「糖質制限中でも、コンビニで売っているものは食べられる?」
「コンビニで買うなら何がおすすめ?」
糖質制限を始めるにあたって、コンビニの商品を取り入れても良いか、気になっている人はいるのではないでしょうか。普段から気軽に使っているコンビニの商品が使えれば、糖質制限のハードルも一気に下がって挑戦しやすくなりますよね。実際、コンビニで販売されている商品であっても、糖質制限に十分活用できます。
本記事では、糖質制限中におすすめのコンビニ商品や利用するときのポイントを解説します。
1.糖質制限中におすすめなコンビニ商品7選
「糖質制限中はコンビニで何を買えば良い?」
「糖質や糖類オフの商品は使っても大丈夫?」
コンビニではさまざまな商品が販売されており、糖質制限中にも役立つものが多くあります。ここでは糖質制限中でも使えるコンビニ商品を七つ紹介します。
1-1.サラダチキン
糖質制限中やボディメイク中におすすめなのがサラダチキンです。主に鶏むね肉を使用しており、高たんぱくで低糖質な食品です。コンビニのものなら調理の手間がなく、手軽に食べられるのが強みです。
プレーンのほか、ハーブやスモークなどさまざまなフレーバーがあるのも魅力のひとつです。飽きずに糖質制限が続けられます。食べやすい大きさにカットしてそのまま食べる以外にも、サラダのトッピングに使ったりチーズを乗せて焼いたりとアレンジも自在です。
ただし、商品のなかには塩分が高いものがあるため、食べ過ぎには注意が必要です。商品の栄養成分表示に記載されている塩分は、サラダチキンそのもの以外に一緒に入っている汁の塩分も含まれています。塩分が気になる場合は、汁気をよく切ってから食べることをおすすめします。
また、手軽で食べやすいからといってサラダチキンばかりに偏らないことも大事です。ほかの肉類や魚、大豆製品や卵などにも違った栄養素が多く含まれています。できれば日替わりで違う食材を取り入れ、栄養バランスが崩れないように工夫してみてください。
1-2.大豆バー
腹持ちの良い大豆バーも糖質制限中の食事に活用できます。大豆は植物性たんぱく質や食物繊維を豊富に含んでいるので、ダイエット中でも罪悪感なく食べられます。味のバリエーションが豊富で、甘いもの好きな方にはうれしい、チョコレート風味などのフレーバーもあります。小腹が空いたときの間食としても適しています。
しかしその反面、ほかの食品と比較すると糖質量が高めです。1日1本程度までに留め、食べ過ぎないように注意しましょう。
また、大豆バーを食事の代わりにしてしまうと栄養不足になりやすいので注意が必要です。3食の食事は主食・主菜・副菜をそろえて食べることが基本です。大豆バーは間食としての位置付けにして上手に使いましょう。
1-3.プロセスチーズ
プロセスチーズも低糖質食品の一つです。20g当たりの糖質量は0.3g程度です[1]。そのまま食べたり、料理に使ったりとアレンジしやすく使いやすい食品です。コクのある味わいと香りがあるため、糖質制限中の食事にほど良いアクセントを加えられます。
プロセスチーズは血糖値が上がりにくいほか、脂質や糖質、たんぱく質といった栄養素を効率的に分解してエネルギーに変えるビタミンB2も豊富に含まれています。
糖質制限を含め、何かしらの食事制限をしている間は栄養素が偏りやすくなる傾向にあります。乳製品はさまざまな栄養素をまんべんなく含んでいるため、体の機能を上手く調節するためにも積極的に取り入れてみましょう。
ただし、チーズを使ったお菓子は別物です。お菓子にするときに砂糖や小麦粉といった糖質が多い原材料を使っている可能性が高く、糖質制限中は不向きといえます。食べるならチーズそのものを選び、チーズからさらに加工されているものは避けておくと無難です。また、チーズは塩分が高めの商品が多いため、塩分量にも気を配りましょう。
1-4.ブラン食品
ブランとは小麦ふすまとも呼ばれる小麦の表皮や胚芽の部分のことです。食物繊維をはじめとして、鉄やカルシウム、マグネシウムといったミネラルが豊富に含まれていることが分かっています。コンビニでもブランを使った商品が販売されており、注目度の高い食べ物です。
食品に含まれる糖質は、炭水化物量から食物繊維量を差し引いた値で示されます。そのため、食物繊維が豊富なブランを使った食品は糖質量が低くなります。通常の小麦粉を使った食品と比べて、ブラン食品は糖質の摂取量を抑えられるのでおすすめです。
また、小麦粉に製粉する段階で小麦ふすまの部分も一緒に挽いたのが全粒粉です。小麦粉単体で作る商品よりも香ばしさが感じられ、豊かな風味が楽しめます。全粒粉はお菓子やホットケーキなどにも活用されているので、ブラン食品とともに取り入れてみてください。
食物繊維が豊富なブランは噛み応えがあるのもポイントです。よく噛んで食べることで満腹感を得やすくなり、食べ過ぎや摂取カロリー過多を防ぐ効果も期待できます。普段パンを食べる人は、週に何食かブランパンに置き換えても良いでしょう。
1-5.糖質・糖類オフの商品
あらかじめ糖質がカットされた商品を活用するのもおすすめです。代表的な商品として、こんにゃくや海藻類、豆腐などで作られた糖質オフ麺が挙げられます。コンビニでも気軽に購入でき、ボリュームを維持しながら糖質を無理なく抑えられます。
糖質がカットされている分、摂取エネルギーを抑えられるのもメリットです。最初は風味などに不慣れな部分があるかもしれませんが、ドレッシングやタレを好みの味付けにすることでおいしく食べられます。
ここで押さえておきたいのが糖質と糖類の違いです。非常に混同されやすい言葉なので、意味や違いを正確に知らない人もいるのではないでしょうか。
糖質とは「炭水化物量-食物繊維量」で求められるもので、炭水化物のなかでもエネルギーとして利用できる物質のことを指します。一方の糖類は、糖質をさらに細分化したものです。ブドウ糖や果糖といった単糖類と、ショ糖(一般的な砂糖)や麦芽糖といった二糖類のことを指します。
これを踏まえると、商品に「糖類ゼロ」と記載してあっても、単糖類や二糖類以外の糖質が含まれている可能性もあります。とにかく糖質をしっかりカットした商品を選びたいという場合には、商品に「糖質ゼロ」あるいは「糖質・糖類ゼロ」と記載されたものを選ぶのがおすすめです。
栄養成分表示に関する規定では、食品100g当たり0.5g未満であれば「ゼロ」と表示することができます[2]。「オフ」「控えめ」などの表記ではさらに含有量が多くなっても表示できるため、いずれにしろ完全にゼロというわけではありません。
糖質やカロリーが少なくなっているからといって食べ過ぎてしまうことがないように注意してください。
1-6.フルーツ
フルーツには、果糖(かとう)という糖質が含まれているものの、ほかの炭水化物に比べて血糖値を上昇させにくい性質があります。そのため、糖質制限中にどうしても間食が食べたくなったときにおすすめです。
フルーツには食物繊維のほか、ビタミンCやカリウムといった栄養素も豊富に含まれています。糖質制限中のみならず、普段の生活でも不足しやすい栄養素が効率的に摂れるので取り入れてみてください。
ただ、フルーツの種類によって性質が少し異なります。りんごやキウイは比較的血糖値が上がりにくいとされていますが、パイナップルやバナナは単体で食べると血糖値が上がりやすいとされています。
また、どの種類のフルーツでも食べ過ぎればエネルギーや糖質の過剰摂取につながります。農林水産省が公表している食事バランスガイドによると、フルーツの1日の目安量は200g程度とされています[3]。
下記にフルーツ200g当たりの目安量をまとめたので、適切な量に抑えるための参考にしてみてください。
フルーツ | 目安 |
---|---|
バナナ | 2本 |
りんご | 1個 |
ナシ | 1個 |
みかん | 2個 |
ブドウ | 1房 |
もも | 2個 |
農林水産省「「何を」「どれだけ」材料と料理区分」」をもとに執筆者作成
[3] 農林水産省「「何を」「どれだけ」材料と料理区分」」
1-7.ナッツ
ナッツの多くは質の良い脂質が豊富に含まれており、糖質の含有量が少ないのが特徴です。脂質が多い分エネルギーも高くなりますが、ビタミンやミネラルなどがバランス良く含まれているので栄養補給にはぴったりです。食物繊維も豊富なので、糖質制限中の間食として使いやすく、コンビニでも気軽に購入できる低糖質食品として知られています。
糖質制限中はどうしても食べる量が少なくなりやすく、摂取エネルギー不足に陥りやすくなります。良質な脂質を含むナッツを活用すれば、エネルギー確保の面からも役立つのでおすすめです。
歯ごたえがあって食感も良く、少量でも満腹感を得られる点もメリットの一つです。1日分が小分けになっている商品もあるため、摂取量をうまくコントロールしたい人にも適しています。
ナッツと一言でいっても、さまざまな商品があります。糖質制限中でも気兼ねなく食べたいなら、食塩不使用のものや無添加のものを選ぶと良いでしょう。また、ミックスナッツを購入するときは、コーンのような糖質が多い食材が入っているもの、砂糖でコーティングして甘みがついているものは避けるのもポイントです。
2.糖質制限中にコンビニを利用するときのポイント
「糖質制限中にコンビニを使うときの注意点は?」
「うまく活用するにはどうすれば良い?」
糖質制限を無理なく継続していくには、コンビニで何を買うかと同時に、買ったものをどう食べるかも大事です。ここでは、糖質制限中にコンビニを利用するときのポイントを二つ紹介します。
2-1.固形物を購入する
糖質制限中にコンビニで購入する食品は、飲み物やゼリー飲料のようなものではなく、しっかり噛める固形物を選ぶことが重要です。
糖質は液体で摂る方が固体に含まれるものよりも血糖値がより急激に上昇しやすいといわれています。これは、液体は消化吸収するために分解する工程がなく、体内で吸収されるスピードがより速いことが理由です。また、噛まずに飲めてしまうことで満足感も得にくくなってしまいます。
一見、スムージーや野菜ジュースなどは健康に良いイメージがあるものの、飲み過ぎると糖質の過剰摂取を招き、肥満の原因につながってしまうこともあります。食事は固形物から摂ることを前提として、飲み物はお茶など低カロリーのものを選んでみてください。
2-2.食物繊維を一緒に摂る
糖質を多く含む食品を単独で食べず、食物繊維や脂質と一緒に摂ることも重要です。ほかの栄養素と一緒に摂ることで、食後の血糖値の上昇が穏やかになります。
糖質に偏りやすいとされる食品は、菓子パンやおにぎり、パスタなどの麺類が挙げられます。手軽でさっと食べられるものばかりですが、糖質制限中は特に食べ方に気を付けたいところです。単品で食べると食後の血糖値が上昇しやすくなるため、一緒にサラダを食べるなどのひと工夫をしましょう。
食卓にさまざまな料理をそろえるだけでなく、食べる順番を変えてみるのもおすすめです。野菜や海藻など食物繊維が豊富な食材から食べることによって、急激に血糖値が上昇するのを抑えられ、糖の吸収を抑える効果が期待できます。
おにぎりを購入するとき、玄米や雑穀米のような未精製の米を使った商品を選ぶのもポイントです。もともと小食の人をはじめ、多くの品数を用意して食べるのが難しい人でも無理なく食物繊維量を増やせます。どんな食材を使っているのかをチェックした上で、自分の食事量に合ったものを選んでみてください。
3.糖質制限とコンビニについてのまとめ
気軽に立ち寄れるコンビニには、糖質制限中の食事にぴったりの商品が数多く販売されています。自分ですべて手作りすると手間がかかるため、コンビニの商品が活用できるのは、うれしいですよね。
糖質制限中に適した食品はさまざまですが、糖質が少ないからといって食べ過ぎてしまっては意味がありません。また、糖質制限中でも、必要なエネルギーの摂取は日々を健康に過ごすためには欠かせません。適量を守って食べる、食べる順番を工夫するなどポイントを押さえつつ、食事を楽しみながら糖質と付き合っていきましょう。
この記事の監修者
内科認定医・がん治療認定医
【経歴】
国立大学医学部医学科卒業後、公立病院にて初期研修の2年を終了後、3年目からはがん治療を専門としながら幅広く内科疾患の診療に従事。治療が必要となる前の生活習慣の改善、また病気についての正しい知識が大事であることを実感し、病気についての執筆活動にもあたっている。