「ウォーキングの消費カロリーってどれくらいなんだろう?」
「ダイエットの一環でウォーキングを始めたいんだけど、どんなことに気を付ければいいのかな」
ウォーキングは特別な道具を準備したりジムに通ったりする必要がないので気軽に始められるのがうれしいポイントですよね。
しかし、ウォーキングでどれくらいのカロリーを消費できるのかは分からないという方も多いのではないでしょうか。
また、ウォーキングをする際には正しい姿勢や適切な運動量についても知っておく必要があります。
そこで、この記事ではウォーキングで消費するカロリーやウォーキングをする際の方法について詳しく解説していきましょう。
ダイエットや健康のためにウォーキングを始めたい方はぜひ目を通してみてくださいね。
1.ウォーキングで消費するカロリーはどのくらい?
実際にどれくらいカロリーを消費できるのかを知っておくと、ウォーキングをする上でも励みになりますよね。
ウォーキングで消費するカロリーは歩く速度や時間、体重などによって違います。
ここではウォーキングで消費できるカロリーについて詳しく説明していきましょう。
1-1.歩く速度別の消費カロリー
ウォーキングの消費カロリーは歩く速さによって異なります。
速く歩いた方がカロリーを消費しやすいというイメージは多くの方がお持ちですよね。
速度別の消費カロリーを確認してみましょう。
まずは時速3.2kmで歩いた場合の消費カロリーをご紹介します。
時速3.2kmのペースだと1分間で歩く距離はおよそ53mとなるため、不動産広告で見かける「徒歩」の速度と比べるとかなりゆったりとしたペースであることが分かりますね。
【ウォーキング(ゆっくり・3.2km/時)の消費カロリー】 ※横にスクロールできます
時間/体重 | 40kg | 50kg | 60kg | 70kg | 80kg | 90kg |
---|---|---|---|---|---|---|
10分 | 20kcal | 25kcal | 29kcal | 34kcal | 39kcal | 44kcal |
20分 | 39kcal | 49kcal | 59kcal | 69kcal | 78kcal | 88kcal |
30分 | 59kcal | 74kcal | 88kcal | 103kcal | 118kcal | 132kcal |
40分 | 78kcal | 98kcal | 118kcal | 137kcal | 157kcal | 176kcal |
50分 | 98kcal | 123kcal | 147kcal | 172kcal | 196kcal | 221kcal |
60分 | 118kcal | 147kcal | 176kcal | 206kcal | 235kcal | 265kcal |
独立行政法人 国立健康・栄養研究所「改訂版『身体活動のメッツ(METs)表』」をもとに執筆者作成
次は、ほどほどの速さ(時速4.5km~5.1km)で歩いた場合の消費カロリーです。
不動産広告における「徒歩○分」といった表示は時速4.8kmで計算されていることを踏まえると、健康な成人の一般的な歩く速度に該当するといえるでしょう。
【ウォーキング(ほどほどの速さ・4.5〜5.1km/時)の消費カロリー】 ※横にスクロールできます
時間/体重 | 40kg | 50kg | 60kg | 70kg | 80kg | 90kg |
---|---|---|---|---|---|---|
10分 | 25kcal | 31kcal | 37kcal | 43kcal | 49kcal | 55kcal |
20分 | 49kcal | 61kcal | 74kcal | 86kcal | 98kcal | 110kcal |
30分 | 74kcal | 92kcal | 110kcal | 129kcal | 147kcal | 165kcal |
40分 | 98kcal | 123kcal | 147kcal | 172kcal | 196kcal | 221kcal |
50分 | 123kcal | 153kcal | 184kcal | 214kcal | 245kcal | 276kcal |
60分 | 147kcal | 184kcal | 221kcal | 257kcal | 294kcal | 331kcal |
独立行政法人 国立健康・栄養研究所「改訂版『身体活動のメッツ(METs)表』」をもとに執筆者作成
最後に、速いペース(時速5.6km)で歩いた場合の消費カロリーもまとめました。
【ウォーキング(速い・5.6km/時)の消費カロリー】 ※横にスクロールできます
時間/体重 | 40kg | 50kg | 60kg | 70kg | 80kg | 90kg |
---|---|---|---|---|---|---|
10分 | 30kcal | 38kcal | 45kcal | 53kcal | 60kcal | 68kcal |
20分 | 60kcal | 75kcal | 90kcal | 105kcal | 120kcal | 135kcal |
30分 | 90kcal | 113kcal | 135kcal | 158kcal | 181kcal | 203kcal |
40分 | 120kcal | 151kcal | 181kcal | 211kcal | 241kcal | 271kcal |
50分 | 151kcal | 188kcal | 226kcal | 263kcal | 301kcal | 339kcal |
60分 | 181kcal | 226kcal | 271kcal | 316kcal | 361kcal | 406kcal |
独立行政法人 国立健康・栄養研究所「改訂版『身体活動のメッツ(METs)表』」をもとに執筆者作成
このようにウォーキングで消費するカロリーは歩く速度や時間、体重によって左右されます。
自分の歩くスピードを確認したい方は、普段歩いているコースの距離と歩くのにかかった時間から時速を割り出してみましょう。
[1] 不動産公正取引協議会連合会「不動産の表示に関する公正競争規約施行規則」
1-2.消費カロリーの詳しい計算方法
「大体の目安は分かったけど、実際に自分が消費するカロリーはどうやって計算するのかな?」
という疑問もあるかもしれません。
ウォーキングに限らず、運動などで消費したカロリーは「運動量(メッツ×運動時間)×体重×1.05」という式で簡単に算出することができます。
ウォーキングのメッツは速度によって異なり、以下の表のとおりです。
【ウォーキングのメッツ】
速度 | メッツ |
---|---|
ゆっくり(3.2km/時) | 2.8 |
ほどほどの速さ(4.5〜5.1km/時) | 3.5 |
速い(5.6km/時) | 4.3 |
独立行政法人 国立健康・栄養研究所「改訂版『身体活動のメッツ(METs)表』」をもとに執筆者作成
例えば、体重55kgの方がほどほどの速さ(時速4.5km~5.1km)で1時間ウォーキングをしたときの消費カロリーは以下のように計算します。
この式と同じように、ウォーキングの速度に合わせたメッツと歩いた時間、体重を当てはめればご自身の消費カロリーを簡単に確認することが可能ですよ。
2.ダイエットに効果的なウォーキングの方法とは?
「せっかくウォーキングをするならダイエットに効果的な方法でしたい!」
と思いますよね。
ウォーキングをする際には、姿勢や時間などに気を配ることが重要です。
ここからは、ダイエットで効果を上げるために実践したいウォーキングの方法について紹介していきましょう。
2-1.正しい姿勢で歩く
「普段通りに歩くだけじゃ駄目なの?」
と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、ただ歩くだけではなく、ウォーキングをする際は姿勢を意識することがポイントです。
正しい姿勢でウォーキングを行うことで健康へより良い効果が期待できる上、腰やひざを痛めるリスクが少なくなります。
そこで、まずはウォーキングをするときの正しい姿勢を確認しましょう。
背筋を伸ばして顎を軽く引き、頭が揺れないように気を付けながら前を向いて歩きます。
歩幅はやや大きめに、親指で踏み込むようにして一歩を踏み出し、膝を伸ばしてかかとから着地するのがポイントです。
肩や腕には力を入れず、リズミカルに振ってくださいね。
重要なのは無理に歩くスピードを上げようとせず、正しい姿勢を保つことです。
けがなく健康的にカロリーを消費するため、まずはこの姿勢に慣れましょう。
また息を吸うよりも吐くことを意識してみると良いでしょう。
しっかり息を吐くと、肺が酸素を取り込もうとして自然と深く息を吸い込めますよ。
ウォーキングは有酸素運動のため、全身にスムーズに酸素を送り込む呼吸ができればダイエットの効果を高められるかもしれません。
有酸素運動とは、酸素と一緒に血糖や脂肪をエネルギーとして利用する運動のことです。
そのため、正しい方法で行えばダイエットに効果があると考えられます。
まずは正しい姿勢で歩くことを心掛けつつ、呼吸も意識してみると良いでしょう。
実際にウォーキングをする際の持ち物など、詳しく知りたい方はこちらの記事もご覧ください。
2-2.適度な時間行う
「たくさんカロリーを消費するためには長時間頑張らないと!」
消費カロリーを増やすため、このように意気込んでいる方もいらっしゃるでしょう。
ウォーキングなどの有酸素運動は長時間継続して行うと、脂肪をエネルギーとして利用する比率が高まるといわれています。
しかし、無理な運動をするとけがのリスクが生じるなどかえって健康を損ねる恐れがあります。
それでは、ウォーキングは実際どれくらいの時間行えば良いのでしょうか。
世界保健機関(WHO)は、18歳〜64歳の成人であれば中強度の運動を1週間に150分〜300分間行うことを推奨しています[2]。
中強度の運動とは「ややきつい」と感じる程度の運動のことで、一般的な速さのウォーキングは中強度の運動に該当します。
毎日ウォーキングを行う場合は20分強、週に3日行う場合は1日当たり50分〜100分、週に5日行う場合は30分〜60分が目安となりますね。
一駅分歩いたり、休日に散歩したりする習慣をつくってみると良いでしょう。
[2] WHO「Physical activity」
【関連情報】 「ダイエット」についてもっと知りたい方はこちら
3.ダイエットだけじゃない?ウォーキングのメリット
ウォーキングにはダイエットの効果が期待できるだけでなく、さまざまなメリットがあります。
「ウォーキングを始めようか迷っている……」
という方もなかにはいらっしゃるかもしれませんが、ウォーキングは手軽に始められて健康に良い効果が期待できる運動ですよ。
これから一つひとつのメリットを詳しく確認していきましょう。
メリット1 心肺機能の向上が期待できる
有酸素運動であるウォーキングを長く続けていると、酸素を運ぶために重要な役割を果たす心肺機能が向上するといわれています。
長時間の運動に必要とされる大量の酸素を体内の必要な部位に届けるためには、心臓と肺のはたらきが重要です。
より多くの酸素を全身に送るためには一回の拍動でいかに多くの血液を送り出せるかが鍵となります。
有酸素運動には、心筋を鍛える効果があるといわれています。
心肺機能が上がると、同じ運動でも楽にできるようになったり、さらに激しい運動にも耐えられるようになったりするとされています。
ウォーキングを継続することで、心臓や肺の機能が鍛えられ丈夫な体をつくることができるといえますね。
メリット2 病気の予防・改善効果が期待できる
ウォーキングには生活習慣病をはじめとした病気を防いだり改善したりする効果も期待できます。
心臓病や動脈硬化、糖尿病、脂質異常症、高血圧といった生活習慣病の予防には、内臓脂肪をため込まないようにすることが重要だといわれています。
有酸素運動であるウォーキングは脂肪をエネルギーとして利用します。
そのため、内臓脂肪の蓄積を防いだり減らしたりする効果が期待でき、生活習慣病の予防や改善に有効だと考えられるのですね。
また、ウォーキングは骨に適度な負荷をかけ骨の形成を促すため、骨粗しょう症の予防にも効果があるといわれています。
ウォーキングはダイエットだけでなく、健康を維持・増進するために役立つ運動なのですね。
メリット3 リラックス効果が期待できる
ウォーキングは精神的にも良い効果があるとされています。
ウォーキングのような程良い強度の有酸素運動を長く続けると、「セロトニン」というホルモンが分泌されます。
セロトニンは別名「幸せホルモン」とも呼ばれているホルモンです。
脳の中で感情などを司る部分にセロトニンが届くと、心が落ち着くといわれています。
逆にセロトニンが不足するとストレスを感じすぎてしまったり、うつ病の発症につながったりする場合もあります。
また、日光にはセロトニンの分泌を促進する作用があるため、晴れた日に屋外でウォーキングをするとさらにリラックスできるかもしれませんよ。
4.ウォーキングの消費カロリーについてのまとめ
ウォーキングで消費できるカロリーは歩く速度や時間、体重などによって異なります。
速く歩いたり、たくさん歩いたりすればその分消費カロリーは増えます。
また同じだけ運動をしても体重が重い方の方が消費カロリーは大きくなります。
ウォーキングに限らず、運動などの消費カロリーは「運動量(メッツ×運動時間)×体重(kg)×1.05という式で算出が可能です。
ウォーキングのメッツは時速3.2kmの場合2.8、4.5〜5.1kmの場合3.5、5.6kmの場合4.3です[3]。
例えば体重55kgの方が時速4.5〜5.1kmで1時間ウォーキングをしたときの消費カロリーは3.5×1×55×1.05で202kcal(小数点第一位で四捨五入)となります。
ダイエットのためにウォーキングを行う際には、正しい姿勢で歩くことを心掛けましょう。
効果の増大やけがの予防などが見込めますよ。
また世界保健機関(WHO)は18〜64歳の成人に対し、中強度の運動を1週間に150〜300分間行うことを推奨しています[4]。
一般的な速度のウォーキングは中強度の運動に相当するため、この実施時間を目標にしてみましょう。
ウォーキングにはダイエットだけでなく、心肺機能の向上や病気の予防・改善などの効果が期待できます。
消費カロリーを意識しつつ、ウォーキングを習慣にしてみてくださいね。
[3] 独立行政法人 国立健康・栄養研究所「改訂版『身体活動のメッツ(METs)表』」
[4] WHO「Physical activity」