お茶に含まれるカテキンとは?種類やはたらき、摂取のポイントを解説

2023年06月29日

2024年08月21日

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「お茶のカテキンは健康に良いみたいだけど本当なのかな?」

「どんなお茶にカテキンが含まれているんだろう……」

お茶には健康に良い影響のある「カテキン」が含まれていることはご存じの方も多いでしょう。

カテキンは抗酸化作用のあるポリフェノールの一種です。

特定保健用食品として「コレステロールが高めの方に適する」旨の表示が許可されている他、体脂肪を下げたり動脈硬化を予防したりするはたらきなどが明らかになっています

この記事ではカテキンとはどのような特徴のある成分なのか、そのはたらきや効果的な摂取量などについて解説します。

以前からお茶のカテキンについて詳しく知りたいと考えていた方は、ぜひ参考にしてくださいね。

1.カテキンとは

緑茶

「カテキンってどんな成分なんだろう?」

名前はよく聞くけれど、具体的にはどんな成分なのかあまりよく分からない方もいらっしゃるかもしれませんね。

カテキンはお茶、主に緑茶の苦みや渋みのもととなる成分で抗酸化作用を持つ「ポリフェノール」の一種です。

メモ
大豆に含まれる「大豆イソフラボン」やブルーベリーに含まれる「アントシアニン」、そばの「ルチン」などもポリフェノールの一種です。

抗酸化作用とは「活性酸素」の発生を抑制したり除去したり、作用を弱めたりするはたらきのことです。

活性酸素とは
呼吸によって体内に取り込まれた酸素の一部が変化したものです。活性酸素は体内で免疫機能などの役割を担いますが、加齢やストレス、紫外線などにより過剰につくられると細胞を傷つけ生活習慣病やがんなどを引き起こす原因となることが分かっています。

カテキンには増え過ぎた活性酸素から体を守る抗酸化作用の他、さまざまな健康効果が期待されています。

カテキンに期待できる効果については、後ほど詳しく紹介しますね。

2.カテキンの種類

お茶の葉

緑茶の茶葉に含まれる主なカテキンには種類があります。

その種類とは「エピガロカテキン」「エピカテキン」「エピガロカテキンガレート」「エピカテキンガレート」の四つです。

これらのうち含有量が多く、幅広い作用を持つのがエピガロカテキンガレートです。

エピガロカテキンガレートについては研究が進んでおり、抗酸化作用をはじめ、がんに対する作用や炎症を鎮める作用などが確認されています。

またエピガロカテキンは「腸管免疫」をサポートする可能性があるといわれています。

腸管免疫とは
外部から侵入した病原菌から体を守るシステムの一つです。腸には免疫細胞の多くが集まっているため、このように呼ばれています。

それぞれのカテキンが特有のはたらきをすることで、私たちの健康に良い影響をもたらしているのですね。

3.カテキンに期待できる効果

お茶の葉と湯呑に注がれた緑茶

「カテキンにはどんな効果があるんだろう?」

カテキンには具体的にどんな作用があるのか詳しく知りたいですよね。

ここではカテキンを摂取することで期待できる効果をみていきましょう。

効果1 抗酸化作用

カテキンは活性酸素を取り除いたりはたらきを抑えたりする作用を持つ抗酸化物質です。

活性酸素は加齢やストレス、たばこ、紫外線、食品添加物などで過剰につくられ、老化や生活習慣病、がんなどを引き起こすといわれています。

このように体内に増え過ぎた活性酸素を取り除く作用があるのはカテキンをはじめとする抗酸化物質です。

具体的には血中脂質の酸化を抑え「動脈硬化」を抑制するなどの作用が期待できます。

動脈硬化とは
動脈の内側に沈着したLDLコレステロール(悪玉コレステロール)や高血圧などさまざまな要因が重なり、血管が弾力を失い硬くなってしまった状態のことです。動脈硬化が進行すると、血管が狭くなったり詰まりやすくなったりして、心臓や脳の病気などを引き起こします。

その他、カテキンの抗酸化作用はがんの予防や肌のシミ・シワへの効果も期待されています

効果2 コレステロール低下作用

カテキンにはコレステロールを低下させる作用があるという研究もあります。

茶カテキンを継続して摂取することで総コレステロール値およびLDLコレステロール(悪玉コレステロール)値が低下したという報告があるのです。

コレステロールとは
体内に存在する脂質の一つで、ホルモンや細胞膜などの材料となる物質のことです。コレステロールは「リポたんぱく質」として血液中に存在し、いくつかの種類があります。そのうち「低比重リポたんぱく質(LDL)」は一般的にLDLコレステロールと呼ばれ、過剰になると動脈硬化を引き起こすといわれています。

コレステロールについて、詳しくは以下の記事をご覧ください。

コレステロールとは?数値の基準や高くなる原因、対策を徹底解説!

これはエピカテキンガレートおよびエピガロカテキンガレートなど「ガレート型」のカテキンに特徴的な作用です。

ガレート型カテキンがコレステロールの吸収を阻害することで血中コレステロール値、LDLコレステロール値を低下させるといわれています。

このような作用から、茶カテキンを含む食品は「特定保健用食品(トクホ)」として「コレステロールが高めの方に適する」旨の表示が許可されています

コレステロールが気になる方は、カテキンを含むトクホを利用してみると良さそうですね。

トクホについて詳しく知りたい方は、以下の記事をご覧ください。

トクホ(特定保健用食品)とは?期待できる効果や安全に活用する方法

効果3 体脂肪低減作用

カテキンに期待される効果のうち、耳にしたことがある方も多いのが体脂肪を減らす作用ではないでしょうか。

長期にわたり一定量以上のカテキンを摂取することで体脂肪の蓄積が抑えられ、体脂肪および体重の減少が見られることが確認されています。

特に生活習慣病との関連が深い「内臓脂肪」の低下が見られることが分かりました。

内臓脂肪とは
内臓、特に腸の周りに蓄積した脂肪のことです。体に付く脂肪には内臓脂肪の他、皮膚の内部にある皮下組織に蓄積する「皮下脂肪」があります。内臓脂肪が過剰に蓄積すると高血圧や高血糖、脂質代謝異常が発症しやすくなり、心臓病などの生活習慣病のリスクが高くなるといわれています。

効果が期待できるカテキンの摂取量については後ほど詳しく紹介しますね。

カテキンのこのような効果から、茶カテキンを含む食品がトクホとして「体脂肪が気になる方に適する」旨の表示が許可されています。

効果4 むし歯菌への作用

カテキンにはむし歯菌の増殖を抑えたり「歯垢(しこう)」が歯に付くのを防いだりする効果が期待できます。

歯垢とは
プラークとも呼ばれる、歯に付着した食べかすなどがもととなって繁殖した細菌の塊です。歯垢を取り除かなければ、むし歯や歯周病の原因となります。

カテキンには歯垢をつくり出す酵素のはたらきを妨げる作用があることから、むし歯の予防が期待されているのです。

効果5 抗がん作用

カテキンを含む緑茶をたくさん飲むことでがんの発生が抑制されることが確認されています。

具体的には1日当たり5杯以上の緑茶を摂取する女性に胃がんのリスクが低いこと[1]、緑茶を多く飲んでいる地域で胃がんの死亡率が低いことなどが研究により報告されています。

[1] 国立研究開発法人国立がん研究センター がん対策研究所 予防関連プロジェクト「緑茶と胃がんリスク」

効果6 抗菌・殺菌作用

カテキンには食中毒菌などの増殖を抑制する抗菌作用が期待できます。

食中毒菌そのものの増殖を抑えるだけではなく、食中毒菌がつくり出す「毒素」にも有効だといわれています。

メモ
食中毒には、体内に入り込んだ原因菌が増殖することで起こる「感染型」と、細菌がつくり出した毒素を摂取することで起こる「毒素型」の二つのタイプがあります。

また、試験管レベルの実験では胃がんや胃潰瘍の原因菌であるとされる「ピロリ菌」や肺炎の原因となる細菌、水虫の原因となる「白癬(はくせん)菌」などの増殖を抑制することも分かっています。

効果7 抗アレルギー作用

カテキンにはくしゃみや鼻づまりなどのアレルギー症状を緩和させる効果が期待できます

特に効果が高いのは、緑茶の品種の一つ「べにふうき」に多く含まれる「メチル化カテキン」です。

メチル化カテキンはカテキンのうち幅広い作用を持つエピガロカテキンガレートの一部が変化したもので、他のカテキンに比べアレルギーに対する作用が高いことが分かっています。

メモ
もともとべにふうきは紅茶を作るための品種です。しかし紅茶にするとカテキンは減少してしまうため、あえて「べにふうき緑茶」として飲む方法が確立されました。

花粉症などのアレルギー症状に悩む方とっては、カテキンは試してみたい成分であるといえますね。

4.カテキンを含むお茶や食品

なしとぶどう

「カテキンって緑茶以外には含まれていないのかな?」

このようなことを考えたことがある方は意外に多いかもしれませんね。

緑茶よりは少ないものの、カテキンはウーロン茶や紅茶にも含まれています

緑茶は茶葉を摘み取ってすぐに高温で蒸し、発酵を止めて作られます。

それに対してウーロン茶や紅茶は茶葉を発酵させることで作られるお茶です。

発酵させることでカテキンそのものは減少してしまいますが「テアフラビン」や「テアルビジン」といった新たなポリフェノールがつくられ、カテキンと同様の抗酸化作用や抗菌作用などを示すといわれています。

メモ
緑茶のなかでも高級茶として知られる「玉露」や、抹茶の原料となる「てん茶」はカテキンの含有量があまり多くありません。カテキンは緑茶の苦みや渋みのもととなる成分です。上級の緑茶やてん茶は苦みを抑え甘みを出すために日光を遮って栽培します。そのためカテキンの含有力が少なくなっています。

お茶以外ではりんごやさくらんぼ、ぶどう、なし、そら豆、チョコレートなどにもカテキンが含まれています

緑茶以外のカテキンを含む食品

5.カテキンの摂取量の目安

水出し緑茶をグラスに注いでいるところ

日本人の食事摂取基準ではカテキンの摂取目安量などは設けられていません。

カテキンに関する研究は現在も進められており、効果のある摂取量についてさまざまな報告が挙げられています。

ここではカテキンの摂取量に関する情報についてご紹介します。

5-1.効果が期待できる摂取量の目安

カテキンの体脂肪低減作用に関する研究において、効果が期待できる摂取量が報告されているのでご紹介しましょう。

健康な状態である成人の男性82人を対象にした研究では、1日当たり500〜600mg以上のカテキンを12週間摂取することで体脂肪が減少すると報告されました[2]。

また普通体重もしくは肥満の男女計80人を対象とした研究では、1日当たり588mgのカテキンを含む飲料を12週間摂ったグループは126mgのカテキンを含む飲料を摂ったグループに比べて体脂肪が減ったという結果が得られました[3]。

これらの研究から、1日当たり約500mg以上のカテキンを摂取することで体脂肪の減少に効果があると考えられます。

500mLのペットボトルの緑茶に換算すると、3~4本程度に相当します[4]。

メモ
北海道立消費生活センターによる調査では、市販されているペットボトルの緑茶のカテキン類の含有量は100mL当たりおよそ30~40mg、カテキン類を関与成分とするトクホなどでは100mL当たり80mg以上という結果でした[4]。この結果を踏まえると一般的なペットボトルの緑茶では、1日当たり約1,250~1,670mL飲むことで約500mgに到達すると考えられます。

ただし緑茶にはカフェインも含まれており、飲み過ぎるとカフェインの摂り過ぎになってしまう恐れもあります

コーヒーなど他にもカフェインを含む飲み物を飲む習慣のある方は特に注意しましょう。

メモ
習慣的なカフェインの過剰摂取は高血圧などのリスクを高めます。国内にはカフェインの摂取量に関する基準はありませんが、欧州食品安全機関(EFSA)は妊婦を除く大人では、1日当たり400mgまでの習慣的な摂取であれば健康リスクは増加しないとしています[5]。なお、妊婦や授乳婦では1日当たり200mgの摂取であれば胎児や乳児の健康リスクは増加しないとされています[5]。せん茶には100mL当たり20mgのカフェインが含まれており、400mgは2L分のせん茶に相当します[5]。

[2] Tomonori NAGAO,. et al.「Tea Catechins Suppress Accumulation of Body Fat in Humans」(『Journal of Oleo Science』Volume 50 Issue 9 Pages 717-728.2001)

[3] 森建太「茶カテキン研究のトピックス」(『日本家政学会誌』第62巻第4号, p253-255, 2011.)

[4] 北海道立消費生活センター「ペットボトルに入った緑茶のカテキン類含有量」

[5] 農林水産省「カフェインの過剰摂取について」

5-2.過剰摂取による健康被害を避ける摂取量の目安

カテキンは通常緑茶として摂取する分に関しては、一般的には安全であると考えられています。

しかしサプリメントからの摂取では過剰摂取に注意しなければいけません。

欧州食品安全機関(EFSA)では、まれなケースであるとしながらも1日当たり800mg以上のカテキンをサプリメントから摂取すると肝機能に異常を来すという科学的根拠があると結論付けました[6]。

日本ではカテキンをサプリメントなどで摂取する場合の安全性について信頼できる根拠が得られていないとしていることも踏まえると、お茶以外での摂取は摂り過ぎに十分注意するべきであるといえるでしょう。

メモ
健康食品の品質管理や安全性に関わる認定などを行う公益財団法人 日本健康・栄養食品協会の規格基準では、サプリメントなどから摂取するカテキンの1日当たりの摂取目安量を緑茶ポリフェノール(カテキン)換算で約500mgとしています[7]。

サプリメントでカテキンを摂取する場合は、パッケージ記載の目安量を守るようにしてくださいね。

[6] Peter Aggett et al.「Scientific opinion on the safety of green tea catechins」(EFSA Journal 2018;16(4):5239)

[7] 公益財団法人日本健康・栄養食品協会「緑茶エキス食品」

6.カテキンについてのまとめ

カテキンは主に緑茶に含まれる苦みや渋みの成分で、ポリフェノールの一種です。

抗酸化作用、コレステロール低下作用、体脂肪低減作用などのさまざまな効果が期待できます

カテキンには主に「エピガロカテキン」「エピカテキン」「エピガロカテキンガレート」「エピカテキンガレート」の四つの種類があります。

そのなかでもエピガロカテキンガレートは緑茶に多く含まれており、幅広い作用を持っています

カテキンは緑茶以外の紅茶やウーロン茶にも含まれていますが、緑茶に比べるとカテキンの含有量は少ないとされます。

またお茶以外では、りんご、ぶどう、チョコレートなどにもカテキンが含まれています。

カテキンの摂取目安量は設けられていませんが、さまざまな研究により体脂肪減少の効果が期待できる摂取量が報告されています。

ただしサプリメントなどによる過剰摂取は健康に悪影響を及ぼす可能性があるため、飲料からカテキンを摂取するのがおすすめですよ。

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