エネルギー産生栄養素とは?それぞれのはたらきや理想のバランス

2024年01月10日

2024年11月11日

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「エネルギー産生栄養素ってどんなものだろう?」

「どんなバランスで摂取すれば良いの?」

このように気になっている方もいらっしゃるのではないでしょうか。

エネルギー産生栄養素は、ヒトの体のエネルギー源となる炭水化物(糖質)・脂質・たんぱく質の3種類の栄養素の総称です。

エネルギーになるという性質は共通している一方で、それぞれに異なる作用もあるため不足したり摂り過ぎたりすると体にさまざまな悪影響を及ぼします。

そのためエネルギー産生栄養素はどれか一つに偏ることなくバランス良く摂取することが重要です。

この記事ではエネルギー産生栄養素とはどのようなものなのか、それぞれどんなはたらきをするのか、どのようなバランスで摂取すれば良いのか、三つの栄養素について詳しくご説明します。

1.エネルギー産生栄養素とは

食事

「エネルギー産生栄養素ってなんだろう?」

炭水化物や脂質、たんぱく質といった個々の栄養素の名前に比べ、エネルギー産生栄養素という言葉はあまり見聞きする機会のないものかもしれません。

エネルギー産生栄養素とは、ヒトの体のエネルギー源となる炭水化物・脂質・たんぱく質の3種類の栄養素の総称です。

メモ
これらの栄養素は以前は三大栄養素といわれていました。

ヒトの体は食べ物に含まれるエネルギー産生栄養素からエネルギーを生み出し、脳や内臓の機能を維持したり、体を動かしたりするのに消費しています。

このエネルギーの多くは最終的に熱として体から放出されるため、エネルギーの量は「熱量」とも呼ばれます。

メモ
エネルギー量を表す際の単位がcal(カロリー)です。1cal(カロリー)は非常に小さいため、通常はその1,000倍である1kcal(キロカロリー)が最小単位として用いられています。1kcalは1Lの水の温度を1℃上げるのに必要なエネルギー量(熱量)を表します[1]。

言い換えれば、エネルギー産生栄養素は「カロリーのある栄養素」となるでしょう。

炭水化物(糖質)とたんぱく質は1g当たり約4kcal、脂質は1g当たり約9kcalのエネルギーを生み出します[2]。

脂質が肥満の原因として知られているのはそのカロリーが他のエネルギー産生栄養素の2倍以上もあるからなのですね。

[1] 内閣府食品安全委員会「食品安全 Vol.12

[2] 厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)

【関連情報】 「栄養バランスの取れた食事とは?主食・主菜・副菜のポイントを紹介」についての記事はこちら

2.エネルギー産生栄養素の性質とはたらき

「エネルギー源になるってことは、炭水化物もたんぱく質も脂質も同じはたらきをするってこと?」

このように疑問に思った方もいらっしゃるかもしれませんね。

三つのエネルギー産生栄養素はそれぞれ異なる性質を持ち、エネルギー源となる他にも体内で重要なはたらきをしています

ここでは、それぞれの栄養素の性質とはたらきをご紹介しましょう。

2-1.炭水化物の性質とはたらき

パスタ

炭水化物は、エネルギー源となる糖質とヒトの消化酵素では消化できずほとんどエネルギーにならない食物繊維に分けられます

炭水化物から摂取できるエネルギーのほとんどは糖質由来のもので、炭水化物は主にエネルギー源として重要なはたらきをしています。

炭水化物(糖質)を十分に摂取できていないと体のエネルギーが不足し、集中力の減退や疲労感が見られます

なお、糖質は「糖」がいくつ結合しているかによって、「単糖類」「少糖類」「多糖類」に分類されます。

なかでもブドウ糖は自然界に最も多く存在する単糖類で、ヒトの重要なエネルギー源です。

特別な場合を除き、脳や神経、赤血球などの器官がエネルギー源として利用できるほぼ唯一の物質だといわれています。

このためブドウ糖が不足すると意識障害を起こす恐れもあります。

ブドウ糖は単糖類として存在しているだけでなく、他の糖と結びついて少糖類や多糖類などの糖質を構成しています。

食べ物に含まれる糖質は消化・吸収の過程で単糖類に分解され、そのうちブドウ糖は血液に溶け込んで「血糖」となります

血糖が増える(血糖値が上昇する)と、それに反応して膵臓(すいぞう)から「インスリン」というホルモンが分泌されます。

インスリンは全身の細胞に血糖をエネルギーとして使わせることで、血糖値を下げるはたらきをするホルモンです。

一方でインスリンには細胞がエネルギー源として使い切れなかったブドウ糖を脂肪などに変え、体内に蓄えるはたらきを促進する作用もあります。

このため糖質を摂り過ぎると肥満や生活習慣病の原因となってしまうので注意が必要です。

メモ
炭水化物について、詳しくは以下の記事でご説明しています[3]。

糖質と炭水化物の関係は?両者の違いやはたらきを分かりやすく解説

2-2.脂質の性質とはたらき

ホイップクリーム

脂質は人体を構成する成分のうち水に溶けないものを指し、体内では水分の次に多い構成要素です。

体内ではエネルギー源となる他、細胞膜を構成したり、ホルモンなどの「生理活性物質」の材料となったりしています

ホルモンとは
体のはたらきを調節する化学物質です。さまざまな種類があり、それぞれの量はごくわずかですが健康の維持には欠かせません。全身のさまざまな器官でつくられますが、主には脳の脳下垂体、喉に位置する甲状腺、腎臓、その上にある副腎、膵臓(すいぞう)、各種の生殖腺などでつくられています。

また脂質には脂溶性ビタミンなど油に溶ける性質のある栄養素の吸収を助ける作用もあります。

ビタミンはその性質によって脂溶性と水溶性に分けられ、脂溶性ビタミンにはビタミンA、ビタミンD、ビタミンE、ビタミンKの四つがあります。

ビタミンは必要量こそ微量ですが、体の機能を保つためには欠かせない栄養素です。

食べ物から摂取する必要があり、不足するとさまざまな不調を引き起こします。

メモ
水溶性ビタミンにはビタミンB群(ビタミンB1、ビタミンB2、ナイアシン、ビタミンB6、ビタミンB12、葉酸、パントテン酸、ビオチン)とビタミンCがあります。

このように体に必要な脂質ですが、一方で摂り過ぎると体脂肪として蓄えられ、肥満や生活習慣病の原因となってしまうため、適量を摂取することが重要です。

メモ
脂質にはいくつかの種類があります。栄養素としての脂質について、詳しくはこちらの記事でご説明しています。

2-3.たんぱく質の性質とはたらき

グリルチキン

たんぱく質はヒトの体から水分を除いた重量の約50%を占めています[3]。

エネルギー源となる他に、筋肉や臓器、皮膚、髪の毛などの体の組織を構成するという重要な役割を果たしています。

またたんぱく質はホルモンや酵素、抗体などの体の機能を調節する成分の材料としてもはたらきます。

メモ
酵素は消化や吸収など、体の中で起こるさまざまな化学反応において触媒としてはたらく物質です。体内の化学反応のほとんどには酵素が欠かせません。抗体は免疫機能の一部で、体内に侵入した細菌やウイルスなどの異物を認識して結合したり、免疫機能に関わる細胞を活性化させてその異物を排除したりするはたらきをしています。

不足すると筋肉量や体力、免疫機能の低下などのさまざまな不調を引き起こします。

たんぱく質は体に必要な栄養素のなかでも特に重要なものの一つだといえるでしょう。

メモ
たんぱく質について詳しくは以下の記事で解説しています。

たんぱく質とは?体内でのはたらきや食事摂取基準、豊富な食品を紹介

[3] 厚生労働省 e-ヘルスネット「たんぱく質

3.エネルギー産生栄養素の理想のバランス

食事

炭水化物(糖質)、脂質、たんぱく質は全て体のエネルギー源になる栄養素です。

「糖質や脂質は肥満の原因になるっていうから、できるだけたんぱく質からエネルギーを摂取すれば良いのかな?」

このようにお考えの方もいらっしゃるかもしれませんね。

しかし、基本的に体重はエネルギー摂取量(摂取カロリー)とエネルギー消費量(消費カロリー)の関係によって変動すると考えられています。

エネルギー摂取量がエネルギー消費量を上回っていれば体重は増え、エネルギー摂取量がエネルギー消費量を下回れば体重は減ります。

エネルギー源をたんぱく質に切り替えたからといって痩せるようなことはないと考えられるでしょう。

また一口にエネルギー産生栄養素といっても、それぞれの栄養素には異なるはたらきがあります。

どれも体に重要なものであるため、健康のためにはどれか特定の栄養素ばかりを摂るのではなく、バランス良く摂取する必要があります

ではどのようなバランスでそれぞれのエネルギー産生栄養素を摂取すれば良いのかが気になるところですよね。

厚生労働省は「日本人の食事摂取基準(2020年版)」において、炭水化物、脂質、たんぱく質の「目標量」を、1日に摂取するエネルギー量に対してそれぞれの栄養素から摂取するエネルギー量が占める割合で設定しています。

目標量とは
生活習慣病の発症予防を目的として設定された栄養素の摂取量の基準です。なお、ここでいう生活習慣病とは高血圧、脂質異常症、糖尿病、および慢性腎臓病のことを指します。

各エネルギー産生栄養素から摂取すべきエネルギー量の理想的なバランスの指標を「エネルギー産生栄養素バランス」といいます。

なお、総エネルギー摂取量に対し、各栄養素から摂取するエネルギー量(カロリー)が占める割合を表す単位は「%エネルギー」です。

各年代のエネルギー産生栄養素バランスは以下のとおりです。

【エネルギー産生栄養素バランス(%エネルギー)】

性別 男性 女性
炭水化物 脂質 たんぱく質 炭水化物 脂質 たんぱく質
1〜2歳 50〜65 20〜30 13〜20 50〜65 20〜30 13〜20
3〜5歳 50〜65 20〜30 13〜20 50〜65 20〜30 13〜20
6〜7歳 50〜65 20〜30 13〜20 50〜65 20〜30 13〜20
8〜9歳 50〜65 20〜30 13〜20 50〜65 20〜30 13〜20
10〜11歳 50〜65 20〜30 13〜20 50〜65 20〜30 13〜20
12〜14歳 50〜65 20〜30 13〜20 50〜65 20〜30 13〜20
15〜17歳 50〜65 20〜30 13〜20 50〜65 20〜30 13〜20
18〜29歳 50〜65 20〜30 13〜20 50〜65 20〜30 13〜20
30〜49歳 50〜65 20〜30 13〜20 50〜65 20〜30 13〜20
50〜64歳 50〜65 20〜30 14〜20 50〜65 20〜30 14〜20
65〜74歳 50〜65 20〜30 15〜20 50〜65 20〜30 15〜20
75歳以上 50〜65 20〜30 15〜20 50〜65 20〜30 15〜20

厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」をもとに執筆者作成

また妊婦・授乳婦の方には以下の目標量が設定されています。

【妊婦・授乳婦のエネルギー産生栄養素バランス(%エネルギー)】

時期 炭水化物 脂質 たんぱく質
妊娠初期 50〜65 20〜30 13〜20
妊娠中期 50〜65 20〜30 13〜20
妊娠後期 50〜65 20〜30 15〜20
授乳期 50〜65 20〜30 15〜20

厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」をもとに執筆者作成

なお、脂質のなかでも飽和脂肪酸には別途目標量が設定されています。

飽和脂肪酸とは
脂質の構成要素である脂肪酸の一種で、肉やバターなどの動物性食品やココナッツオイルなどに多く含まれています。飽和脂肪酸を多く含む脂は気温の低い環境下では固まりやすいことが知られています。

不飽和脂肪酸の目標量は3〜14歳で10%エネルギー以下、15〜17歳で8%エネルギー以下、18歳以上で7%エネルギー以下です[4]。

エネルギー源をどれか特定の栄養素に頼るのではなく、バランス良く摂取することを心掛けましょう。

とはいえ、1日に摂取すべきエネルギー量が分からなければ実際に何をどれだけ摂れば良いのか分からず困ってしまいますよね。

そこで、1日の推定エネルギー必要量を確認してみましょう。

推定エネルギー必要量は性別や年齢、身体活動レベルによって異なります。

身体活動レベルとは
推定エネルギー必要量の算定に使われるどれくらい体を動かしているかという指標です。生活の大部分を座って過ごしている場合「低い(Ⅰ)」に該当します。「普通(Ⅱ)」は座っていることが多いが、立った状態での作業や徒歩移動、家事、軽いスポーツなどをしている場合です。歩いたり立ったりしている時間が長い場合、あるいは活発な運動習慣がある場合は「高い(Ⅲ)」に該当します。

推定エネルギー必要量は以下のとおりです。

【推定エネルギー必要量(kcal/日)】

性別 男性 女性
身体活動レベル 低い(Ⅰ) 普通(Ⅱ) 高い(Ⅲ) 低い(Ⅰ) 普通(Ⅱ) 高い(Ⅲ)
1〜2歳 - 950 - - 900 -
3〜5歳 - 1,300 - - 1,250 -
6〜7歳 1,350 1,550 1,750 1,250 1,450 1,650
8〜9歳 1,600 1,850 2,100 1,500 1,700 1,900
10〜11歳 1,950 2,250 2,500 1,850 2,100 2,350
12〜14歳 2,300 2,600 2,900 2,150 2,400 2,700
15〜17歳 2,500 2,800 3,150 2,050 2,300 2,550
18〜29歳 2,300 2,650 3,050 1,700 2,000 2,300
30〜49歳 2,300 2,700 3,050 1,750 2,050 2,350
50〜64歳 2,200 2,600 2,950 1,650 1,950 2,250
65〜74歳 2,050 2,400 2,750 1,550 1,850 2,100
75歳以上 1,800 2,100 - 1,400 1,650 -

厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」をもとに執筆者作成

なお妊婦は授乳婦の方は年代・身体活動レベル別の推定エネルギー必要量に以下の付加量を加えたエネルギー量が目安です。

【妊婦・授乳婦の推定エネルギー必要量の付加量(kcal)】

時期 身体活動レベル
低い(Ⅰ) 普通(Ⅱ) 高い(Ⅲ)
妊娠初期 +50 +50 +50
妊娠中期 +250 +250 +250
妊娠後期 +450 +450 +450
授乳期 +350 +350 +350

厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」をもとに執筆者作成

メモ
前掲の推定エネルギー必要量は標準的な体格の方を対象としています。ご自身の体格に合った推定エネルギー必要量を計算したい方はこちらの記事をご覧ください。

例えば身体活動レベルが「普通」に該当する18〜29歳の女性の場合、1日の推定エネルギー必要量は2,000kcalです。

その年代の女性の炭水化物の目標量は50〜65%エネルギー、脂質の目標量は20〜30%エネルギー、たんぱく質の目標量は13〜20%エネルギーでしたね。

また飽和脂肪酸の目標量は7%エネルギー以下です。

この場合、炭水化物から摂取すべきエネルギー量は1,000〜1,300kcal、脂質から摂取すべきエネルギー量は400〜600kcal、たんぱく質から摂取すべきエネルギー量は260〜400kcalということになります。

また飽和脂肪酸から摂るエネルギー量は140kcal以下に抑えることが望ましいといえます。

炭水化物(糖質)とたんぱく質のエネルギー量は1g当たり約4kcal、脂質のエネルギー量は1g当たり約9kcalなので[4]、それぞれ1g当たりのエネルギー量で割れば、重量に換算することができます

炭水化物(糖質)は250〜325g、脂質は44〜67g、たんぱく質は65〜100g程度が目安になるといえるでしょう(小数第一位で四捨五入)。

飽和脂肪酸は16g以下にすべきということになります(小数第一位で四捨五入)。

エネルギー産生栄養素の摂取量を重量で考えたい場合はこのような計算をしてみましょう。

メモ
食物繊維はヒトの消化酵素では消化できず、腸内細菌の発酵分解によってエネルギーとなります。しかしそのエネルギーは食物繊維の種類によって異なるため1g当たり0〜2kcalと一定ではありません[5]。また炭水化物に占める食物繊維の割合はわずかであるため、炭水化物由来のエネルギーはほぼ糖質由来のものであると考えられます。

[4] 厚生労働省 「日本人の食事摂取基準(2020年版)

[5] 厚生労働省 「日本人の食事摂取基準(2020年版)

4.エネルギー産生栄養素の摂取源となる食べ物

「エネルギー産生栄養素はどんな食べ物に含まれているんだろう?」

「たんぱく質は何から摂取すれば良いのかな?」

このように気になっている方もいらっしゃるのではないでしょうか。

この章では、エネルギー産生栄養素の主な摂取源となる食べ物をご紹介しましょう。

4-1.炭水化物の摂取源となる食べ物

ご飯

炭水化物の主な摂取源となるのはご飯やパン、麺類などの主食類です。

この他にいも類や一部の野菜類、果物類、砂糖などの甘味料も炭水化物の摂取源となります。

代表的な食品の炭水化物含有量および糖質含有量、エネルギー量(カロリー)は以下のとおりです。

【代表的な炭水化物摂取源の炭水化物・糖質含有量、エネルギー量】

食品名 加工状態など 炭水化物含有量 糖質含有量 エネルギー量
上白糖 - 99.3g 99.3g 391kcal
ドロップ - 98.0g 98.0g 389kcal
コーンフレーク - 83.6g 82.2g 380kcal
マシュマロ - 79.3g 79.3g 324kcal
米(うるち米) 精白米、炊飯前 77.6g 75.6g 342kcal
玄米、炊飯前 74.3g 71.3g 346kcal
マカロニ、スパゲッティ 乾麺 73.1g 66.9g 347kcal
うどん 乾麺 71.9g 69.9g 333kcal
そば 乾麺 66.7g 65.9g 344kcal
フランスパン - 57.5g 58.2g 289kcal
中華めん 55.7g 47.6g 249kcal
甘栗 - 48.5g 40.2g 207kcal
ホットケーキ - 45.3g 43.8g 253kcal
みたらしだんご - 44.9g 43.5g 194kcal
さつまいも 皮なし、生 31.9g 28.3g 126kcal
バナナ 22.5g 18.5g 93kcal
西洋かぼちゃ 20.6g 15.9g 78kcal
じゃがいも 皮なし、生 17.3g 15.5g 59kcal
ぶどう(シャインマスカット、ナガノパープル) 16.9g 17.0g 69kcal
とうもろこし(スイートコーン) 16.8g 12.0g 89kcal
ぶどう(デラウェア、ベリーA、ネオマスカット、ピオーネ、巨峰) 15.7g 14.4g 58kcal
そらまめ(未熟豆) 15.5g 12.1g 102kcal
れんこん 15.5g 13.0g 66kcal
さといも 13.1g 10.3g 53kcal

文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」をもとに執筆者作成

メモ
糖質含有量として、文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」の利用可能炭水化物(質量計)の数値をご紹介しています。

4-2.脂質の摂取源となる食べ物

油

脂質を多く含む食べ物には食用油、肉類、魚類などがあります

またナッツ類や乳製品、卵などにも脂質が含まれています。

代表的な食べ物の脂質含有量、飽和脂肪酸含有量、エネルギー量(カロリー)は以下のとおりです。

【代表的な脂質摂取源の脂質・飽和脂肪酸含有量、エネルギー量】

食品名 加工状態など 脂質含有量 飽和脂肪酸含有量 エネルギー量
ごま油 - 100.0g 15.04g 890kcal
ラード - 100.0g 39.29g 885kcal
オリーブオイル - 100.0g 13.29g 894kcal
なたね油 - 100.0g 7.06g 887kcal
マーガリン(有塩) - 83.1g 23.04g 715kcal
バター(有塩) - 81.0g 50.45g 700kcal
マカダミアナッツ いり、味付け 76.7g 12.46g 751kcal
ヘーゼルナッツ フライ、味付け 69.3g 6.21g 701kcal
くるみ いり 68.8g 6.87g 713kcal
鶏皮(もも) 51.6g 16.30g 474kcal
らっかせい いり 49.6g 9.00g 613kcal
クリーム(乳脂肪) - 43.0g 26.28g 404kcal
クリーム(乳脂肪・植物性脂肪) - 42.1g 18.32g 388kcal
あんこう肝 41.9g 9.29g 401kcal
クリーム(植物性脂肪) - 39.5g 26.61g 353kcal
ホワイトチョコレート - 39.5g 22.87kcal 588kcal
豚ばら肉 脂身付き、生 35.4g 14.60g 366kcal
油揚げ 34.4g 3.89g 377kcal
ミルクチョコレート - 34.1g 19.88g 550kcal
クリームチーズ - 33.0g 20.26g 313kcal
牛ばら肉 脂身付き、生 32.9g 13.05g 338kcal
牛たん 31.8g 11.19g 318kcal
くろまぐろ(養殖)トロ 28.9g 6.80g 321kcal
さんま 皮付き、生 25.6g 4.84g 287kcal
牛サーロイン 脂身付き、生 23.7g 10.85g 273kcal
全粒大豆(米国産) 乾燥 21.7g 3.13g 402kcal
全卵(鶏卵) 10.2g 3.12g 142kcal

文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」をもとに執筆者作成

メモ
食べ物に含まれる脂質の種類や含有量についてはこちらの記事で詳しくご紹介しています。

4-3.たんぱく質の摂取源となる食べ物

鶏胸肉

たんぱく質は肉類、魚類、豆類、卵類などに豊富に含まれています。

主なたんぱく源となる食べ物のたんぱく質含有量およびエネルギー量(カロリー)は以下のとおりです。

【代表的なたんぱく源のたんぱく質含有量およびエネルギー量】

食品名 加工状態など たんぱく質含有量 エネルギー量
全粒大豆(米国産) 乾燥 33.0g 402kcal
らっかせい いり 26.5g 607kcal
かつお(春獲り) 25.8g 108kcal
かつお(秋獲り) 25.0g 150kcal
くろまぐろ(養殖)赤身 24.8g 153kcal
くじら(赤肉) 24.1g 100kcal
鶏ささみ 23.9g 98kcal
鶏むね肉 皮なし、生 23.3g 105kcal
豚ロース(赤肉) 22.7g 140kcal
プロセスチーズ - 22.7g 313kcal
しろさけ 22.3g 124kcal
豚ヒレ肉(赤肉) 22.2g 118kcal
牛サーロイン(赤肉) 22.0g 127kcal
牛リブロース(赤肉) 21.7g 163kcal
まだい(養殖) 皮付き、生 20.9g 160kcal
まさば 20.6g 211kcal
豚レバー 20.4g 114kcal
バナメイえび 19.6g 82kcal
カマンベールチーズ - 19.1g 291kcal
鶏もも肉 皮なし、生 19.0g 113kcal
まだこ 皮なし、生 19.0g 88kcal
するめいか 17.9g 76kcal
卵黄(鶏卵) 16.5g 336kcal
納豆 - 16.5g 184kcal
全卵(鶏卵) 12.2g 157kcal

文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」をもとに執筆者作成

たんぱく質含有量の多い食品には、脂質を多く含むものも少なくありません。

脂質の摂り過ぎには注意しましょう。

メモ
たんぱく質を多く含む食べ物はこちらの記事で詳しくご紹介しています。

5.エネルギー産生栄養素についてのまとめ

エネルギー産生栄養素は、ヒトの体のエネルギー源となる炭水化物、脂質、たんぱく質の三つの栄養素の総称です。

炭水化物は糖質と食物繊維に分けられますが、炭水化物から摂取できるエネルギーはほぼ糖質由来のものであるといえます。

炭水化物(糖質)とたんぱく質は1g当たり約4kcal、脂質は1g当たり約9kcalのエネルギーを生み出します[6]。

これらの栄養素はエネルギー源となる他にそれぞれに重要なはたらきをしています。

炭水化物のなかでもブドウ糖は脳や神経などのエネルギー源として重要です。

また脂質はエネルギー源の他、細胞膜やホルモンの材料となったり、脂溶性ビタミンの吸収を助けたりしています。

たんぱく質は筋肉や臓器、皮膚、髪の毛などの材料となる他、ホルモンや酵素、抗体などの体の機能を調整する物質としてもはたらきます。

このようにエネルギー産生栄養素はそれぞれ重要なはたらきをするため、バランス良く摂取することが重要です。

1日のエネルギー摂取量に対し、それぞれのエネルギー産生栄養素から摂るべきエネルギーの割合をエネルギー産生栄養素バランスといいます。

炭水化物(糖質)から摂取すべきエネルギー量は1日のエネルギー摂取量の50〜65%エネルギー、脂質から摂取すべきエネルギー量は20〜30%エネルギーです[6]。

またたんぱく質から摂るべきエネルギー量は年代によって異なり、1〜49歳では13〜20%エネルギー、50〜64歳は14〜20%エネルギー、65歳以上は15〜20%エネルギーです[6]。

エネルギー源が偏ってしまわないよう、バランスの取れた食事を心掛けましょう。

[6] 厚生労働省 「日本人の食事摂取基準(2020年版)

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