オリゴ糖とは?定義や健康への効果、摂取源となる食べ物を解説

2024年08月05日

2024年11月11日

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「オリゴ糖が体に良いって本当かな?」

「オリゴ糖にはどんな効果があるんだろう……。」

このように、オリゴ糖について気になる方もいらっしゃるのではないでしょうか。

オリゴ糖とは、糖質の最小単位である「単糖」が複数結びつき構成されたもので「少糖類」ともいわれます

整腸作用で知られる他、むし歯になりにくいなどの理由で代替甘味料としても多く利用されているものがあります。

この記事では、オリゴ糖の健康への効果や摂取源となる食品について詳しくご説明します。

オリゴ糖について知り、健康的な毎日を過ごすヒントにしてくださいね。

1.オリゴ糖とは

ヨーグルトにはちみつをかけているところ

厚生労働省が定めた「日本人の食事摂取基準(2020年版)」によると、オリゴ糖は炭水化物の一種で、3~9個の糖で構成されています[1]。

メモ
炭水化物とは糖の最小単位である単糖が1個ないし2個以上集まってできる物質です。「日本人の食事摂取基準(2020年版)」は単糖が1〜2個のものを糖類、3〜9個のものをオリゴ糖、10個以上のものを多糖類としています。なお、炭水化物の消化のしやすさ、しにくさによる分類では、ヒトの消化酵素で消化できるものを糖質、できないものを食物繊維といいます[1]。

また、2~10個の単糖で構成される炭水化物をオリゴ糖という場合もありますが、一般的には3個以上の単糖が結びついたものを指します[2]。

このように、オリゴ糖について単糖の数による厳密な定義は存在していません。

[1] 厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)

[2] 厚生労働省e-ヘルスネット「オリゴ糖

【関連情報】 「食物繊維とは?はたらきや摂取目標量、摂取源となる食べ物を解説」についての記事はこちら

2.オリゴ糖の健康への効果

お腹のところでハートマークをつくる女性

オリゴ糖のおなかの調子を整えるはたらきについては、聞いたことがある方もいらっしゃるのではないでしょうか。

他にも、オリゴ糖は糖質のなかでも、血糖値を上げにくい特徴があります。

このためエネルギーになりにくく、摂取しても血糖値の上昇はほとんどありません。

この章では、オリゴ糖の健康への効果について解説します。

2-1.腸内環境を整える

オリゴ糖には腸内の善玉菌を増やし、腸内環境を整えるはたらきがあります

腸内環境とは
腸内細菌を含む腸内全体の環境のことです。腸内細菌にはヒトに良い影響を与える善玉菌や悪影響を与える悪玉菌などがあります。

腸内環境を良くするためにはビフィズス菌や乳酸菌といった善玉菌の割合を増やすことが重要です。

ビフィズス菌は酢酸やプロピオン酸などの有機酸を産生します。

乳酸菌は食べ物から摂り入れた糖から乳酸をつくります。

有機酸や乳酸の作用によって腸内が弱酸性に傾くと悪玉菌の活動が抑えられ、腸の動きが活性化し便秘の改善につながります。

悪玉菌とは
有害物質をつくり、腸内の腐敗や炎症の原因となったり発がん性物質をつくったりして体に悪い影響を及ぼすとされる腸内細菌です。代表的なものとして、ウェルシュ菌や大腸菌などがあります。

オリゴ糖は消化されにくく大腸まで達しやすいため、善玉菌(主にビフィズス菌)の餌となりその数を増やすのを助けます

腸内環境を良好に保つために、オリゴ糖は重要なはたらきをするのですね。

2-2.血糖値をあまり上げない

オリゴ糖には血糖値を上げにくいという特徴があります

血糖値とは
血液中のブドウ糖の濃度のことです。健康であれば一定の範囲内に保たれますが、何らかの原因でコントロールが効かなくなると「高血糖」の状態が続くようになります。高血糖は糖尿病をはじめ、心筋梗塞、脳梗塞といった病気の原因となります。

血糖値を上げるのは、特に甘いお菓子やジュースなどに含まれる糖質、白米やパンなどの炭水化物です。

オリゴ糖は炭水化物の一種ですが、大部分が消化酵素により消化・吸収されずに大腸まで達します

そのためエネルギーとして使われにくく、摂取しても血糖値をほとんど上げないとされています。

オリゴ糖は、健康を気遣う方にとっての味方といえますね。

3.オリゴ糖の摂取源となる食べ物

皮付き玉ねぎ

「オリゴ糖は何から摂ったら良いんだろう?」

このような疑問をお持ちの方もいらっしゃるのではないでしょうか。

オリゴ糖は自然界のさまざまなものから摂取することができます

ごぼう、たまねぎ、にんにく、とうもろこし、アスパラガス、ブロッコリー、カリフラワーなどの野菜、アボカド、バナナなどの果物にはオリゴ糖が含まれています。

大豆などの豆類やはちみつもオリゴ糖を含む食品です。

また「おなかの調子を整える」などと表示された、特定保健用食品のオリゴ糖製品があります

特定保健用食品とは
体の機能に影響を与える成分を含み、摂取することで特定の効果が期待できる食品のことです。安全性や有効性についての国の審査に合格したものが特定保健用食品として認められます。

このような食品を利用するとオリゴ糖を手軽に摂ることができて便利です。

ただし体質によっておなかの張りや下痢などの症状が見られることがあります。

目安量を参考に、最初は少量から始め少しずつ増やすと良いでしょう。

また、オリゴ糖製品として販売されている市販品には他の糖質が含まれるものもあります

血糖値が気になる方は原材料名を確認してから購入するようにしてくださいね。

4.腸内環境を整えるポイント

納豆をお箸でまぜているところ

腸内環境を整えるためにオリゴ糖は有効ですが、さらに効果を高めるために意識したいことがあります

ここではさらに腸内環境を整えるポイントについてみてみましょう。

ポイント1 食物繊維を摂取する

腸内環境を整えるためには、食物繊維を摂取することが効果的です。

食物繊維にはオリゴ糖同様に善玉菌の餌となり、腸内にいる善玉菌を増やすはたらきがあります

メモ
善玉菌が好む食物繊維やオリゴ糖などの餌を与えて腸内環境を改善することを「プレバイオティクス」といいます。

さらに、食物繊維には腸内に存在する有害物質や悪玉菌を減らす効果もあるといわれます

日本人は食物繊維の摂取量が足りていないため、積極的に摂りたい成分の一つです。

ポイント2 発酵食品を摂取する

発酵食品を摂取することも腸内環境を整えるために効果的です。

発酵食品には生きた善玉菌である「プロバイオティクス」が多く含まれています。

メモ
プロバイオティクスは生きている善玉菌そのものを指します。摂取することで腸内に一定期間存在して腸内環境を整えますが、すみつくことはないため毎日摂取することが推奨されます。

発酵食品にはヨーグルトや納豆、キムチ、チーズの他、しょうゆやみそ、酢などの調味料も該当します。

身近な食品が多いので、毎日食べて善玉菌を腸に届けることができますね。

また、肉類の食べ過ぎは悪玉菌を増やす要因といわれています。

肉類を食べるときは、発酵食品などの善玉菌の多い食品を一緒に摂ることがおすすめです。

5.オリゴ糖についてのまとめ

「日本人の食事摂取基準(2020年版)」によると、オリゴ糖とは3~9個の糖で構成される炭水化物の一種のことです[3]。

オリゴ糖はビフィズス菌や乳酸菌などの善玉菌の餌となって数を増やすことで腸内環境を整え、悪玉菌のはたらきを抑えたり、便秘を改善したりしてくれます

またオリゴ糖はほとんど消化されずに大腸へ達するため、他の糖質と違って血糖値を上げにくいという特徴があります。

オリゴ糖は、野菜や果物、豆類、はちみつなど、自然界のさまざまな食品から摂取することができます。

オリゴ糖を含む特定保健用食品を利用する場合はおなかの様子を見つつ、少量から始めましょう。

オリゴ糖と同様に腸内環境を整える食品には食物繊維や発酵食品があります。

食物繊維は腸内の善玉菌の餌となることで善玉菌を増やしたり悪玉菌を減らしたりするはたらきがあります。

また発酵食品には善玉菌が多く含まれており、一定期間腸内で活動します。

この記事の内容を参考に、オリゴ糖を活用して健康維持のために役立ててくださいね。

[3] 厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)

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