「走ることは健康にどんな効果があるのかな?」
「痩せるためにジョギングを習慣にしたいけど、何に気を付けたらいいんだろう?」
健康やダイエットのためにジョギングなどを始めようと考えている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
確かに走ることは健康やダイエットのために効果があるといえますが、ただやみくもに走ればいいというわけではありません。
正しい走り方を意識して、体調を崩さないよう注意する必要があるのです。
そこでこの記事では走ることのメリットや効果的な走り方、注意点について詳しく紹介します。
効果的な方法で走ることを習慣にし、健康的な生活を目指してみてくださいね。
生活習慣病などの対策特集ページ
1.走る運動の種類とは?初心者におすすめの走り方
健康の維持・増進やトレーニングを目的とした走る運動には、大きく分けてジョギングとランニングがあります。
「ジョギングとランニングは一体何が違うの?」
と疑問に思いますよね。
ジョギングとランニングでは体にかかる負荷が異なります。
ジョギングは話しながら走れる程度の強度の運動で、ランニングは息切れする程度の強度の運動です。
つまり、ジョギングの方が体にかかる負荷が小さいのですね。
運動強度の面から、ジョギングは健康増進など、ランニングはトレーニングなどに適しているといわれています。
ランニングと比べてゆったり無理のないペースで走るジョギングは、負荷も小さく続けやすいため初心者におすすめですよ。
【関連情報】 「有酸素運動とは?効果や無酸素運動との違い、おすすめの運動を紹介」についての記事はこちら
走る運動にはさまざまなものがありますが、この記事では初心者でも始めやすいジョギングについてご紹介します。
2.走ることはどんなメリットがある?
「ジョギングをするとどんな効果があるんだろう?」
というのが最も気になるところですよね。
ここではジョギングを行うとどんなメリットがあるかを詳しくご説明していきましょう。
メリット1 体脂肪を燃焼させる
ジョギングには体脂肪を燃焼させる効果が期待できます。
ジョギングは他の走る運動と比べて、有酸素運動の割合が高いといわれています。
「激しい運動をした方が痩せられるんじゃない?」
と疑問に思った方もいらっしゃるかもしれませんね。
確かに同じ時間走るのであれば、運動強度の高いランニングの方がエネルギー消費量そのものは多いといえます。
しかし運動強度が高いからといって、効率よく体脂肪が燃焼されるわけではありません。
脂肪燃焼に効果的な運動強度は「楽、比較的楽」あるいは「ややきつい」と感じる程度で、それを超えるとエネルギー源が脂肪から糖へと切り替わっていくとされています。
脂肪を燃焼させるという点ではジョギングの方が効率的といえるでしょう。
メリット2 ストレスを発散する
ジョギングを行うとセロトニンなど精神安定につながるホルモンの分泌が促され、ストレスを発散する効果が期待できるといわれています。
セロトニンは「幸せホルモン」とも呼ばれており、安心感を与えたり脳のはたらきを活発にしたりする作用があるとされています。
運動を習慣的に行えばセロトニンなどの分泌も安定するため、ストレスを解消するだけでなく、ストレス耐性を高めることも期待できます。
しかし過度な運動はかえってストレスを増やしてしまう恐れがあります。
息切れをしてしまうようなハードな走り方ではなく、程よい疲労を感じる程度のジョギングが効果的です。
自分のペースで無理なく走ることが重要なのですね。
メリット3 生活習慣病を予防する
走ることを習慣にすると生活習慣病の予防にもつながります。
生活習慣病とは糖尿病や高血圧など、偏った食生活や運動不足などが原因で生じる病気です。
生活習慣病はがんや心臓病などの重篤な病気につながるリスクが高いため、食事の内容などに気を配り、適度な運動を行う習慣をつけて予防することが重要といわれています。
「どれくらいのペースでジョギングすれば生活習慣病を予防できるの?」
と疑問に感じた方もいらっしゃるでしょう。
厚生労働省は「健康づくりのための身体活動基準2013」で生活習慣病のリスクを下げるためにはどれくらい体を動かすべきかという目安を示しています。
この基準によると、18~64歳の人は生活習慣病を予防するために「3メッツ以上の身体活動を23メッツ・時/週行う」ことが推奨されています[1]。
これだけ聞いても何が何だか分からないですよね。
具体的にご説明していきましょう。
まず、メッツとは運動の強度を表す単位です。
ゆったりとしたペースのジョギングは6メッツとされているため、「3メッツ以上の身体活動」という条件はクリアしていますね[1]。
「メッツ・時」は運動量の単位で、例えば6メッツのジョギングを1時間行うと「6メッツ・時」ということができます。
つまり、「3メッツ以上の身体活動を23メッツ・時/週行う」という目標を達成するためには、1週間で4時間弱のジョギングをする必要があります。
1週間に4時間弱と聞くと大変なように思えるかもしれませんが、1日60分程度のジョギングを週に4日行うとこの基準をクリアすることができます。
毎日走ることは難しくても、1日おきに走ったり、走る曜日を決めたりして、自分のペースで挑戦してみてくださいね。
厚生労働省が公開している「アクティブガイド」には、運動習慣を身に付けるための方法などが分かりやすく記載されているので、参考にしてみてくださいね。
[1] 厚生労働省「健康づくりのための身体活動基準2013」
3.健康的に走る4つのコツ
「実際に走る時にはどんなことに気を付けたらいいんだろう」
と疑問をお持ちの方もいらっしゃるかもしれませんね。
ここでは健康的にジョギングなどの運動を行えるよう4つのコツを紹介します。
ぜひ運動を始める前に目を通してみてくださいね。
3-1.走る前後にしっかりストレッチをする
走る前後にはストレッチを行いましょう。
いきなり走ると靱帯(じんたい)やアキレス腱を傷めたり、筋肉痛になってしまったりすることがあります。
しっかりとストレッチをして、体をほぐしてから走るようにしましょう。
走る前には屈伸・伸脚運動、アキレス腱伸ばし、腕回しなどのストレッチがおすすめです。
心地いいと感じる程度に、ゆっくりと呼吸をしながら繰り返し行いましょう。
また走り終えた際にもストレッチを行うことが重要です。
ジョギングは簡単な有酸素運動ですが、体は疲れを感じていることがあります。
疲れを残すと体のだるさや不調の原因となるため、走り終えた後もクールダウンとしてストレッチを行いましょう。
走り終えた後は筋肉を伸ばすストレッチが効果的です。
屈伸と伸脚をそれぞれ数十秒ずつキープして行い背中やアキレス腱をしっかりと伸ばし、無理のない範囲で数回繰り返しましょう。
3-2.体力に合った走り方や距離を設定する
これからジョギングを習慣にしようとお考えの方は、初めは無理のない走り方や距離を設定するようにしましょう。
慣れないうちは体力が伴わず、長距離を走ると体への負担も大きいことから習慣付かないこともあります。
そのためまずはジョギングを継続することを目標にして、無理のない範囲の距離やペースで走ることが重要です。
最初はジョギングに慣れることを目標とし、徐々に走る距離や時間を調整してみてはいかがでしょうか。
3-3.正しいフォームで走る
走る際は正しいフォームを意識することが重要です。
間違ったフォームで走ると膝や腰を傷めてしまうことがあります。
またフォームの癖が付いてしまうとなかなか矯正しにくいので、初心者のうちから正しいフォームを身に付けて走ることが重要です。
まず姿勢を真っすぐにし、重心を高くして走り出したらやや前傾姿勢をとります。
足の裏全体を使って前へ進み、かかとから着地するようにしましょう。
肘を直角に曲げて、胸の高さまで上げることもポイントです。
初心者のうちから正しいフォームを意識して、体に負担をかけずにジョギングを継続したいですね。
3-4.専用のウェアやシューズを使用する
ジョギングやランニングをする際は専用のウェアやシューズを用意しましょう。
天気が悪くなってしまった場合に備え、防風・撥水加工のウェアを準備するのがおすすめです。
また、クッション性の高いジョギング用シューズで膝や腰への負担を和らげることも意識しましょう。
シューズ選びは慎重に行う必要があります。
サイズの合わないものを使用していると、足にマメができたり下半身への負担が大きくなったりすることもあるからです。
購入する前に試着をして、サイズの合ったものを選ぶようにしましょう。
自分に合った専用のシューズやウェアをそろえると、モチベーションの向上にもつながるはずですよ。
【関連情報】 「おすすめの有酸素運動」についてもっと知りたい方はこちら
4.走る上での注意点
ジョギングやランニングをする際は、健康を害さないよう気を付けましょう。
特に持病がある方や体調に不安がある方は注意が必要です。
ここでは無理なく健康的に運動ができるよう、注意しておきたいポイントをご説明します。
4-1.走る習慣がない場合はウォーキングから始める
初めてジョギングを行う方やこれまで運動する習慣がなかったという方は、まずはウォーキングから始めるようにしましょう。
いきなり長距離を走ろうとすると心肺機能が追いつかず、体に大きな負担がかかってしまいます。
そのためまずはウォーキングなどの軽い運動から始め、徐々に距離を伸ばして走ることが重要です。
厚生労働省は成人の運動目標の例として「最初の運動はウォーキングから」「週2回以上、1日30分以上の息が少しはずむ程度の運動を目標に」と示しています[2]。
まずはウォーキングから始め、無理のない範囲で時間や距離をのばしてみてはいかがでしょうか。
[2] 厚生労働省「健康日本21 (身体活動・運動)」
4-2.熱中症対策をする
ジョギングなどを行う際は熱中症対策をしっかりと行いましょう。
熱中症は体温調整ができずに体の中で熱がこもり、目まいやけいれんなどさまざまな症状が現れる病気です。
重症になるとけいれんが生じたり意識を失ったりすることもあるため、しっかりと対策を行い予防することが重要です。
熱中症は気温が高い、湿度が高い、風が弱いといった環境、二日酔いや寝不足などの体調不良、慣れない激しい運動などの行動といった要素が合わさって引き起こされるといわれています。
特に気温が高い時期のジョギングは注意が必要です。
急にジョギングを始めたり体調が悪い時に走ったりすることは避けるようにしましょう。
また涼しい服装や、水分・塩分補給、日陰を利用して走るなどの対策も重要です。
暑い夏の時期はジムなどのマシンでジョギングを行うのもいいかもしれませんね。
4-3.持病がある場合は主治医に相談する
ジョギングなどの走る運動は健康やダイエットに効果が期待できますが、持病のある方は注意が必要です。
特に心筋梗塞や狭心症などの心臓病がある方は、負荷のかかる運動を行うと心臓への負担が大きいといわれています。
また糖尿病などの代謝疾患がある方も、運動によって症状が悪化することもあるといわれており、注意が必要です。
これらの病気を含め何らかの持病がある方は、事前にかかりつけの医師に相談し、運動をしてもいいか相談するようにしてくださいね。
5.走ることについてのまとめ
健康の維持や増進、トレーニングを目的とした走る運動は、大きくジョギングとランニングに分けられます。
ジョギングは話しながら走れる程度の運動で、ランニングは息切れする程度の運動です。
走る運動は有酸素運動に当たり、体脂肪を燃焼させる効果が期待できます。
特にジョギングはランニングに比べ有酸素運動の割合が高いため、脂肪燃焼効果が高いと考えられます。
また走ることでストレスを発散したり、生活習慣病を予防したりすることにもつながると考えられています。
走ることにはさまざまなメリットがあるのですね。
ジョギングやランニングを健康的に続けるためには、走る前後にしっかりストレッチをすることがおすすめです。
また無理をせず、自分に合ったペースや距離で実施しましょう。
正しいフォームを意識することも重要です。
加えて専用のウェアやシューズを用意することで、より安全かつ快適に走れますよ。
無理な運動はけがや体調不良につながる恐れもあります。
走る習慣がない場合はウォーキングから始め、十分な熱中症対策を講じましょう。
なお、持病がある場合はまず主治医に相談する必要があることも念頭に置いておきましょう。
この記事を参考に、ジョギングやランニングといった走る運動にチャレンジしてみてくださいね。