「血圧が高めっていわれたけど、何に気を付ければ良いんだろう?」
「血圧を下げる効果のある食べ物ってないのかな?」
健康診断などで血圧の高さを指摘され、このようにお悩みの方もいらっしゃるかもしれませんね。
血圧が正常値より高い状態は「高血圧」と呼ばれ、慢性化すると心臓や脳の病気の発症リスクを高めます。
高血圧は運動不足や肥満の他、食塩の過剰摂取による影響が大きいため、改善するには食事内容を見直すことが重要です。
またその上で、血圧を下げる食べ物があれば積極的に取り入れたいところですよね。
そこでこの記事では、高めの血圧が気になる場合の食事のポイントや血圧を下げる成分が含まれる食べ物、食事以外に気を付けるべきポイントについて解説します。
食事内容を見直して高血圧の予防や改善に努めましょう。
1.高血圧とは
「自分の血圧が高めなのかよく分からない……」
「高血圧だといわれたけれど、何が問題なの?」
このように気になっている方もいらっしゃるかもしれませんね。
まずは高血圧について簡単におさらいしておきましょう。
1-1.高血圧の基準
病院で測った血圧(診察室血圧)の場合、最高血圧が120mmHg未満かつ最低血圧が80mmHg未満であれば「正常」だといえます[1]。
一方、最高血圧が140mmHg以上、または最低血圧が90mmHg以上の場合には「高血圧」と診断されます[1]。
詳しい基準値については以下の表のとおりです。
【成人における血圧値の分類(mmHg)】
最高血圧 | 最低血圧 | ||
---|---|---|---|
正常血圧 | 120未満 | かつ | 80未満 |
正常高値血圧 | 120〜129 | かつ | 80未満 |
高値血圧 | 130〜139 | かつ/または | 80〜89 |
Ⅰ度高血圧 | 140〜159 | かつ/または | 90〜99 |
Ⅱ度高血圧 | 160〜179 | かつ/または | 100〜109 |
Ⅲ度高血圧 | 180以上 | かつ/または | 110以上 |
(孤立性)収縮圧高血圧 | 140以上 | かつ | 90未満 |
ただし一度血圧がこの基準を超えれば直ちに高血圧に該当するというものではなく、繰り返し測っても血圧が正常より高い場合を高血圧といいます。
1-2.高血圧の種類と原因
高血圧には「二次性高血圧」と「本態性高血圧」があり、それぞれ原因が異なります。
二次性高血圧は、何らかの病気が関連して発症する高血圧を指します。
例えば、腎臓の上に位置し、ホルモンの分泌などを担う「副腎」や、首の前面に存在し、同様にホルモン分泌を行う「甲状腺」などの病気に関連して高血圧を招くことがあります。
また睡眠中に呼吸が止まってしまう「睡眠時無呼吸症候群」も高血圧の原因となります。
二次性高血圧は原因となる病気の治療を行うことで改善が期待できるので、まずは病気の治療に取り組むことが重要です。
一方、原因の特定できないものを本態性高血圧といい、日本人の高血圧の多くはこちらに該当します。
本態性高血圧は食塩の過剰摂取や運動不足、アルコールの飲み過ぎ、肥満、ストレスなどの生活習慣や、遺伝的体質などが組み合わさって引き起こされると考えられています。
なかでも日本人の高血圧は食塩の過剰摂取による影響が大きいといわれているので要注意です。
2.血圧を下げる食事のポイント
「高血圧だと診断されたら、どんなものを食べたら良いの?」
このように気になっている方もいらっしゃることでしょう。
ヒトの体はさまざまな栄養素の影響を受けます。
血圧が気になるときには、いくつかの栄養素の摂取量を意識したり、カロリー制限を行ったりすることが重要です。
どのようなものを食べるべきか判断するために、まずは注意すべき食事のポイントを知っておきましょう。
ポイント1 ナトリウムの摂取量を減らす
高血圧の改善のために、まず気を付けておきたいポイントは減塩です。
日本人の高血圧の最大の原因は食塩の摂り過ぎであるといわれています。
しょうゆやみそ汁、漬物などが食卓に上る機会の多い日本人は食塩を摂り過ぎる傾向にあります。
またインスタントラーメンなどの加工食品も塩分過多となる要因の一つです。
塩分の摂り過ぎが高血圧を招く原因は、食塩の主成分の一つ「ナトリウム」にあります。
ナトリウムは人体に欠かせない栄養素の一つですが、摂り過ぎると血圧を上昇させることが知られています。
多量摂取により血液中のナトリウム濃度が上昇すると、体は浸透圧を保とうと血液中の水分を増やし、その結果として血液量が増加します。
これにより血液量が増え、血管の壁を押す力が増す、つまり血圧が上昇するのだと考えられています。
このため高血圧の改善にはナトリウム、つまり食塩の摂取制限が欠かせないのです。
厚生労働省は高血圧の予防・改善のためには、1日当たりの食塩摂取量を6g未満とするのが望ましいとしています[2]。
しかし、厚生労働省「令和元年 国民健康・栄養調査」の結果では、20歳以上の日本人の1日当たりの平均食塩摂取量は男性で10.9g、女性で9.3gとこの目標を大きく超えていることが分かります[3]。
減塩の道のりは厳しいものだと感じられたかもしれませんが、以下のような工夫を取り入れれば、減塩をスムーズに進められるでしょう。
ポイント2 カリウムを摂取する
また、摂り過ぎたナトリウムを体内に吸収させないような食品成分を含む食べ物を摂ることもポイントです。
「カリウム」というミネラルには、ナトリウムの排せつを促し、血圧を下げるはたらきがあるとされています。
そのため、血圧の予防・改善にはナトリウム摂取量を減らすだけでなく、カリウムの摂取量を増やすことも勧められています。
日本人の成人の1日当たりのカリウムの摂取目標量は男性で3,000mg以上、女性で2,600mg以上です[4]。
しかし20歳以上のカリウムの平均摂取量は男性で2,439mg、女性で2,273mgと目標よりも少なくなっています[5]。
より多くの摂取を心掛けることが必要だといえるでしょう。
ポイント3 食物繊維を摂取する
その他に整腸効果で知られる食物繊維にはナトリウムや脂質、糖質を吸着して体外に排出するはたらきが認められており、高血圧や肥満、糖尿病、脂質異常症などの予防・改善に効果が期待できます。
1日当たりの食物繊維の成人男性の摂取目標量は18〜64歳で21g以上、65歳以上で20gです[6]。
また成人女性の摂取目標量は18〜64歳で18g以上、65歳以上で17g以上です[6]。
20歳以上の平均摂取量は男性で19.9g、女性で18.0gとなっています[7]。
女性は目標量を摂取できているように見えますが、理想的な食物繊維摂取量は1日当たり24gであるとされています[6]。
上記の目標量は日本人の食物繊維摂取量が少ないため、厚生労働省の「平成28年 国民健康・栄養調査」に基づく摂取量の中央値と理想的な摂取量との中間値から設定されたものです。
少しでも多く食物繊維を摂れるよう心掛けましょう。
ポイント4 カルシウムを摂取する
また骨の健康に欠かせないカルシウムは血圧を安定させる効果があり、不足すると高血圧を招く場合があるといわれています。
カルシウムの1日当たりの摂取推奨量は男性の場合、18〜29歳で800mg、30〜74歳で750mg、75歳以上で700mgです[8]。
また女性の場合、18〜74歳で650mg、75歳以上で600mgです[8]。
一方で20歳以上の男性の平均摂取量は503mg、同じく女性で494mgと[9]、推奨量を満たせていません。
カルシウムを含む食品も摂取を心掛けたいものですね。
ポイント5 摂取カロリーを適切に抑える
近年では若年・中年の男性を中心に、肥満が原因の高血圧も増加しています。
そのため肥満の状態にある方は、適切なカロリー制限を行うことも重要だといえるでしょう。
健康な成人の1日当たりの推定必要カロリー(推定エネルギー必要量)は以下のとおりです。
【1日当たりの推定エネルギー必要量(kcal)】
性別 | 男性 | 女性 | ||||
---|---|---|---|---|---|---|
身体活動レベル | 低い(Ⅰ) | 普通(Ⅱ) | 高い(Ⅲ) | 低い(Ⅰ) | 普通(Ⅱ) | 高い(Ⅲ) |
18〜29歳 | 2,300 | 2,650 | 3,050 | 1,700 | 2,000 | 2,300 |
30〜49歳 | 2,300 | 2,700 | 3,050 | 1,750 | 2,050 | 2,350 |
50〜64歳 | 2,200 | 2,600 | 2,950 | 1,650 | 1,950 | 2,250 |
65〜74歳 | 2,050 | 2,400 | 2,750 | 1,550 | 1,850 | 2,100 |
75歳以上 | 1,800 | 2,100 | - | 1,400 | 1,650 | - |
身体活動レベルは日常生活のなかでどれくらい体を動かしているかによって分けられます。
ご自身の身体活動レベルが分からないという方は以下のメモを確認してください。
体を動かす機会が多ければ、その分必要なカロリーも増えるのですね。
食べ過ぎは塩分の摂り過ぎにもつながります。
腹八分目を意識し、ご自分に必要なカロリー(エネルギー)を摂取するよう心掛けましょう。
推定エネルギー必要量は標準的な体格の方を対象に算出されたものです。
ご自身の体格に合った必要カロリーが知りたい方は以下の記事をご覧ください。
3.血圧を下げる効果が期待できる成分を含む食べ物
「食べるだけで血圧の下がる食べ物があったら良いのに……。」
「どんなものを食事に取り入れたら血圧が下がるのかな?」
このように気になっている方もいらっしゃることでしょう。
食べ物は薬とは違い、基本的には「これを食べればこのような効果が期待できる」といったことは断言できません。
しかし、先の章でご紹介したような高血圧の改善効果を有する成分を多く含む食品を摂取し、食事と共に生活習慣を改めることで改善が期待できます。
またなかには、血圧が高めの方を対象としている特定保健用食品や機能性表示食品もあります。
ここでは、血圧を下げる効果が期待できる成分を含む食べ物をご紹介しましょう。
3-1.野菜類
野菜にはカリウムや食物繊維が豊富に含まれます。
カリウムと食物繊維を多く含む身近な野菜をご紹介しましょう。
【野菜類のカリウムと食物繊維の含有量およびカロリー(100g当たり)】
食品名 | 加工状態など | カリウム含有量 | 食物繊維含有量 | カロリー |
---|---|---|---|---|
ほうれん草 | 生 | 690mg | 2.8g | 18kcal |
えだまめ | 生 | 590mg | 5.0g | 125kcal |
モロヘイヤ | 生 | 530mg | 5.9g | 36kcal |
たけのこ | 生 | 520mg | 2.8mg | 27kcal |
小松菜 | 生 | 500mg | 1.9g | 13kcal |
リーフレタス | 生 | 490mg | 1.9g | 16kcal |
水菜 | 生 | 480mg | 3.0g | 23kcal |
ブロッコリー | 生 | 460mg | 5.1g | 37kcal |
れんこん | 生 | 440mg | 2.0g | 66kcal |
西洋かぼちゃ | 生 | 430mg | 3.5g | 78kcal |
ごぼう | 生 | 320mg | 5.7g | 58kcal |
にんじん | 皮なし、生 | 300mg | 2.8g | 32kcal |
文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」をもとに執筆者作成
低カロリーのものが多いのもうれしいポイントですよね。
普段野菜を食べる機会があまりないという方は少しでも食事に取り入れられるよう心掛けましょう。
3-2.いも類
いも類のなかにもカリウムや食物繊維を含むものがあります。
代表的ないも類のカリウムと食物繊維の含有量、およびカロリーをご紹介しましょう。
【いも類のカリウムと食物繊維の含有量およびカロリー(100g当たり)】
食品名 | 加工状態など | カリウム含有量 | 食物繊維含有量 | カロリー |
---|---|---|---|---|
さといも | 生 | 640mg | 2.3g | 53kcal |
さつまいも | 皮なし、生 | 480mg | 2.2g | 126kcal |
ながいも | 生 | 430mg | 1.0g | 64kcal |
じゃがいも | 皮なし、生 | 410mg | 8.9g | 59kcal |
むらさきいも | 皮なし、生 | 370mg | 2.5g | 123kcal |
文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」をもとに執筆者作成
いも類は糖質も含んでいるので、カロリーにも注意しつつ、他の食品と合わせてバランス良く栄養素を摂れるよう心掛けましょう。
3-3.果物類
果物類からもカリウムを摂取することができます。
カリウムを含む果物類をご紹介しましょう。
ものによっては食物繊維の摂取源にもなり得ますよ。
【果物類のカリウムと食物繊維の含有量およびカロリー(100g当たり)】
食品名 | 加工状態など | カリウム含有量 | 食物繊維含有量 | カロリー |
---|---|---|---|---|
バナナ | 生 | 360mg | 1.1g | 93kcal |
メロン(緑肉種) | 生 | 350mg | 0.5g | 45kcal |
メロン(赤肉種) | 生 | 350mg | 0.5g | 45kcal |
ドラゴンフルーツ | 生 | 350mg | 1.9g | 52kcal |
キウイフルーツ(緑肉種) | 生 | 300mg | 2.6g | 51kcal |
キウイフルーツ(黄肉種) | 生 | 300mg | 1.4g | 63kcal |
もも(白肉種) | 生 | 180mg | 1.3g | 38kcal |
パイナップル | 生 | 150mg | 1.2g | 54kcal |
日本なし | 生 | 140mg | 0.9g | 38kcal |
文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」をもとに執筆者作成
ただし果物類は野菜類に比べるとカロリーが高く、カリウムや食物繊維の含有量も少ない傾向にあるといえます。
果物に頼らず、野菜類もしっかり摂取するようにしましょう。
3-4.きのこ類
きのこ類からもカリウムや食物繊維を摂取できます。
代表的なきのこ類のカリウムと食物繊維の含有量をご紹介しましょう。
【きのこ類のカリウムと食物繊維の含有量およびカロリー(100g当たり)】
食品名 | 加工状態など | カリウム含有量 | 食物繊維含有量 | カロリー |
---|---|---|---|---|
まつたけ | 生 | 410mg | 4.7g | 32kcal |
ぶなしめじ | 生 | 370mg | 3.0g | 26kcal |
マッシュルーム | 生 | 350mg | 2.0g | 15kcal |
えのきたけ | 生 | 340mg | 3.9g | 34kcal |
エリンギ | 生 | 340mg | 3.4g | 31kcal |
本しめじ | 生 | 310mg | 1.9g | 21kcal |
しいたけ(菌床栽培) | 生 | 290mg | 4.9g | 25kcal |
しいたけ(原木栽培) | 生 | 270mg | 5.5g | 34kcal |
なめこ | 生 | 240mg | 3.4g | 21kcal |
まいたけ | 生 | 230mg | 3.5g | 22kcal |
文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」をもとに執筆者作成
3-5.海藻類
海藻類にもカリウムを含むものがあります。
また、食物繊維やカルシウムの摂取源にもなります。
【海藻類のカリウムと食物繊維、カルシウムの含有量およびカロリー(100g当たり)】
食品名 | 加工状態など | カリウム含有量 | 食物繊維含有量 | カルシウム含有量 | カロリー |
---|---|---|---|---|---|
刻み昆布 | 乾燥 | 8,200mg | 39.1g | 940mg | 119kcal |
干しひじき | 乾燥 | 6,400mg | 51.8g | 1,000mg | 180kcal |
まこんぶ(素干し) | 乾燥 | 6,100mg | 32.1g | 780mg | 170kcal |
乾燥わかめ(素干し) | - | 6,000mg | 29.8g | 830mg | 172kcal |
りしりこんぶ(素干し) | - | 5,300mg | 31.4g | 760mg | 211kcal |
あおさ(素干し) | - | 3,200mg | 29.1g | 490mg | 201kcal |
干しのり | - | 3,100mg | 31.2g | 140mg | 276kcal |
焼きのり | - | 2,400mg | 36.0g | 280mg | 297kcal |
乾燥わかめ | 水戻し | 440mg | 4.3g | 100mg | 20kcal |
カットわかめ | 乾燥 | 430mg | 39.2g | 870mg | 186kcal |
干しひじき | ゆで | 160mg | 3.7g | 96mg | 13kcal |
文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」をもとに執筆者作成
乾燥した状態で流通しているものが多いので、水で戻すと1食当たりの摂取量は少なくなってしまいますが、副菜として取り入れると良いでしょう。
3-6.穀類
主食からも食物繊維を摂取することができます。
ここでは、穀類の食物繊維含有量をご紹介しましょう。
【穀類の食物繊維含有量およびカロリー(100g当たり)】
食品名 | 加工状態など | 食物繊維含有量 | カロリー |
---|---|---|---|
ポップコーン | - | 9.3g | 472kcal |
半生そば | - | 6.9g | 325kcal |
半生中華めん | - | 6.2g | 305kcal |
そば | 生 | 6.0g | 271kcal |
ライ麦パン | - | 5.6g | 252kcal |
マカロニ・スパゲッティ | 乾燥 | 5.4g | 347kcal |
中華めん | 生 | 5.4g | 249kcal |
全粒粉パン | - | 4.5g | 251kcal |
半生うどん | - | 4.1g | 296kcal |
うどん | 生 | 3.6g | 249kcal |
発芽玄米 | - | 3.1g | 339kcal |
玄米 | - | 3.0g | 346kcal |
文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」をもとに執筆者作成
うるち米100g当たりの食物繊維含有量はわずか0.5gですが、玄米100g当たりの食物繊維含有量は3.0gあります[10]。
穀類は糖質を多く含んでいる傾向にあるためカロリーの摂り過ぎには十分注意が必要ですが、主食を工夫することで食物繊維の摂取量を増やせるかもしれませんね。
3-7.牛乳・乳製品
牛乳や乳製品はカルシウムの摂取源としてよく知られていますよね。
ここでは乳製品のカルシウム含有量をご紹介しましょう。
【乳製品のカルシウム含有量およびカロリー(100g当たり)】
食品名 | 加工状態など | カルシウム含有量 | カロリー |
---|---|---|---|
パルメザンチーズ | - | 1,300mg | 445kcal |
エメンタールチーズ | - | 1,200mg | 398kcal |
チェダーチーズ | - | 740mg | 390kcal |
ゴーダチーズ | - | 680mg | 356kcal |
プロセスチーズ | - | 630mg | 313kcal |
カマンベールチーズ | - | 460mg | 291kcal |
モッツァレラチーズ | - | 330mg | 269kcal |
ヨーグルト(無脂肪無糖) | - | 140mg | 37kcal |
アイスクリーム(普通脂肪) | - | 140mg | 178kcal |
ヨーグルト(低脂肪無糖) | - | 130mg | 40kcal |
加工乳(低脂肪) | - | 130mg | 42kcal |
ヨーグルト(全脂無糖) | - | 120mg | 56kcal |
加工乳(濃厚) | - | 110mg | 70kcal |
ヨーグルト ドリンクタイプ(加糖) | - | 110mg | 64kcal |
普通牛乳 | - | 110mg | 61kcal |
文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」をもとに執筆者作成
牛乳よりも水分の少ないチーズ類の方がカルシウムを効率的に摂ることができますが、その半面、カロリーが高くなったり、ナトリウムの含有量が増えたりすることもあります。
他の食品と合わせてバランスの取れた食事を心掛けましょう。
カルシウムは乳製品や海藻類の他に魚介類や豆類からも摂取することができます。
詳しくは以下の記事をご覧ください。
3-8.特定保健用食品や機能性表示食品
「特定保健用食品」や「機能性表示食品」を適宜活用するのも良いでしょう。
特定保健用食品は、体内の機能に影響を与える「保健機能成分」を含んだ食品のことで「トクホ」とも呼ばれます。
最近では、特定保健用食品として「血圧を正常に保つことを助ける」などと表示され販売されているものもあります。
また機能性表示食品も特定保健用食品と同様に保健機能を表示できる食品として販売されています。
現在、血圧を正常に保つことを目的として販売されている特定保健用食品や機能性表示食品には「カゼインドデカペプチド」や「サーデンペプチド」「杜仲(とちゅう)葉配糖体」「ラクトトリペプチド」などの成分が配合されています。
販売されている食品の情報を十分に確認して取り入れてみると良いでしょう。
しかし、特定保健用食品や機能性表示食品は医薬品ではないため、摂取するだけで症状を改善させる効果は期待できません。
まずは食生活の改善を心掛けることが大切です。
トクホと機能性表示食品の違いについては以下の記事で解説しています。
4.血圧を下げるための食事以外のポイント
高血圧の予防や改善には食事以外にもいくつか気を付けるべきことがあります。
血圧が高くなる原因として、食事以外には運動不足や睡眠不足、過度の飲酒などが挙げられます。
高血圧を予防したり改善したりするためには、このような食事以外の生活習慣の改善にも取り組む必要があるといえるでしょう。
高血圧を改善するためには、運動療法として「有酸素運動」が勧められています。
運動種目としてウォーキング(速歩)やスロージョギング、ランニングなどが良いとされており、できれば毎日30分以上行うと効果が期待できるといわれています[11]。
既に高血圧と診断されている場合には、運動療法の可否や強度、頻度について主治医に確認の上行うようにしましょう。
また、睡眠不足は「自律神経」を乱れさせ、血圧を高めるといわれています。
血圧を正常に保つためにも十分な睡眠を心掛けましょう。
さらに、飲酒によって血圧が高くなっている場合にも、飲酒量を見直すことで血圧を下げる効果が期待できるといわれています。
高血圧を予防するためには、1日当たりの飲酒量を日本酒1合程度にとどめるとともに、週に1日以上は休肝日を設けるようにすることが重要です[12]。
この他、高血圧には自覚症状がないため、定期的に健診を受けることも心掛けましょう。
[11] 厚生労働省「高血圧を改善するための運動」
5.血圧を下げたいときの食事についてのまとめ
血圧は心臓から全身へと送り出される血液が血管の内側にかける圧力のことで、特に「上腕動脈」という血管にかかる圧を指します。
診察室血圧は収縮期血圧が140mmHg以上、または拡張期血圧は90mmHg以上の場合には高血圧と診断されます[13]。
高血圧にはさまざまな原因がありますが、なかでも食生活との関連が深いとされるため、食事内容を見直すことが重要です。
特に減塩は不可欠であるとされています。
またナトリウムの排せつを促すカリウムやナトリウムを吸着して体外に排出する食物繊維、血圧を安定させるカルシウムを摂ることもポイントです。
これらの栄養素は主に野菜類やいも類、果物類、きのこ類、海藻類、穀類、牛乳・乳製品から摂取することができます。
この他、血圧を正常に保つことを目的とした特定保健用食品や機能性表示食品も販売されています。
また、適度な運動や十分な睡眠を心掛けたり飲酒量を控えたりすることも重要です。
[13] 厚生労働省 e-ヘルスネット「高血圧」