが推奨されています[34]。
食事からの摂取不足は鉄欠乏性貧血の原因になり得るので、鉄が摂取できる食材の一つとしてかぼちゃを取り入れるのも良いでしょう。
鉄についてさらに詳しく知りたいという方は以下の記事をご覧ください。
[33] 文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」
4.かぼちゃをおいしく食べるポイント
せっかくかぼちゃを食べるなら、おいしく食べたいものですよね。
ここではおいしいかぼちゃの選び方や保存方法について解説します。
ポイント1 完熟しているものを選ぶ
かぼちゃは完熟しているものを選ぶようにしましょう。
完熟しているかぼちゃは、見た目はごつごつしていて溝が深くへたや皮が硬いのが特徴です。
形がきれいかつ色が均一で、ずっしりと重さを感じるものを選ぶのがポイントです。
カットしてある場合、果肉が赤みを帯びているものは甘みが強いといわれています。
またわたや種がぎっしり詰まっているものを選びましょう。
ポイント2 涼しい場所で保存する
かぼちゃをおいしく食べるためには涼しい場所で保存することをおすすめします。
かぼちゃは保存性に優れた野菜で、カットしなければ風通しの良い10℃前後の環境で1~2カ月保存できます[35]。
カットしたものは傷みやすい種とわたをきれいに取り除き、ラップをした状態で冷蔵庫に保存すると良いですよ。
その場合は1週間以内に使い切るようにしましょう[35]。
5.かぼちゃに含まれる栄養素についてのまとめ
日本で栽培されているかぼちゃは日本かぼちゃ、西洋かぼちゃ、ペポかぼちゃに分けられますが、流通しているものの多くは西洋かぼちゃです。
西洋かぼちゃにもさまざまな品種があり、なかでもえびすかぼちゃやみやこかぼちゃなどの黒皮栗かぼちゃが広く流通しています。
このためこの記事では西洋かぼちゃに含まれる栄養素についてご紹介しています。
西洋かぼちゃのカロリーは100g当たり78kcalで、他の代表的な野菜類と比較するとやや高いといえます[36]。
これは一般的な野菜に比べ糖質が多く含まれているためです。
またかぼちゃには、食物繊維や各種のビタミン、ミネラルが豊富に含まれています。
かぼちゃに豊富に含まれるビタミンはビタミンA、ビタミンE、ビタミンK、ナイアシン、ビタミンB6、葉酸、パントテン酸、ビタミンCの合計8種類です。
ミネラルではカリウム、マグネシウム、銅が豊富に含まれています。
またこの他に、ビタミンB1、ビタミンB2、鉄も含まれています。
いずれも体の健康に欠かせない栄養素です。
非常にたくさんの栄養素を摂取できるため、積極的に摂取しておきたい野菜だといえますね。
かぼちゃをおいしく食べるには完熟しているものを選ぶこと、涼しい場所で保存することがポイントです。
この記事を参考においしいかぼちゃでさまざまな栄養素を補給してくださいね。
[36] 文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」